TRIQUETRA ~Tributary Zone~ -26ページ目

TRIQUETRA ~Tributary Zone~

2代目のブログです

色々あって、自分の親と同居するようになり、

半年くらい過ぎたあたりのあの満月の夜。

 

私は爆発して。

 

 

あれ以来、体調がすぐれない日々が

続いたりしたけれども。

 

あのコーヒーショップで働きだした頃には、

それもだいぶ、落ち着いていたりした。

 

 

・・・のだけれども。

 

 

ダンカン・ダンスをやっていた頃だったか。。。

それとも、やめたあとだったか。。。

 

時期は定かではないのだけど。

 

ある頃から今度は、肌の状態が

悪化しはじめた。

 

 

そういう自分の状態を見て。

 

「あぁ、今って、自分の中にあった

いろんなものが、あれこれ外に、

吹き出してきているんだな」

 

・・・と。

 

そんな風に思ったものだった。

 

 

「浄化」が起こっているのだ。。。と。

 

そう感じていた。

 

 

あの頃は、スピ的な考え方に

どっぷり染まっていた頃だったから。

 

体調の悪化や病気は、、、

すべてが、「浄化」と映っていたし。

 

それを信じて、疑っていなかった。。。

 

 

*******

 

 

あの時の皮膚の悪化は、、、

かなりショックなもので。

 

それは、「顔」に出たのだった。。。

 

 

私は昔から、肌はあまり丈夫なほうでは

なかったのだけれども。

 

メイクすることは、大好きだったし。。。

 

スキンケアにも、かなり

こだわるほうだった。

 

 

OLの頃は、ちょうど、バブル時代で。

メイクも、濃いものが主流だった。

 

私も例にもれず。。。

お化粧は、かなり濃かったし。

香水も、浴びるようにつけてたし。

 

今じゃもう、考えられないけど(笑)

 

 

 

そして、そうやって自分が一番遊んでいた頃の

流行りというものは、、、

なぜか、濃く染みついてしまうものなのか。

 

その後、ある程度流行は変わっても、

なかなか、自分のメイク・スタイルというものは、

変わらなかった気がして。。。

 

結婚して、子供が生まれた後も、、、

相変わらず、お化粧は濃かった。

 

 

それが。

 

あれは、息子が幼稚園生の頃くらいだったか。

 

ある日突然、、、

口紅が使えなくなってしまったのだった。

 

 

その日、朝、起きると、、、

唇にポツッと、小さなおできのような

ものが出来ていた。

 

でも、出かけなくてはいけなかったし、

当時の私にとっては、すっぴんで外に

出るなんてことはもう、とんでもないことだったので。

 

かまわずそのまま、、、

ルージュを塗ってしまった。

 

 

でも、それがいけなかった。。。

 

 

もともと、アレルギー体質だったのだけど。

 

それがキッカケで、

合成着色料にアレルギー反応を

起こすようになり。

 

当時、一般的にお店で売られていた、

普通の口紅を塗ると、すぐに唇が

腫れてしまうようになってしまった。

 

 

口紅だけでなく、例えば、食品の中に、

「赤色〇号」みたいなものが含まれていると、

それを食べただけで、唇がタラコに

なってしまうようになり。。。

 

 

 

それまでは、なんともなかったことが

出来なくなってしまった。。。

 

・・・ということが、あの頃の私には、

ネガティヴな出来事に映っていた。

 

 

市販のルージュが塗れない。。。

食品に含まれる着色料を気にしなければ

いけない。。。

 

 

・・・みたいな、そういう、自分の身体の

変化を受け入れるまでに。

 

相当、時間がかかった。。。

 

 

お気に入りのルージュが塗れないことが悲しくて。

 

何度も再トライしては、何度も唇を腫らして。

 

諦めるまでに、時間がかかった。

 

 

唇は、どんどん敏感になり。。。

ルージュだけでなく、普通の薬用リップすら

使えなくなり。。。

 

何も反応が起こらないのが、唯一、

ワセリンのみ。

 

・・・という、悲しい状態が長年も続いたけど。

 

 

幸いなことに、その頃は。

 

ルージュは、薄い色が流行りだし、

口紅というより、グロスがメインに

なってきていた時期だったので。

 

その点では、救われていた(笑)

 

 

長年、口紅を塗らなかったことで、

唇の血色は戻って来ていたし。

 

ワセリンのテカリは、

グロスのテカリとシンクロしていたから(笑)

 

 

もしこうなったのが、マットで濃い色のルージュが

猛攻をふるっていたバブルの時代だったら、

もっと、悩んでいただろうなぁ。。。と。

 

そんな風に思ったものだった。

 

 

*******

 

 

あのコーヒーショップで、

「こっそりヒーラー修行」をしていた頃も、

まだまだ、ワセリン時代だったけど。

 

その頃はもう、唇のことは、

そんなに気にしなくなっていた。

 

 

ファンデーションを塗って、

シャドウをいれて。

 

唇はワセリンでも、

まぁ、なんとかなっていた。

 

 

それがある日、、、

今度は、顔全体が、唇のような

敏感状態になり。。。

 

ルージュどころか、、、

すべてのメイク用品、すべての

スキンケア用品に対して、

アレルギー反応が起こるように

なってしまったのだった。

 

 

接客業だったので、、、

あまりに、ボロボロな状態で

出勤することもできず。

 

敏感肌用の化粧品を使って、

なんとかメイクをしたりしていたけど。

 

家に帰って洗顔すると、顔が

真っ赤に腫れあがり。

 

 

さすがにある日、、、

ノー・メイクでお店に出たら。

 

みんなが心配してくれたけど。。。

 

あの店長が、、、

 

「大丈夫ですか?

お大事にしてくださいね」

 

・・・と言ってきた時は、少し驚いた。。。

 

 

この店長にも、そういう心があったのか。と。

 

・・・というか、そういう心を素直に表現することが、

この店長にもあったのか。。。と。

 

そういう部分に驚いたのだろうと思う。。。

 

 

それをそのまま店長に言ったら、

 

「なんですか、それは」

 

・・・と、ふてくされていたけど(笑)

 

でもちょっと、嬉しそうだった。

 

 

*******

 

 

そんなこんなで。。。

 

このまま一生、メイクができなかったら

どうしようと。。。

 

あの頃は、そんなことで、

お先、真っ暗になったものだ。。。

 

 

今思うと、、、

笑ってしまうような些細なことが。

 

あの頃の、、、

まだ、若かった私には重大問題だった。

 

 

でもだからこそ。

行動したのだと思う。。。

 

 

自分の肌をなんとかするために、

私は、医学関係の本を読み漁った。

 

 

医学。。。と言っても、、、

一番、心惹かれたのは実は、

「チベット医学」だったのだけど。

 

 

その繋がりから、ハーブ療法に

目が留まり。

 

私はそれを、真剣に

学び始めることにしたのだった。。。

 

 

*******

 

 

つづく

ダンカン・ダンスを深めていくにつれ。。。

 

バレエというものは、、、

すごく、男性性の強い踊りなのだな。と。

 

そう思うようになっていった。

 

 

バレエには、「こうあるべき」という

美しい理想の形が決まっていて。

 

みんながその「高み」を目指して、

日々、訓練を重ね努力していく。。。

 

常に自分には、ダメだしをして。

 

更に上へ、更に上へ。。。と。

 

今はここにない、「完璧な理想」を目指して。。。

 

 

綺麗な衣装を身にまとい、、、

お姫様になったり、妖精になったり。。。

 

とてもロマンティックな世界で。

少女の憧れの世界だったりするけど。。。

 

バレエの裏方。。。

 

たとえば、演出家とか振付家とか。

 

その舞台を、「創作」する側にはやっぱり。

男性が多いような気がする。。。

 

 

 

バレエは、、、

カトリーヌ・ド・メディシスがフランスに

お嫁入した時に。

 

自国のイタリアから持ち込んだ、

宮廷舞踊がもととなっている。。。と。

 

そう言われているけど。

 

 

現在のバレエ・スタイルの基礎を築いたのは、

太陽王と言われた、あのルイ14世で。。。

 

そのスタイルが今もなお、、、

頑なに継承されていたりするのだし。。。

 

 

そして。。。

「トゥ・シューズ」自体がもう、、、

男性性的な発想だと。。。

 

そんな風に感じる。。。

 

 

地上についている部分を、より少なく。。。

宙に浮いているように見えるように。。。と。

 

 

 

自分がバレエだけに熱中していた頃は、、、

こんなことは思いもしなかったけど。。。

 

ダンカン・ダンスに触れることによって、

自分の中で、バレエのそういうところが、

すごく、ハッキリ見えるようになってきた。

 

 

そして、ダンカンはきっと。。。

 

バレエのそういうところが、

「不自然」に見えたのだろうな。。。と。

 

そんな風に思った。

 

 

音楽や、自然のエネルギーを感じて、、、

 

「あぁ、、、足をあげたい」

 

・・・みたいな感覚になった時に、、、

 

