青空を羽ばたくためにVOL.6
【 イジメは楽しい 】
今日のお題は、
1 クラスの脅威
2 Bくんについて
3 二次性徴期の神経内分泌
4 フリーライダー
5 イジメが楽しいとは?
marumomoちゃんの体験をもとに過去の事件を題材にして、イジメられていた子供がイジメる側に回ってしまう心理と、イジメから抜けだす方法(一案)について話しました。
今回は、イジメの構造を人の進化の過程から紐解いてみます。
笑いながら友達を壊す様な事を
なんでできるんだろうね?
「相手の気持ちを考える」
「相手の立場になって思考する」
小学生の頃から
言われ続けている事なのに...
Maru momomo
もし、あなた自身あるいはあなたの大切な人が心に大きな傷を負ってしまっているのなら、このお話が回復への一歩になることを願っています。
クラスの脅威とは
誰かの気持ちに寄り添い人の気持ちに共感すると言う脳の成長は、ブレーキ機能(前頭前野)が概ね30歳位で成熟して完成すると言われています。
子供の頃から「相手の気持ちを考えましょう」と教えられてきますが、子供たちの脳は未発達でいじめを回避するには間に合いません。
私が中学生の頃、男子生徒が集団でクラスメイト(A君)を暴行する事件が起こりました。
私は怖くて見ている事しかできなかったのですが...
A君が皆んなに殴られた理由は、それを見ていた女子達も理解していました。
暴行は彼の一言から始まったのです。
俺一人くらい、
いなくてもいいじゃないか!
彼は、いつも掃除をサボっていて
文化祭の準備にも参加しないくせに、
人一倍文句だけ言って誰よりもはしゃいでいたんです。
A君と最初にケンカになったB君は「クラスの英雄」の様にもてはやされていました。
人類の進化の中で唯一繁栄した人という種(ホモサピエンス)は、人類の中で取りわけて大きく強かったわけではありません。
我々が反映した理由の1つが集団を作ることで、この集団の中で高い社会性を保持し続けたことが発展の要因として考えられています。
ホモサピエンスは、前頭葉、取りわけ『前頭連合野前』と『前帯上皮質』が発達していて、共感や共同体感覚、道徳的判断をすることを司る部位が他の人類よりも発達している事が知られています。
では、他の人類よりも体格的には弱かった人が集団という組織を作り、他の人類との生存競争を生き抜くために最も脅威になるものはなんでしょうか?
敵?
学校の中では
他のクラス
と考えても良いでしょう。
敵は確かに集団における脅威ではありますが、ときには敵がいることで集団が結束してより強くなっていきます。
学校祭や体育祭、合唱コンクールなどが良い例です。
実は、共同体の中で1番脅威なものは、内部から組織を壊す人の事で仲間の中にいるのです。
それを『フリーライダー』と言います。
フリーライダー
フリーライダーという言葉は社会経済学で使われる用語ですが、これは対価を支払わずに利益だけを得る人たちのことを指します。
公共財や共有資源を利用する一方で、その維持や生産に貢献しない行動などがそれにあたります。
小学生の場合は、
1. 皆んなが作業をしている間、何もしないで結果だけを享受する。
2. 他の生徒が掃除をしている間、手を抜いている。
3. クラスが勝つために他の生徒が練習に励んでいる間、練習をサボる。
4. 学校行事の準備や運営に関与せず、ただ楽しむだけ。
5. クラスで決めたルールを守らず、他の生徒がルールを守ることで得られる利益を享受する。
フリーライダーの行動を容認すれば次々とフリーライダーが現れ、共同体は機能を停止して崩壊していきます。
そこで、フリーライダーを排除して結束力を高めることで、人は生存の可能性を上げてきたと考えられるのです。
ですから、集団で生きてきた人には裏切り者を検出する脳の機能があり、その裏切り者を排除する行動を制裁行動(サンクション)といいます。
A君はクラスという共同体の中でサンクションの対象となったというわけです。
社会性を保持しようという行動を向社会性といいます。
