”肉”という名のトラットリア
私の住んでいる杉並は本格的なイタリア料理屋が少なく、ある意味イタリアン不毛地帯と言えます。
結構人気のある店もピザ屋を含めて数軒有るのですが、食べてみるとやはり味は・・・
休みの日に気軽に行けるイタリアンの店があればどれほど良いだろうとずっと思っていたのですが、
西荻窪在住の食通、ワイン通の編集者から、西荻窪の駅の近くに本格的なイタリア料理を食べさせる
トラットリアができたと情報が入り、先日3回目でようやく予約が取れ行ってきました。
そのトラットリアが
TRATTORIA 29(ヴェンティ ノーヴェ) です。
外観も内装も洒落たカフェのような店なので、食事をする前は 「この辺によくある、イタリアンなのに
エスカルゴやパエリアがメニューにあるような店じゃないよな」 と思いつつ、メニューを見ると本格的な
料理なので一安心(笑)。
コペルトに付いている野菜が結構大盛りで出てきます。
これを他の店でバーニャカウダでオーダーすれば結構な値段を取られると思います。
オリーブオイルにハーブ塩やワインビネガーを入れて食べます。
これだけで食前酒の良いつまみになります。
前菜一品目は、”佐賀県産アスパラとポーチドエッグ”
旬のホワイトアスパラとグリーンアスパラにトロトロのポーチドエッグを添えて、
パセリとケイパのソースで食べます。
アスパラもソースも美味しく、ポーチドエッグをつぶして食べると一層美味しいです。
味もさることながら、ボリュームも本場のトラットリアと変わらないボリュームです。
前菜二品目は、”タコと新じゃがの温サラダ”
私の大好きな前菜で、現地でも良くオーダーします。
シンプルな料理なので、タコの食感とジャガイモの甘さ、塩加減とオリーブオイルの風味が大事ですが、
全て調和が取れていてたいへん美味しいです。
セロリが少し入っていて、味のアクセントになっています。
これも結構ボリュームがあります。
パスタは迷わずこの店の定番パスタ、
”タリアッテッレ ボロネーゼ”
肉の量がすごいです(笑)。
パスタが見えないくらいです。
イタリアでボロネーゼを食べると、結構塩味がきつくて食べていると飽きてくることが多いのですが、
この店のボロネーゼは、塩加減も繊細で肉のうま味が引き立っています。
タリアッテッレの茹で加減も良く、美味しいのですが、前菜同様ボリュームが多く…
既にお腹が膨れてきました(笑)。
ガッツリ系がお好きな方にはたまらないパスタだと思います。
初めて来たので、この店の売りである ”肉” は絶対に食べなければなりません。
と言うことで、既にお腹がきつかったのですが、セコンドは肉をオーダーしました。
”北海道産 黒毛和牛ランプ 炭火グリル”
”300g 約二人前” とメニューに書いてありますが、このボリュームです(笑)。
味は言うまでもなく美味しいです。
フィレンツェで食べるビステッカ フィオレンティーナが、よくメニューに500gからと書いてありますが、
ビステッカ フィオレンティーナの500gは骨も含めてなので、肉だけで300gというのは、
草食系の私にとってはかなりの量です(笑)。
肉たっぷりの タリアッテッレ ボロネーゼ を食べてから肉の炭火焼ですから、
予想通り完食できず、二切れ残してしまいました。
デザートは別腹なので、”クレーム カラメル”
ソースがかなりビターでオトナな味のデザートです。
肉をかなり食べた後なので、甘さを抑えたデザートは助かります。
たいへん美味しく、肉を残したのに完食しました(笑)。
どうして店の名前が ”29” なのかと思ったのですが、メニューを見てすぐに ”肉”とかけている
と気づきました。 パスタや前菜は魚介もあるのですが、セコンドは全て肉料理です。
シェフは肉料理の本場、イタリア ボローニャの名店やフィレンツェのカリスマ肉屋で修行をして
肉料理を極めた人です。
家から車で10分くらいの場所に、こんな本格的なトラットリアが出来たのは嬉しいのですが、
席数が少ないので、週末はなかなか予約が取れません。
それでも、場所が住宅地の西荻窪なので、2回転目(20:30以降)は空いています。
早い時間は満席のうえ、シェフと奥さんの二人でやっているので料理も待たされることも多いようです。
とにかく本場で食べるのと同じポーションなので、量を考えてオーダーしないと食べきれないかもしれません。
因みに、今回オーダーした料理は3人でシェアして丁度良い感じでした。
中央線沿線や井の頭沿線にも、もっとこのような本格的なイタリア料理を食べさせる店が増えばと思います。
近場にある店は、着ていく服もカジュアルで、思い立った時にすぐに行けて、美味しいモノが食べられる。
そんなところが良いのですが、イタリアンに限らずまだまだ少ないのが実情です。
”TRATTORIA 29” は西荻窪の駅から近く、コインパーキングも近くに何か所もあるので、
車で行かれる方も行きやすいと思います。
現地で本場のトスカーナ料理を食べたことのある方も満足できる味です。
特に肉料理がお好きな方は、是非一度食べてみてください。
TRATTORIA 29
東京都 杉並区 西荻北 2-2-17
http://trattoria29.jugem.jp/?pid=1
ゴールデン ウィークが終わり、今週からイタリアのサプライヤーが2013年春夏のミーティングの為来日します。
イタリア本国がかなり不景気で、日本、韓国、中国などのアジアのマーケットに対するセールスに各社力を
入れているので、セールスにもかなり力が入ったものになるでしょう。
