青桐美幸(Blue)

ライフスタイルレコードの場にようこそ♡


自己紹介はこちらから。

 

 

自分自身と向き合い

幸せな毎日を創るために。

仕事も遊びも恋愛も、
「好き」を表現することから

自分を確立するライフスタイルを

綴っています。

 

 

 

今までの話はこちら。↓

 

◆高校生編はこちらから。

◆大学生編はこちらから。

 

【片恋物語】社会人編①過ちはいつも後戻りできなくなってから気づく。

【片恋物語】社会人編②新しく出会う。それは誰かとの決別を意味する。

【片恋物語】社会人編③誰でもよかった。自分を認めてくれる人ならば。

【片恋物語】社会人編④関係を断つのは、まるで自分の甘さと弱さに足元を掬われた感覚に似て。

【片恋物語】社会人編⑤それはどこまでも追いかけてくる。だって振り返ることをやめないから。

【片恋物語】社会人編⑥自尊心を満たす。それだけのために利用した代償は重かった。 ←今ここ

 

 

 

 

 

 

 

B「今から電話してもいい?」

 


先にメールで了解を
取ってから電話をかけた。

 


Sは快く応じてくれ、
私の酷く傲慢な話を聞いてくれた。

 


愚痴を受け止めることに疲れる、
言葉の端々に引っかかる、
相手の気持ちが重い……。

 


そう、重かった。

 


その重さを返せる強さも
包み込める広さも
持ち合わせていなかった。

 


同じだけのものが返せないなら
受け取るべきではないと
いうのは綺麗ごとで、
ただただ好きでもない相手に
己の欲を向けられるのが
苦痛だっただけだった。

 

 

 

 

 

好きではなかったのだ、結局。

 

 

 

 

 

1人でいる寂しさを埋めるための
安心感がほしかったのか。

 


20年以上生きてきて誰とも
つき合ったことがないという
劣等感を払拭したかったのか。

 


こんな自分でも「異性に好かれる」
という優越感に浸りたかったのか。

 


理由を考えたら全て
当てはまるような気がした。

 


ひたすら自分を満足させるために
たまたま出会った人を利用した。

 


吐き気がするほど最低な人間。

 

 

 

 


他の誰にも言えない自分の醜ささえ、
電話越しで飾らず話せた。

 


そして私の思った通り、
Sは否定も批判もせず
静かに受け止めてくれた。

 


それが何よりありがたく、
同時に自分の浅ましさを
突きつけられるようだった。

 

 

 

 

 

私の話を聞き終わると、
1つ質問を投げかけてきた。

 


S「相手を前にして違和感なく
好きだって言える?
言えるなら問題ない」

 


おそらくつき合い始めた直後は
素直に言えたのだろう。

 


それさえしまい込んだ本音に
気づかない振りをした上での
見せかけの答えだったけれど。

 


それでもまだ好きになれると
信じていただけましだった。

 


今ではもうそんな建前は
何の意味もなさない。

 


結論なんてとっくに出ている。

 


どう取り繕ってもKに向かって
好きだなんて言えない。

 

 

 

 

 

だって今会いたいのは、
Sだけだから。

 

 

 

 

 

⑦に続きます。↓

 

【片恋物語】社会人編⑦欲望は、時に刃となって傷つける。

 

 

 

 

 

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