神崎愛子さん
・国際ボランティアのインターシップに参加し、
タイの女性織物グループとの関わりから現在に至る。
・ノアズカフェ店主(中野区上高田)
http://blog.livedoor.jp/noahs_cafe/
・シャンティ国際ボランティア会
やわらかい口調でゆっくりとフェアトレードの現場をスライドを用いて
説明される。
衒いも、下手な煽動も勧誘もされず、一点一点の商品を手にとられ
現地の人がどんな境遇の中で製作にあたっているかを紹介。
そうして、フェアトレードとは、同じ立場での関係づくりの中で、モノを
通じて人との繋がりを築き、そのことを日本国内に広く伝えることと
定義された。
会場からの質問に対しては
①インターンとして、タイに2年間住んでいたときに知り合えた
お母さんたちの作る「草木染などの衣服」の技術力に感心して
それらを日本に広めることからフェアトレードを始めたことを告白
される。
②フェアトレードの認証ラベルの取得には時間もかかり、
女性の精神的な自立を優先して考えているとの判断基準が表明され、
諸団体との関わりにデリケートな部分があることを示唆された。
③洋服には流行がめまぐるしいので、伝統的な刺繍や手で織った
モノだけに限定していることでフェアトレードに筋を通した発言をされた。
④支払いは関係が構築できたときから前払いにしている。通貨は
カンボジアとラオスがドル。タイはバーツと率直に答えられる。
⑤年間数量は、単価によって違うが洋服類は100点も売れれば
うれしと正直な答弁をされた。
最後に、フェアトレードを始めたのは現地の女性たちに出会ったことが
原点と明確にされ、
現地との橋渡しを自らの役割と規定されるなかで、その場に自分を置く
ことで都市部と農村部の格差が顕に見えてくることを指摘された。
体験した者のみが受けられる現場実感を吐露され、机上で考えるだけ
でなく、現実から目を背けてはならないことを問わず語らずだが、
メッセージされたと受け止めた。
神崎さんは、自分のできること、利益を得るよりもどう貢献できるかを軸に
考えられ、色々な人のサポートを受けてながらも、面白いと自分自身が
感じながらやることに意義を見出されていることをさりげなく述べられた。
最後まで衒わず、皆川万葉さん同様に自然体でお話された。
清清しい余韻の残るスピーチであった。
合間に頂いた200円のラオスコーヒーとパレスチナお菓子がおいしかった。
そのことを、本日のセミナーの内容を体現するものとして一言添えておき
たいと思う。