ダンカン・ダンスを深めていくにつれ。。。
バレエというものは、、、
すごく、男性性の強い踊りなのだな。と。
そう思うようになっていった。
バレエには、「こうあるべき」という
美しい理想の形が決まっていて。
みんながその「高み」を目指して、
日々、訓練を重ね努力していく。。。
常に自分には、ダメだしをして。
更に上へ、更に上へ。。。と。
今はここにない、「完璧な理想」を目指して。。。
綺麗な衣装を身にまとい、、、
お姫様になったり、妖精になったり。。。
とてもロマンティックな世界で。
少女の憧れの世界だったりするけど。。。
バレエの裏方。。。
たとえば、演出家とか振付家とか。
その舞台を、「創作」する側にはやっぱり。
男性が多いような気がする。。。
バレエは、、、
カトリーヌ・ド・メディシスがフランスに
お嫁入した時に。
自国のイタリアから持ち込んだ、
宮廷舞踊がもととなっている。。。と。
そう言われているけど。
現在のバレエ・スタイルの基礎を築いたのは、
太陽王と言われた、あのルイ14世で。。。
そのスタイルが今もなお、、、
頑なに継承されていたりするのだし。。。
そして。。。
「トゥ・シューズ」自体がもう、、、
男性性的な発想だと。。。
そんな風に感じる。。。
地上についている部分を、より少なく。。。
宙に浮いているように見えるように。。。と。
自分がバレエだけに熱中していた頃は、、、
こんなことは思いもしなかったけど。。。
ダンカン・ダンスに触れることによって、
自分の中で、バレエのそういうところが、
すごく、ハッキリ見えるようになってきた。
そして、ダンカンはきっと。。。
バレエのそういうところが、
「不自然」に見えたのだろうな。。。と。
そんな風に思った。
音楽や、自然のエネルギーを感じて、、、
「あぁ、、、足をあげたい」
・・・みたいな感覚になった時に、、、
それをそのまま、身体で表現するのが、
ダンカン・ダンスだった。
でも、バレエだったら、、、
「アラベスクは、こういう形であるべき」
・・・というのがあって。
そこから外れる形は、
美しくない。。。とされる。
あの頃の私は、、、
バレエに対して多少、苦しんでいたところが
あったせいか。。。
ダンカン・ダンスの理念に、、、
救われた。。。というか。
何かから、解放されたような気持ちになり。
そして、そういう新しい世界に一時、
夢中になった。
今までは、、、
理想を目指して、上へ上へと上昇していく
バレエの世界しか知らなかったけど。。。
ダンカン・ダンスは、、、
裸足で、大地にしっかり足をつけ、、、
低く、、、低く、下降していく世界。
下降するエネルギー。
女性性的なエネルギーの表現。
・・・というものを、
あの時私は、初めて知ったのだった。
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「・・・とは言っても、ダンカン・ダンスも、
まったく自由というわけではなく、
ある程度の約束事はあるのよ」
・・・と、メアリー先生は話していて。。。
たしかに、バー・レッスンは、
バレエほど、アンディオール(外向き)に
こだわりはしないものの。。。
バレエの基礎レッスンと似ていたし。
「そのまま表現」
・・・と言っても、ある程度の基本的な
形は決まっていたりした。
そして、まずそこに、、、
「振付」
・・・というものが残っていること自体。
やっぱりまだまだ、、、
何かに囚われた部分は残っているのかも
しれないな。。。と。
そんな風に感じたりもしたものだった。
そして今、それを習っている私たちは、、、
ダンカンの理念に従って、
音楽や自然のエネルギーそのものを
表現しているわけではなく。。。
「ダンカンの魂」
・・・を表現しようとしているのだろうな。と。
そう思った時。
ふと、立ち止まってしまった。。。
私は、、、
「ダンカンという人」の信者では
ないのだけどな。と。
そんな気持ちが、、、
自分の中に生まれてきた。
ちょうど、そんな時だったのだ。
あのパーティーで。
ああいう、いざこざが起こったのは。。。
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だから結局。。。
あのいざこざは、単なる「キッカケ」
でしかなかったのかもしれない。
あれで、私の気持ちは一気に冷めたけど。
そこに至るまでに、、、
自分の中に、いろんな迷いや疑問があり。
あのタイミングで起こった、あのいざこざが、、、
そんな私の迷いを、後押ししたのだろう。。。
今となってみれば。
ダンカン・ダンスの世界は私にとっては、、、
「終着点」ではなくて、「通過点」
だったのだろうと思う。。。
とても重要な、通過ポイントだったけど。。。
そしてあの、火の彼女はきっと。。。
ダンカン・ダンスやメアリー先生のことを、
本当に、とても大切に思っていたのだろうなと。
そんな風に思う。。。
私や、風の彼女よりもずっと。。。
ダンカンの世界を、、、
ダンカンのことを、愛していたのだろうと。。。
だから、
あんなに怒ったのだろうな。と。
彼女からはいつも、、、
「熱」を感じていた。。。
そういう、熱い思いを持った人がきっと。。。
「継承」していくのだと思う。。。
その、「魂」を。
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つづく