今日は LARDINI のクリエイティブ ディレクターのルイジ ラルディーニ と ブランドマネージャーの
エンリコ アイロルディ が来社して、2013年春夏のミーティングを行いました。
エンリコはネイビージャケットにブルーのシャツ、ネイビーのタイと、上品でコンサバなミラノスタイルです。
対してルイジは、クラシックなスタイルをアレンジした個性的なスタイルです。
彼らに敬意を表して私も今日はラルディーニのデニムジャケットでした。
彼らに会うと、いつもラルディーニのアイコンであるブート二エールを付けていない事をツッコまれるのですが、
ラペルには何も着けないのが私のポリシーなので、こんなところにブートにエールを着けました。
時計を見るときだけ着けているのが分かるので、このくらいの方が控えめで私のスタイルには合います。
これでもチョット気恥ずかしいですが(笑)。
ナポリへ、ようこそ。
私が海外出張に出かけるようになって20数年になりますが、最初の頃はパリやロンドンがメインで、
その後、PITTI UOMOの規模が大きくなっていくににつれて、フィレンツェやミラノへ行く機会が多くなりました。
最近でこそナポリへ頻繁に行くようになりましたが、90年代中ごろは、私にとってナポリはまだ未開の地で、
様々な人から ”ナポリはデンジャラスな町だ” と聞かされていました。
その頃、ある雑誌でこんな特集が組まれました。
Esquire 日本版、1994年 6月号、”ナポリへ、ようこそ。” という特集です。
この号は、私がナポリの様々な文化について初めて触れるきっかけとなった特集でした。
発行当時、まだ行ったことのないナポリに関して、誌面を何度も読み返しイメージを膨らませたものです。
巻頭ページには、”人間が生み出していくものすべてを包み込んでいるミステリーの町”
と書かれていますが、その当時はその意味が分からなかったのですが、現地行って色々な人たちと関わり、
様々な文化に触れた今の自分が思うのは、ナポリはまさにミステリーの町です(笑)。
今では恵比寿に支店もできた ”ダ・ミケーレ” も、当時はこの特集を見て、
”どんなに美味しいピザなのだろう” と想像するしかありませんでした。
このページで、”ピッツア一枚 4000リラ” と書かれていますが、当時は1リラ=¥0.09 程度だったと
思うので ¥360 くらいだったことになります。
私が初めてダ・ミケーレに行ったときは、すでにリラからユーロになっていて、ピザと飲み物で6ユーロでした
ので、当時の倍以上の値段になっていたことになります。
それでもピザと飲み物(コカコーラかビールかミネラルウオーター)で、たった6ユーロで食べられるというのは
ビックリしたものです。
今では特別なものではなく、有名百貨店の食材売り場で買える、モッツアレラ、スカモルツァ、
サルシッチャ、ババ、リモンチェッロ も、その当時ミラノやフィレンツェのレストランで食べていましたが、
「ナポリで本場のモノを食べたらどんなに美味しいのだろう」 とイメージを膨らませたものです。
当時は、まだ名前しか知らなかったナポリの名店 ”ロンドン ハウス” に関して書かれている
ページもあります。
このページには、仕立ての事や生地の事やナポリスタイルの事が書かれています。
当時PITTI UOMOにロンドンハウスが出展していたので、マリアーノ ルビナッチ自身のスタイルは
見ていたのですが、「一体ナポリの店はどんな店なのだろう」 と興味を持ったものです。
そして、この号で私が最もインパクトを受けたのが、このページでした。
マリネッラの顧客が、初めてマリネッラでネクタイをオーダーした時のエピソードが書かれています。
その話もさることながら、どう見ても一目でサルトで仕立てたとわかる、英国生地のチェックジャケットに、
当時のイタリアのシャツの特徴の一つである、ステッチの幅が広い、発色の良いブルーのシャツ。
そしてネクタイは、当時流行していた段落ちのレジメンタルタイ、もちろんマリネッラのタイです。
クラシックな色柄のジャケットをエレガントに着こなすこの写真を見て、更にナポリの服に対するイメージが
膨らみました。
その数年後、初めてナポリに行くことになりますが、空港に出迎えてくれたナポリのあるシャツメーカーの
社長の車で、そのシャツメーカーの工場に直行することになったのですが、その工場がナポリでもかなり
危険な地区にあり、その町に入った途端、道路はゴミだらけ、目つきの悪い現地の人たちが車の中にいる
私たちを珍しそうにジロジロと見ています。
直感的に 「これはかなり危ないな」 と思いながら、怖いもの見たさに外を眺めていると、
その町の真ん中で車が止まり、工場の中に入った途端、刑務所のような分厚い鉄の扉を閉めて、
「着いたぞ」 と言われ、「本当にこんな危険なところでシャツ作ってんの」と、いきなり
カルチャーショックを受けました。
仕事が終わりホテルに行く途中、当時の私の上司が 「ナポリはヤバいね~」 と呑気にシャツメーカーの
社長に言うと、「俺は16歳の頃に口の中にピストルを突っ込まれて殺されそうになった」 と言って、
私たちを驚かせました。
初ナポリは、もっといろいろなエピソードがあるのですが、長くなるのでまた別の機会に書きたいと思います。
それから今まで、何度となくナポリを訪れ、様々な場所に行き、様々なナポリ人と知り合いになり、
ナポリの良いところも悪いところも見てきましたが、いまだにナポリは他の都市に比べて色々な意味で
緊張しますが、それがまた 「怖いモノ見たさ」 のような感覚で、なぜかまた行きたいと思わせる
