青空を羽ばたくためにVOL.14
【引きこもった理由】
今日のお題は、
1 引きこもりの定義
2 不登校・引きこもり・ニート
3 引きこもった理由
4 家庭内の対人関係
5 母子間の共依存
の5本です。
SAKUCHINです。
心に傷を負い、トラウマに囚われて部屋から出られなくなってしまったあなたへ
鳥かごに囚われてしまったあなたが、もう一度青空を自由に羽ばたいている未来を信じてこのシリーズを書いています。では、よろしくお願いします。
2012年に実施された全国の公立小中学校の約5万人を対象とした調査とわが国が治療の準拠としている国際疾病分類(ICD-10)によると
- 公立小中学校の児童生徒の約6.5%に「発達障害の可能性がある」
- 境界知能グレーゾーン(知能指数IQ70〜84)の人が、約14%(7人に1人)存在している
という統計からの推測により、多くの人が「生きづらさ」を感じたまま支援を受ける事なく大人になっているという話をしました。
適切な治療を受けられないとは、向精神薬による治療で症状が改善して復職したとしても、隠されていた発達障害や境界知能に手当しないままでは、また抑うつになる事を繰り返してしまうと言う事です。
学校から保護者への連絡(発達障害の可能性)があったとしても、両親が子供の障害を受けいれることを拒絶して受診へ結びつかない場合や、教育現場で発達障害を認知できなかった場合で支援が遅れた場合などは、より問題が顕在化してイジメ・暴力・不登校・精神疾患など大きな問題となり子供たちを傷つけることになります。
もし貴方や貴方の大切な人が、不登校や休職などで家(鳥かご)から出られなくなってしまったのであれば、学業不振やイジメ、仕事の遅れ、残業過多の背景に発達障害などの可能性があるかも知れないと考えてみてほしいのです。
発達障害は今後『神経発達症』と呼称される様になりますが、その該当者は決して少ないものではなく、見た目も「至って普通」の若者なのです。
(全年齢に等しく分布してます)
アメリカ等の諸外国では就学時に検診として調べる国もありますが、我が国では問題が顕在化しない限り調べる事(治療のための検査)はありません。
それは、生きづらいと感じるすべての人を支援できるほどの資金(税金)を投入できないでいるからなのです。
前回の記事はこちらから↓
今日はPTSDとは少し理由を否する『引きこもった理由』に焦点を当ててお話をしたいと思います。
今日の結論は、
『ヤマアラシのジレンマ』
愛しているから傷つける
ということ
もし、あなた自身あるいはあなたの大切な人が心に大きな傷を負ってしまっているのなら、このお話が回復への一歩になることを願っています。
引きこもりの定義
厚生労働省の引きこもりの評価・支援に関するガイドラインでは、引きこもりについて以下のように定義しています。
「様々な要因の結果として社会的参加 (義務教育を含む成学、 非常動機を含む成労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には 6 カ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態 (他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象機念である。なお、ひきこもりは原則として統合失調症の陽性あるいは陰性症状に基づくひきこもり状態とは一線を画した非精神病性の現象とするが、実際には確定診断がなされる前の統合失調症が含まれている可能性は低くないことに留意すべきである。」
ここで重要なのは、社会参加をしていない子どもや青年がすべて社会的支援や治療を必要としているわけではないということです。
例えば慢性身体疾患の療養のため家庭に長くとどまる必要のある事例や、家族がそのような生き方を受容して社会的支援を必要としていない事例の場合、少なくとも当面支援を必要とする引きこもり状態とはなりません。
一般的に支援を必要とするひきこもり事例の中心は、子どもであるにしろ青年あるいは成人であるにしろ、社会参加の回避が長期化し社会生活の再開が著しく困難になってしまったために、当事者や家族が大きな不安を抱えるようになった事例です。
そのようなひきこもり事例の中には、家庭内暴力や顕著な退行、あるいは不潔恐怖や手洗い強迫などが深刻化したり、幻覚・妄想といった精神病症状や何らかの精神障害の症状が顕在化し、その苦悩から家庭内の生活や人間関係さえ維持することが困難になっている場合も少なくない のです。