- 困っている人を助けたい
- クラスを良くしたい
- 仲間を大切にしたい
これらの感情(向社会性)が高まりすぎると2つの問題が生じます。
- 排除しようと思う感情
- 過剰な制裁行動(オーバーサンクション)
それは様々な理由でフリーライダーに見えてしまうような人を対象に過剰な制裁行動を起こしてしまうということです。
これが共同体の中で発生するいじめのメカニズムであり、向社会性の意識が高い共同体(規範意識が高い)ほどいじめが発生するリスクが高くなります。
Bくんについて
B君は私の幼なじみで小学校2年生の夏に私の通う学校に転校して来ました。
そして、すぐにクラスの人気者になったんです。
彼は、これまで一番クラスでヤンチャだった子よりも運動ができて当時25mのプールを泳ぎ切れるのは彼だけでした。
勉強もとても良くできていつも手をあげて先生の質問に答えていたし、絵画の展覧会ではいつも入賞していました。
でもちょっと変わった子で、学校の火災報知器を押したりするイタズラも激しかったんです。
そんなB君が、ある時期から友達と遊ばなくなくなってしまいました。
それは、6年生になって彼が児童会長に立候補して落選した頃からでした。
B君がショックだったのは落選したことではなく、彼の応援演説を引き受けてくれる仲間が一人もいなかったこと。
B君の家はとても貧しくて村にある公営住宅に住んでいました。私の街は古い城下町で多くの人が戦前から住んでいる様な古い街
戦前と言ってもほんの数十年前の話ではなく、源平合戦(治承・寿永の乱)から人が住んでいる様な街です。
恐らく、家で『B君と仲良くしたらダメ』とみんな言われていたんだと思います。
B君はクラスの中で異質な存在で
B君の家族は村の中で異質な存在感だったから
B君は誰とも遊ばなくなったけど、勉強や運動で一番なのは卒業まで変わりませんでした。
正義感が強くてちょっとかわった子、それがB君。
小学校は1クラスしかなかったけど、中学校は隣町にあるマンモス校で9クラス
色んな子供がいるからB君も目立たなくなったけど、運動神経だけは輝いてたかな?
B君はうちのメンバーのPAPPY(🐶)のことだよ。
PAPPYの記事はこちらから
二次性徴期の神経内分泌
より深刻なイジメ、特に自殺に追い込んでしまう程のイジメは、小学4年生〜中学2年生くらいから増加していきます。(自殺者は高校生が多い)
イジメは子供たちの間で深刻な問題です。特に二次性徴期には、性ホルモンの影響で身体や心に大きな変化が起こります。神経内分泌学の視点から見ると【脳ホルモンのオキシトシン・セロトニン・ドーパミン】と【テストステロン】が、イジメ問題にどのように関与しているのかを理解することが重要です。
1. オキシトシン
オキシトシンは、「愛情ホルモン」や「信頼ホルモン」とも呼ばれ、人間の社会的結びつきや信頼感を促進します。共同体感覚の上昇に伴い、オキシトシンの分泌が増えます。しかし、このホルモンが一部のグループ内で強化されると、グループ内外で個人への排他的な行動、つまりイジメにつながる可能性があります。
また、オキシトシンは女性が子を産み育てる事に大きく関与しているホルモンであり、女性がグループを作る傾向はここから説明できます。
2. セロトニン
セロトニンは、「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分を安定させてストレスを軽減します。季節の変わり目はセロトニンの分泌が減少し、これが不安や抑うつ、攻撃性を引き起こす可能性があります。
また、女性は男性に比べて分泌量が少ないので不安になりやすい傾向にあります。
日本人はセレトニンを再利用するためのセレトニントランスポーターが遺伝的に少なく、民族的に慎重で心配症で和を重んじる傾向が他の民族と比べて突出しています。
結果、同調圧力に弱く空気に流されてしまう傾向が強くなります。
3. テストステロン
