※※※本編の内容・ネタバレを含んでいます。ご注意ください。※※※



みなさまこんばんはメール
満ですフランス

ファタモルガーナの館もとうとうここまでやって参りました。
現代に生まれ変わった彼ら彼女らのその後が描かれる現代編。
本編、外伝とプレイさせていただいて、もうすっかりファタモルガーナの館の皆に情が移ったので皆がそれぞれの幸せを掴めたのか気になってしょうがなくて、現代編をやれるのを心から楽しみにしていました。

結論から言うと、ミシェルとジゼルが平穏で一番幸せに暮らしてる。
あれだけのハードモード人生を千年近くやった上に、全員の魂を救ったんだもんね。
再会してからふたりは平和な一年を過ごして、ミシェルは両親から受け継いだアパートメントの大家になってふたり暮らしを始めて、ジゼルはそこの一階の空き部屋でカフェをやることになって順風満帆です。
ミシェルが機を逃さず、ジゼルにプロポーズまでしちゃうし!
もう幸せいっぱいじゃん!

さらに新しく開くカフェを経営するためにスタッフとしてマリーアが登場。
前世の記憶はないけれど、本編最終章で見せたさっぱりとして他者を妬まない、呪いのかかっていない本来のマリーアが見られてよかった。
続いてカフェの内装の手伝い要員として出てきたのが、まさかまさかのユキマサ。笑
大工仕事が得意らしくて、カウンター作りを手伝ってくれるんだけど、"木材をノコギリで解体するのは手慣れている"って言っていたのに対して、"人間を解体し慣れてるって意味じゃないですよね!?"ってテンパるジゼルが面白かった。笑

そしてミシェルは夢の中で、モルガーナが助けを求めている声を聞いて、なんとかして助けてあげたいと思い始める。
5月に入居してくる彼女は、モルガーナのはずだけど、ここでプロローグが終了して各自の短編(中編?)が始まりました。



まずは、メルとネリー編。
本編ラストでチラッと描かれていたとおり、ふたりは近くの学校に通っていて、お互い気になる存在だった。
でもふたりとも気にし合っているだけで実際に話すことはなかったけれど、フランス旅行で再会したことをきっかけに打ち解けることができた
ネリーはやっぱりメルのことが恋愛感情で好きで、自分の王子さまを見つけた!とはしゃぎながら恋をしていて、キラキラしたネリーは可愛いと思った。
イギリスに戻ってからもメッセージのやりとりをしたり、距離が縮みつつあって、もしかして現代編ではこのままネリーとメルは付き合うことになるんだろうかと思っていたら、そうは問屋が卸さなかった。
メルとネリーは幼い頃に生き別れた兄妹で、両親が和解して再婚することになったと…。
突然のこと過ぎてネリーもプレイヤーの自分もついて行けなかったけど、ネリーがメルと結ばれないということが、今回は兄妹だとは知らなかったということも相まって前世以上に気の毒に思った。
両親の再婚に乗り気な様子を見せるメルにもまた抱えているものがあって、それはメルは父親に引き取られたあと、経済的に苦しい生活をしていて、裕福なネリーと母親に複雑な気持ちがあったこと。
どうやら離婚の非は父親にあったようなことが仄めかされていましたが、広く立派な家のローンや生活費の援助など恐らくかなりの養育費を父親が払っていた影響で、父と暮らすメルにも当然しわ寄せが来ていたんです。
メルが父親の元で大変な暮らしを強いられていることは母親にだって分かるはずなのに、何もしてくれなかったんでしょうか、母親から見捨てられたような気持ちになって傷ついたんだと思います。
そして表面ではなんとか穏やかに振る舞いながら、家を疎んじて一年後には家を出て家族ごっこを終わるとメルが電話で話しているのをネリーは聴いてしまった。
でもメルはネリーと関わっていく中で、ネリーがメルを家族の中で唯一、いちばん大事に想ってくれていることを感じ取って揺れていたんです。
今回も完璧ではない、普通の人間らしいメル。
ネリーは自分の叶わない恋路を嘆いてもがいていたけれど、いっそのことメルに嫌われるようなことをしてメルを家から出させてあげようとも思ったし、色んな感情でぐちゃぐちゃになって自分の気持ちをぶつけてしまおうとやはり大胆な行動に出た。
そうです、本編1章のあの夜這いが再び。
メルは今度も拒絶して、ネリーは家を飛び出していってしまう。
元々、家が嫌で早々に出て行こうとしていたし、ネリーからの恋愛感情には戸惑っていたから、メルはこのまま関係をうやむやにするように心を傾けたけど、そこであの【誓い】が活きてきました。
【もう逃げない】という、簡単なようで普通の人なら誰でも難しい命題。
ネリーに人に言ってこなかった自分のどろどろしたところも、ネリーを妹として大切に想っていて、兄弟として支え合いたいこと、ネリーにそばにいてもらいたいことを誠実に伝えることができた。
メルは逃げそうになる自分を今度こそ克服することができたと思う
自分の心から逃げずにハッピーエンドを見つけたネリーもメルはふたりとも偉い!