それをそのまま、身体で表現するのが、

ダンカン・ダンスだった。

 

 

でも、バレエだったら、、、

 

「アラベスクは、こういう形であるべき」

 

・・・というのがあって。

 

そこから外れる形は、

美しくない。。。とされる。

 

 

 

あの頃の私は、、、

 

バレエに対して多少、苦しんでいたところが

あったせいか。。。

 

ダンカン・ダンスの理念に、、、

救われた。。。というか。

 

何かから、解放されたような気持ちになり。

 

そして、そういう新しい世界に一時、

夢中になった。

 

 

今までは、、、

理想を目指して、上へ上へと上昇していく

バレエの世界しか知らなかったけど。。。

 

ダンカン・ダンスは、、、

裸足で、大地にしっかり足をつけ、、、

低く、、、低く、下降していく世界。

 

 

下降するエネルギー。

女性性的なエネルギーの表現。

 

・・・というものを、

あの時私は、初めて知ったのだった。

 

 

*******

 

 

「・・・とは言っても、ダンカン・ダンスも、

まったく自由というわけではなく、

ある程度の約束事はあるのよ」

 

・・・と、メアリー先生は話していて。。。

 

 

たしかに、バー・レッスンは、

バレエほど、アンディオール(外向き)に

こだわりはしないものの。。。

 

バレエの基礎レッスンと似ていたし。

 

 

「そのまま表現」

 

・・・と言っても、ある程度の基本的な

形は決まっていたりした。

 

 

 

そして、まずそこに、、、

 

「振付」

 

・・・というものが残っていること自体。

 

 

やっぱりまだまだ、、、

何かに囚われた部分は残っているのかも

しれないな。。。と。

 

そんな風に感じたりもしたものだった。

 

 

そして今、それを習っている私たちは、、、

 

ダンカンの理念に従って、

音楽や自然のエネルギーそのものを

表現しているわけではなく。。。

 

「ダンカンの魂」

 

・・・を表現しようとしているのだろうな。と。

 

 

そう思った時。

 

ふと、立ち止まってしまった。。。

 

 

私は、、、

「ダンカンという人」の信者では

ないのだけどな。と。

 

 

そんな気持ちが、、、

自分の中に生まれてきた。

 

 

 

ちょうど、そんな時だったのだ。

 

あのパーティーで。

ああいう、いざこざが起こったのは。。。

 

 

*******

 

 

だから結局。。。

 

あのいざこざは、単なる「キッカケ」

でしかなかったのかもしれない。

 

あれで、私の気持ちは一気に冷めたけど。

 

そこに至るまでに、、、

自分の中に、いろんな迷いや疑問があり。

 

あのタイミングで起こった、あのいざこざが、、、

そんな私の迷いを、後押ししたのだろう。。。

 

 

今となってみれば。

 

ダンカン・ダンスの世界は私にとっては、、、

「終着点」ではなくて、「通過点」

だったのだろうと思う。。。

 

とても重要な、通過ポイントだったけど。。。

 

 

そしてあの、火の彼女はきっと。。。

 

ダンカン・ダンスやメアリー先生のことを、

本当に、とても大切に思っていたのだろうなと。

 

そんな風に思う。。。

 

 

私や、風の彼女よりもずっと。。。

 

ダンカンの世界を、、、

ダンカンのことを、愛していたのだろうと。。。

 

 

だから、

あんなに怒ったのだろうな。と。

 

 

彼女からはいつも、、、

「熱」を感じていた。。。

 

 

そういう、熱い思いを持った人がきっと。。。

 

「継承」していくのだと思う。。。

 

 

その、「魂」を。

 

 

*******

 

 

つづく

「次のコンサートの時には、〇〇ちゃん(風の彼女)も

出演させてあげようかと思ってるのよ」

 

・・・と、メアリー先生がそう言ったあとの

ことだった。。。

 

 

いきなり、火の彼女が、

風の彼女のことを、激しく非難しはじめたのだ。

 

 

*******

 

 

あるレッスン中、、、

いつものように輪になって、メアリー先生の話を

聞いていた時、風の彼女が自分の思いを

語った時があった。

 

その時彼女は、、、

少しだけ、、、微妙なことを話した。

 

 

細かいことは忘れてしまったけど、たしか。

 

それでも、バレエはやっぱり、

素晴らしい。。。

 

・・・みたいな内容の話だったと思う。。。

 

 

 

イサドラ・ダンカンは、、、

バレエを、「不自然な踊り」だと言っていた。

 

なんとなく、バレエを毛嫌いしている

ようにさえも見えた。

 

 

でもダンカンは、アンナ・パブロワという、

有名なバレエ・ダンサーに出会った時は、、、

彼女と意気投合して。

 

パブロワは、バレエ・ダンサーではあるけれど、

彼女だけは、素晴らしいダンサーだと

認めていたりもした。

 

 

 

ダンカンの伝記を読んだとき、、、

正直に言えば私は。

 

ダンカンは、バレエに対して何か、

コンプレックスを持っているように

感じたりもしたものだった。。。

 

 

踊ることが、心底好きでも。。。

バレエに憧れたとしても。。。

 

幼い頃は家が貧しかったため、

バレエを習う余裕などはなかった彼女。。。

 

でも、バレエは。。。

 

ダンサーとして成功するとしたら、、、

子供の頃から始めていなければ、

もう、遅い。。。

 

その時点で、、、

夢は閉ざされる。。。

 

 

彼女もあるとき、、、

「絶望」を感じたのではないのかな。。。

 

なんて、思ったりした。。。

 

 

そしてそういう経験をバネにして、

彼女はきっと、ああいった境地に辿り着き、

独自のダンスを生み出すことになったのだろうと思う。。。

 

 

だからこれもまた、、、

完璧なストーリーではあったのだろうけど。。。

 

 

 

ダンカン・ダンスを習っていた時、、、

 

バレエ経験者の私としては。。。

 

なんだかんだ言ってもダンカンは、、、

どこかでバレエを意識していたのが、

すごくよく解った。。。

 

ひとつひとつの動きの中に、、、

バレエの動きが見て取れる。。。

 

いくらそこを、ダンカンが意図的に崩そうとしても、

彼女がバレエを意識していたことが、、、

その、踊り一つ一つの中に

感じ取れたりもした。。。

 

 

ダンカンはきっと。。。

 

決して、それを認めなかっただろうけど。

 

 

 

本当は、バレエに憧れていた。。。

 

でも自分は、、、

その道に進むことは出来なかった。

 

 

そういう悲しみというか悔しさのような

感情を。。。

 

自分の弱さを。。。

 

 

「バレエを、強く否定する」

 

・・・という姿勢で覆い隠して、ダンカンは、、、

 

必死に認めないようにしていたような。。。

 

そんな気がしてならなかった。

 

 

 

風の彼女も、バレエ経験者。。。

 

彼女もまた、私と同じようなことを

感じたのだろうと思う。。。

 

 

ダンカンのダンスは、、、

それは本当に、とても素敵なのだけど。

 

あまりにバレエを否定されると、、、

バレエ好きな者としては、

少し、複雑な気持ちになったのだろう。。。

 

 

あの輪の中で、、、

そういう本音が、ついポロッと出て。

 

バレエを擁護するような発言を

してしまった、風の彼女。。。

 

 

 

火の彼女は、あのパーティーの時、、、

そういう風の彼女に対して怒っていた。

 

何を言っていたのか、、、

これもまた、細かいことは忘れてしまったけど。

 

いろいろと、風の彼女を否定するような。

 

そんなことを、話していた。

 

 

 

火の彼女は、どこかに。

人を巻き込む強さがあって。。。

 

だから、周りにいた他の生徒たちもみんな、

火の彼女に同意するような態度だった。

 

 

「ね?そうでしょ?先生!