不思議な魅力があります。
いまだに日本人の団体ツアーは自由行動が許されず、ナポリの観光スポットのCastel dell’Ovo(卵城)
の前で10分だけバスから降りて記念撮影という光景を見ますが、確かにいまだに危険な場所や危険な
事はたくさんあり、自分自身で相当気を付けていないと何が起こるか分からないという ”危うさ” がナポリには
あります。
それでも ”ナポリを見て死ね” と言われるナポリ、行ってみたいと思われる方は、
団体旅行ではなく、是非個人旅行で行ってみてください。
ただし、”危険なところには行かない” ”時計や貴金属は身に着けない”
これだけは注意して観光を楽しんでください。
タイドアップ
先日 ”LEON SNAP vol.7 2012年春夏編” が発売されました。
いつものように誌面をじっくり見ていると、知ってる顔や見たことがある顔や、どこの人?という感じの
人たちまで、様々なスタイルの人達が誌面を飾っています。
今回の LEON SNAP を見ていて、「昨年の春夏号とは少し違うな」という印象をうけました。
その違いとは…
ジャケットスタイルにタイドアップをしているスナップがかなり増えている事です。
ここ数年、ドレスクロージングのカジュアル化が進み、特に6月のPITTI UOMOではスーツを着た人が激減し、
ボリオリやラルディーニやLBMなどに代表される、軽くソフトなカーディガンのようなジャケットを
ファイブポケットやカーゴパンツやチノパンなどのカジュアルなパンツと合わせ、
ノータイでリラックス感のあるコーディネートをした人たちが急増しました。
その結果、多くのスーツメーカーがコレクションをスーツからジャケット中心に変更し、
多くのシャツブランドがカジュアルシャツのバリエーションを増やし、
ネクタイ ブランドはネクタイが売れないので、スカーフなどの巻物のコレクションを充実させ、
結果的に更にドレスクロージングのカジュアル化を進ませる要因となりました。
しかし、さすがにこれだけ何年もジャケットを中心としたカジュアルなスタイルが続くと、
現地の業界人達も少し飽きがきていて、特にお洒落に敏感な人たちを中心に、
「ネクタイをしたい」 「そろそろスーツが着たい」 という声が多く聞かれるようになってきているのが
そして、今年の一月のPITTI UOMOでは、その傾向が更に顕著に見られました。
多くのブランドがジャケットにタイドアップしたディスプレイを打ち出していました。
画像を見てもわかるとおり、ジャケットの襟を立てたり、洗いのシャツを合わせたり、
カーゴパンツを合わせたり、あくまでもカジュアルに見えるジャケットコーディネート
に敢えてネクタイをするというのが、次の秋冬のジャケットコーディネートの打ち出しになっています。
実際に、業界人たちもジャケットにタイドアップした人たちがかなり増えています。
ご覧のとおり、流れに敏感な人たちは、カジュアルなジャケットやローゲージニット、ジレ、
カーゴパンツ、スリムチノと、昨今のトレンドアイテムとコーディネートする際にもタイドアップした
人達がかなり多くなっています。
たまたま、今回のLEON SNAPを見ていて、タイドアップの写真が多く見られたので、
偶然なのか、編集部の意図があってタイドアップの写真が多くピックアップされたのか分かりませんが、
その内容だけ見れば、明らかに次の秋冬に繋がる傾向を春夏のスナップで見ることができるという事に
少し注目して誌面を見ていました。
LEON SNAP の写真は、毎回PITTI UOMOのメイン会場の前で、カメラマンが開場から閉館まで、
約8時間ずっと写真を撮り続けています。
その枚数は、PITTI UOMOの会場でスナップを撮っているメディアの中で、おそらく世界一だと思います。
膨大なスナップの中から誌面のスナップを選ぶので、それを選ぶだけでも大変な作業だと思います。
私自身も、今シーズンはジャケットにタイドアップしたり、スーツを着る機会が増えています。
春夏は暑くなってくるとタイドアップは厳しくなってきますが、4月 5月は快適にタイドアップできる
時期ですので、今積極的にタイドアップしてコーディネートを楽しんでいるという感じです。
タイドアップと言っても上の画像を見て分かると思いますが、ほとんどが無地のタイかチェックのタイです。
特に無地のタイは多くの方が持っているタイだと思います。
それらを使えば、ジャケットのタイドアップスタイルは特に難しいことはありません。
春夏であればニットタイやフレスコ、秋冬であればウールやカシミアのタイなどが最も使えるネクタイです。
今回はネクタイメーカーの回し者のような感じですが(笑)、確実にタイドアップは戻ってきています。
興味のある方は、この春夏タイドアップスタイルを取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、信用できない方は(笑)、秋冬に向けて予備知識として頭の片隅に入れておいてください。
ということで、今回のLEON SNAPを見る際には、そんなことも少し気にして見ると、
新たなコーディネートのヒントが見つかるかもしれません。
2012春夏の買い物 6
今シーズンは買い物のペースがいつもより早いです。
それでも、ここ数年購入したもので今年も着られるものが結構あるので、
それらと合わせて着ることも考えながら、計画的な買い物をしています(笑)。
シーズン前から買おうと思っていたモノが、いざ買おうと思ったら既に在庫がなく… というような、