次は、ユキマサとポーリーン編。
個人的にユキマサとポーリーンの関係性が大好きなので、あと10時間くらい尺があっても良いくらいでしたが、じゅうぶんハッピーエンドが観られてよかったと思っています。
ユキマサはフランスへ転勤してきたシステムエンジニア、ポーリーンはフランスへ語学留学をしている。
パリのバーで運命の再開を果たし、お互いに前世の記憶はないものの、どこか運命を感じてお付き合いを始めた。
今回は割とユキマサの方からアプローチしていったかと思うけど、ポーリーンの方も引越し準備を手伝ってもらいたいと言ったりしてふたりともちょうどいいバランスで短期間でぎゅっと距離が縮まったと思う。
ユキマサの獣の衝動ですが、やっぱり今世でも人を傷つけ血を流させたい、人を殺してみたいという欲望はあるみたいで、幼い頃から次第に大きく膨らんでいく自分の中の獣を抑えながら生きていました。
とはいってもそれはギリギリの綱渡りをしているようなもので、ユキマサは殺しはしないけれど、暴行しても差し障りがないと考えた者を半殺しにする不良狩りをしていた。
殺人までいかなかったのは、彼の場合も前世の誓い【もう人を殺さない】が活きていたから。
血塗れになるほどの暴力を愉しんでるので殺人までいかなくても危うさはあるけれど、ユキマサとしてはこれが精一杯なんだというのは伝わってきた。
ポーリーンは今世でもユキマサを穏やかな人の世界に繋ぎ止める重要な鎖で、ユキマサは彼女の前で誠実男を演じていたけれど、とうとう綻びが出てしまう。
ただこの場合、綻びが出て結果的にふたりの関係はこれまでのどの時代よりも最も深いものになったと思う。

人と獣の間で揺れる心情といい、ユキマサはふたつの感情で揺れ動く人のようです。
彼はポーリーンだけは生かしたいと思うと同時に、ポーリーンだけは殺したいと思っていたことが分かって、あーそういうふうにも思うんだね、殺人願望があるくらいだから一番大切な存在にそういう気持ちを抱くのも分からなくもないかなって驚きつつも納得するところもあった。
彼は【鎖】からの解放の快感に魅力を見出していたんです。
殺人しなくてもクレイジーな面を見せてくるユキマサまじユキマサ

前世の記憶(正しくは記憶の世界での記憶)でのポーリーンは相手を盲信してしまうというマリーア姐さんからの言葉がフラッシュバックしたポーリーンは、ユキマサを信じるけど彼が隠している秘密と向き合うことを決める
ユキマサ不在の家にこっそり入って、すぐにユキマサは帰ってくるのだけど思わずクローゼットに隠れてしまい、彼が眠ったのを見計らって帰ろうとするのだけど、ついつい無防備なユキマサに添い寝したくなっちゃったポーリーンが可愛い。
ユキマサは無防備なポーリーン見ると殺したくなるとか不穏なこと言ってたのとえらい対象的というかなんというか…と思っていたら、ポーリーンが隣りにいるのが夢だと思い込んだユキマサは、獣の心を発動させて彼女を思い切り首締めし出した。
って、えぇ!?
しかもこれ本気の首締めで、ポーリーンの涙ながらの声掛けでユキマサ手離してくれるよねってハラハラしながら見ていたけど、ユキマサが我に戻ったときにはポーリーンの息は無くなっていました…。
正気に戻ったユキマサが激しい後悔の念に苛まれながら、これまで奪うばかりだった殺人とは真逆の、人の命を救う行動に出るところには感慨深いものがあった。
ユキマサの首締めによって呼吸が止まり、またユキマサの救命活動によってポーリーンは息を吹き返したときには、もう…、なんて言ったらいいのか分からないくらい安堵した。
このままもしもポーリーンが死んでいたら、モルガーナの呪いがなくてもユキマサ獣の心まっしぐらになるかもしれないと思ったから。