ダンカンを否定するなんて、一体、

何様なんでしょう?」

 

 

・・・みたいなことを、怒り口調で火の彼女は言って。

 

それに同意を求められたりした時は。

 

メアリー先生は、立場上。。。

相当、困っただろうと思うけど(苦笑)

 

 

「あぁ、、、そうだよね。。。」

 

・・・と、火の彼女に同意するしかないような。

 

そんな雰囲気に、、、

その場は、なっていて。。。

 

 

さすがに私も、、、

そこに何か口を挟む勇気はなかった。。。

 

 

*******

 

 

社会の中で、、、

人が集まれば。

 

こういうことは、よくあること。。。

 

 

ある人がいなくなった途端。。。

残った人達で、その人の悪口大会になる。。。

 

・・・みたいな。

 

 

学校や会社や、PTA関連や。

 

いろんなところで、こういうことは

経験してきた。。。

 

 

そして。

私はズルいから。。。

 

いつも。

 

そういうのは、適当に、上手に、、、

受け流してきた。。。

 

 

どこかで、罪悪感を感じながら。

 

でも。

人間って、こういうもんだ。

 

これもまた、弱さゆえだ。。。と。

 

そんなことを考えながら。。。

 

 

 

でも、、、

 

例えば、スピリチュアル的な場であるとか、

ダンカン・ダンスのような、

ある意味、理想や哲学を追求し、

それを表現するような場では、

私は、異様にストイックになる。。。

 

 

適当に、受け流せなくなる。。。

 

 

こういう場で、こういう事態が発生すると。。。

もう、とんでもない拒絶感が起こって。。。

 

一気にすべてが、イヤになる。。。

その場に、いたくなくなる。。。

 

 

すべてが、、、

一瞬で冷める。。。

 

 

だから私は、、、

 

あれ以来、ダンカン・ダンスに通うことを

すっぱりやめてしまったのだった。

 

 

*******

 

 

つづく

そのパーティーは、立食パーティーで、

風の彼女と私は、メアリー先生にお祝いの

花束を渡すと、そのあとはふたりで、会場内の、

美味しそうなお料理を物色していた(笑)

 

 

何がどうなってだったか。。。

キッカケは忘れてしまったのだけど、

気づくと私たちは、知らないおじさん達と

話していた。

 

そのおじさんは、とっても紳士な感じで、

芸術のことにも造詣が深く。

 

そのお話が面白かったので、

おしゃべりも盛り上がり。

 

 

そして、話の流れの中、、、

そのおじさんの一人が。

 

「ベジャールとは知り合いでね。。。

この間も会って。。。」

 

・・・みたいなことを言いだした時は、、、

私は一瞬。。。

 

今、自分はどこにいるんだろう?

一体、誰と話しているんだろう???

 

・・・みたいな気持ちになった(笑)

 

 

 

「ベジャールって、あのベジャールですか?」

 

・・・と訊くと、おじさんは。

 

「うん、そうだよ」

 

・・・と、答えた。

 

 

*******

 

 

ベジャール。。。

 

モーリス・ベジャールというのは、

バレエ界では知らない人は

いないくらいの大御所。

 

振付家。

 

 

彼の『ボレロ』は超有名で、、、

元オペラ座エトワールのギエムが数年前、

その引退を、、、

 

最後の舞台を、この『ボレロ』で飾った。。。

 

しかも、この日本で。

 

 

 

 

 

 

あの時のジルベスタのカウント・ダウンは、、、

本当に、最高だった。。。

 

今観ても、感動で泣きそうになる。

 

 

この『ボレロ』の振付家。。。

そんなベジャールと知り合いの人が、、、

なぜ、ここにいる???

 

なんで私は、

そんな人と、普通に話しているんだろう?

 

・・・みたいな、変な感覚になったのだった。

 

 

 

こういう感覚は、昔も経験したことがあって。

 

それは、翔子ちゃんや、翔子ママと一緒に

食事をしていた時のこと。。。

 

本来なら、交わるはずのない世界と、

なぜか、身近に交わってしまったみたいな、

そんな、変な感覚。。。

 

 

遠いはずなのに、なぜか近い。。。

 

・・・みたいな。

 

 

 

メアリー先生のパーティーで、

あのおじさんとベジャールの話をしたのは、

このギエムの引退よりも何年も前のことで。。。

 

あの頃はまだ、ベジャールも生きていた。。。

 

 

ベジャールと言うと、私はなぜか、

ゲーテの『ファウスト』の中に出てくる、

メフィストフェレスが浮かぶ(笑)

 

顔のイメージのせいかな?(笑)

 

 

そんな話も、、、

あのおじさんとしたような気がする。。。

 

 

そして。。。

 

メフィストフェレスが、、、みたいな話を、

普通に出来てしまうことが。

 

なんだかとても、嬉しかったのを覚えてる。

 

 

*******

 

 

ふと見ると、近くに火の彼女がいたので、

声をかけた。。。

 

「今日はお疲れさまでした。

とっても素敵だったよ」

 

・・・と。

 

 

すると、彼女の顔がパァッと明るくなり、、、

そして不思議なことに、その瞬間からいきなり、

彼女との距離が縮まったような感じがした。

 

 

「ありがとうございます!!!

あの、あなたのこと、アンナマリアって

呼んでもいいですかっ?」

 

・・・と、彼女は唐突にそう言った。

 

 

 

初めてスタジオに行った時に、

挨拶をして以来。

 

彼女とは、まともに話したことはなかった。

 

風の彼女とはあれ以降も、よく、

いろんな話をしていたけれども。

 

火の彼女とは、少し遠いところにいた。

 

 

そして今日、やっとまともに会話したと思ったら、

いきなり、それ???

 

しかも、「アンナマリア」って何????

 

・・・と(笑)

 

 

「えーと。。。

なんで、アンナマリアなの?」

 

・・・と訊いてみると。

 

「うーん。わかんないけど。とにかくあなたは、

アンナマリアって感じなんです!!!」

 

・・・という返事が返ってきた。

 

 

そして、、、

 

「ね?先生。彼女はアンナマリアですよね!」

 

・・・と、メアリー先生まで巻き込み。

 

「あ、、、あぁ、、、そうね」

 

・・・と。

 

多分、メアリー先生は適当に話を

合わせたのだと思うのだけど(笑)

 

 

 

「ほらね~~、じゃあ、決まり!

今日から、アンナマリアって呼ぶ。

 

アンナマリア、こっちで一緒に食べよ~~」

 

と、火の彼女はそう言うと。。。

 

私は彼女の勢いに、

そのまま、流されていった。

 

 

 

アンナマリア云々はよく解らないけど。。。

 

でも私は、なんだかんだ言って、

キリスト教とはご縁があったし。。。

 

彼女はそういうの、匂いで察知したのかしら?

 

・・・と、そんな風に思ったりもした。

 

 

なんというか。。。

彼女はさすが、劇団員というか。。。

 

「感覚」で物を捉える人なんだろうな。と。

 

そんな感じがした。。。

 

 

*******

 

 

火の彼女の周りには、人がたくさん

集まっていて。

 

メアリー先生もそこにいて。

 

他の生徒さん達もほとんどが、

その輪の中にいた。

 

 

風の彼女と私だけが、放浪して、

全然違うところで話していたんだ。と。

 

その時初めて気がついた。

 

 

隣に座っていた生徒さんのひとりが、、、

 

「さっき、あなたと話していた人。

メアリー先生のパートナーさんだよ」

 

・・・と、教えてくれた。

 

 

メアリー先生の交友関係には、、、

さっきの五木寛之さんといい、

ベジャールといい。

 

なんだか、有名人が多そうなのに。

 

メアリー先生は、そんなことには、

一言も触れたりはしなかった。

 

 

西洋は、個人主義だからなのだろうけど。

誰かの手柄は、誰かの手柄でしかなく。

 

その人と知り合いだ。。。ということは、

特に、自慢にもならない。

 

まぁ、当たり前のことなのだけど。

 

日本では、全体主義の意識が強いせいか。

 

そういうの、、、

ちょっと、違った捉え方をするところが

あるような気もしないでもない。

 

 

そう言えば。

以前、英会話の先生も言っていたな。

 

 

日本人に、自分はリバプール出身だというと、

いつもだいたい。

 

「あ、ビートルズと同じなんだ。

すごいな~」

 

・・・とか言われるんだけど。

 

 

自分は自分であって、

ビートルズではないのだから、

関係ないんだけどね。

 

・・・と。

 

 

*******

 

 

気づけばその輪の中で、、、

あれこれ、話が盛り上がっていた。

 

私も楽しくて、

ついつい、はしゃぎ気味になっていた。

 

ふと気づくと、風の彼女がいない。。。

 

 

「あれ?あの子は?」

 

・・・と訊くと、火の彼女が、

 

「あぁ、帰ったみたいよ」

 

・・・と言ったのだけど。。。

 

 

彼女のその表情から、、、

なにやら、不穏な空気を感じ。。。

 

なんとなく、イヤな予感はしたのだけど。

 

 

そこから、、、

予想通りの展開が始まっていった。

 

 

*******

 

 

つづく

来日中のメアリー先生が開催した

ワークショップのレッスンには、すべて参加した。

 

 

ワークショップがすべて終わると、

サロン・コンサートが行われることになっていて、

そこでは主に、メアリー先生が踊るのだけど、

生徒の中でも、長くやっている人の何人かは、

参加することになっていた。

 

火の彼女も、今回は出演するとのことだった。

 

 

レッスン後、出演する人だけ残って、

リハーサルをやったりしていたのだけど、

私もその様子を、チラッとだけ見学させて

もらうことにした。

 

 

メアリー先生のダンスを観たのは、

その時が初めてだった。

 

 

それは、ほんの三分間くらいの

ダンスだったのだけれど。。。

 

 

私はその時、、、

 

「本物の芸術」を観た。。。

 

・・・と。

 

そう感じたのを覚えている。。。

 

 

その時のことを、、、

以前のブログでも書いていた。。。

 

 

*******

 

 

表現すること

 

 

先生のその踊りを観ていたら、

すごく悲しい気持ちになってきて  

胸が痛くなる。。。というか、

涙が出そうな感じと言うか。。。  

 

