フィールドワーク2002・リポート(1) [54号 2002年6月15日発行]
やや雨模様のお昼前、迎えてくれたAssociation Ipo Taï Taï Yé会長テレーズさんは、気さくで多弁で明るくお茶目な人柄たるや、我らが愛するグループのイメージそのもの。保険会社管理職の地位と人脈を活かして、まだ知名度の低かったグループのライヴに多くの人を招待し続けたが、会社の吸収合併でリストラに遭い失業、それでも何とか彼らの支援をと方法を模索し、この会を立ち上げたという行動派だ。今後はネットを利用しての情報発信やライヴ会場でのCD販売に加え、同ジャンルつまりユーモア系グループの新人サポートにも乗り出すとか。聞くこと全て興味は尽きない。メンバーとのエピソード、サンテチエンヌでのライヴに仕事のあとパリから飛行機で駆けつけて大感激されたこと…でもこれは「私の遠距離記録は抜かれちゃったわね」と羨ましがられてしまった。
「多分またシャルトルで」と別れて、筆者は北の町ヴィルヌーヴ・ダスクへ移動[宿泊費節約のためリール大学留学中の後輩宅に居候、買い出し・給食当番と化す]、ところが大きな誤算が待っていた。Fnac[書籍・CDなどを扱うフランス全国チェーン店]で買えるとタカをくくっていたチケットがいつまでたっても発売されない。痺れを切らして会場窓口へ直接問い合わせたところ、返ってきた答えは「完売です」……嘘だろ～!!! これじゃ無理してこんなに長い滞在日程を組んだ意味がない、いやそもそも来たこと事態虚しくなってしまう。何たるドジ。せめて慰めてもらおうとパリのテレーズに泣きの電話を入れたのだった。（以下次号）
De concert et d'imprevu...[2006]
De concert et d'imprévu... [2006, Chanson Plus-Rym Musique/Universal 3017516]
２枚組CD。ディスク１はライヴ音源集。長らく絶版となっていたカルテット時代の集大成、アルバム『ライヴ・ベスト Le meilleur en public』[97]の版権を買い取り、これに新音源をプラスして再発するついでに、未発表曲とレア物でもう１枚オマケしちゃえ、と作ったのがディスク２。可愛らしいジャケットに散らばっているものたちは全て収録曲に関係していて、謎解きの楽しみも。
ディスク１ «De concert»
01 Champion l'amour 愛が守護神
02 Les micro-ondes 電子レンジ
03 Les Huitres 牡蛎
04 J'ai un bouton sur l'bout de la langue 舌の先におでき
05 Les tics チック
06 Honte à la trompette トランペットに恥あれ
07 D'Georges Bouch' ヂョージ・ブッシュ
08 Quand un soldat 兵隊が戦争に行く時
09 Au bilboquet des planètes 惑星たちの剣玉では
10 Peler les noix 胡桃むき
11 Marion les filles 嫁にもらおう
12 Extrait poétique 詩の一節
13 Vive le vin ワイン万歳
14 Mystère des voix du Gard ガール県ヴォイスの神秘
15 Prince de l'Amur アミュールのプリンス
16 Le moteur à explosion 内燃機関
17 L'intermittente 興行フリーランスの労働歌
18 Moi je fais la vaisselle 僕は皿洗いをする
19 Trio du Jambon de «Tromb al Cazar»
『トロンブ・アル・カザール』より、ハムのトリオ
20 Jobard ジョバール
21 Xavier je t'aime グザヴィエ・ジュテーム
22 L'informatique パソコン
23 Au volant de l'espace ルノー・エスパスのハンドル
24 Yop ho ヤッホー
25 surprise （お楽しみ）
＊このディスクで新たに追加されたのは、トリオになってからの替え歌の傑作揃い(02, 07, 18, 22など)。『ライヴ・ベスト』から再収録されなかったものも４曲ある一方、15, 25などデビューアルバムの『ウロぺアン・ライヴ Chanson Plus Bifluorée』[91]でしか聴けなかったカルテット最初期のレパートリーも収録されており、しかも別音源。05はレ・フレール・ジャックへのトリビュート・コンサート(96年1月)でとりあげたナンバー。
ディスク2 «D'imprévu...»
01 Ipo i tai taï yé イポイタイタイイェ～
CH+Bのテーマ曲を子どもたちの合唱で
02 Les forçats du gosier 僕らは喉の徒刑囚
フランス人の７人に１人が観たともいう映画『コーラス』主題歌の替え歌。ツアーにリハーサルにレコーディング、過酷な芸人生活を嘆く。
03 La Marie マリー
赤ずきんちゃんと親指太郎が森の中で出会ったら？
04 Le temps ne fait rien à l'affaire 馬鹿に歳は関係ない
ブラッサンスのカヴァー。若者は老人を、老人は若者を馬鹿にするが...
