たった1泊2日の旅行なのに、すでに#10になった名古屋市内観光編。

まとめて書くには写真が多く、場所ごとに分けざるを得ず。

さらに、今日のテーマ「橦木館」は部屋数が多くて、とりあえず今回は洋館部分のみにて。

 

さて、唐突に出てきた名前「橦木館」ですが、私も二葉館(旧川上貞奴邸)に

行くまでその名を知らず。

入場券を買う時、「橦木館とのセット券にしますか?」と聞かれ、

二葉館と抱き合わせということは、それなりに見どころがあるのだろう、

と安直に「はい」と返事。

 

橦木館とはなんぞや?そもそも橦木なんて読めないし・・(橦木=しゅもくでした)

とにかく行けばいいや。ということで行って判明:輸出陶磁器商・井元為三郎の館でした。

 

さらに館内の展示品についた解説によると、この館のすぐそばに絵付け工場があり、

その影響で磁器輸出がこの界隈で栄えたようです。以下説明から:

1896年、森村組(ノリタケ、TOTO、日本ガイシ等森村グループの前身)が橦木町一帯の武家屋敷跡(現主税町=ちからまち=公園あたり)に絵付け工場を集約した大規模な工場を建設し、名古屋市東区の輸出陶磁器産業繁栄のきっかけをつくった。

 

橦木館。右の洋館と左の和館、全く異なるテーストです。

洋館は磁器輸出用の事務室があり、輸出という仕事にふさわしいハイカラなつくりでした。

 

 

洋館の中は二葉館同様ステンドグラスで飾られています。

この館が作られた1926年頃というと、ステンドグラス第一人者の宇野澤辰雄は

すでにこの世にはおらず、小川三知は最晩年。

どうやらこのステンドグラスは、宇野澤スティンド硝子工場草創期の職人梅澤鐡雄ではないか

と言われています。

 

向かい合う小鳥や、

 

互い違いに並ぶ小鳥というバリエーション。

 

 

 

この写真のとおり、このモダンな部屋はかつて、輸出用磁器であふれていたようです。

 

森村組の工場があった主税町=ちからまちの名前が見られるお皿。↓

早描きの水彩スケッチのようなオールドノリタケ。

 

右の皿にCHIKARAMACHIの裏印があります。(見えづらいけど)

 

オランダの風景画?画集などを見て描いたのでしょうかね。

 

右の人形はサンプル品とのこと。パステルカラーが繊細。

 

輸出事務の様子が偲ばれるデスクにはタイプライターとそろばん。和洋折衷ぶりがおもしろい。

引き出しには英文レターも。英文読解が必須の職業。

 

必死で勉強されたのでしょう。英語のビジネスハンドブックもありました。

 

 


ダチョウに乗る井元為三郎氏と、井元商店本社の人々。

 

 

日本家屋の方も立派でしたし、なかなかハイソな暮らしぶりが偲ばれます。

町の雰囲気は、今もしっとりと落ち着いています。

このあたりは武家屋敷跡とのことで、由緒正しい土地柄だったのでしょう。

そういえば二葉館からこちらに来る途中、武家屋敷の長屋門↓を目にしました。

 

どういうたぐいの武家屋敷があったのかな?と調べたら、

尾張の中級武士たちの屋敷があったそうです。

 

 

 

名古屋市内観光① 杉浦非水原画のステンドグラスの数々 二葉館
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