ユキマサは殺人願望に加えてポーリーンを殺したかったことや、彼女は自分の理性を繋ぐ大切な存在だけど愛してはいないことなど自分の隠していた本性を洗いざらい話し、彼女に謝罪して、自分を警察に突き出してほしい、それができないなら自首をすると言い出しましたけど、今回のポーリーンはこれまでの彼女とは少し違う対応だった。
てっきり最終章のように罪を償うことを促して、ユキマサが刑務所から出て来るのをいつまでも待ってる!って言い出すのかと思っていたけど、ポーリーンは警察には通報しないし、自首もしてほしくないと言った。
被害者に憐れみを向けるべきなのだろうけれど、社会的に許されない願望のため自分を抑えつけて生きていくしかないユキマサを可哀想に思ったらしいです。
殺人は犯してほしくないけれど、ポーリーンはユキマサのすべてを受け入れました。
ユキマサの鎖であることを自主的に受け入れたどころか、彼女自身もそう願っているようだった。
"私以外に鎖を作らないで"という言葉は、“綿以外に好きな人を作らないで”というのとほぼ変わりない意味だと思うのに、執着と少し歪んだ愛を感じて、物語的にちょっとぐっときた。
翌朝、事実を受け入れながらも何もなかったかのように朗らかなポーリーンに、彼女は自分よりも異常かもしれないとユキマサは感じていたけれど、どこか危うい者同士ふたりの絆はより深まったと思う。
今までユキマサは心の美しい聖女のような人を鎖としていたし、罪人を赦すポーリーンも聖女の一面は持っていると思うけど、本当に純度100%で善意のみを持つ女性では、ユキマサに長く寄り添うことはできないんじゃないかと思う。
もちろんユキマサの殺人は止めても、殺人願望を持ったユキマサを受け入れて愛する、やや歪かつどこまでも純粋な今世のポーリーンならば、彼とずっと一緒にいられるんじゃないかと。
ユキマサはもう秘密をひとりで耐えなくてもよくなったし、ポーリーンの前でにこやか誠実男を演じるのを止めて"以前よりも親しくなった"と言っていたし、万々歳だと思う。
私は漫画やアニメ、ゲーム、ドラマCDなどで色んな殺人鬼を見てきましたが、ユキマサは人と獣の間で苦悩していても、結果的には一番幸せな殺人鬼キャラだと思います。

あと贅沢を言うと、血塗れのユキマサとポーリーンが抱き合うスチルが観たかったです。

というわけで、ポーリーン、これからもユキマサの手綱をちゃんと握っていてね!




我らがヤコポのターンが来たぜ!

現代では不動産関係の仕事について、休日返上で仕事に打ち込む上昇志向の仕事人間になっていたヤコポ
この辺りは大体イメージ通り。
ヤコポは前世の記憶は完璧にはないけれど、ミシェル&ジゼルを除いたら生まれ変わり組の中で一番記憶を保持していると思う。
夢の中で度々、黄金の小麦畑でモルガーナと共にいた時のことを覚えているみたいだから。
目覚めたときに胸が苦しくなっているって、恋心とあの罪悪感がないまぜになって今もヤコポの魂に残り続けているんだ。
ヤコポは現代で彼女を見つけることができるんだろうか?それとも第三章のようにずっと待ち続け、探し続けることになぅてしまうのかと思っていたら、仕事終わりのバーでマリーアと再会(お互い記憶はないけど)したあと、近道した公園でモルガーナとついに再会できた。
このままエンドでもいいくらい嬉しくなっちゃいましたが、まだまだここから。
ふたりとも前世の記憶がはっきりあるわけではないけれど、前世で仲良くやっていたときのように憎まれ口を叩きあったりして初対面(?)ですでに仲良い。
家出娘のモルガーナ(また深刻な事情があるんだろうなぁ…)を放っておけず、雨が降っていたので傘をキオスクで買ってあげたり、ヤコポらしい優しさが見えました。
そしてですね、結構びっくりしたのですが、翌日もまだ公園にいたモルガーナをヤコポ、なんとお持ち帰りしたんです。(違わないけど違う)
…といっても、ヤコポはモルガーナにちょっとドキマギしながらもとても紳士的に接してくれて安心した。笑
にしても彼シャツモルガーナは不意打ち過ぎた。
ヤコポもモルガーナも安易に相手の深い領域に踏み込まないように思いやりながら、そして毒づきながら(笑)、2週間ほど幸せな同棲生活を送る。
前世や前前世、記憶の世界でのことがあるから余計に、平和に毎日を過ごすふたりを見ていると嬉しさがぐわっと登ってきます。