05 La guidouille ラ・ギドゥイユ
ちょっとアブナイ、トラッド曲
06 Le duo célèbre 有名なデュオ
シルヴァンが次曲を紹介
07 Jeunes Mariés 新郎新婦
1930年代に活躍したデュオ、ピルスとタベ Pills et Tabetのナンバー
08 Les animaux du monde 世界の動物たち
犬・猫・ミツバチの合唱。声帯模写はCH+Bの持ち芸のひとつ。
09 Quand Ségolène セゴレンが数える時
07年５月の仏大統領選でサルコジとの一騎討ちに散ったロワイヤル候
補が主人公。元歌はジャック・ドゥーエ Jacques Douai のFile la
laine。
10 Le temps des cerises 桜桃の実る頃
11 Kiri le clown ピエロのキリ
12 Chanson pour José ジョセの歌
反グローバリゼーション運動の旗手、ジョゼ・ボヴェに捧げる
13 Tous les gens sont bô みんなキマッテル<試聴>
「ボーイズ Boys」[99]の曲違いバージョン
14 Plus médiéval tu meurs 死ぬほど中世
イポイタイタイイェ～古楽バージョン。
カルテット時代の名唱をトリオで再演。
15 Aujourd'hui il neige 今日は雪
スケッチ
16 Ninon ニノン
ニノンはウィともノンとも（ニ・ウィ・ニ・ノン）言わない女の子
17 Capitaine Flam キャプテン・フラム
アニメ『キャプテンフューチャー』フランス語版主題歌を好唄！
18 La plus bath des javas いちばんイカしたジャヴァ
これも第２次大戦前の懐メロ（ジョルジウス Georgius）。
子どもたちのバックコーラスと共に。
19 Météo 異常気象
20 Colargol コラルゴル
70年代フランスの子ども番組とか。
21 Grammaire song 文法ソング
フランス語の文法を楽しく！
22 surprise （お楽しみ）
全ディスク
＊公式サイトのディスコグラフィーへ＊
＜CDアルバム＞ *はライヴ録音 #は２枚組
（タイトルをクリックするとアルバム紹介記事ページが開きます）
1991 *Chanson Plus Bifluorée
[CPB Prod./Nocturne-Média7 NTCD306]
1992 Pourquoi les girafes ? [Fnac Music Prod./WMD 592091]
1994 Jobard [Fnac Music Prod./WMD592328]
1997 *Le Meilleur en public [Viva Prod./Arcade 302319]
1999 Au bilboquet des planètes
[Globe Music DIC B11942; Rym Musique/Universal 198911]
2001 #Pour de vrai, pour de rire
[CPB-Rym Musique/Universal 198296]
2003 *Le Cédé en public [Polyfolies/Rym Musique/Universal 3016703]
2005 Peinture à carreaux
[Chanson Plus-Rym Musique/Universal 3017150]
2006 #*De concert et d'imprévu...
[Chanson Plus-Rym Musique/Universal 3017516]
2008 Y'a des animaux dans mes chansons
[EPM/Universal ISBN: 978-2-35034-064-7]
!) CD+本 Sylvain et les Bifluorésのアーティスト名でリリース
2009 La plus folle histoire de la chanson
[EPM/Chanson Plus Bifluorée 3018025]
2011 Poèmes [EPM/Chanson Plus 2764867]
2012 25 ans la compil' [EPM/ChansonPlus 3711086]
2014 Le Grand Casting [EPM/Chanson Plus 3785727]
2018 A table ! EPM/Chanson Plus 6717556]
2021 Au revoir et merci
[2CD 2021 EPM/Chanson Plus 3874726]
＜CD+DVD＞
2016 #*Au Théâtre La Bruyère [EPM/Chanson Plus 4798513]
2019 *Passe à table [EPM/Chanson Plus 7766882]
＜CDシングル＞
2001 D'Georges Bouch'
[Chanson Plus-Rym Musique/Universal 192950]
＜DVD＞
2003 *Le Dévédé en public
[Polyfolies/Rym Musique/Universal 3016702]
2012 *Les Bifluorés au chœur des chansons [Musiquenvie]
<VHS>
1992 *Chanson Plus Bifluorée [Nocturne-Média7 NTVD606]
＜他アーティストのアルバムへの参加、オムニバスアルバム収録など＞
（オリジナルアルバム収録のものは除く）
1992 TSF / シャンテ・シャンテ（原盤：Un p'tit air dans la tête）
[Sony SRCS5820]
04 ペダル・ボート（原題：Pédalo）
1993 Kent / D'un autre occident [Barclay 511484-2]
10 Quand on pense à java
199? Ils chantent Brassens [Flarenasch/WMD 472358]
01 Les funérailles d'antan
1998 Valérie Ambroise / Vous êtes là ce soir
[Valérie Ambroise Réf.3833]
disque B 02 Le temps ne fait rien à l'affaire
1996 Hercule & Sherlock（サウンドトラック）
[La Bande Son LBS10961202]
18 Donne-moi ta patte