いつものパターンに陥りそうな感じだったので、昨日追加オーダー分が入荷したこのパンツを
すぐに購入しました。
このメトリコ、モデル名は ”CHINOW”(チナウ) と言って、今シーズンの新しいモデルです。
紙タグにも ”CHINOW” と書いあって、その下に ”REGULAR FIT” と書いてありますが、
実際のシルエットは、しっかり今どきの ”SLIM FIT” です(笑)。
このチナウ、ディティールにも特徴があります。
ヒップポケットは右側に細いフラップポケットが付き、左側はフラップと同じ形でハンドステッチ風の
ステッチが入れられています。
他のブランドには無い、特徴的なディティールです。
フロントには、以前このブログでも紹介した同じメトリコの ”SCARPEN” という細身のカーゴパンツと
同じコインポケットが付いています。
アメリカのチノパンをメトリコ流にアレンジして、今の時代感を上手く表現しています。
素材はコットンに2%エラスティックが入っているので、細身ですが快適な履き心地です。
エラスティックが多くなるとストレッチ性は高くなりますが、型崩れしやすいのと、
ナチュラルな素材感が損なわれてしまいます。
そういった意味では、このコットンに2%だけエラスティック混紡したチノは、履き心地と素材感のバランスが
絶妙です。
このグレーチノ、昨年6月の PITTI UOMO でも穿いている人を結構見かけました。
ご覧のように、ベーシックなネイビージャケットとコーディネートしている人が多かった印象です。
ネイビーにベージュのチノパンというのは鉄板コーディネートですが、
反面、合わせるインナーやアクセサリー、シューズに気を付けなければ没個性になってしまいます。
それだけ定番アイテムでまとめたーディネートは、ある意味洒落た感じに見せるのは難しいのですが、
グレーのチノを合わせるだけで、定番コーディネートにちょっとした変化をつけることができます。
グレーのパンツはチノパンだけでなく、こんな感じのモノも多く見られました。
ブラックデニムに強めの加工を施し、ライトグレーのトーンまでフェードアウトとしたデニムを使った
ファイブポケットやパンツです。
グレーチノがでてくる前から、このグレーデニムは結構見られたので、
グレーデニムから派生してグレーチノが注目されたのかもしれません。
グレーチノと一言で言っても、ライトグレーからミディアムグレー、ベージュを少しミックスしたグレージュ
のようなカラーと、様々なトーンのグレーが存在します。
このディスプレイは、先月移転オープンした BEAMS仙台店 の店内ディスプレイですが、
このコーディネートに使われているパンツが、”INCOTEX RED” のグレージュのチノパンです。
このグレーにベージュをミックスしたカラーが絶妙ですが、今シーズン最も人気のあるカラーで、
入荷早々店頭在庫が無くなってしまい、私が購入しようと思った時には既にキャンセル待ち7番目で、
他の色でサイズだけ試着したのですが、体形にも合わなかったので、泣く泣くあきらめました。
その後、様々なパンツブランドのグレーチノを比べて、色のトーンと体形に合うということが決め手になり、
最終的にこのメトリコに決めました。
今シーズン、BEAMSで展開しているほとんどのパンツブランドでグレーチノを展開していますが、
このグレーチノ、春夏の立ち上がり時期から人気で、既に多くのブランドでサイズ欠けをしている状況です。
店頭の在庫も少なくなっていますが、追加で入荷するものもあるので、ご興味のある方はショップスタッフ
にお問い合わせください。
ベージュやホワイトのチノを既にお持ちの方は、新たに買い足す色としてグレーチノはお勧めのカラーです。
セレブも並ぶフィレンツェの食堂
日本でも最近は日本風にアレンジしない、現地と変わらない味の本格的なイタリア料理を出す店が増え、
その味を理解できる人たちが増えたことで、女性うけしそうな洒落た感じではなく、いわゆるトラットリアの
ような気楽な雰囲気のイタリア料理の店でも予約困難な店が増えています。
先月24日に発売された、MEN’S CLUB 5月号の私の連載 ”ミラネーゼの頭の中”で、
今回は初めてフィレンツェのトラットリアを紹介しています。
そのトラットリアは、フィレンツェで100年以上続く老舗のトラットリア
”TRATTORIA SOSTANZA” です。
ソスタンツァはフィレンツェの中心、日本でも人気のある、世界最古の薬局 ”サンタマリア ノベッラ ”の
本店のすぐ近くにあります。
店は小さく、店内はお世辞にもキレイとは言えません。
日本風に言えば ”古びた町の洋食屋” という感じでしょうか。
そんな店ですが、展示会のシーズンともなると、世界中からこの店をめがけて食通の人たちが集まります。
その理由は、何を食べても絶品で、この店でしか味わえない味があり、おまけに値段も安いというのが
理由です。
MEN’S CLUB 5月号は、ある理由があって、発売後あっと言う間に売り切れました。
現在書店に行っても全く並んでいません。
買えなかった人や、立ち読みさえできなかった方もいらっしゃると思うので、
連載ページで紹介したソスタンツァを、ブログでより詳細に紹介したいと思います。
”CROSTINI”
フィレンツェと言えば、このクロスティーには外せません。
レバーのパテをパンの上にのせたものですが、フィレンツェのどの店で食べてもレバーの臭みが強く、
個人的には ”食べなくてもいい前菜” ですが、ここのクロスティーにだけは、まったくクセがなく、