ここで言うひきこもりとは、以上のような現に支援を必要としている精神保健・福祉・医療の支援対象としてのひきこもりのことです。
不登校・引きこもり・ニート
あまり聞き慣れない言葉に「社会的引きこもり」と言うものがあります。
これは、厚労省のガイドラインの作成に関わった精神科医の斉藤環氏が著者の中で説明されています。
“家族以外のあらゆる対人関係を避け、そこから撤退してしまうこと”
そして、定義に『6ヶ月以上』とした理由を精神疾患の休養期間として3ヶ月を目安にして、1年では対応に遅れをとってしまう可能性があるため、6ヶ月を基準として、治療的対応に動き出すことを勧められているのです。
ではここで「引きこもり」「不登校」「ニート」の違いについて説明しておきます。
1. 引きこもり
引きこもりとは、外出を避けて家にひきこもることを指します。主に社会との関わりを避け、家の中で過ごすことが特徴です。引きこもりは自発的な行動や心理的な要因によって生じることが多く、社会的な孤立や問題を抱えている場合があります。
2. 不登校
不登校とは、学校に通わずに学業を続けない状態のことを指します。不登校の原因は様々であり、いじめや学習の困難、家庭環境の影響などが挙げられます。不登校の場合、学校には在籍しているが定期的に登校しない状態が続くことが特徴です。
3. ニート
(Not in Education, Employment, or Training)
ニートとは、教育を受けていない状態で、就業や職業訓練にも参加していない人を指します。主に若者を対象とした言葉であり、社会的な責任や義務を果たさずに何もせずに過ごしている状態を表します。ニートは経済的な問題や働く意欲の欠如などが原因となることがあります。
これらの違いを簡単にまとめると、引きこもりは家に引きこもること、不登校は学校に通わず学業を続けないこと、ニートは教育や職業訓練に参加せずに何もしていない状態を指します。それぞれが異なる背景や特徴を持っていますが、重なっている部分も多いと感じています。
引きこもった理由
引きこもり(6ヶ月以上)になった人の多くに不登校の経験がありますが、不登校になった人の多くは引きこもりにまでには至りません。
ただ、長期の引きこもりは精神疾患などを発症しやすく、より問題を複雑にします。ですから、6ヶ月を目安に手当をしていく事はとても大切だと思うのです。
しかし引きこもりなどの社会不適合に陥った人を優しく受け入れられるほど社会は成熟しておらず、傷ついた心を癒やす力が家庭内にない場合は、より解決を困難にしてしまいます。
また、不登校や休職になった事の背景に発達障害やパーソナリティ障害がある場合で、その原因に気がついていない場合は、本人がどんなに努力しても生きづらさは変わらず、『どうせ努力しても同じ結果にしかならないから』と気力を失ってしまうのです。
未治療の心の病気(精神疾患)も引きこもりの大きな原因になっていますが、病気であることに気がついていなかったり、治療を受けること自体を拒絶する事も少なくありません。
決して、怠けているわけではなく。
好きで引きこもっているわけでもなく。
心の葛藤は、家庭内暴力として顕在化することも多いと思うのです。
家庭内の対人関係
- 恥の文化
- 同調圧力
ここで少し日本人の特性についてお話をします。1946年敗戦後まもなく、アメリカの文化人類学社ルース・ベネディクトによる敵国であった日本の文化を研究した
「菊と刀」という書籍が出版されています。
ルース女史は、日本の文化を「恥の文化」として紹介していますが、この本は、戦争末期に戦時情報局からの要請による敵国(日本)の行動分析を書籍にしたものです。出版当初から賛否両論ですが、彼女とは考え方は異なるものの「恥の文化」という言葉は的を射る表現だと思っています。
女史は、
「日本人は、人に見られて恥かしいことをしない。」
と行動規範を外的のモノとしているのですが
私は、
「自分自身の良心に従い、恥ずかしいことをしない。」
という『内なる誓約』だと思っているのです。
※現代では、彼女の言う様になってしまったのかも知れませんが、少なくとも武士道の精神が残されていた時代は良心に従っていたと思うのです。
アメリカは、終戦後ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(英語:War Guilt Information Program)という日本人の再教育プログラムに基づき日本を占領しました。目的は、日本人としてのアイデンティティの破壊だと私は思っています。
