2020年に、何かが起こる。。。
・・・というのは、もう、何年も前からの
予感のようなものだった。
それが、個人的なことなのか、
それとも、全体的なことなのか。
そういうことは解らないけど。
2020年というのは私にとって。
なぜか、気になる年だったりした。
それだけが理由ではなかったけど。
だからこうやって、記憶の整理を始めた。。。
自分の人生の物語を振り返りながら。。。
まるで、「遺書」を書いているような気分で。。。
そして、本当だったらこれは、
昨年中に書き上げてしまうつもりだった。
年が明け。。。
2020年になってしまったけど。
実際は、書き終わらず。
まだ、しばらく続きそうだ。。。
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ダンカン・ダンスのお稽古場は、、、
都内の小さなビルの中にあった。。。
エレベーターで上階にあがり、
その部屋のドアのインターホンを押すと、
メアリー先生が、明るくて優しい笑顔で、
出迎えてくれた。。。
書いているうちに思い出したけど、、、
ドアを開けて、私を認識したあと。
メアリー先生は、開口一番。
「メリー・クリスマス」
・・・と言ったのだったっけ。。。
それがなんだか。。。
とても、素敵に感じた。。。
出会って初めての。。。
初対面の挨拶が、、、
「メリー・クリスマス」だったことが。。。
「中に入っててね」
・・・と言うと、そのままメアリー先生は
どこかに行ってしまった。
奥に入ると、そこは広いダンススタジオに
なっていて。
壁には、バーも設置されていて。
バーって、、、
バレエの基礎レッスンの時に使う
バーのことね。
バー・カウンターではなく(笑)
そしてそこでは、一人の若い女性が、
床でストレッチをしていた。
「こんにちは」
・・・と声をかけると、彼女は振り返り、
すごく明るい笑顔で、挨拶を返してくれた。
本当に、、、
エネルギーに溢れた、とても
元気な感じの人だった。。。
着替える場所を訊くと、
彼女は気さくに教えてくれて、
そのカーテンの向こう側に入ると、
そこに、もうひとり女性がいて、
ちょっと、びっくりした。
まるで、気配を感じなかったから。
さっきの彼女とはまた、
雰囲気が違う感じの人だった。
ストレッチをしていた彼女が「火」だとすると、
こちらの彼女は、「風」。。。
・・・みたいな印象だった。
知的な感じ。。。というか。
着替えながら、風の彼女と少し
話しているうちに、彼女が、
バレエ経験者であることが解った。
おそらく、20代半ばか、後半か。。。
そのくらいの年の人だったと思うけど、
彼女は今でも、バレエをやっている。。。と。
そんな風に話していた。。。
たしか、セミ・プロ。。。
みたいな感じだったと思う。。。
彼女の話を聞いて、、、
少し、羨ましく感じたりもしたものだ。
「あぁ、今もバレエ、現役なんだね」
・・・と。。。
私は。。。
あの頃はまだ、バレエが大好きで大好きで。。。
踊りたくてしかたなかったのだけど。
けれども、ブランクが長すぎたせいで、
もう、昔のように踊ることは出来なかった。
頭では、昔の自分を覚えているから、
最初はすごく、ジタバタした。。。
頑張れば、、、戻れる。。。と。
そう信じて。
けれども、バレエの世界は、
そんなに甘くない。
完全に、昔のように戻ることなんて、
絶対に無理だ。。。と。
ある時、悟った。。。
だからそのあとは、
その現実を受け入れることにして、
「今は今だ」と。
今、出来ることをすればいいんだ。と。
今度は、今の自分を受け入れようと、
もがいていた。
でも、バレエに関しては。。。
頭では解っていても、、、
どうしても、割り切れなかった。。。
昔のように踊りたい。。。
・・・という気持ちを、、、
自分の中から、完全に消し去ってしまうことは。
当時の私にはまだ、、、
出来なかったのだった。。。
そうやって。。。
バレエを踊ると、、、
自分の中に、「葛藤」が生まれてしまい。。。
それがとても辛くて。
それでも、「踊ること」は、
手放せなくて。。。
・・・と。
そういう気持ちから、、、
バレエ以外の「ダンス」を探していたら。。。
この、ダンカン・ダンスに辿りついた。。。
・・・みたいなことを、風の彼女に話したら、、、
彼女はたしか、こう言っていたのだったと思う。。。
「あなたの言いたいこと。。。
なんとなく、解るような気がします。。。
私も、バレエには限界を感じていて。
バレエを超えるようなもの。。。
バレエでは出来ないようなものを
求めていたら、このダンスに辿り着きました」
・・・と。
着替え室で、初対面の風の彼女と、、、
いきなり、核心に触れるような深い話で
盛り上がり。。。
ふと見ると、、、
いつの間にかその部屋には、
人が増えていて。
でも私は、彼女との話に熱中していたせいか、、、
その人達が部屋に入ってきていたことに、
まったく気づいていなかった。
それほど、風の彼女との話に、、、
集中していたのだろうと思う。。。
*******
レッスンは、メアリー先生が定期的に
日本に来日して。
その都度、ワークショップのような形で
行ってくれていたのだけど。
だから、「お教室」として固定されていたわけではなく、
そこに集う人も、その会ごとに様々で。
もう長年、メアリー先生のもとに
通っていた人もいれば、一度きりで
来なくなってしまう人もいたり。
さっきの、火の彼女は、、、
もう、だいぶ通っているようだったけど。
風の彼女は、、、
まだ、3、4回目くらいだ。。。と。
そんな風に言っていたような気がする。
まったくの初心者は、、、
その日は、私だけだった。。。
そんな私にメアリー先生は。
「最初はみんな、ベイビーなのだから、
安心して。
あの子(火の彼女のこと)だって、
ベイビーの頃は、何も解らなかったのよ」
・・・と、そう言うと、、、
「ね?」と言って、火の彼女のほうを見た。
「ええ。。。まぁ。」
・・・と、彼女はちょっと、
気恥ずかしそうに頷いた。。。
メアリー先生は、新しい人が来るたびに、、、
いつも、自己紹介タイムを設けているようで。
その日も、そこに集う人たちがそれぞれ、
自己紹介をしてくれたのだけど。。。
今、私の記憶に残っているのは、
その火の彼女と、あの風の彼女しかいない。。。
火の彼女は、、、
ある劇団に所属している人だということが、
彼女の自己紹介で解った。。。
「劇団員」
・・・って、今、すごく身近にもいたっけ。。。
・・・と、そう思った。
実際には、「元劇団員」だけど。
お店の店長もまた、
劇団の人だったことを思い出したりした。
たしかに。
火の彼女と、あの店長からは、、、
何か、共通の匂いを感じた気がする。。。
そういうものを、言葉で説明することは、
とても難しいのだけど。。。
それを「劇団員の匂い」。。。
・・・と、あえてそう言うとしたら。
その匂いは。。。
その数年後に、娘が高校に入った時に、、、
その学校の演劇部の先生からも
感じたのを覚えてる。。。。
その先生もまた。。。
現役の劇団員だったりしたのだった。
そしてその匂いは、、、
バレエ界の匂いと多少似てるけど、
でも、やっぱりどこか違っていたりもして。
その場の、独特の匂い。。。
・・・というか、エネルギーって、
やっぱりあるのだろうな。と思う。
そしてその場にずっと浸っていれば、、、
知らず知らずのうちに、
そういうエネルギーを、身に纏って
いたりするのだろうな。。。と。
そんな風に。
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つづく