先述通り、名古屋市にある二葉館は、電力王・福沢桃介と女優・川上貞奴の旧住まい。

 

下の画像は、邸宅内にあったアルバムです。

川上貞奴の名前は聞いたことがあったものの、姿を見るのは初めて。

夫・川上音二郎の写真もありました。

(福沢とここに暮らした時には音二郎はすでに帰らぬ人でした。)

 

 

 

パリ万博で公演して好評を博したようです。

 

 

 

下は、ピカソが彼女をモデルにしたデッサン。

なかなか魅惑的な表情です。

 

 

 

1900年万博ということで、アールヌーヴォー真っただ中のフランス。

ミュシャらの大型ポスターが流行った頃のこと。

貞奴のポスターも作られていたんですね。

左はそのときに着ていた着物のようです。

 

 

 

さて、電力王、という枕詞が付くことの多い福沢桃介。

自宅でも、率先して自社のエネルギーを活用しようとしたらしく、

邸内には自家発電設備がありました。

 

 

 

こちらは↓、中がほどんど見えなくて一旦素通りしたものの、

あれ?なんか計器のようなものが見える、と近づいて斜めから視線を送ると

見えました。

 

まだ電力の認知度が低かった時代。

館に財界の人たちを招き、電力アピールをしたとのこと。

そんなときこそ、内助の功というか、接待上手な貞奴の面目躍如。

PRに一役買ったのだとか。

(以前記したとおり、このとき桃介には別途妻がいた。)

 

 

 

各部屋には女中を呼ぶときの呼び鈴があります。

係員の方に許可を得て、押させてもらった夫。

次に女中部屋に移動すると、どの部屋から呼び鈴が鳴らされたかわかる仕組みになっていました。

今回は1と書かれた部屋から呼び鈴が鳴らされたことがわかります。それを元に戻す場面です↓

なお、現在では、呼び鈴が反応するのは一室のみになっています。

 

 

 

もともと館に遭ったオリジナルのランプ。

当時から電気を活用していた様子がわかります。

 

 

貞奴のマーク入りの電灯。

 

 

 

貞奴くずし紋はあちこちで見られました。

 

 

着物の背にも。

 

 

洋館ですが、和室もあります。

増築された部分でしょうかね。

 

 

 

自邸が描かれた衝立。

 

 

そのほか2人の愛用品なども。

なかなか見ごたえのある館でした。