Rings on Her Fingers

デパートガールのスーザンは誘われて詐欺師となった。本当は安月給のジョンにヨットを売りつけて、ジョンがコツコツと貯めた金を奪い取った。
だが二人はお互いに好きになり金を取り戻そうとする。さらに本当に大金持ちのトッドもスーザンを好きになって迫ってくる。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1942、監督:Rouben Mamoulian、脚本:Ken Englund、Emeric Pressburger、原作:Robert Pirosh、Joseph Schrank


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

スーザン・ミラー(ジーン・ティアニー) → リンダ・ウォーシントン
ペギー(アイリス・エイドリアン) スーザンの同僚
メイベル・ワーシントン夫人(スプリング・バイイントン)
ウォーレンおじさん(レアード・クリーガー)

ジョン・ウィーラー(ヘンリー・フォンダ)
トッド・フェンウィック(シェパード・ストラドウィック)
フェンウィック氏(ジョージ・レッシー)
フェンウィック夫人(マージョリー・ゲイトソン)
ケロッグ(フランク・オース)
ハーレー刑事(チャールズ・C・ウィルソン)
プレンティス大佐(ヘンリー・スティーヴンソン) カジノ経営者

◆ 補足

キャストの紹介はヘンリー・フォンダが先になっているが、ストーリー的にはジーン・ティアニーが主演。

ジーンには珍しくコメディ。ジーンは深刻な映画や暗い映画が多いが、本作はコメディなので、気楽に見ることができる。

ジーンより10歳年上のジョーン・ベネットがよく演じているようなドタバタタイプのコメディである。

今回はヘンリー・フォンダもよい。有名俳優なので、わりと見ている。彼には陰気臭い雰囲気が付きまとっているが、今回はわりと軽快な感じで、なかなかよい。

「ジーン」という名前は男性にも女性にもある。男性は「Gene」、女性は「Jean」「Jeanne」だが、ジーン・ティアニーはGene、映画監督のジーン・ネグレスコは男性だがJean。
 


■ あらすじ

◆ デパートの売り子

スーザン・ミラーは有名デパートの売り子。ただのデパートではなく大金持ちが買い物に来る。

スーザンは単なる売り子だが、いつかは彼らのようになりたいと夢見ている。

同僚のペギーには金持ちの姿を見て「10年後の私の姿よ」と言ってはいるが、見込みが立ちそうにもない。

◆ 詐欺師が接近してきた

ある日、メイベル・ワーシントン夫人といういかにも金を持っていそうな女性が来た。

スーザンは知らないのだが、実は彼女は詐欺師である。ウォーレンという男と組んで詐欺行脚。

だが二人は少々年を食っているので、若い女性のパートナーが欲しい。

「一緒に詐欺をしましょう」とストレートに言うわけにはいかないので、「ある金持ちの娘が行方不明で困っている。パーティで娘の振りをしてほしい」と間接的に誘った。

金持ちの世界にあこがれているスーザンはこの話を引き受けた。リンダ・ウォーシントンとなった。

◆ ジョン・ウィーラーから金を巻き上げた

その日から、スーザンはリンダとなった。いろいろなところに出かけて、金持ちの御曹司を引っかける。頃合いを見てメイベルとウォーレンが金を騙し取る。こんな生活が始まった。

彼らは南カリフォルニアの海辺に来た。ジョン・ウィーラーという男性と知り合った。

リンダの魅力を見れば当たり前のことではあるが、さっそくジョンはリンダに惹かれたようである。

ジョンは15000ドルでヨットを買うという。メイベルとウォーレンは、他人のヨットに連れて行って、いかにも自分たちのヨットであるかのように装って、ジョンにそのヨットを売ってしまった。二人は姿を消してしまった。

しかしジョンは金持ちではなく、週給65ドルの会計士で地道に貯めた金でヨットを買いに来たのである。

◆ 新しいカモ

さてリンダもジョンをスキになったのは当然のことである。リンダはなんとかジョンに金を取り戻したいと考えた。

さて詐欺師二人は次のターゲットをトッド・フェンウィックに定めた。

これまたトッドもリンダを好きになる。

世間的に見れば、トッドは十分ハンサムで、しかも金持ちなのだが、リンダはジョンの方が好きである。

◆ ジョンは金を取り戻した

最大の問題は「ジョンが盗られた金をどうしたらよいのか?」ということである。

だがそこは映画である。思わぬ人物が助けてくれる。カジノを経営しているプレンティス大佐。

二人の事情を知った大佐は、部下に命じて細工をする。

ジョンは賭けに勝って次第に金を取り戻していった。

◆ リンダはドタバタ逃げ回る

さてこれからがドタバタが始まる。

金を取り戻したジョンとリンダは「高跳びをして詐欺師二人から姿を消す」。これが基本路線だが、そんなにうまくは行かない。

メイベルとウォーレン、トッド、それからケロッグという人物。リンダは彼らから逃げ回る。それをうまくやるためにジョンも騙す必要がある。

ケロッグから逃げたと思ったらトッドに捕まるなどなど、目まぐるしく展開する。

トイレの窓から逃げ出す、タクシーに乗って反対のドアから出る、エレヴェーターを使ってトリックなど。

◆ ラスト

最後はリンダが詐欺師二人組に捕らえられた。そこにジョンが拳銃を持って入ってきて二人に拳銃を突き付けた。

本当はコートのポケットの中で指を突き出しているだけで、拳銃ではない。

やっとのことで二人はハッピーエンドとなった。
 


■ 出演作

◆ ヘンリー・フォンダ
(1937)暗黒街の弾痕/You Only Live Once
(1941)新妻はお医者さま/You Belong to Me

ジーン・ティアニー
(1942)ベンジャミンの復讐/Son of Fury
(1944)ローラ殺人事件/Laura
(1945)哀愁の湖/Leave Her to Heaven
(1946)呪われた城/Dragonwyck
(1946)剃刀の刃/The Razor's Edge
(1950)街の野獣/Night and the City
(1949)疑惑の渦巻/Whirlpool
(1943)天国は待ってくれる/Heaven Can Wait
(1951)脱獄者の秘密/The Secret of Convict Lake
(1950)歩道の終わる所/Where the Sidewalk Ends
(1941)女傑ベル・スター/BELLE STARR