自分がなんで悲しいのか解らないのだけど、

すごく悲しいのです。。。  

 

 

その踊りが終わったあと先生が、    

 

 

「これは悲しみの踊り。。。  

 

(ダンカンが)子供を失った時に作った

悲しみの踊りよ。。。」    

 

 

・・・って。。。  

 

 

なんだか。。。  

 

それを聞いたら、ものすご~~~~~く

感動してしまいました。。。  

 

 

だって。。。  

 

何も聞いていなかったし、何も知らないのに、

その踊りをみたら私は悲しくなった。。。  

 

これって。。。  

 

先生が「悲しみ」そのものを

踊っていたってことだよなぁ。。。って。。。  

 

 

メアリー先生、やっぱりすごい。。。と。。。  

 

照明も衣装も背景も何もないのに。。。  

 

普通に踊っただけであれだけ

表現出来てしまうなんて。。。  

 

 

ダンカン・ダンスって。。。  

バレエとはまた違う。。。  

 

テクニックだけじゃないなぁ。。。

と思いました。。。  

 

 

基礎はやっぱり必要なのだけど、

それだけでもダメみたい。。。  

 

いくら上手に踊れても、自分のエゴがあるうちは、

きっと表現出来ない。。。  

 

 

例えば。。。  

 

「春」を踊らなくてはいけないのに、

「私」を持ったまま踊ったら、  

その踊りは、「春」にはならない。。。  

 

「私はこれだけ上手に踊れる。。。」

と思いながら踊ったら。。。  

 

挑戦的だったり、攻撃的な踊りに

なってしまったりするかも。。。

 

それを観た人は、

そこから「春」は感じないだろう。。。     

 

 

踊りのテクニックの上達のほかに。。。  

 

やっぱり、スピリチュアル的な面でも、

いろいろと深めていかないと  

きっとこの踊りは踊れないだろうなぁ。。。と。。。  

 

先生の踊りを観て感じました。。。

 

 

*******

 

 

このリハを観た次の日も、レッスンはあって、

その時、メアリー先生から感想を訊ねられた。

 

「昨日のダンスを観て、どうだった?」

 

・・・と。

 

 

私は、感じたことをそのまま、

メアリー先生に伝えた。

 

 

メアリー先生は、私の話を聞きながら、

驚いたような、でも、嬉しそうな。

 

そんな表情を浮かべると、

火の彼女の方を向いて、

何かを言いたげな仕草をしていた。。。

 

 

なんとなくだけど。

 

今私が話したようなことを、、、

昨日のリハの時に、火の彼女と

話していたりしたのかな。。。

 

・・・なんて。

 

そんな気がした。。。

 

 

*******

 

 

サロン・コンサートは、風の彼女と

一緒に観に行った。

 

彼女もまだ、私と同じく、「ベイビー」だったので、

今回のコンサートには、出演できないようだった。

 

 

会場は、今までレッスンを行っていたスタジオで。

 

そこに舞台が設置され、客席が作られ。。。

 

通いなれたはずの場所が、

いつもとは全然違う雰囲気になっていて、

なんだか、ワクワクした。。。

 

 

席に着き、ふと、斜め前を見ると。。。

ギョッとなった。。。

 

 

そこに、作家の五木寛之さんが

座っていたからだ。。。

 

 

のちのち聞いたのだけど。

メアリー先生とは、お知り合いみたいだった。

 

 

 

その数か月前、、、

知り合いに教えてもらって観たあの番組。

 

『五木寛之 仏教の旅』

 

 

その中で、五木寛之さんが

ガンジス川のほとりで、あるブッダの言葉を

読んでいたシーンがあった。。。

 

 

それを観た時、、、実は私は、、、

号泣したのだ。。。

 

 

それは。。。

 

ブッダが亡くなる直前に言ったとされる

言葉。。。

 

大パリニッバーナ経の中に

書かれているという、あの言葉。。。

 

 

アーナンダよ

 

王舎城は楽しい

鷲の峰という山は楽しい

マンゴー樹園は楽しい

 

 

アーナンダよ

 

樹々は美しい

この世は美しい

人の命は甘美である

 

 

 

五木寛之さんが、あの番組の中で

その言葉を朗読し。。。

 

それを聞いて私は、固まった。。。

 

 

そして。

 

 

「あぁ、ブッダってやっぱり。。。

本当に悟った人だったんだ」

 

 

・・・と、そう思った。。。

 

 

その「理解」はおそらく。

私のハートを開いたのだと思う。。。

 

 

だからあんなに、、、

泣けたのだと思う。。。

 

 

ブッダを認めるということは私にとっては、、、

かなり、大きな意味を持っていた。。。

 

 

それはきっと。。。

 

仏教に傾倒したあの母を、、、

 

母を理解するための、ひとつの鍵と

なるものでもあったからなのだ。。。と。

 

今は、思う。。。

 

 

そして、ブッダもまた、、、

10代の時に私が観たものを。。。

 

自分自身で体験した人だったのだろうと。。。

 

それがハッキリ、解ったような気がしたから。。。

 

 

当時は私も。。。

そこまで自己分析は進んでいなかったけど。

 

でも、感覚的には何かは解っていて。。。

 

 

だから。

 

そのキッカケのひとつとなった

五木寛之さんという人がその時、

実際に今、自分のすぐ目の前にいるという事実に。

 

そのシンクロに。。。

 

 

なんとも言えない。。。

感慨深さを覚えたし。。。

 

 

いろんなことが本当に、、、

完璧に繋がっているようで。。。

 

 

 

だから、五木寛之さんに、、、

声をかけてみたくなったのだけど。。。

 

せっかくダンカン・ダンスを楽しみに

来ているところ、悪いかな。。。と思い。

 

 

結局。

声はかけずに。。。

 

 

そうしているうちに、、、

メアリー先生のダンスが始まった。。。

 

 

繰り広げられた数々のダンスは、、、

どれもみんな素晴らしかったけど。。。

 

 

いろいろと聞いてしまったあとだと。

知識が先に入ってしまってからだと。

 

あの、リハーサルで垣間見た時のような

感覚になることは、逆になかなか

難しかったりもした。。。

 

 

観ている時、、、

どうしても、「頭」から入ってしまったから。。。

 

 

・・・とはいえ。。。

 

素敵なステージだったのは、

確かだ。。。

 

 

終演後はそのまま、、、

その場で、関係者のパーティーが開かれ。

 

私や風の彼女や。

出演していなかった生徒たちもみんな、

メアリー先生に誘われ、

そのパーティーに出席することになった。。。

 

 

*******

 

 

つづく

メアリー先生のレッスンでは、

ダンカンが遺した踊りを、いくつか教えてもらった。

 

一番最初に教えてもらったのは、、、

 

そのタイトルとか音楽は忘れてしまったのだけど、

たしか、「ギリシャ彫刻の女神像」になりきるような。。。

 

そんなダンスだった気がする。。。

 

 

ダンカン・ダンスには基本、

西洋のクラシック音楽が使われるので、

それが、知っている曲だったのは

覚えているのだけど。。。

 

なんだったっけかなぁ。。。

 

 

そして、メアリー先生のレッスンは、

ただずっと身体を動かしているだけではなく。

 

時折、みんなで輪になって座って。。。

ダンカンの生涯とか哲学についてなどを、

メアリー先生が、いろいろ語って聞かせてくれる

時間もあったりした。

 

その時は、メアリーさんはただ語るだけでなく、

私達にいろんなことを問いかけてきたりもした。

 

「あなたは、どう思う?」

 

・・・って。

 

 

そういうのが、素敵だな。。。と。

 

そう感じたのを覚えてる。

 

 

私は長い間、ダンスのレッスンをしてきたけれども。

日本人の先生で、レッスン中にこういう

時間を設ける先生は、ほとんどいなかった。

 

 

このずっとあとになってベリーダンスを始めた時、

ミシャールというアメリカ人ダンサーに出会ったけど。。。

 

ミシャールも。

メアリー先生と同じような時間を、

よく、レッスン中に設けていたな。。。

 

 

一方的に教えるだけでなく。

生徒に問いかけてきて、そして一緒に

考えたり、感動したりするやり方。

 

 

だから、、、

こういうことに限って言えば私は。。。

 

西洋的な在り方のほうが、

好きだ。。。

 

 

*******

 

 

「ひとつのことをずっとずっと深めていくと、

いろんなことが解るのよ」

 

・・・と。

 

メアリー先生は、そう言っていた。。。

 

 

これと同じようなことを、、、

カバラの松本先生も言っていた。。。

 

 

同じ。。。と言っても。

言葉は全然違う。。。

 

 

松本先生は、こう言っていたのだ。。。

 

 

「この世に『道』はたくさんあるけれども、

でも、どれも目指すところ、辿り着くところは、

みんな同じなのよ」

 

・・・と。

 

 

私にはそのふたつの言葉が、、、

同じ意味に聞こえた。。。

 

