■ Forty Guns
女ボスジェシカ・ドルモンドに支配されている町。保安官さえも彼女の意のままである。
法執行官のグリフ・ボーネルが弟たちを連れて赴任した。銃を撃って暴れた酔っ払いを逮捕したが、すぐに釈放せざるを得なかった。
ジェシカの屋敷を訪れたが、40人の手下が並んでいる長い部屋に案内された。手下たちがグリフを睨んだ。
町の人々は怯えてグリフたちに協力しない。二人が草原で会った時に竜巻に襲われてグリフはジェシカを助けた。


製作:1957年、脚本:サミュエル・フラー、監督:サミュエル・フラー


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ジェシカ・ドルモンド(バーバラ・スタンウィック)
 ブロッキー・ドルモンド(ジョン・エリクソン) ジェシカの弟
 グリフ・ボーネル(バリー・サリヴァン) 法執行官
 ウェス・ボーネル(ジーン・バリー) グリフの弟
 チコ・ボーネル(ロバート・ディックス) グリフの弟
 ネッド・ローガン(ディーン・ジャガー)保安官
 ウィリー(ネイル・モロー)
 ハワード・スウェイン(チュック・ロバーソン)
 チャーリー・サヴェイジ(チュック・ハワード)
 ウェスの恋人(サンディ・ワース)
 


■ あらすじ

◆ トゥームストーンの状況

アリゾナ州、コチセ郡、トゥームストーンは、ドラグーン牧場の女傑ジェシカ・ドラモンドに支配されていた。40人の手下を持っている。

そして保安官のネッド・ローガンさえも彼女の意のままに動いている。

みんなこのような状態がいいとは思ってはいないのだが、あえて反撃するものはいない。

英語の発音を聞いてみると「コチーズ郡」のようだが「コチセ郡」と書いてあるので、それに従う。

◆ グリフ・ボーネルが赴任

クリフ・ボーネルと二人の弟ウェスとチコが馬車に乗ってトゥームストーンに向かっている。注、クリフの身分は「reformed gunslinger」となっているようだ。「保安官」でもよいかもしれないが、当地にはすでに保安官がいる。

