■ Stella Dallas(1937)
■ あらすじのあらすじ
ステラはスティーヴンと結婚しローレルが生まれた。
スティーヴンはニューヨークに転勤になり、二人は別居しローレルはステラと暮らした。
スティーヴンは時々戻ってきて、ローレルは時々父親に会いに行った。ローレルは父親も母親も大好きだった。
スティーヴンは昔の婚約者のヘレンと偶然再会した。ローレルはヘレンも好きになった。ヘレンの長男の友達と恋人になった。
ステラは自分の性格や出自がローレルの結婚にとって悪影響であることを認識し、離婚してスティーヴンとヘレンに親になってもらおうとヘレンに願い出た。
しかし事情を知ったローレルは、この案を拒否してステラの元に帰った。(ローレルのことを思って)ステラは戻ってきたローレルに冷たい仕打ちをした。
■ はじめに
登場人物(キャスト)
ステラ・マーティン→ステラ・ダラス(バーバラ・スタンウィック)
スティーヴン・ダラス(ジョン・ボールズ) - ステラの夫
ローレル・ダラス(アン・シャーリー) - スティーヴンとステラの娘
ヘレン・モリソン(バーバラ・オニール) - スティーヴンの昔の婚約者
コン・モリソン(ジミー・バトラ) - ヘレンの長男
エド・ムン(アラン・ヘイル)
Mr.マーティン(エドモンド・エルトン) - ステラの父親
Mrs.マーティン(マージョリー・メイン) - ステラの母親
チャーリー・マーティン(ジョージ・ウォルコット) ステラの兄
リチャード・グロスベナー(ティム・ホルト) - コンの友達
本作には原作があり、1925年にも映画化されている。二人の娘の名前は私が持っているDVDの字幕では「ローラ」と表示されているが「Laurel」なので「ローレル」とする。
スタート時点の舞台はマサチューセッツ州ミルハンプトン、1919年。
■ あらすじ
◆ スティーヴン・ダラス
スティーヴンの父親が銀行の破産で自殺した。スティーヴンは婚約者のヘレンとの結婚を断念して姿をくらました。
スティーヴンはある工場の管理職として勤務するようになった。
◆ ステラ・マーティン
ステラは両親、兄のチャーリーと一緒にチャーリーが勤務している工場の職工用の社宅に住んでいた。
ある日の朝、ステラはチャーリーの昼食を作って渡したが、チャーリーは、その昼食が気に入らずに喧嘩して出勤していった。
その後ステラは弁当を買って工場の事務所に届けた。それは「スティーヴンというステラが思いを寄せている管理者に会えるかも」という魂胆があったためである。
事務所に行くとスティーヴンがいた。しかしチャーリーは出かけていた。事務所に訪ねてきたもう一人の男性と三人で持ってきた弁当を食べた。そして「弁当は私の手作り」ということにした。つまりステラは目的を達成した。
◆ ローレルが生まれた
ほどなくしてスティーヴンとステラは結婚して、ステラはメイド付きのスティーヴンの家で暮らし始めた。ローレルという娘を出産した。
ステラはローレルを可愛がったことは事実であるが、言ってみれば「上流社会」に初めて接してウキウキとなった。スティーヴンは引き留めたが、ステラは遊び歩いた。またステラの無教養な振る舞いも顰蹙を買った。
しかしそれでもスティーヴンとステラは愛し合っていた。
◆ ニューヨーク転勤・別居
スティーヴンがニューヨークに転勤することになった。しかしステラはローレルと共に当地に残ることになった。
スティーヴンは毎月欠かさず仕送りをし、また時々戻ってきて、二人に会った。
ローレルは次第に成長した。ステラとスティーヴンが大好きであった。またスティーヴンを訪ねてニューヨークに行った。
しかしステラの評判は相変わらずであった。また馬券屋のエドと親しくしていたことなども重なり、ローレルの誕生会を開いても、先生や友達が来なかった。ローレルはエドが大嫌いであった。
◆ ヘレン・モリソン
スティーヴンは偶然ヘレンと再会した。ヘレンは夫と死別し三人の息子を育てていた。
二人はかっての感情は残っているものの、スティーヴンとステラの関係を壊すようなことはなかった。
ローレルはヘレンも大好きになり、ヘレンの息子たちと仲良くなった。ステラにはヘレンのことを嬉しそうに報告した。
◆ リチャード
ローレルはヘレンの長男コンの友達のリチャードと付き合うようになった。ローレルは、このことも嬉しそうにステラに報告した。
しかしこの頃よりスティーヴンとヘレンの絆が深まり始め、スティーヴンは離婚を考えるようになった。
ローレルはリチャードの学校友達と避暑地に出かけた。そしてステラも同行した。ローレルはとても楽しそう。
しかしここでステラは、自分の無教養な行動や派手な服装が、他の人々の顰蹙を買っていることを知った。そしてそれがローレルの将来に影響を及ぼすことを危惧した。
ステラは自宅に戻るために慌てて汽車に乗った。ローレルはステラを追いかけた。帰りの寝台車の中でも、ステラは自分の悪口を聞いてしまった。「(ローレルが)あんな母親に育てられたなんて」。
◆ ヘレン
ステラはヘレンを訪れて、スティーヴンと一緒にローレルの親になってほしいと頼んだ。
ローレルもスティーヴンやヘレンと一緒に住めることを喜んだ。
