流れに身をまかせて生きる | 家族関係をひも解き、女性としての人生をあきらめないで生きる

家族関係をひも解き、女性としての人生をあきらめないで生きる

いくつになっても、女性として輝く人を応援するためのブログ

先日24年前の下記文章が出てきたので載せてみます

 

「起きることはすべて自分に必要だからおきる」

そう思えると人生がとても楽になった

 

「流れに身をまかせて生きる」ことが最近少しずつできるようになった。

それはただいい加減に生きることではない。起こることすべては必然だと信じることだ。

 

ここ一年、大きな出来事が私に起こった。

その事を通して「流れに身をまかせて生きる」ことを学んだ。

それを具体的に話すことで、何か皆さんに伝えられたらうれしいです。

 

昨年9月22日は私の人生で一番ショックをうけた日だった。

母と病院に呼び出された私は父がすい臓がんで、あと半年という宣告を受けた。

それから数日間、私は世の中で一番かわいそうな被害者になった。

 

「なぜ私がそんな不幸なめにあわなければいけないの」と神をうらんだ。

「何かのまちがいではないか」と疑った。しかし現実をうけとめざるを得なかった。

 

私は4月に教員をやめ、カウンセラーとしての仕事も少しずつ始め、パートナーもでき、

幸せの絶頂にいた。

しかしあっという間に引きずり降ろされ、何もかも捨てて、父を助けなくてはという思いにかられた。

 

それからの私は本を読みあさり、人に救いを求めた。するとある時期に続けて民間療法でいい方法があることを聞き、「これだ」「これに出会ったということは助かるんだ」と思いこみ、家族に告げた。

 

奇跡の薬にかけてみたい。そのためには父に告知しなければならなかった。反対していた家族を説得して、父に告知した。顔色一つ変えない父だった。その時「こういうふうに感情を押し殺しているからガンになったんだ」と私は心の中で思った。

 

心理学関係の人の中には心の持ち方一つで病気は治るという人がいる。私も割とそちらの考え方を信じている。だから父を何がなんでも変えさせようと、様々な本や講演会を勧めた。

 

今思うとひどいことをしたと思うが、その時は必死だった。どんな方法をとっても父を助けたかった。

 

父をそのまま受け入れることはできなかった。父はつらかっただろう。ガンでいつまで生きられるかわからないうえ、六十過ぎて、今までとまるで違う考え方を押しつけられ、それができない自分を責める。しかもどんどん体は苦しくなる。本当によくがんばったと思う。自分の父親ながら感心する。

 

十二月に透視能力がある人に父の事を相談してみた。すると父は助からないと言う。あくまでその時に見えていた一つの可能性だというが落ち込んだ。

 

しかし私はやたらプラス思考になり、不安や恐れを見ないようにしていたことに気づかされた。治るかもしれないが、治らないかもしれない。今日一日一日を大切に生きなければと思った。

 

お正月には10年ぶりぐらいに家族全員で旅行に行った。今思うと親孝行ができた貴重な思い出となった。そういうチャンスが与えられたことに感謝している。

 

一時良くなったように見えたが三月に入り、とうとう黄だんになり、再入院した。それからの一ヶ月は早かった今まで何とかふんばっていた糸が切れたようにどんどん悪くなっていった。

 

昔はこわい父がきらいだった。もっとやさしく人の話を聞いてほしいと思っていた。しかし、こわくない弱々しい父を見るのは辛かった。やはり私は心の中で威厳のある父を望んでいたのだろう。父は私のヒーローだったのだ。

 

残された時間の中でレイキ(手当て療法)をやりながら、どんな父を大切に思ってきたか、感謝しているかを話、父がどんな思いで生きていたのかを聞いた。レイキをやると父が本当に孤独に耐えながらがんばってきたというのが、ひしひし伝わってきて涙が出た。父は警察官だったので、人一倍弱音をはけずに戦ってきたからだ。

 

「今日が山です」と思ったより早く医者に告げられた。それから四日間もった。

「すごく心臓が強いですね」と医者から驚かれ、最後まで父らしさを見せた。

臨終の時「もう楽になっていいよ」という気持ちだった。

 

なくなる五日前、臨死体験をしたらしい。弟が父についている時「お花畑が見える」「お墓もできた。明日行く」と言ったそうだ。きっと光の世界が見え、安心して行ったのだろう。

 

私はこの一年足らずで人生で一番苦しい思いをしたが、人生で一番すばらしい体験もした。「生きるとは?死ぬとは?」「本当の人生とは?」とこんなにも考えたのも始めてだった。

 

今思うとこれは私や家族を成長させるためだったとしか考えられない事がたくさん起こった。起こるタイミングがいつも絶妙で必ず助けてくれる人が現れた。

今さらながら「よくできた筋書きだな」と驚かされる。

 

はじめは運命をうらむ気持ちも起きた。しかし今は感謝している。

それは「起こることはすべて自分に必要だから起こる」と身をまかせて生きられるように

なったからだ。そう思えると人生がとても楽になった。

 

これからも命がけで父が教えてくれたこの「身をまかせて生きる」を実践して生きていきたいと思う。