テストステロンは、男性ホルモンの一種で二次性徴期に分泌が増えます。9歳くらいから分泌量が増え、15歳くらいのピーク時には10倍以上の分泌量に達します。テストステロンの増加は攻撃性の獲得に関与するとされています。
4. ドーパミン
ドーパミンは、「快感ホルモン」とも呼ばれ、報酬や達成感を感じるときに分泌されます。イジメ行為によって一時的な快感や優越感を得ることでドーパミンが分泌され、イジメによる快感の獲得を止められなくなります。
これは理性と情動とは一致しない。情動は往々にして理性を凌駕することを物語っています。
以上のように、脳ホルモンは思春期のイジメ行為に大きな影響を与えます。したがって、イジメ問題を解決するためにはこれらのホルモンのバランスを理解し、適切に管理することが重要となります。
イジメが楽しいとは
運動会や文化祭などの多くの学校行事によって、子供達は共同体感覚(自己受容、他社信頼、他者貢献、所属感)を高揚させ、オキシトシンの分泌が活性化します。
季節の変わり目、特に10月〜11月にかけて日照時間が短くなると、それに比例してセレトニンの分泌量が低下して不安や抑うつ攻撃性が上昇します。
その攻撃の矛先は、共同体(クラスの中)のフリーライダーと認識された子供や、以下の様な特徴を持つ子供たちに向けられる傾向があります。
-
異なる外見や特徴: 特定の外見や特徴が他の子供たちと異なる場合、それがいじめの対象になることがあります。これには体型、服装、身体的な特徴などが含まれます。
-
社交的なスキルの不足: コミュニケーションや友情を築くためのスキルが不足していると、他の子供たちとの関係が難しくなり、いじめられやすくなることがあります。
-
自尊心の低さ: 自己評価が低い子供は、いじめに対して弱いと感じることがあります。自分を守る自信がないため、いじめられやすい状況に陥ることがあります。
-
孤立していること: 孤立している子供は、他の子供たちとのつながりが薄いため、いじめの対象になりやすいです。友達がいないと、助けてくれる味方も少なくなります。
-
異なる興味や趣味: 趣味や興味が他の子供たちと異なる場合、同じグループになりにくくなり、いじめの対象になることがあります。
-
弱みや不安: 特定の弱みや不安が他の子供たちに知られてしまうと、それがいじめの対象になることがあります。
制裁行動(サンクション)には報復という危険を伴いますが、脳にはその恐怖を克服するための報酬系が存在します。
それがドーパミンの分泌なのです。
一度イジメが始まると誰もがその行為に正義感を感じ、ドーパミンの分泌による快感は理性で抗う事ができません。
そして、和を重んじる民族として共同体を形成してきた日本人は、教師すら同調圧力でイジメの対象と認めた子供をイジメられても当然だと感じてしまうのです。
これが『イジメられる子供にも原因がある』という言葉に表れるのです。
もしあなたが心に傷を負った直後であるならすぐに誰かに助けを求めてほしい。
まだ鳥かごの扉は開いています。
しかし、やがて鍵がかけられてしまいます。
そしてこれだけは信じて欲しい。
あなたの価値はあなた自身が決めるのです。
人生の意味はあなたが与えるです。
明確な答えは無いとしても態度・行動・言動・表現・癖・野心・習慣・人格など、あらゆる行動があなたの人生に意味を与え、意味と合致していきます。
大丈夫。
必ずまた大空を羽ばたける様になるから自分を信じて。
今日は、学校でおこるイジメ(制裁行動)を脳科学(内分泌)から考察しました。
学校に清廉さを求めすぎることは、
「イジメゼロ」を目指すこと
↓
「イジメがある事を認める事に慎重になる」
という矛盾を包括しています。
そして、学校を指導すべき教育委員会の職員の次の補職として校長・教頭などがあり、自分が赴任する可能性のある学校の評価は下げられないという現実が隠蔽の温床になっているのです。
次回は、天使👼が悪魔👿になるとき
「ルシファーエフェクト」
をお待ち下さい
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