セレブも並ぶフィレンツェの食堂 | ELEMENTS OF STYLE

セレブも並ぶフィレンツェの食堂

 

日本でも最近は日本風にアレンジしない、現地と変わらない味の本格的なイタリア料理を出す店が増え、

 

その味を理解できる人たちが増えたことで、女性うけしそうな洒落た感じではなく、いわゆるトラットリアの

 

ような気楽な雰囲気のイタリア料理の店でも予約困難な店が増えています。



 

先月24日に発売された、MEN’S CLUB 5月号の私の連載 ”ミラネーゼの頭の中で、

 

今回は初めてフィレンツェのトラットリアを紹介しています。


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そのトラットリアは、フィレンツェで100年以上続く老舗のトラットリア

 

”TRATTORIA SOSTANZA” です。


 

ソスタンツァはフィレンツェの中心、日本でも人気のある、世界最古の薬局 ”サンタマリア ノベッラ ”

 

本店のすぐ近くにあります。


 

店は小さく、店内はお世辞にもキレイとは言えません。

 

日本風に言えば ”古びた町の洋食屋” という感じでしょうか。


 

そんな店ですが、展示会のシーズンともなると、世界中からこの店をめがけて食通の人たちが集まります。

 

その理由は、何を食べても絶品で、この店でしか味わえない味があり、おまけに値段も安いというのが

 

理由です。


 

MEN’S CLUB 5月号は、ある理由があって、発売後あっと言う間に売り切れました。


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現在書店に行っても全く並んでいません。

 

買えなかった人や、立ち読みさえできなかった方もいらっしゃると思うので、

 

連載ページで紹介したソスタンツァを、ブログでより詳細に紹介したいと思います。


 

 


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”CROSTINI”

 

フィレンツェと言えば、このクロスティーには外せません。

 

レバーのパテをパンの上にのせたものですが、フィレンツェのどの店で食べてもレバーの臭みが強く、

 

個人的には ”食べなくてもいい前菜” ですが、ここのクロスティーにだけは、まったくクセがなく、

 

食べやすく美味しいクロスティー二です。



 


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”TORTINO DI CARCIOFI”

 

簡単に言えば、アーティチョークのオムレツです。

 

盛り付けは白い皿にただ盛られて、レモンがのっているだけです(笑)。

 

基本すべてこのようなシンプル?な盛り付けです。

 

卵の焼き方が絶妙で、外はふわふわの食感で、中はアーティチョークがサクサクしています。

 

アーティチョークのクセも全くなく、食感もサクサクしているので、「どうやって作っているの?」 と聞くと、

 

必ず 「教えられない」 という答えが返ってきます(笑)。

 

分かっていても聞きたくなる、それだけこの店ならではの ”味” があります。



 


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”PETTI DI POLLO AL BURRO”

 

簡単に言うと ”鶏の胸肉のバターソテー” です。

 

これも白い皿にただ焼いた鶏肉がのせられただけです。

 

因みに、一人前が2個なので、画像は1/2前です。

 

ふつう鶏の胸肉は脂身がなくパサパサした食感ですが、この料理はバターが中までしみこみ、

 

しっとりしていて全くパサパサした感じがありません。

 

もちろん肉自体にしっかりした味がついていて、鶏の胸肉を焼いたモノとは思えません。

 

ダメもとで 「どうやって焼いているの?」 と聞くと、「世界中からこの料理を食べに来る人が

 

いるんだから、お前だけに教える訳にはいかない」 と、オムレツの時よりはチョット納得できる

 

答えが返ってきました(笑)。


 

料理に詳しい人に聞くと、おそらく長い時間かけてじっくりとバターを肉にかけながら焼いているのでは

 

ないかということです。

 

いずれにしろ、鶏肉が嫌いな人でも、この料理は絶対に完食すると言えるほどの美味しさです。


 

上の画想を見てもらうと分かりますが、ワインもワイングラスではなく、

 

小さなコップのようなグラスに入れて飲みます。

 

忙しい店なので繊細なグラスを洗うような余裕もないのでしょう。


 

デザートは数種類ありますが、食後のコーヒーはありません。

 

お皿が空いたものからどんどん片づけられ、あっという間に食事が終わって、

 

デザートを食べたら ”さっさと帰ってくれ” という感じです。


 

外食となると普通は3時間がイタリア人の常識ですが、この店はその半分の1時間半くらいで

 

終わってしまします。


 

正確には3時間食事をしているのではなく、オーダーするのに30分、食べるのに1時間半、

 

たわいもない話をするのが一時間と、食べてる時間は日本人とさほど変わりません。


 

この店は単純に ”美味しい料理を食べる店”で、話をしたりして ”食事を楽しむ店” ではありません。

 

たまに、あまり事情が分かってなく、食事が終わっているのにテーブルで喋っていると人がいますが、

 

店の人がテーブルを叩いて、席を立つのを催促します(笑)。


 

7時半から1時間ごとに予約を取るようですが、当然一時間では食事が終わらないので、

 

予約した人でも店の前で待たされます。


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並んでる人の中には、有名なデザイナーや、有名なブランドのスタッフもいて、

 

外で待っていると 「お前も来たか」 と言うような感じで、ファッション業界のコミュニティーができます。


 

”セレブな人も皆並ばなければ食べられない” ソスタンツァはそんな店です。


 


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メニューはこの紙一枚しかありません。

 

定番の料理以外は季節によって多少変わりますが、何を食べてもはハズレがありません。

 

もちろん、ビステッカ フィオレンティーナも美味しいです。


 


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お腹いっぱいに食べて、ワインを飲んでも一人50ユーロでおつりがきます。


 

フィレンツェにはこのような店が、もう一軒あります。

 

私はまだ行ったことが無いのですが、食通のイタリア人がソスタンツァと並び称するトラットリアが、

 

”TRATTORIA COCO LEZZONE” この店は、ビオステッカ フィオレンティーナが絶品だそうです。


 

取引先のイタリア人と話すと必ず出てくる店ですが、「次回のPITTIの時に一緒に行こう」と言われ、

 

今まで一度も実現していません(笑)。


 

まあ、調子の良いイタリア人との軽い約束ですから、彼らはすぐに忘れてしまうのでしょう。

 

次回6月は絶対に行きたいと思います。


 

ゴールデンウィークも近いですので、フィレンツェに行かれる方は、是非ガイドブックには載っていない、

 

この二つのトラットリアでトスカーナ料理を満喫してみてください。



 

TOTATTORIA SOSTANZA

Via della porcellana 25 

 

TEL 055-212691