食べやすく美味しいクロスティー二です。
”TORTINO DI CARCIOFI”
簡単に言えば、アーティチョークのオムレツです。
盛り付けは白い皿にただ盛られて、レモンがのっているだけです(笑)。
基本すべてこのようなシンプル?な盛り付けです。
卵の焼き方が絶妙で、外はふわふわの食感で、中はアーティチョークがサクサクしています。
アーティチョークのクセも全くなく、食感もサクサクしているので、「どうやって作っているの?」 と聞くと、
必ず 「教えられない」 という答えが返ってきます(笑)。
分かっていても聞きたくなる、それだけこの店ならではの ”味” があります。
”PETTI DI POLLO AL BURRO”
簡単に言うと ”鶏の胸肉のバターソテー” です。
これも白い皿にただ焼いた鶏肉がのせられただけです。
因みに、一人前が2個なので、画像は1/2前です。
ふつう鶏の胸肉は脂身がなくパサパサした食感ですが、この料理はバターが中までしみこみ、
しっとりしていて全くパサパサした感じがありません。
もちろん肉自体にしっかりした味がついていて、鶏の胸肉を焼いたモノとは思えません。
ダメもとで 「どうやって焼いているの?」 と聞くと、「世界中からこの料理を食べに来る人が
いるんだから、お前だけに教える訳にはいかない」 と、オムレツの時よりはチョット納得できる
答えが返ってきました(笑)。
料理に詳しい人に聞くと、おそらく長い時間かけてじっくりとバターを肉にかけながら焼いているのでは
ないかということです。
いずれにしろ、鶏肉が嫌いな人でも、この料理は絶対に完食すると言えるほどの美味しさです。
上の画想を見てもらうと分かりますが、ワインもワイングラスではなく、
小さなコップのようなグラスに入れて飲みます。
忙しい店なので繊細なグラスを洗うような余裕もないのでしょう。
デザートは数種類ありますが、食後のコーヒーはありません。
お皿が空いたものからどんどん片づけられ、あっという間に食事が終わって、
デザートを食べたら ”さっさと帰ってくれ” という感じです。
外食となると普通は3時間がイタリア人の常識ですが、この店はその半分の1時間半くらいで
終わってしまします。
正確には3時間食事をしているのではなく、オーダーするのに30分、食べるのに1時間半、
たわいもない話をするのが一時間と、食べてる時間は日本人とさほど変わりません。
この店は単純に ”美味しい料理を食べる店”で、話をしたりして ”食事を楽しむ店” ではありません。
たまに、あまり事情が分かってなく、食事が終わっているのにテーブルで喋っていると人がいますが、
店の人がテーブルを叩いて、席を立つのを催促します(笑)。
7時半から1時間ごとに予約を取るようですが、当然一時間では食事が終わらないので、
予約した人でも店の前で待たされます。
並んでる人の中には、有名なデザイナーや、有名なブランドのスタッフもいて、
外で待っていると 「お前も来たか」 と言うような感じで、ファッション業界のコミュニティーができます。
”セレブな人も皆並ばなければ食べられない” ソスタンツァはそんな店です。
メニューはこの紙一枚しかありません。
定番の料理以外は季節によって多少変わりますが、何を食べてもはハズレがありません。
もちろん、ビステッカ フィオレンティーナも美味しいです。
お腹いっぱいに食べて、ワインを飲んでも一人50ユーロでおつりがきます。
フィレンツェにはこのような店が、もう一軒あります。
私はまだ行ったことが無いのですが、食通のイタリア人がソスタンツァと並び称するトラットリアが、
”TRATTORIA COCO LEZZONE” この店は、ビオステッカ フィオレンティーナが絶品だそうです。
取引先のイタリア人と話すと必ず出てくる店ですが、「次回のPITTIの時に一緒に行こう」と言われ、
今まで一度も実現していません(笑)。
まあ、調子の良いイタリア人との軽い約束ですから、彼らはすぐに忘れてしまうのでしょう。
次回6月は絶対に行きたいと思います。
ゴールデンウィークも近いですので、フィレンツェに行かれる方は、是非ガイドブックには載っていない、
この二つのトラットリアでトスカーナ料理を満喫してみてください。
TOTATTORIA SOSTANZA
Via della porcellana 25
TEL 055-212691
MEN‘S EX 連載 5月号
先日、MEN’S EX 5月号が発売されました。
今回の表紙は石原裕次郎
石原裕次郎の目力がすごくて、かなりインパクトのある表紙です。
石原裕次郎世代は、MEN’S EX の読者よりかなり上の世代だと思いますが、
その世代の人たちにとって、石原裕次郎が表紙というのは興味をそそるもので、
この5月号が書店に並んでいるだけで、MEN’S EXを知らない人でも手に取ってしまうほど、
その世代のスーパースターでした。
私の父親も毎月書店でMEN’S EXを見て良く買っているのですが、
同世代のスーパースターですから、5月号は絶対に買うと思います(笑)。
私の連載 ”中村達也の今、買いのアイテム” 今回は ”小柄プリントシャツ” です。
ここ数シーズン、カジュアルシャツはデニムやシャンブレーのシャツが人気で、
様々なタイプのデニムやシャンブレーのシャツが見られます。
今シーズンはチェックのシャツのバリエーションも増えていますが、
それに加えて外せないカジュアルシャツがプリントシャツです。