同じことを言っているように聞こえた。。。

 

 

*******

 

 

あるレッスンの時には、、、

禅寺の、現役の尼さんが来ていたりもした。。。

 

もう、だいぶ年配の人だった。

 

 

例によって、みんなで輪になって、

いろいろ話す時間の時。。。

 

その彼女が、すごく語っていたのを

覚えている。。。

 

 

メアリー先生が、、、

完全に聞く側にまわっていた。。。

 

 

禅の修行をする彼女は、、、

ダンカン・ダンスの中に何かを感じ。。。

それを体験しに来たのだった気がする。。。

 

そんなような話から、、、

いつの間にか、禅の世界の話になり。。。

 

彼女は結構、長い間。

禅のことについて、語り続けていた。。。

 

 

 

でも実は私は、、、

それがちょっと、不快だったりもした。

 

 

メアリー先生という。

ダンカン・ダンスの師匠が目の前にいる、

そういう貴重な時間なのに。

 

なぜ、「ダンカンの世界を聞く」ではなくて、

「自分の世界を語る」なのだろう。。。と。

 

そう思っていた。

 

 

私はここに、禅の話を聞きに来たわけではなく、

ダンカンの世界を知るために来たのに。

 

・・・ってね(苦笑)

 

 

その尼さんは、、、

話すだけ話すと、用事があると言って、

少し先に帰っていったのだけど。

 

 

そのあと、メアリー先生がボソッと。。。

 

「一体、それの何が楽しいのかしらね?」

 

・・・と言って、苦笑いしていたのを、

妙にハッキリ覚えている。。。

 

 

尼さんの彼女は、、、

禅の修行の厳しさについても、

あれこれ語っていたからだ。。。

 

 

 

のちのち、ミシャールとの関わりの中で、

いろいろ気づくことになるのだけど。

 

その最初の始まりはやっぱり。

この頃だったのだと思う。。。

 

 

結局。

 

禅とかヨガとか、そういうのって。

ハッキリ言ってしまえば、「男性の世界」であって。

 

私達女性にはまた、

違ったやり方がある。。。

 

 

・・・ということを、薄々意識しはじめたのが、

おそらく、あの頃だったのだろう。。。

 

 

*******

 

 

ダンカンの哲学で、私が一番共感していたのは、、、

こういう部分。。。

 

 

 

私はアパートで昼も夜も、身体の動きによる

魂の神聖なる表現としての踊りを追及し続けた。   

 

何時間も手を太陽神経叢の上で組み、

じっと立っていることもあった。   

 

私は求め続け、すべての動きが湧き出す泉、

動力の中心、あらゆる種類の動きが生まれる統合体、

新たなダンスを映し出す鏡をついに発見した。   

 

そしてこの発見から私の理論が生まれ、

それに基づいて、私はのちに学校を設立したのだった。。。   

 

私は体の中にある経路に流れ込み、体全体を光の波動で

満たしていく魂の表現の源を探し続けた。

 

つまり魂のヴィジョンや思いを映し出す   

遠心的な力を追い求めたのであった。   

 

何ヶ月もかかって、この一つの中心に全ての力を

集中することを学んでからは、音楽を聴くと、

音楽の光や波動が私のなかにあるこの泉に

流れ込むのがわかった。   

 

その光や波動は、そこから頭脳ではなく

魂の霊的ヴィジョンのなかへと映し出され、

このヴィジョンから光や波動をダンスの中に

表現するのだった。。。

 

~イサドラ・ダンカンの自伝『魂の燃ゆるままに』より~

 

 

・・・と、ダンカンは小難しく語っているけど、

要は。。。

 

「芸術とは、天から受け取ったものを

そのまま表現すること」

 

・・・と、言っているのだと思う。。。

 

 

自分がそれをやっているのではなく。。。

 

「自分」は、それを表現するための、

「ただの器」でしかない。。。

 

・・・みたいな感覚になること。。。

 

 

 

でも、実際の芸術の世界は。。。

 

「芸術家の魂」を持った人ではなく、

「商人の魂」を持った人に牛耳られている気がしてね。

 

芸術だけでなく、いろんな分野に、

「商人」がいて。

 

 

だから、それを「職業」とした途端に、

いろんなしがらみが発生して。

 

純粋な芸術表現が難しくなる。。。

 

そんな気がしてならない。

 

 

 

まぁ、また話が少し逸れたけど。。。

 

ダンカン・ダンスのレッスンを何度か重ねた後、、、

私は、「本物の芸術」を目の当たりにする

貴重な機会に恵まれた。。。

 

 

*******

 

 

つづく

2020年に、何かが起こる。。。

 

・・・というのは、もう、何年も前からの

予感のようなものだった。

 

 

それが、個人的なことなのか、

それとも、全体的なことなのか。

 

そういうことは解らないけど。

 

2020年というのは私にとって。

なぜか、気になる年だったりした。

 

 

それだけが理由ではなかったけど。

だからこうやって、記憶の整理を始めた。。。

 

自分の人生の物語を振り返りながら。。。

まるで、「遺書」を書いているような気分で。。。

 

 

そして、本当だったらこれは、

昨年中に書き上げてしまうつもりだった。

 

 

年が明け。。。

2020年になってしまったけど。

 

実際は、書き終わらず。

 

まだ、しばらく続きそうだ。。。

 

 

*******

 

 

ダンカン・ダンスのお稽古場は、、、

都内の小さなビルの中にあった。。。

 

エレベーターで上階にあがり、

その部屋のドアのインターホンを押すと、

メアリー先生が、明るくて優しい笑顔で、

出迎えてくれた。。。

 

 

書いているうちに思い出したけど、、、

ドアを開けて、私を認識したあと。

 

メアリー先生は、開口一番。

 

「メリー・クリスマス」

 

・・・と言ったのだったっけ。。。

 

 

それがなんだか。。。

とても、素敵に感じた。。。

 

 

出会って初めての。。。

 

初対面の挨拶が、、、

「メリー・クリスマス」だったことが。。。

 

 

「中に入っててね」

 

・・・と言うと、そのままメアリー先生は

どこかに行ってしまった。

 

奥に入ると、そこは広いダンススタジオに

なっていて。

 

壁には、バーも設置されていて。

 

バーって、、、

バレエの基礎レッスンの時に使う

バーのことね。

 

バー・カウンターではなく(笑)

 

 

そしてそこでは、一人の若い女性が、

床でストレッチをしていた。

 

「こんにちは」

 

・・・と声をかけると、彼女は振り返り、

すごく明るい笑顔で、挨拶を返してくれた。

 

本当に、、、

エネルギーに溢れた、とても

元気な感じの人だった。。。

 

 

着替える場所を訊くと、

彼女は気さくに教えてくれて、

そのカーテンの向こう側に入ると、

そこに、もうひとり女性がいて、

ちょっと、びっくりした。

 

まるで、気配を感じなかったから。

 

 

さっきの彼女とはまた、

雰囲気が違う感じの人だった。

 

 

ストレッチをしていた彼女が「火」だとすると、

こちらの彼女は、「風」。。。

 

・・・みたいな印象だった。

 

知的な感じ。。。というか。

 

 

着替えながら、風の彼女と少し

話しているうちに、彼女が、

バレエ経験者であることが解った。

 

おそらく、20代半ばか、後半か。。。

 

そのくらいの年の人だったと思うけど、

彼女は今でも、バレエをやっている。。。と。

 

そんな風に話していた。。。

 

たしか、セミ・プロ。。。

みたいな感じだったと思う。。。

 

 

彼女の話を聞いて、、、

少し、羨ましく感じたりもしたものだ。

 

「あぁ、今もバレエ、現役なんだね」

 

・・・と。。。

 

 

 

私は。。。

 

あの頃はまだ、バレエが大好きで大好きで。。。

踊りたくてしかたなかったのだけど。

 

けれども、ブランクが長すぎたせいで、

もう、昔のように踊ることは出来なかった。

 

頭では、昔の自分を覚えているから、

最初はすごく、ジタバタした。。。

 

頑張れば、、、戻れる。。。と。

 

そう信じて。

 

 

けれども、バレエの世界は、

そんなに甘くない。

 

完全に、昔のように戻ることなんて、

絶対に無理だ。。。と。

 

ある時、悟った。。。

 

 

だからそのあとは、

その現実を受け入れることにして、

「今は今だ」と。

 

今、出来ることをすればいいんだ。と。

 

今度は、今の自分を受け入れようと、

もがいていた。

 

 

でも、バレエに関しては。。。

 

頭では解っていても、、、

どうしても、割り切れなかった。。。

 

昔のように踊りたい。。。

 

・・・という気持ちを、、、

自分の中から、完全に消し去ってしまうことは。

 

当時の私にはまだ、、、

出来なかったのだった。。。

 

 

そうやって。。。

 

バレエを踊ると、、、

自分の中に、「葛藤」が生まれてしまい。。。

 

それがとても辛くて。

 

 

それでも、「踊ること」は、

手放せなくて。。。

 

