街路の桜も散り、緑の若い芽が噴き出す葉桜の時、開店1週間目に当る4月20日。


横浜商工会議所小売り部会の主催による先進商業施設「三井アウトレットパーク木更津」視察会に

便乗しながら、横浜駅西口天理ビル前から観光バスにて45分ほどで到着した。



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写真はメインゲートであるが、最初に潜ったゲートは真反対に位置するイーストゲートからである。


11時から1時間程、三井不動産の担当者から事業概要、施設概要と特徴見どころ、ショップ&

サービス、交通対策&観光連携と多岐に亘りながら簡潔な説明を受けた。


三井アウトレットパークとしては12施設目となる木更津。


これまで横浜ベイサイド、多摩南大沢、仙台港、入間の4店にと立ち寄った。幕張は素通りで

中には入らなかった。買物をしたのは、2年前の夏に、仙台の大学院に通っていた長女と一緒

に行き、長女の為にジャケットを購入した仙台港だけである。


木更津は171店舗が並び全て地上1階建てで駐車台数は周辺を含めて9400台だそうだ。


東京都心、川崎横浜からアクアラインを利用すると60分以内で来れるアクセスが一番の売り

のようで、館内の主要ゲート6ヵ所にはリアルタイムで高速道路情報が掲示されたボードが設置

されていた。


商圏人口は首都全域2200万人としているところから、こうしたアクセス環境を備えているのも

理解がいく。


開発コンセプトは BOSO CITY RESORT だそうで、それらしさはないではないがインパクト

には欠ける。


ショップも、関東地方初出店46店舗、日本初出店21店舗と謳ってはいるものの目新しさは

感じない。この手のアピールは、プレスが望むのか、上層部へのプレゼンのためか、新店の

常套手段として常にアピールされる。どれほどの意味を持っているのか疑わしく感じていた。


並ぶショップの建物環境は安普請で、これまで見てきた4つの三井アウトレットパークと特段の

違いは見いだせなかった。


開店景気を煽るためか、クーポン券による更なる割引が打ち出されていた。


但し、各店のプライスを眺め、元の価格との比較をしてみても大半が3割引き程度で、所謂

クリアランス価格並みであり、価格のインパクトも強くない。


思えば、かつてビックサイトでの大手アパレルの招待バーゲンなるものに参加した際に、販売員

の呼び込みの際に定価の4割引きを連呼していた。百貨店の納め価格と変わらず、アパレル

自体は百貨店との商売同様の利益をしっかり確保していることが明らかになっていた。



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平日の金曜日、所謂中高生の姿や若い会社員らしいい身なりは見られなかった。一方、シニア

層のグループ、カップル、バギー族グループ、ファミリーは多く散見される。背広を着たオジサン族は

視察組であろう。


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たまたま、商工会議所の小売り部会のメンバーに、定年退職した百貨店の現役の渉外担当

部長が参加しており、行動を伴にすることになった。


正午過ぎから、早めの昼食をフードコートで取り、ターリーズコ―ヒ―でお茶をし、会話を重ね

た後に、店舗巡りを開始した。



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171の店舗を内から外から目を遣りながら、ややげんなりしながら視察とやらを終えた。


パパスノンノのアウトレットは他に何処にあるか存じないが、店に入った瞬間、例え、アウト

レットストアであろうとデザイナー荒牧太郎の意匠が貫かれていると直感できたので、販売員に

聞くと、笑顔を添えて頷くのであった。


本来、アウトレットでの商売は在庫減らしに尽きるはずなのだが、アウトレット用商品の開発や、

百貨店への納め価格で販売していれば、顧客動員の高いアウトレットであれこそ、下手な都心の

百貨店で販売員経費、タイアップ、販促経費等のコストをかけるよりも、ずっと利益を確保できる

ことは理解ができる。


あるアパレルから、PB商品を取り扱わしてもらえば、在庫リスクを百貨店に負わせず、自分達

でアウトレットで処分をするとの提案を貰ったことがあった。今更ながらに彼らの意図が読める。


そんな昔の事を思い出しながら、若干疲れた体を癒す為に再び、フードコートに戻り、マザー

牧場のソフトクリームを頂戴した。


お薦めの房総で取れたイチゴがのったソフトにするつもりであったが、誰もかれもその木更津

だけのオリジナルなイチゴソフトを注文するので、生来の天邪鬼魂がむっくりと起き出し、直前

でチョコとバニラのミックスに変更した。



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16時バスは、横浜に向って出発、途中海ほたるに20分程停車。観光バス故、こうした土産物

の店に立ち寄ることになっているのだろうか。


かつて家族でHISを利用して、香港とシンガポールに旅行をしたときに、私自身が何度か訪ねて

いるので、市内観光をキャンセルしたいと申し出ると、それでしたら旅行料金が上りますとの

奇妙な返答を受けたことがあった。旅行会社には、土産物店からのキックバックがつきものなの

で、表向き料金は安くしてもこうしたキックバックで利益を確保しているのだろう。HIS商法の一面

を垣間見た思いであった。海ほたるねの停留も、同じ穴の狢であるように思う。


アウトレットでは、土産物を調達しなかったのだが、ここでは仕掛けられたように房総土産を買い

求めるはめと相成った。



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遠く遠く、曇天の房総の海原へ目を送る。 


2年目の、定年後ライフは多文化演劇、成年後見演劇という新しい分野に挑戦し、楽しくもあった。


3年目の今年は、横浜商工会議所活動に積極的に参加をし、37年間勤めた百貨店人生との

切結びを果たして見たいと思う。


何か着実と点と点が結び、そして人生が幾重にも広がりが、縁の連鎖が波紋となる。


今年も、そんな1年となることを目指していきたいと思うのだ。 



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