そして覚悟はしていたけれど、モルガーナは今世でも家庭環境には恵まれなかったようで、それどころか背中に残ったあの痣を前世の業だと母親や神父から言われ、義父からは酷い言葉を浴びせられて母親はそれを庇いもしないらしくて、ヤコポはモルガーナの義父に殺意を覚えていましたけど、私もヤコポと共に説教かましたいというか通報したい気持ちになった。
これ以上モルガーナに辛い目に遭ってほしくないし、たとえ前世で千年人を呪った過去があっても、それは彼女が千年苦しんだということなのだから、業だなんてもう帳消しでいいと思う。

過去をやり直すかのように、ヤコポはひたすらモルガーナに寄り添い、モルガーナも彼と共にいることに安堵を覚えるようになった。
モルガーナが遠慮して悪く言わない家庭のことをヤコポが代わりにすごく怒ってくれたおかげで、彼女は家に戻って家族と向き合うと決意することまでできた。
そんな中で、ふたりの前世の記憶が蘇って、ハッピーエンド待ったなしかと思っていたのに一気に不穏な空気に…。
家を飛び出したモルガーナをヤコポは追いかけて、今度は彼女を見失わずに見つけられただけでグッとくるものがありました。
ヤコポは決して過去の行いから逃げず、モルガーナから逃げず、全てと向き合ってくれました。
"君の幸せだけを願っている"と。
モルガーナもFragmentで小麦畑でふたりで過ごしたあの世界を思い出せたみたいで、湧き上がった憎しみは再び氷解していった。
しかも新事実として、そもそもふたりがFragmentで小麦畑の世界にいたのは、ヤコポが自責の念から自ら魂を消滅させてようとしていたところをモルガーナが引き止めて、来世へと魂を導いていたことが判明。
もうふたりとも両想い確定でいいと改めて思った。

モルガーナは義父に連れて行かれるけれど、ヤコポは義父に激怒してくれたし、こっそりモルガーナの服のポケットに児童相談所などの相談機関の電話番号を買いたメモを入れてくれていた。
ヤコポ…!!
もしもヤコポとの日々がなければ、たとえ相談機関の連絡先がわかってもモルガーナは家から抜け出すことはできなかったと思う。
会えなくなったとしても、ヤコポがモルガーナの心を支えてくれたから、モルガーナは現実と闘う勇気を得て、そして打ち勝てた。
ヤコポはミシェルこそが彼女の手を取れる者だと引け目を感じていたけれど、ヤコポは間違いなく、モルガーナから何も奪わないどころか、彼女を解放し救う者になったと思う。
前世だって本来、ヤコポはモルガーナを救う者だったんだよね、運命がおかしくならなければ…。



そしてエピローグ。
ミシェルとジゼルのいるアパートに入居したモルガーナは、ふたりに思いっきり甘えながら幸せに暮らしていました。
そうだよ、あんなに大変な思いをしたんだから、モルガーナはこれからずーっとゲームでもしてゴロゴロしてていいよ!

ジゼルがオープンするカフェの開店記念のパーティーに、知り合いや関係者を呼ぶことになったけれど、これはもう全員集合しかない。笑
実際、記憶はないと言っても、みーんな集まってきて、そしてみんな幸せに生きていました。
ユキマサはミシェルの記憶はないはずだけど、"どこかのステンドグラスで見た気がする"といっていてミシェルからツッコミを入れられていた。
ユキマサがミシェルを天使扱いしてツッコまれるのは、もはやファタモル定番コント。笑

ヤコポとモルガーナもまた再会して、ヤコポは彼女に告白できた!
ヤコポとモルガーナとマリーアのイタリア旅行で、故郷も見つけられたみたいで、彼女たちの今後の人生が平穏であることを暗示するような終わり方だった。

私がプレイしたvita版ファタモルガーナの館は、これにて感想終了とさせていただきますが、これからまだまだファタモル関連のゲームもやってみたいと思っています。
PCフリーソフトとして人気投票のミニゲームや、同一キャラ別世界の短編ゲームもあるんですって!
なので、そのときに感想を書いたらまたブログにupします。
ご興味のある方はお暇なときにでも覗いてやってください。
よろしくお願いします♪
そしてありがとうございました!