・・・と。

 

 

そういう気持ちから、、、

バレエ以外の「ダンス」を探していたら。。。

 

この、ダンカン・ダンスに辿りついた。。。

 

 

 

・・・みたいなことを、風の彼女に話したら、、、

彼女はたしか、こう言っていたのだったと思う。。。

 

 

「あなたの言いたいこと。。。

なんとなく、解るような気がします。。。

 

私も、バレエには限界を感じていて。

 

バレエを超えるようなもの。。。

 

バレエでは出来ないようなものを

求めていたら、このダンスに辿り着きました」

 

・・・と。

 

 

着替え室で、初対面の風の彼女と、、、

いきなり、核心に触れるような深い話で

盛り上がり。。。

 

ふと見ると、、、

いつの間にかその部屋には、

人が増えていて。

 

でも私は、彼女との話に熱中していたせいか、、、

その人達が部屋に入ってきていたことに、

まったく気づいていなかった。

 

 

それほど、風の彼女との話に、、、

集中していたのだろうと思う。。。

 

 

*******

 

 

レッスンは、メアリー先生が定期的に

日本に来日して。

 

その都度、ワークショップのような形で

行ってくれていたのだけど。

 

だから、「お教室」として固定されていたわけではなく、

そこに集う人も、その会ごとに様々で。

 

もう長年、メアリー先生のもとに

通っていた人もいれば、一度きりで

来なくなってしまう人もいたり。

 

 

さっきの、火の彼女は、、、

もう、だいぶ通っているようだったけど。

 

風の彼女は、、、

まだ、3、4回目くらいだ。。。と。

 

そんな風に言っていたような気がする。

 

 

まったくの初心者は、、、

その日は、私だけだった。。。

 

そんな私にメアリー先生は。

 

 

「最初はみんな、ベイビーなのだから、

安心して。

 

あの子(火の彼女のこと)だって、

ベイビーの頃は、何も解らなかったのよ」

 

 

・・・と、そう言うと、、、

「ね?」と言って、火の彼女のほうを見た。

 

「ええ。。。まぁ。」

 

・・・と、彼女はちょっと、

気恥ずかしそうに頷いた。。。

 

 

メアリー先生は、新しい人が来るたびに、、、

いつも、自己紹介タイムを設けているようで。

 

その日も、そこに集う人たちがそれぞれ、

自己紹介をしてくれたのだけど。。。

 

今、私の記憶に残っているのは、

その火の彼女と、あの風の彼女しかいない。。。

 

 

火の彼女は、、、

ある劇団に所属している人だということが、

彼女の自己紹介で解った。。。

 

 

「劇団員」

 

・・・って、今、すごく身近にもいたっけ。。。

 

・・・と、そう思った。

 

 

実際には、「元劇団員」だけど。

 

お店の店長もまた、

劇団の人だったことを思い出したりした。

 

 

たしかに。

 

火の彼女と、あの店長からは、、、

何か、共通の匂いを感じた気がする。。。

 

 

そういうものを、言葉で説明することは、

とても難しいのだけど。。。

 

それを「劇団員の匂い」。。。

 

・・・と、あえてそう言うとしたら。

 

その匂いは。。。

その数年後に、娘が高校に入った時に、、、

その学校の演劇部の先生からも

感じたのを覚えてる。。。。

 

その先生もまた。。。

現役の劇団員だったりしたのだった。

 

 

そしてその匂いは、、、

 

バレエ界の匂いと多少似てるけど、

でも、やっぱりどこか違っていたりもして。

 

 

その場の、独特の匂い。。。

 

・・・というか、エネルギーって、

やっぱりあるのだろうな。と思う。

 

 

そしてその場にずっと浸っていれば、、、

知らず知らずのうちに、

そういうエネルギーを、身に纏って

いたりするのだろうな。。。と。

 

そんな風に。

 

 

*******

 

 

つづく

あのコーヒーショップで働き始めたのは、

2007年の秋。。。

 

そして、その同じ年の冬。

冬至の日に。

 

私は、「ダンカン・ダンス」と出会った。。。

 

 

その日のことは、、、

以前の日記に書いてあったので、

そのまま転載。。。

 

 

*******

 

 

ダンカン・ダンス

 

 

冬至の今日は。。。  

素晴らしい1日でした。。。  

 

昨年の終わり頃から、歌いたい、踊りたいという気持ちが  

とても強かったのだけど。。。  

 

歌は、ご縁ある方々との出会いによって、

今年はそういう場をいろいろと設けて

いただくことが出来ました。。。  

 

 

踊りは。。。と、ずっと探していたものを、

半年ほど前に見つけることが出来たのですが、

それが、昨日、今日。。。とやっと実現。。。    

 

実際に。。。踊ることが出来ました。。。  

 

 

それは。。。  

イサドラ・ダンカン・ダンス  

 

 

 

「クラシック音楽、詩、彫刻、自然、古代ギリシャの神話や   

伝統に霊感を受けた新しいスタイルの舞踊を確立した。   

 

ダンカンの舞踊は、森羅万象に向かう意識的な手法であり、   

人間の魂の非言語的表出である。   

 

彼女は、行動を制約するような社会規範のほとんどに挑戦したが、

これは、『精神表現の源が太陽神珪叢(みぞおち)に所在する』   

という概念に従った結果である。」    

 

 

イサドラ・ダンカンは1877年5月26日、

サンフランシスコの名家に生まれました。  

 

同じ年の10月、父が経営する銀行が倒産。

少しして両親は離婚し、父は別の女性と再婚します。

 

 

育ち盛りの4人の子供たちと後に残されたイサドラの母は、

ピアノのレッスンで生計を立てなければなりませんでした。  

 

2人の息子たちも雑多な仕事を見つけ、幼いイサドラと姉の  

エリザベスも近所の子供達に踊りを教えました。

 

イサドラは、踊りのレッスンや学校にいる時間以外は、

いつも海辺を散策したものでした。

 

寄せては返す波の動きをみていた時、舞踊についての

最初のインスピレーションが浮かんだ、と後に言っています。  

 

 

イサドラは、フランソワ・デルサルト(1811-1871)が提唱した  

からだの動きの理論からも影響を受けました。  

 

自然が最も美しい――自然な動きとは身体構造と重力、  

その両方と調和したもの、というのがデルサルトの考えでした。  

 

 

26歳の時ベルリンでおこなった「The Dance of the Future」という

講演でイサドラは、自然こそ舞踊の源だと語りました。    

 

生物はみなそれぞれの自然本能によって--それぞれの感情と  

物理的構造(すなわち身体)によって--動きます。    

 

未開人の身のこなしは自然で美しく、同じようにギリシア彫刻に見られる、

シンプルなチュニックとサンダルをつけただけの  

古代ギリシア人の動作は美しいものです。    

 

 

~『踊るヴィーナス―イサドラ・ダンカンの生涯』より~  

 

 

 

先生は、メアリー佐野さんといって、

サンフランシスコ在住のダンカンダンスの

継承者の方。。。  

 

日本人とのハーフでいらっしゃって、向こうに

スタジオをお持ちなのですが、年に数回、

日本に戻ってきてくれて、ダンスを教えて下さいます。。。  

 

本当に本当に。。。とても美しく。。。

そしてお人柄も魅力的なものすごく素敵な方で。。。  

 

憧れてしまいます。。。  

 

先生が踊ると、周りに景色まで見えてきてしまいそうな。。。  

そんな感じでした。。。  

 

 

バレエのスタイルが身についてしまっている私には、  

全身をリラックスさせて踊ることが、

逆に難しかったりするのですが。。。  

 

今の私は。。。  

以前のように、身体が思うように動かない。。。  

 

バレエを踊ると、今と昔のギャップ。。。

そしてそのギャップを受け入れるために生じるジレンマ。。。

 

そういう辛さがあったりして。。。  

 

 

だけど、ストレッチやヨガでは、なんとなくもの足りない。。。  

とにかく。。。踊りたい。。。    

 

何か、気持ちよく踊れるものはないのかな。。。と、

ずっと探していました。。。  

 

フラダンスやベリーダンスなども考えましたが、

私の求めるところと微妙に何かが違う。。。  

 

 

そんな時に見つけたのが、

このダンカン・ダンスでした。。。  

 

 

そして今回、実際に踊ってみて。。。  

これは。。。一生続けたい。。。  

 

そう思えるくらい。。。素晴らしい体験になりました。。。  

 

 

イサドラ・ダンカンは、「モダン・ダンスの母」。。。  

と呼ばれているくらい、舞踊界では有名なので、

ダンカンのことは子供の頃から知っていました。。。  

 

 

でも、当時の私にはダンカン・ダンスの深さが理解出来ず、  

全く興味がありませんでした。。。  

 

 

あの頃は、チュチュとトゥシューズの世界だった。。。  

 

 

今は。。。

「裸足のダンカン」 と言われた彼女の。。。  

大地としっかりとつながった踊りに。。。

 

とても惹かれます。。。

 

 

*******

 