昨年の6月のPITTI UOMOでも、ほとんどのシャツメーカーがプリントのシャツを打ち出していました。
ご覧のように、小柄からインパクトのある大柄やフラワープリントまで、
多くのパターンのプリントシャツが見られました。
上の画像だけ見ると、大柄のプリントも多いと思われるかもしれませんが、
ディスプレイは得てしてインパクトのある柄を使うので、実際オーダー時にコレクションを見ると、
2色づかいの小柄なプリント生地が多かったという印象です。
ということで、今回はBEAMSだけでなく、多くのショップやブランドが小柄のプリントシャツを展開しています。
連載ページでもコメントしていますが、この小柄のプリントシャツはコーディネートがそれほど難しくありません。
遠目に見れば小柄のチェックシャツのように見えるので、コーディネートもそれと同じ感覚で合わせれば
何も難しいことはありません。
それでもやはりプリント柄ですから、近くで見れば明らかにチェックとは違う印象で、
今まで無地やチェックのシャツを着ていた人は、他人に与える印象もかなり変化があると思います。
合わせるものは、皆さんが既に持っている定番アイテムでコーディネートできます。
小柄のプリントシャツに合わせて新しいモノを買い足す必要はありません。
デニムのファイブポケットにネイビージャケットを着てニットタイをするような、
カジュアルタイドアップも良いと思います。
今シーズンはBEAMSでも小柄のプリントシャツが人気で、既に在庫も少なくなってきています。
次の秋冬もプリントシャツの流れは続いていますので、一過性の流行ではありません。
まだプリントシャツをお持ちでない方は、是非小柄のプリントシャツにチャレンジしてみてください。
そして、プリントシャツと言えば…
同じ5月号で新傑作として紹介されているこのブランド
今シーズンから新たに展開されたイタリアのプリントシャツのブランド EMME TE ENNE
既にBEAMSの店頭にも入荷していますが、このシャツも入荷早々お得意様を中心に人気の
プリントシャツです。
個人的には麻にブラウンのグレンプレイド柄をプリントした、このシャツが気になっています。
小柄のプリントシャツとは少し趣が違いますが、今シーズンデビューの新しいシャツブランドです。
こちらのプリントシャツも是非チェックしてみてください。
2012春夏の買い物 5
このところ立て続けに春夏モノを購入していますが、なかなか暖かくならなかったので
メインのスーツジャケットまで辿り着かなかったのですが、ここ数日の陽気に誘われて、
遅ればせながら今シーズン初めてジャケットを購入しました。
そのジャケットがこれです。
CANTARELLI のチェックジャケットです。
このジャケットは素材がウール/シルク/リネンの混紡素材ですが、
ベースの色がデニムブルーなのが特徴です。
元々ブルー好きの私ですが、昨年色落ちの問題でキャンセルになったLARDINIのデニムジャケット
を着てみて、デニムブルー(インディゴ ブルー)のジャケットが意外と色々なものと合わせやすいことに気づき、
今シーズンはデニム生地だけでなく、デニム色の生地も色々とオーダーしたのですが、
チェックでデニムブルーと言うのは、このカンタレリの生地だけでした。
毎シーズンチェックジャケットを購入していますが、デニムブルーのチェックジャケット
というのは初めてなので、それが新鮮で購入に至りました。
この生地、もちろん色がデニムカラーというだけでデニム素材ではないので、色落ちの心配はいりません(笑)。
このカンタレリのジャケットは LINEA 105 というモデルで、現在のカンタレリのテーラード ジャケットの
主力モデルです。
私も既にこのモデルは数着持っていますが、柔らかく軽い仕立てながらフィット感も良く、
シルエットは本格的なテーラードジャケットと変わらないシルエットが特徴で、
ノータイでもタイドアップでも着られるジャケットです。
店頭でもお得意様を中心に人気のあるモデルで、このジャケットも既に入荷数の半数が売れて、
サイズによっては完売になっています。
チェックのジャケットは難しいと思われる方も多いと思いますが、シンプルな定番アイテムを合わせれば
それほど難しくありません。
無理に色物や柄物を合わせなければ、結構簡単にコーディネートできます。
上の画像のように、ホワイトシャツ、ジャケットと同系色のベスト、ベージュのチノパン、
ブラウンスエードのドライビングシューズと、どれも皆さんがお持ちだと思われるアイテムで
コーディネートできます。
もちろんデニムやシャンブレーのシャツ、ファイブポケットとの相性もいいです。
有りそうで無かったデニムブルーのチェックジャケット、是非店舗で色柄を実際にご覧になってみてください。
昨日はかなり暖かかったので、今日は少しマリンっぽいコーディネートにしました。
ホワイトボタンのダブルブレストのジャケットにサックスブルーのオックスフォードのパンツ、
足元はホワイトバックスで、かなり軽やかなコーディネートにしましたが…
今日はかなり寒く、結局スカーフを巻いたので全然マリンっぽくありません(笑)。
チョット早すぎました。
コーディネートに季節感は大切ですね。
お知らせです。
本日、柏高島屋ステーションモール新館4階に BEAMS EX がオープンしました。
オトナのデイリーウエアやバッグ、アクセサリーが充実したショップです。
お近くの方は是非お越しください。
皆様のご来店をお待ちしております。
2012春夏の買い物 4
色々な人に 「中村さんって休みの日はどんな格好をしてるんですか?」 と聞かれることが