そして、もう一つは同調圧力です。
こうでなければいけないという暗黙のルールによって、親の同調圧力に屈してしまう子どもは少なくないのです。
親の同調圧力について参考になる動画がありました。
参考記事 → 私は母のゴミ箱だった
①支配的な母親(不安)
②親孝行の良い子
③父性の不在
この3つが揃った時、共依存になりやすいと言われています。母親は全霊をかけて子どもを守り育てようとします。
これは母性の本能で、ある程度の年齢までは正しい姿です。
ただそこに、不安からの支配が加わったとき、親孝行の良い子ほどその愛情という呪縛から抜け出せなくなります。
ある程度の年齢になると、母親と子どもの間に入るのが父親なのですが、シングルマザーや単身赴任、育児への無関心など父性の不在があると子どもの頃からの関係性を断ち切る事が難しくなります。
それは、父親から社会性を学ぶ事がいかに大切であるかを表しているのです。
母子間の共依存
では、子どもが不登校になった時の母親の対応について少し考えてみましょう。
ここで問題となるのは『過保護と過干渉』です。
過保護と過干渉は、両方とも親が子供に対して関与することを指しますが、その方法や結果において異なります。
過保護とは、親が子供を過度に保護し、彼らが困難や失敗を経験する機会を奪うことを指しますが、子供が危険や苦難に直面しないようにしようするため、子供の自立心や問題解決能力を伸ばすための機会そのものを奪ってしまう事になる可能性があります。
過保護な親は、子供の代わりに問題を解決し、常に彼らを守り、経験の幅を狭めてしまうのです。
一方で過干渉とは、親が子供の生活に過度に干渉することを指します。
子供の行動や意思決定に対して過剰な制約や指示を与える傾向が強く、子供の自主性や自己表現の機会を制限し、子供が独自の経験や成長をすることを妨げるてしまうのです。
結果的に自己肯定感を高く保つ事が難しくなります。
過干渉な親は、子供の代わりに決定を下し、彼らの個別の意見や欲求を尊重しないのです。
子どもが不登校になってしまった時、母親は子供を守ろうとします。至極当然の愛情からくる行動ですが、問題を起こした子供とそれを解決しようとする親との間に共依存の関係が生じてしまうことがあります。
共依存の考えは、元はアルコール依存の人とそれをサポートするパートナー(家族)の問題として考えられた概念でしたが、今では広く『問題を起こした人』と『サポートする人』の関係性を表すようになりました。
多くの人たちが自分一人で解決しようとした結果
(我慢して抱え込むことも含め)
トラウマを抱えて生きる苦しみから逃れられなくなっているのが現実なのです。
決して、一人で悩まないで
もしあなたが心に傷を負った直後であるならすぐに誰かに助けを求めてほしい。
まだ鳥かごの扉は開いています。
しかし、やがて鍵がかりあなたは鳥かごに囚われてしまいます。
ただし、今現在虐待(身体的・心理的・性的・ネグレクト等)を受けている場合は直ちに専門家の助けが必要です。
でも、これだけは信じて欲しい。
あなたの価値はあなた自身が決めるのです。
人生の意味はあなたが与えるのです。
明確な答えは無いとしても態度・行動・言動・表現・癖・野心・習慣・人格など、あらゆる行動があなたの人生に意味を与え、意味と合致していきます。
大丈夫。必ずまた大空を羽ばたける様になるから自分を信じて。
子どもが不登校になった時、もし原因の背景に発達障害や境界知能という問題がある場合、そこへのアプローチから解決方法を考えなければ「引きこもり」になってしまうかもしれません。
そして多くの場合に問題になるのは認知の歪みです。
認知とは、物事の考え方・捉え方を言いますが、認知が歪むと無自覚に偏った考え方をしてしまいます。『すべての物事を悪い方向にとらえる思考』ネガティブ状態に陥ってしまった状態です。
次回のお話は、
「認知の歪み」について考えてみたいと思います。
もし、あなた自身あるいはあなたの大切な人が心に大きな傷を負ってしまっているのなら、このお話が回復への一歩になることを願っています。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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