「次のコンサートの時には、〇〇ちゃん(風の彼女)も
出演させてあげようかと思ってるのよ」
・・・と、メアリー先生がそう言ったあとの
ことだった。。。
いきなり、火の彼女が、
風の彼女のことを、激しく非難しはじめたのだ。
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あるレッスン中、、、
いつものように輪になって、メアリー先生の話を
聞いていた時、風の彼女が自分の思いを
語った時があった。
その時彼女は、、、
少しだけ、、、微妙なことを話した。
細かいことは忘れてしまったけど、たしか。
それでも、バレエはやっぱり、
素晴らしい。。。
・・・みたいな内容の話だったと思う。。。
イサドラ・ダンカンは、、、
バレエを、「不自然な踊り」だと言っていた。
なんとなく、バレエを毛嫌いしている
ようにさえも見えた。
でもダンカンは、アンナ・パブロワという、
有名なバレエ・ダンサーに出会った時は、、、
彼女と意気投合して。
パブロワは、バレエ・ダンサーではあるけれど、
彼女だけは、素晴らしいダンサーだと
認めていたりもした。
ダンカンの伝記を読んだとき、、、
正直に言えば私は。
ダンカンは、バレエに対して何か、
コンプレックスを持っているように
感じたりもしたものだった。。。
踊ることが、心底好きでも。。。
バレエに憧れたとしても。。。
幼い頃は家が貧しかったため、
バレエを習う余裕などはなかった彼女。。。
でも、バレエは。。。
ダンサーとして成功するとしたら、、、
子供の頃から始めていなければ、
もう、遅い。。。
その時点で、、、
夢は閉ざされる。。。
彼女もあるとき、、、
「絶望」を感じたのではないのかな。。。
なんて、思ったりした。。。
そしてそういう経験をバネにして、
彼女はきっと、ああいった境地に辿り着き、
独自のダンスを生み出すことになったのだろうと思う。。。
だからこれもまた、、、
完璧なストーリーではあったのだろうけど。。。
ダンカン・ダンスを習っていた時、、、
バレエ経験者の私としては。。。
なんだかんだ言ってもダンカンは、、、
どこかでバレエを意識していたのが、
すごくよく解った。。。
ひとつひとつの動きの中に、、、
バレエの動きが見て取れる。。。
いくらそこを、ダンカンが意図的に崩そうとしても、
彼女がバレエを意識していたことが、、、
その、踊り一つ一つの中に
感じ取れたりもした。。。
ダンカンはきっと。。。
決して、それを認めなかっただろうけど。
本当は、バレエに憧れていた。。。
でも自分は、、、
その道に進むことは出来なかった。
そういう悲しみというか悔しさのような
感情を。。。
自分の弱さを。。。
「バレエを、強く否定する」
・・・という姿勢で覆い隠して、ダンカンは、、、
必死に認めないようにしていたような。。。
そんな気がしてならなかった。
風の彼女も、バレエ経験者。。。
彼女もまた、私と同じようなことを
感じたのだろうと思う。。。
ダンカンのダンスは、、、
それは本当に、とても素敵なのだけど。
あまりにバレエを否定されると、、、
バレエ好きな者としては、
少し、複雑な気持ちになったのだろう。。。
あの輪の中で、、、
そういう本音が、ついポロッと出て。
バレエを擁護するような発言を
してしまった、風の彼女。。。
火の彼女は、あのパーティーの時、、、
そういう風の彼女に対して怒っていた。
何を言っていたのか、、、
これもまた、細かいことは忘れてしまったけど。
いろいろと、風の彼女を否定するような。
そんなことを、話していた。
火の彼女は、どこかに。
人を巻き込む強さがあって。。。
だから、周りにいた他の生徒たちもみんな、
火の彼女に同意するような態度だった。
「ね?そうでしょ?先生!
ダンカンを否定するなんて、一体、
何様なんでしょう?」
・・・みたいなことを、怒り口調で火の彼女は言って。
それに同意を求められたりした時は。
メアリー先生は、立場上。。。
相当、困っただろうと思うけど(苦笑)
「あぁ、、、そうだよね。。。」
・・・と、火の彼女に同意するしかないような。
そんな雰囲気に、、、
その場は、なっていて。。。
さすがに私も、、、
そこに何か口を挟む勇気はなかった。。。
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社会の中で、、、
人が集まれば。
こういうことは、よくあること。。。
ある人がいなくなった途端。。。
残った人達で、その人の悪口大会になる。。。
・・・みたいな。
学校や会社や、PTA関連や。
いろんなところで、こういうことは
経験してきた。。。
そして。
私はズルいから。。。
いつも。
そういうのは、適当に、上手に、、、
受け流してきた。。。
どこかで、罪悪感を感じながら。
でも。
人間って、こういうもんだ。
これもまた、弱さゆえだ。。。と。
そんなことを考えながら。。。
でも、、、
例えば、スピリチュアル的な場であるとか、
ダンカン・ダンスのような、
ある意味、理想や哲学を追求し、
それを表現するような場では、
私は、異様にストイックになる。。。
適当に、受け流せなくなる。。。
こういう場で、こういう事態が発生すると。。。
もう、とんでもない拒絶感が起こって。。。
一気にすべてが、イヤになる。。。
その場に、いたくなくなる。。。
すべてが、、、
一瞬で冷める。。。
だから私は、、、
あれ以来、ダンカン・ダンスに通うことを
すっぱりやめてしまったのだった。
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つづく