 

おそらくこの頃から、、、

自分の中で、「女性性」というものが、

クローズ・アップされ始めたのだったと思う。。。

 

 

あの、ダンカン・ダンスとの出会いは、、、

それを象徴するような出来事だったと。

 

 

振り返ってみれば。

そんな気がしないでもない。

 

 

 

 

※メアリー・佐野さん※

 

 

 

 

※ダンカン・ダンスのステージ※

 

 

 

*******

 

 

つづく

当時のお店仲間で、記憶に残っている人の

最後は。。。

 

繊細な彼女や、甘えん坊の彼と同じ年の、

もう一人の男の子。。。

 

 

彼もまた、平日の昼間に、

お店でアルバイトをしていた。

 

高校は、中退したのだそうだ。

 

 

今は通信制の高校で勉強していて、

大学受験の資格を取るつもりだ。。。と。

 

そんな風に話していた。

 

 

すごくクールな子で、感情をまったく

見せないような子だった。

 

冷静というか、世の中に冷めているというか。

 

 

でもきっと。

 

頭の中ではいつも、

難しいことを考えたりしているのだろうな。

 

・・・みたいな感じの子だった。

 

 

彼は、あの店長の攻撃も、

無感情でサラリとかわし。

 

かと言って、反抗的な態度なわけでもなく、

店長のご機嫌を伺うわけでもなく。

 

 

自分に何かを仕掛けてこようとする相手に。。。

逆に静かに、、、「混乱」を投げ返すような。。。

 

そんな風に、かわしていた。。。

 

 

 

そうやってクールな彼には、いつも隙がなく。

おまけに仕事も出来たりしたので、

店長も、彼には何も言うことが出来ず。

 

彼にいつも、自分のペースを崩される店長は、

おそらくあの彼のこと、相当、

苦手だったのではないのかな。。。

 

 

店長も店長で、、、

彼もまた、頭の良い人であったので、

その場の感情で理不尽な八つ当たりをしたりとか、

そういう子供っぽいことはしない。。。

 

・・・というか、そういうことをするのはきっと、

彼のプライドが許さなかったのだろうと思うけど。

 

だからこそ。。。

すごく、やりづらそうだった。。。

 

 

だから店長も、そしてクールな彼も、、、

お互い必要以上に、接点をもたないように

していたような感じがしないでもない。

 

 

店長は、見るからにプライドが高く。

 

決して、人前では醜態をさらさない。。。

自分の感情は見せない。。。と。

 

意図的にクールを装っているところが

あったけど。

 

でも、実はホットな人であることは、

透けて見えていた。。。

 

 

でも、クールな彼からは、、、

そういう「熱」は、一切感じなかった。。。

 

 

今どきの若者。。。というか。。。

 

多分彼は、、、

 

「人」に対して、

あまり関心がないのだろう。。。と。

 

 

そんな風に見えた。。。

 

 

 

これもまた。。。

 

「私から見たら、そう見えた」

 

・・・というだけだけど。

 

 

*******

 

 

そんなクールな彼とも、いろんな話をした。。。

 

話した、、、というより、私が彼の話を

聞いていた。。。ということが、

ほとんどだったけど。

 

 

私は、、、

自分で言うのもなんだけど、

多分。

 

「聞き上手」

 

・・・なのだと思う(笑)

 

 

誰かと話している時、私は。

 

自分の話をするよりも、

人の話を聞いているほうが、ラク。。。

 

・・・というか、好きなのだ。。。

 

 

でもそれは、その人に興味があるから。。。

 

・・・というよりは、「人間観察」に近いような

気もしないでもなく。。。

 

 

だから私は。。。

 

本当はすごく、冷たい人間なんだな。と。

 

そんな風に思うことがよくある。

 

 

その人に、感情的に寄り添うのではなく。。。

 

「人間というものを理解したい」

 

・・・という気持ちから、、、

話を聞いていたりするのだから。。。

 

 

多分、、、

人間の「情」の物語には、、、

あまり共感が出来ないのだろうと思う。。。

 

想像ならできるけど。。。

 

 

でも、そんな私以上に、、、

あのクールな彼は、「情」の世界からは

だいぶ、離れたところにいた子だったように

感じる。。。

 

 

 

彼が、なぜ高校を中退したのか、、、

その理由は、なんとなく、想像することが

出来た。。。

 

 

多分。

馬鹿馬鹿しく感じていたのだろうと思う。。。

 

この、、、

人間の世界を。。。

 

 

そして私自身も。。。

 

彼のそういう思いには、、、

共感できないわけでもなかった。。。

 

 

 

ただ私はあの時、彼に直接、、、

その理由を訊くことはしなかった。

 

 

ちょっと、、、

訊くのが恐かったのだ。

 

 

もし彼が、私の想像した通りの答えを

返して来たとしたら。

 

・・・と考えた時。

 

 

それを背負うのは、、、

ちょっと、大変そうだな。。。と。

 

そんな風に思ったのだ。。。

 

 

 

もし彼が、私の想像した通りの答えを返し、

私がそれに共感してしまったら。

 

この先、彼はますます、

苦悩が増えてしまうだろうと。。。

 

そう思った。。。

 

 

人間って本当に、、、

愚かな生き物だ。。。

 

 

・・・と、たとえそう思っていたとしても。。。

 

 

それでも私たちはここで、、、

人間として生きていかなくては

いけないのだから。

 

 

いろんな経験をして、、、

もがいたり、溺れたりしているうちにいつか、、、

 

いつか。

 

「でもやっぱり、自分も人間なんだ」

 

・・・と、しみじみ思う日が

くるだろうから。。。

 

 

そうやって、人間の弱さを、、、

愛しく思える日も来るかもしれないのに。

 

そういう可能性を、、、

私の一言で潰すことになったら、

責任重大だな。。。と。

 

 

そんな風に思っていた。。。

 

 

だから、大人として。。。

 

ここで彼に共感してあげることは、

してはいけないんだ。。。と。

 

そんな風に思っていた。

 

 

 

けれども、それをすることは、、、

私にとってはすごく重いことで。。。

 

 

「うん、うん、わかるよ。

そうだよね。あなたの気持ち、

よく解る」

 

・・・と、表面的に良い顔をしておけば、

どんなに楽だろう。。。と。

 

そう思うけど。

 

 

けれども、それが出来ないのが、

私のサガで(苦笑)

 

 

だったら。。。

 

最初から、そこに触れないのが

一番だな。。。と。

 

そんな風に思っていた。

 

 

もし彼が、、、

本当に私に話したいと思ったら、

きっと、彼の方から話してくるだろうし。

 

そうなった時は、しっかり

受け止める覚悟でいたけど。。。

 

 

実際は、そんな風にはならなかった。

 

 

そして、そうこうするうちに、、、

彼は大学を受験して。

 

そのお店を辞めていった。。。

 

 

*******

 

 

彼の在り方は、、、

 

私には、ちょっとかっこよく見えた。

 

 

常識に囚われず、ちゃんと考えて、

自分で自分の道を歩いているように見えた。

 

 

私も高校生の時は、、、

彼のように、冷めていた。。。

 

学校に行くのが馬鹿馬鹿しくて。。。

 

卒業式の日を、指折り数えて

待っていたっけ。。。

 

 

けれども、本当に学校を辞めることは、

出来なかった。

 

私には、そんな勇気はなかった。。。

 

 

先のことを。。。

将来のことを考えると。。。

 

「普通の道」から外れることは、、、

恐かった。。。

 

 

だから、不満を持ちつつも我慢して。

普通に高校を卒業し。。。

 

普通にその先の学校に進み。。。

 

普通に就職し、普通に結婚し。

 

・・・と。

 

 

 

でも、まぁ、、、

そういうことを後悔している

わけではない。

 

 

今はただ、、、

 

それはそれ。と。

 

眺めているだけに過ぎない。。。

 

 

後悔もなければ、満足しているわけでもなく。

 

ただ淡々と、、、眺めているだけ。。。

 

 

それはそれ。。。

 

・・・と。

 

 

 

でもああやって。

 

一般社会からのプレッシャーに

押しつぶされることなく。

 

自分の思いに忠実に、、、

着実に一歩一歩進んでいった彼は。

 

なんだか、かっこよく見えたのだ。。。

 

 

自分の人生に、、、

ちゃんと、責任を持っているようで。。。

 

 

 

*******

 

 

 

古い日記を読み返してみると、、、

あのお店で働き始めたのは、

2007年の秋くらいだった。

 

おそらく、あそこで約2年?3年?くらい、

働いていたのだったと思う。。。

 

 

「こっそりヒーラー修行」

 

 

・・・という目的を持ちながら。。。

 

 

 

そして、ここのところはこういう、、、

リアルな話が続いていたけれども。

 

それと同時進行で、、、

 

あの頃は他にも、いろんなことを

経験していたのだった。。。

 

 

*******

 

 

つづく

記憶に残っている「愉快な仲間たち」は、

まだいる。。。

 

 