あります。 少し前にスーツばかり着ていた時は、受付の若い女性スタッフに 「休みの日にコンビニ
行くときもスーツ着てるんですか?」 などと、ナメたことを言われた時期もありました(笑)。
もちろん休みの日にスーツを着ることなどなく、家でくつろいだり近所に散歩や買い物に行くときは
思いっきりリラックスしたスタイルですが、街に買い物に出かけたり食事に行くときは、
さすがに少し小奇麗なカジュアルスタイルになるように意識しています。
最近はジャージのジャケットのようなコンフォータブルなジャケットが出てきて、
ブルゾン感覚でジャケットが着られるようになりましたが、それでももう少しリラックスしたいときは、
やはりブルゾンのようなアウターが着たくなります。
最近はスエードのブルゾンやジャケットの出番が多かったのですが、久しぶりに布帛のブルゾンで
気に入ったものが入荷して、昨日早速購入しました。
そのブルゾンがこれです。
イタリアのブレーシャのニットブランド ROSSOPURO のジャージブルゾンです。
今回は、色、ディティール、サイズ感も気に入ったので、最初からオトナの2色買いです。
色は今シーズンらしい、ベージュにグレーをミックスしたようなグレージュと、
色々なモノと合わせやすい、少し明るめのネイビーの2色です。
素材はコットンにポリウレタンがミックスされているので、かなりストレッチがきいています。
裏地が無い一枚仕立てなので、暖かくなっても快適に着られます。
シンプルなブルゾンですが、フロントのボタン側にライトグレーのヘリンボーンのテープが張ってあり、
それがライトグレーのリブと相まって、シンプルでありながら洒落た雰囲気を演出しています。
画像では分かりにくいですが、身頃は後染め加工してあるので、上品なヴィンテージ感が出ています。
実際に着てみると、ボタンを開けたフロントからライトグレーのテープが見えて、
それがアクセントとなって良い雰囲気を演出しています。
このテープ使いが有るのと無いのでは、このブルゾンの印象も相当変わると思います。
サイジングはかなりスリムフィットですが、ストレッチがきいているので、きつさはあまり感じません。
私は通常ジャケットやアウターは44を着ますが、このブルゾンは46でジャストフィットです。
上の画像でも分かりますが、一番下のボタンを外して着るとベルトが少し見えるので、
着丈も46でベストバランスです。
このブログをご覧になっている皆さんの中には、バルスターに代表される、このようなタイプのブルゾンを
お持ちの方もたくさんいらっしゃると思います。
そして、お持ちの方は皆さんおそらく ”色々なものにコーディネートできる便利なアウター”
という印象をお持ちだと思います。
このブルゾンも皆さんがお持ちのアイテムで合わせられるので、特に色々なアイテムを買い足す
必要はありません。
シンプルなブルゾンではありますが、ツートーンのカラーがアクセントになっているので、
定番アイテムと合わせても、今までとは違った印象になると思います。
これからの季節は、まだまだ寒暖の差がありますので、このようなブルゾンはたいへん重宝します。
寒い日は、このブルゾンの上にダウンベストを着ても良いと思います。
裏地が付いていないので、暖かくなってもポロシャツやTシャツの上に着ると快適です。
そして、秋口にも着られるので、かなり長いシーズン使えるのも、このブルゾンの良いところだと思います。
値段も¥25,200-と、イタリア製としては手頃な価格です。
今週入荷したばかりでサンプルも無かったので、ファッション誌にも全く掲載されていません。
私自身オーダーの時にネイビーでサイズ50のサンプルしか見てなかったので、実際に入荷して
試着してみて、フィッティングと雰囲気の良さを感じて購入しました。
画像で見るより実物を見て、試着して、より良さを感じるブルゾンです。
ご興味のある方は、是非店舗でご試着してみてください。
2012春夏の買い物 3
3月も末になるというのに冬のような寒さが続きますが、どんなに寒くてもファッション業界で働くものとしては
秋冬物を着る訳にもいかず、この時期は重ね着と巻物で寒さをしのぎつつ、春っぽく見えることを考えながら
コーディネートする毎日です。
そんな中、先日今すぐに使えるスカーフをを購入しました。
BRILLA PER IL GUSTO のプリントスカーフです。
エッジにイエローとブラウンの太い糸がハンドで入っています。
糸が途中で結んであったり、ハンドクラフトっぽさ?が特徴です(笑)。
このスカーフ、イタリアのサプライヤーのコレクションからオーダーしましたが、実はインド製です。
プリントのエスニックな雰囲気のみならず、ステッチの入れ方もまさにインドらしい?スカーフです。
以前ブログでも書きましたが、1月のPITTI UOMOでは、ほとんどのサプライヤーが
かなり多くのバリエーションでプリントスカーフを打ち出していました。
実際に柄の大きなプリントスカーフを巻いた人達を多く見かけたことからも、
現地でのプリントスカーフの注目度の高さがうかがえます。
実はBEAMSでも、既に昨年の秋冬からプリントスカーフがお得意様を中心に注目され、
下の画像のGIERREのプリントスカーフは予約でほぼ完売するなど、
確実にプリントスカーフに対する注目度が上がっています。
因みに、このスカーフもインド製でした。
過去を振り返ってみても、私がBEAMSに入社した80年代中から90年代初め頃は、
