Dangerous Crossing

会社を経営していたルースの父親は死亡した。ルースはジョンという男性と知り合い結婚した。
新婚旅行で船に乗る。しかしジョンは姿を消した。調べてもらったが「ジョンは最初から乗っていない」とのこと。抗議するとルースは精神状態を疑われた。


製作年:1953、監督:Joseph M. Newman、脚本:Leo Townsend、Cabin B-13(John Dickson Carr)


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)
アルバート・スタントン(-) 父親
ルース・スタントン・ボーマン(ジーン・クレイン) 主人公
ジョン・ボーマン(カール・ベッツ) 夫

ポール・マニング医師(マイケル・レニー)
ピーターズ船長(ウィリス・ボーシェイ)
アンナ・クイン(メアリ・アンダースン)客室乗務員
ジム・ローガン(マックス・ショーウォルター) 乗客、足が悪い
ケイ・プレンティス(マージョリー・ホシェル) 乗客
ブリッジス嬢(イヴォンヌ・ピアティー) 乗客

◆ 感想・補足

ナレーションではなくルースが考えていることがセリフで示される。この時に唇は動いていない。これはグッド。

原作では「Cabin B-13」でB13の船室となっているが、本作ではB16とB18が使われている。なぜ原作と変えたのかは不明。

コメディっぽいところはまったくないので、ジーンの他の作品とはあまりマッチしてないか?
 


■ あらすじ

◆ 新婚旅行に出発

ルースの父親は大会社の社長だったが死亡した。ルースが財産を受け継いだのだが、実際の経営は幹部社員が行っている。

その後、ルースはジョン・ボーマンという男性と知り合って結婚した。

新婚旅行で船に乗ってヨーロッパに行く。1400名の乗客が乗れる巨大客船である。

二人で乗船した。B16の部屋に入った。女性の乗務員がいた。乗務員は二人を見て出て行った。

荷物を置いてB16を出た。ジョンは用事があるということなので二人は別れた。

◆ ジョンが消えたっ!

ルースは船内を見物して回り、約束しているラウンジでジョンを待った。

船は出港した。

ジョンはなかなか来ない。退屈にしていると、近くにいた女性が話しかけてきた。

カウンタに行ってジョンのことを聞いたが行方は分からない。近くに足が悪い男性がウロウロしている。

仕方がないのでB16に戻ったがカギがかかっている。通りかかった係員に声をかけた。

係員は調べに行って戻って来た。B16は空き室とのこと。ドアを開けると確かに空である。

さらに調べてもらうと「ジョン・ボーマンという乗客はいない」とのこと。

そして「ルース・スタントンの部屋はB18」とのことである。B18に入るとルースの荷物があった。ジョンの荷物はない。

動転したルースは部屋を飛び出した。また足が悪い男性が見ている。ルースは失神して倒れた。

◆ ルースの話は信用されない

気がつくとルースは病室にいた。男性がルースをのぞき込んでいた。船医のポール・マニング医師。

ルースは自分の事情を話した。マニング医師は真面目な顔をして話を聞いたが、その内容は信用していないようであった。

ジョンとルースを案内した男性の乗務員がつれてこられた。しかし船員は「ルース一人だった」と証言した。

また船室に入ったときの乗務員が呼ばれた。アンナ・クイン。アンナは「部屋はB18でした。お二人ではなく、お一人でした」と証言した。

ルースは船長室に行って訴えたが信用されなかった。

◆ ジョンは乗船していなかった

すでに出港しているのでルースはB18に泊まることになった。

窓から海を見ていると電話が鳴った。電話を取るとジョン!「今は話すことはできない。誰も信用するな。明日夜10時に電話する」と言ってルースの返事を聞かないで切れた。

すぐに交換台に電話したが「そんな電話はありませんでした」とのこと。

また電話がかかった。マニング医師。

ラウンジてマニング医師に会った。「調べてもらった。あなたの夫は乗船していない」。

ルースは反論したが、すでにマニング医師はルースの精神状態を疑っているようである。

◆ マニング医師と話す

ルースは上の階を見て回った。また怪しい足が悪い男性を見かけたので陰に隠れた。

次の日になった。ルースはラウンジでマニング医師と会い、いろいろ話した。母親は幼い時に死亡し、父親は四か月前に死亡したことなど。

マニング医師はやはりルースのことを信用していないが優しくした。

マニング医師と甲板で輪投げゲームを一緒にやった。ここでも足が悪い男性ともう一人の女性が見ている。

◆ また怪しい男が

約束の夜10時が過ぎた。ジョンからの電話はなかった。

ルースは部屋を出て船の下の方にある荷物室に行った。乗客の荷物が並んでいる。

すると足音がした。ルースは隠れた。我々には足だけが映されるので誰だか分からない。

その後は、特に何事もなくプールで泳いだりマニング医師と話したりした。

マニング医師から「あなたが死んだら得をするのは誰だ?」と言われた。ルースはやっとジョンに疑いを持った。

◆ ジョンに襲われる

夜、ジョンから電話があった。「甲板の救命ボートにそばに」。

すでにルースはジョンに対して疑いを抱いていたにも拘わらず、甲板に出かけた。陰からアンナがルースを見ている。

救命ボートのそばに行くとジョンがいた。船員の制服を着ている。

「お前は自殺したことになる」とジョンは襲いかかった。アンナがまた見ている。

ルースは逃げたが捕まった。

そこにマニング医師が来た。ジョンを殴り倒した。

二人は激しい戦いをした。しかしジョンはロープに足を取られて転倒し、甲板から海に転落した。アンは気絶した。

◆ ラスト

B18。ルースとマニング医師がいるところに、船長が現れた。

ジョン・ボーマンはこの船の船員でルースの財産を奪うためにルースに近づいた。ジョンに乗務員のアンナ・クインが協力した。

怪しそうな足が悪い乗客は無関係。

船長はルースに謝罪した。
 


■ 出演作

◆ マイケル・レニー
(1945)シーザーとクレオパトラ/Caesar and Cleopatra
(1953)聖衣、キリスト教弾圧/THE ROBE
(1954)ディミトリアスと闘士/Demetrius and the Gladiators
(1954)デジレ・クラリー/Desiree
(1957)日の当たる島/Island in the Sun
(1951)私はあなたを忘れない/二つの世界に住む男/The House in the Square/I'll Never Forget You/Man of Two Worlds
(1953)危険な航海/Dangerous Crossing

ジーン・クレイン
(1945)ステート・フェア/State Fair
(1945)哀愁の湖/Leave Her to Heaven
(1949)三人の妻への手紙/A Letter to Three Wives
(1952)人生模様-賢者の贈り物/The Gift of the Magi
(1953)ヴィッキー/モデル殺人事件/Vicki
(1954)ジャングルの決闘/Duel in the Jungle
(1953)危険な航海/Dangerous Crossing
(1949)ピンキー/Pinky
(1955)星のない男/Man Without a Star
(1948)ペギーのアパート/Apartment For Peggy
(1956)早撃ちガンマン:必殺の一弾/The Fastest Gun Alive
(1944)勝利の園:繋駕競走/Home in Indiana