途中で、多数の馬が彼らの馬車のそばを通り過ぎた。ジェシカの手下である。先頭は白馬に乗ったジェシカ。

馬車の馬は怖がって暴れだした。やっとのことで抑えた。

◆ ブロッキーを逮捕するが釈放

町についてみると、やはり荒んでいる。ジェシカに支配されているという当地の状況はもちろん認識している。

ジェシカの弟のブロッキーが酔っぱらって暴れている。拳銃を撃ちまくっていて非常に危険である。みんな逃げまどっている。

グリフとウェスとチコはブロッキーに向かって歩いて行った。周りの人は、それを見守った。一部の人は不測の事態に備えて、陰からブロッキーにライフルを向けた。

まっすくにブロッキーを睨みつけて進んでいく。ブロッキーの手下は、その姿にたじろいだ。ブロッキーもグリフの威勢に押されて手が出せない。

グリフはブロッキーを殴り倒した。グリフはブロッキーを逮捕して収監した。

しかしジェシカが現れて釈放を要求した。通りには手下がずらっと並んで威嚇している。

ブロッキーは釈放された。その後ジェシカは「無駄に争いを起こさないで」とブロッキーの拳銃を取り上げた。

◆ スウェイン逮捕

クリフたちはスウェインの逮捕状を持ってジェシカの元に赴いた。当地に来たもともとの用件はこれである。

細長~い部屋の一番奥にジェシカがいる。そのそばにブロッキーと保安官のローガン。そしてずらっと手下が並んでいる。女性はジェシカ一人。

クリフは逮捕状を一番手前の人間に渡した。ずっと手渡しされてジェシカに届けられた。

知事から正式に届けられたものなので、さすがのジェシカも拒否できない。保安官のローガンとちょっと話してジェシカはスウェインに指示を出した。スウェインは連行された。

その後、ジェシカはブロッキーとローガンも含めて他の者を退出させて、クリフと二人で話した。

◆スウェイン殺害

スウェインは、保安官のローガンに「ジェシカの悪事をばらす」と言って自らの釈放を要求した。

ローガンは話を聞いて牢から離れた。その後ろで銃声がしてスウェインが撃たれて倒れた。

息が絶え絶えとなっているスウェインにローガンとクリフは「誰が撃った?」と聞く。

クリフがスウェインの口に耳を近づけた。スウェインは何かを喋って息を引き取った。

クリフはスウェインの死体をひっくり返して傷を調べた。ローガンはその様子を見ている。不安そうな顔。

◆ 竜巻

牧場。ジェシカとローガンが歩きながら話している。ジェシカはスウェインを殺したことでローガンを責めている。直接の実行犯はチャーリー・サヴェイジ。

ローガンは言い訳するが、ジェシカはローガンを遮って話す。怒っている。ジェシカはローガンを殴って馬に乗った。

その後ジェシカは一人で馬を走らせた。途中で馬車に乗ったグリフに出会った。この二人にしては、わりと和やかに話しながら進んだ。

しかし突然竜巻が襲ってきた。ものすごい風の中を突き進む。

ジェシカは落馬したが、しかしベルトが足に絡まって、しばらく地面を引きずられた。やっとベルトが外れた。嵐の中でうずくまった。

グリフの馬車もひっくり返った。グリフはジェシカの体を抱き起して小屋に引き入れた。

小屋の壁は吹き飛んだ。二人は体を寄せ合って竜巻をやり過ごした。

このような体験の後だったので、日ごろの対立は忘れて、個人的なことを話した。主にジェシカが話をしてグリフは聞いていた。二人は手を握り合った。

◆ ローガンが陰謀、しかし失敗して自殺

グリフとジェシカが親しそうに会っている。

ローガンとブロッキーが何やら言い合いをしている。ブロッキーと別れた後、ローガンは手下のウィリーに何やら指示を出す。

不穏な雰囲気。グリフは歩いていく。その前の建物にウィリーが隠れている。グリフを見下ろす建物からサヴェイジがライフルを持っている。ローガンも離れて見ている。

ウェスがライフルを持って警戒している。

ウィリーがグリフを呼び寄せた。サヴェイジの視界にグリフが入った。引き金を引こうとした。

しかしサヴェイジは後ろから撃たれた。チコが顔を出した。ローガンが焦った顔。

人々は安堵。しかしある店には「ボーネル兄弟に殺された」の張り紙。

夜、ジェシカの屋敷の中でグリフとジェシカが話している。

突然、銃声がした。二人は体を伏せる。ローガンが入ってきた。グリフはローガンを殴り倒す。ジェシカもローガンを責める。ローガンは部屋を出ていく。注、何の銃声かは不明。ローガンに関係しているようではあるが、ローガンが撃ったものではない。

グリフとジェシカが続けて話す。二人はキスをする。しかし隣の部屋で音がしたので、ドアを開けてみると、ローガンが首を吊っていた。

ストレートには表現されないが、ローガンはジェシカが好きだったようである。

◆ ウェスが殺害された

ウェスが当地の女性と結婚することになった。

結婚式場から出てきたウェスを馬で走ってきたブロッキーが撃った。死亡した。花嫁は泣き崩れた。

◆ ブロッキーが脱獄した

荒野の中の小屋。馬でクリフが来た。中にはジェシカ。クリフが中を見て回る。ジェシカが不安そうに見ている。

クリフはベッドをひっくり返した。下にブロッキー。ブロッキーは逮捕された。

ジェシカの前に(おそらく)政府の役人が現れて「あなたは、屋敷や牧場などすべてを失った」と言う。

ブロッキーにジェシカが面会に来た。顔を見たとたん、ブロッキーは怒って喋る。

係員が来て、ブロッキーの牢を開ける。注、なぜ開けるのか?二人で話をさせるため?

ブロッキーは係員を殴りつけて拳銃を奪った。姉のジェシカを後ろから抱えて盾にする形で外に出た。

グリフは十メートルほど離れてブロッキーに対峙した。睨み合いが続いて時間が停止した。

グリフはなんとジェシカを撃った。ジェシカは前に倒れた。

グリフは露出したブロッキーを撃った。グリフは倒れたブロッキーを何度も撃ってて止めを刺した。

グリフはジェシカの急所を外して撃っていた。しばらくしてジェシカは回復した。

◆ ラスト

ジェシカは、ウェスの恋人の家を訪ねた。ウェスの件を謝った。恋人は無言。ジェシカが出て行って、恋人は泣いた。

グリフは保安官をチコに任せて出ていくことにした。行き先はカリフォルニア。

グリフは馬車に乗ってゆっくりと、この町を離れていく。それをジェシカが追いかけた。

ジェシカは追いついて馬車に乗った。二人は町を去っていった。
 


■ 出演作

バーバラ・スタンウィック
(1933)女囚の意気地/Ladies They Talk About
(1937)ステラ・ダラス/Stella Dallas
(1939)大平原/Union Pacific
(1941)群衆/Meet John Doe
(1941)レディ・イヴ/The Lady Eve
(1944)深夜の告白/Double Indemnity
(1945)クリスマス・イン・コネチカット/CHRISTMAS IN CONNECTICUT
(1946/呪いの血/マーサの奇妙な愛情/The strange love of Marth Ivers
(1947)いのち短し/The Other Love
(1948)私は殺される/SORRY, WRONG NUMBER
(1947)恐怖の叫び/Cry Wolf
(1957)四十挺の拳銃/Forty Guns
(1940)思い出のクリスマス/Remember the Night
(1956)マーヴェリックの女王/烙印なき男/The Maverick Queen
(1955)ビルマの逃亡劇/Escape To Burma
(1953)人妻の危機/Jeopardy