だがしかしローレルは、スティーヴンとステラが離婚することを知って、この話を拒否して、ステラの元へ向かった。
ヘレンはステラに状況を告げずに「ローレルが帰った」と電報した。
◆ エド・ムン
ステラはヘレンからの電報を受け取ると状況を把握した。ローレルが大嫌いなエドの家に出かけた。
例によって酔っぱらって寝ていたエドに書置きをして、飾ってあったエドの写真を持って帰ってきた。
その写真を部屋に飾った。ローレルが戻ってきた。エドの写真を見て驚いた。
ステラは「私も女なの、自分のために生きる」とローレルに言い放った。エドが入ってきた。
ローレルは家を飛び出してスティーヴンとヘレンの元へ帰った。
◆ 結婚式
ローレルとリチャードの結婚式が行われることになった。
二人の結婚の情報は新聞に載ったのだが、ローレルはステラが訪ねてこないので、ステラのことを(ステラの意図通りに)誤解した。
結婚式の日は雨だった。ヘレンは式場のカーテンを開けて、外の道路から見えるようにした。ステラに対する心遣いである。
ステラは雨の中で、ローレルとリチャードが結婚するのを見届けた。微笑んで頷いた。立ち去った。
■ 補足
◆ スティーヴン急いで帰宅事件
クリスマスに近い頃、酔ったエドが料理をしていない七面鳥を抱えて乱入してきた。
スティーヴンが来る予定なので、ステラはエドを慌てて奥の部屋に押し込んだ。
スティーヴンが入ってきた。「メリークリスマス」と二人は抱き合った。
そしてスティーヴンは、若干言いにくそうに「ローレルを連れて帰りヘレンと一緒にクリスマスを過ごしたい」という案を提案した。
ステラは少しがっかりしたが、ローレルがヘレンのことも大好きなので承諾した。
しかしスティーヴンは思い直して、スティーヴン、ステラ、ローレルの三人でクリスマスした後に、ローレルをヘレンのところに連れていくことにした。
そして電話を掛けて、列車の変更をしようとした。
さて、ここでエドが奥の部屋から乱入してきた。今度はステラはエドを外に押し出した。
スティーヴンは電話を置いて「予約の変更はできなかった」と言った。
■ 蛇足
最後の結婚式の場面。「ステラは招待されなかった」としているものがあるが、それは誤解。ステラはローレルのことを思って連絡を取らなかったし、ヘレンはステラの気持ちを理解していたと解釈するのが整合的。そうでなければ最後の場面のステラがほほ笑んで立ち去るのが説明できない。
はっきりと言えば本作で表現されている価値観は古臭いものである。しかし本ブログは、このようなことに声を上げて主張する目的で作ったものではないので、これだけにしておく。
私が買ったDVDには、淀川長治の解説が付属している。こんなことを言っては失礼だが「このような有名な人が解説したものなので、はたして面白いのかっ?」と思ったのだが、ネットの解説を見て購入した。買って良かった。彼の解説は見ていない。
■ 出演作
◆ バーバラ・スタンウィック
(1933)女囚の意気地/Ladies They Talk About
(1937)ステラ・ダラス/Stella Dallas
(1939)大平原/Union Pacific
(1941)群衆/Meet John Doe
(1941)レディ・イヴ/The Lady Eve
(1944)深夜の告白/Double Indemnity
(1945)クリスマス・イン・コネチカット/CHRISTMAS IN CONNECTICUT
(1946/呪いの血/マーサの奇妙な愛情/The strange love of Marth Ivers
(1947)いのち短し/The Other Love
(1948)私は殺される/SORRY, WRONG NUMBER
(1947)恐怖の叫び/Cry Wolf
(1957)四十挺の拳銃/Forty Guns
◆ アン・シャーリー( 1918年4月17日~1993年7月4日)
「ブロンドの殺人者/MURDER, MY SWEET(1943)」
◆ バーバラ・オニール(1910年7月17日~1980年9月3日)
「天使の顔/ANGEL FACE(1953)」
「風と共に去りぬ/Gone with the Wind(1939)」
◆ アラン・ヘイル(1892年2月10日~1950年1月22日)
「カンサス騎兵隊/Santa Fe Trail(1940)」
「いちごブロンド/Strawberry Blonde(1941)」
「シー・ホーク/The Sea Hawk(1940)」
「ロビンフッドの冒険/The Adventures of Robin Hood(1938)」
「ステラ・ダラス/Stella Dallas(1937)」
◆ ジョージ・ウォルコット
「激怒/Fury(1936)」
◆ ティム・ホルト
「駅馬車/Stagecoach(1939)」
「荒野の決闘/My Darling Clementine(1946)」
◆
「人生模様-クラリオン・コール新聞(1952)」
「赤い標的」ブリジット・フォンダ、キーファー・サザーランド
「壮烈第七騎兵隊 They Died with Their Boots On 1941年」
「脱獄の掟 Raw Deal (1948)」
「日曜はダメよ」