甘えん坊の彼とは同じ年で、、、

いつも彼と、、、

 

「お前、バッカじゃね~の?」

 

「うるさい!あんたの方がバカじゃん!」

 

・・・みたいに(笑)

 

そうやって、じゃれ合っていた女の子がいた。

 

 

当時彼女は、高校生だったけど、、、

通っていたのは、夜間の学校で。

 

平日の昼間はいつも、

仕事に来ていたので、私も彼女とは、

ほぼ毎日、一緒に過ごしていた。

 

 

見た目はちょっと、

チャラチャラした感じの子で。

 

向こうっ気が強くて、荒々しくて。

口も悪くて。

 

一見、素行も悪そうで。。。

 

 

そんな見た目とは裏腹に、本当は、、、

すごく、心が繊細な子であることも、

透けて見えてきたりした。。。

 

 

だから。。。

 

彼女がいつも、どこか荒れているのには、、、

きっと、何か事情があるのだろうなぁ。。。と。

 

そんな風に思っていた。

 

 

 

いつの頃からか、その子は私のことを、

 

「ママ」

 

・・・と呼ぶようになり、、、

気づけば、いろんな話をしてくれるように

なっていたりもした。。。

 

 

 

たしか、彼女の本当のお母さんは、、、

私とほとんど、年が変わらなかったのだった

ような気がする。。。

 

 

私も結婚が早く、子供を生んだのも

けっこう早いほうではあったけど。

 

当時、私の子供たちがまだ中学生や

小学生だった頃に、もうすでに、

子供が高校生なのかぁ。。。と。

 

そんな風に思った記憶がある。。。

 

 

 

そんなお母さんは、数年前に離婚して、

そして再婚して。

 

最近、お父さんの違う妹が

生まれた。。。と。

 

そう言っていた。。。

 

 

その新しいお父さんは、お母さんよりも

ずっと年下で。。。

 

だから、経済的にもまだ不安定で。。。

 

そんな中彼女はお母さんから、、、

 

新しいお父さんの負担になるから、、、

普通の高校は諦めてくれ。。。と。

 

そう言われたのだそうだ。

 

 

だから自分はこうして、働きながら

夜間の高校に通っているのだ。。。と。

 

その子は、そんな風に話していた。。。

 

 

「ママは妹の世話があるから、

働きにはいけないしね」

 

・・・と。

 

 

 

今の自分の境遇とか、、、

自分の母親や義父に対して。

 

彼女が疑問や不満を抱えていることは、

もう、一目瞭然だった。。。

 

 

彼女がそれを、、、

ハッキリと言葉にすることはなかったけど。

 

彼女が語る言葉の奥の奥から、、、

そういう思いが滲みだしてきていた。。。

 

 

妹のことは、心底好きで、

可愛く思っているようだったけど。。。

 

両親に対しては、すごく気を遣っているのが

見ていて少し痛々しくて。。。

 

 

本当に私は、、、

彼女にどう接してあげることが

一番いいんだろう。。。と。

 

 

そんなことを日々、、、

考えていたこともあったな。。。

 

 

*******

 

 

ママ友の中でも、離婚をした人が

何人かいて。。。

 

彼女たちの立場からの気持ちというのは、

いろいろ聞いたこともあった。

 

 

たとえ離婚しても。

たとえ再婚しても。

 

彼女たちが彼女たちなりに、、、

子供のことをちゃんと考えていた。。。

 

・・・ということは、解っていたし。

 

その上での彼女たちの決断に対して、

私が口を挟むことは何もなかった。。。

 

 

けれども、仕事先で、あの繊細な彼女から、

そういう状況下での、子供側の気持ち。。。

 

・・・というのを直接聞かされた時。

 

 

「子供を生んだ責任」

 

 

・・・というものを、よくよく考えさせられた。。。

 

 

 

私は、結婚して子供が欲しい。。。と思った時、

なかなか子供が出来なかった。。。

 

・・・という経験があるせいか。。。

 

自分にとって子供の存在というものは、、、

何にも代えることが出来ない、、、

貴重な宝物のようなもので。。。

 

 

その宝物のためなら、、、

自分は別に、どうなってもいいや。

 

みたいな思いが、ものすごく強い。。。

 

 

だから余計に。

 

繊細な彼女のお母さんの選択した行動には、

胸が痛んだ。。。

 

 

そうやって、人間Lyricaとしては、

胸は痛んだけど。。。

 

でもこれもまた、彼女たちの完璧な運命の

ドラマなのだろうな。。。と。

 

そんな風に、ドライに眺めている自分も、

やっぱり、そこにいた。。。

 

 

*******

 

 

ある時、繊細な彼女の仕事が終わる時間に、

彼女のお母さんがお店にやってきた。

 

待ち合わせをしていたらしい。。。

 

 

繊細な彼女が、お母さんを紹介してくれて。。。

 

私たちは年も同じくらいだし、同じママ同士だし。

なんだか、普通におしゃべりが始まり(笑)

 

しばらくの間、そこで楽しく立ち話をしていた。。。

 

 

その様子を、繊細な彼女が、、、

すごく不思議な目をして眺めていることに

気がついていた。。。

 

 

 

おそらく彼女にとって、私はそれまでは、、、

 

「自分側にいる人」

 

・・・として、映っていたのだと思う。。。

 

 

なぜなら私は、、、

 

彼女と話すときはいつも。。。

彼女と同じ位置に立って話していたから。。。

 

 

 

でも本当の私は、、、

彼女のお母さんとのほうが、

立っている位置は近いのだし。。。

 

そういう人と会ったらやっぱり、、、

 

「大人同士の会話」

 

・・・が、そこで始まるわけで。。。

 

 

 

せっかく私のことを、「ママ」と呼んで

心を開いてくれていたこの子の前で。

 

お母さんとこんな風に話す姿を見せたら、

彼女はどう思うかな。。。と。

 

それが少し気がかりだったけど。。。

 

 

案の定、その日以降、、、

 

彼女とは少しだけ、心の距離が離れたような

感じがしないでもない。。。

 

 

もちろん、彼女も私も。。。

表面上の態度はまったく変わらなかったし。

 

普通に仲良くしていたし。。。

 

 

だからそう感じたのは、、、

単に私の取り越し苦労だったのかも

しれないけれども。。。

 

 

なんだか彼女が、、、

少し、寂しそうに見えてしまったりもした。。。

 

 

*******

 

 

ある時、仕事終わりに、

駅で娘と待ち合わせをしたことがあった。

 

その時、繊細な彼女が、、、

 

「ママの娘さんに会ってみたい~~」

 

・・・と言って、ついてきた。

 

 

娘と彼女はちょっとだけ対面し、

お互い軽く挨拶したあと、

 

 

「じゃあ、ママ、バイバイ~~~。

また明日ね~~~」

 

 

・・・と言って、彼女はすぐに帰っていった。。。

 

 

ふと見ると、、、

娘がちょっと、微妙な顔をしていてね。

 

「イヤだった?」

 

・・・と訊くと、娘は遠慮がちに。。。

 

「うん、、、ちょっとだけ。。。」

 

・・・と答えた。。。

 

 

「大丈夫だよ。

ママは、あなたたちだけのママだから」

 

 

そう言うと、娘は安心したようだった。

 

 

 

多分、息子はこんな反応はしないだろうな(笑)

 

娘だからこその。

女の子だからこその、この反応。。。

 

 

 

そんな複雑な心を持ったうえに、、、

多感な年ごろだったあの彼女。。。

 

 

ああいう時期の親子の関係性って。。。

のちのちまで、大きく影響するような

気がしないでもない。。。

 

 

 

繊細な彼女のお母さんは。。。

 

今頃どうしているのかな。。。

 

 

あの時、ベビーカーの中で眠っていた

赤ちゃんだった妹ちゃんも。

 

おそらくもう、中学生くらいに

なっているだろうし。。。

 

 

あの繊細な彼女は今ではもう、

30歳くらいになっているはずで。。。

 

 

どうなっているのかな。。。

 

 

*******

 

 

男性の心が、一本のまっすぐな

糸だとしたら。

 

女性の心は、その一本の糸が、

複雑に絡み合っているように

思えたりもする。。。

 

 

結局、それを解いてみれば、

同じ、一本の糸なのだけどね。

 

 

私の糸は、見る人によっては、

すごく複雑怪奇に見えたりするらしい。。。

 

自分では、全然、そうは思わないのだけど(笑)

 

 

 

いつだったか、夫に言われたことがある。

 

 

「ママは、最初はすごく難しい人に

見えるのだけど。

 

一度解ってしまうと、なんて

シンプルな人なんだ。。。と思った」

 

・・・と。

 

 

娘と息子には最初から、、、

私がシンプルな一本の糸に見えるようだ。

 

夫は、何年も時間をかけて、

複雑に絡み合った糸を解いていった。

 

母は未だに、私の糸が、

こんがらがって見えているらしいし、

解く気もないらしい(苦笑)

 

 

 

*******

 

 

つづく