英国的な柄のクラシックなシルクプリントのストールを巻いたクラシックスタイルの人たちも多く、
もう少し柔らかい人たちは、ETROのカシミール柄のスカーフが注目されていたこともあり、
男性も大柄のスカーフを巻く姿がよく見られました。
また、HERMESのプリントのスカーフを巻く男性も見られ、まさに大柄のプリントスカーフやストールが
注目されていた時代でした。
来秋冬は、その当時以上にプリントスカーフが注目されそうです。
実際に巻くとこんな感じです。
エスニックな柄に太めのステッチがアクセントになっています。
上の画像はライトグレーのジャケットに合わせているので割と柄が目立ちますが、
ネイビーのジャケットと合わせた場合は、もう少し落ち着いた雰囲気になります。
因みに、もう一色はこんなカラーです。
ブルーグラデーションの柄で、ステッチはピンクとオレンジです。
こちらのカラーの方が派手に見えます。
このストール、素材はコットンで値段は¥8,400-と値段が手頃なのも魅力です。
入荷当初から人気があり、在庫も少なくなってきていますが、ご興味がある方は是非店舗で
ご覧になってください。
チェックや無地のスカーフをお持ちの方はいらっしゃると思いますが、来秋冬に備える意味でも
今シーズンはプリントのスカーフをバリエーションに加えてみてはいかがでしょうか。
2012春夏の買い物 2
今シーズンは秋冬に続き、布帛のウエストコートやニットの前ボタンのベストが注目されています。
先日私が購入したニットベストは、ウエストコートとニットベストをミックスしたようなディーティールを持つ、
日本製のオリジナルです。
そのニットベストがこれです。
BEAMSのオリジナルレーベル、BRILLA PER IL GUSTOのウエストコート型のニットベストです。
このベストは日本製ですが、もはやイタリアや英国では作れない (作れたとしても相当高価になる)
凝った作りのベストです。
このブログでは、あまりモノの薀蓄は語らず、スタイルやコーディネートに重きをおいて書いてきましたが、
このベストは、素材もニッティングもかなりこだわって作ったので、少しだけ薀蓄を語らせてください。
糸はイタリアのEMILICOTONI社のものを使っています。
EMILICOTONIは、おそらく皆さんが知っている、イタリアのほとんどの高級ニットブランドに
糸を供給しているメーカーです。
このニットベストは、そのEMILICOTONI の中でも最高級のコットン糸である、
GIZA45というエジプト綿の糸を使って編まれています。
前身をパール編みで立体的に編み、後身は天竺のファインゲージで編まれているので、
ジャケットやアウターを着た時のフィット感が素晴らしいです。
このような編み方のニットは、1960年代~70年代のブリティッシュスタイルのベストやカーディガンに
良く使われていましたが、現在このような編み方ができる編み機は、ヨーロッパでも日本でも希少です。
通常のニットベストのように裾がリブではなく、ウエストコートのイメージをニットで表現することにこだわり、
前立てから裾、脇まで編み目を一段づつ減らしたり増やしたりを繰り返し、裁断ではなく、ニッティングで
ラインを出すことにこだわりました。
裏には総針のテープを丁寧に縫い付けて、表からはきれいに一本で繋がったパイピングに見える様な
始末にしています。
このように従来のニットベストと比べ、前身頃と後身頃の編地を変え、襟ぐりや前立て、裾の始末など、
手間と技術を惜しみなく使い、こだわって作ったニットベストです。
このニットベスト、生産を依頼したニットメーカーの社長さんが、かなりのニットマニアなので、
私たちがリクエストしたことよりも更に勝手にこだわって(笑)作ったニットベストです。
作りだけではなく、サイジングやフロントカットのライン、前身と後身の着丈のバランスなど、
何度も修正を重ねて作りました。
フロントの一番下のボタンを外して着ると、ベルトのバックルが少しだけ見えるバランスにこだわりました。
上の画像はサイズ44のスタッフが着たSサイズですが、身頃がフィットしながら皺が出ないように、
サイズバランスにもこだわりました。
因みに、細い方の為にXSから展開しています。
後身は、パンツのウエスマンが隠れるように着丈のバランスにこだわりました。
もちろん長さのバランスはパンツの股上の深さで変わりますが、様々なブランドのパンツやファイブポケット
と合わせてみて、ベストなバランスを考えて作りました。
今回私が購入した色は薄いインディゴブルーのような色ですが、他にベージュとネイビーとライトグレー
があります。
ブルーを購入して気に入ったので、予算が許せば全色買いたいところですが、
他にも買いたいものがたくさんあるので、もう一色購入しようと思っています。
以前ブログでも紹介しましたが、今シーズンは春夏でもベストが重要なアイテムになっています。
昨年の6月のPITTI UOMOでは、気温が30度くらいあるにも関わらず、ベストを着た人達を多く見かけました。
日本はヨーロッパと違い、夏は高温多湿なのでベストを着るような環境ではないですが、
丁度今くらいの季節からジャケットやアウターに合わせて着るには良いアイテムだと思います。
また、ニットでありながらウエストコートのディティールで作られているので、
ジャケットやアウターを着ないで、シャツ一枚で合わせてもサマになるベストだと思います。
インポートブランド好きの方にも納得いただけるクオリティーです。
ご興味のある方は、是非店舗でご試着してみてください。