【夕顔392-3】古文常識「文章博士」
重要古語の記事では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
単語を1つピックアップしています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.とにかく丸暗記して覚える語
2.漢字やイメージで覚える語
3.文脈判断で決める語
があります。
今回は古文常識として知っておきたい古語です♪
【今回の源氏物語】
御書の師にて、睦しく思す文章博士召して、願文作らせたまふ。
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今回出てきた古文単語
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■【御書(ごしょ)】…御学問
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【師(し)】…師匠
■【にて】…資格の格助詞
■【睦しく】…シク活用形容詞「睦まし」連用形
※【睦(むつま)し】…親しい
■【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【文章博士(もんじょうはかせ)】…大学寮に属して詩文と歴史とを教授した教官
■【召し】…サ行四段動詞「召す」連用形
※【召(め)す】…「呼ぶ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【願文(ぐわんもん)】…神仏に願を立てるときや仏事のときに、その趣旨を書いて神仏に奏する文書
■【作ら】…ラ行四段動詞「作る」未然形
■【せ】…使役の助動詞「す」連用形
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
◇ 今回は「せ」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「文章博士」 ☆
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御書の師にて、睦しく思す文章博士召して、願文作らせたまふ。
問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.阿闍梨が入魂にしている日蓮宗の法師。願文はこの法師しか書くことができなかった。
2.夕顔が以前お世話になっていた学問の師匠。願文の作成を手伝わせるために呼んだ。
3.光源氏の親しくしている学問の恩師。願文を作成させるために呼び寄せた。
4.昔から光源氏が仲良くしてもらっている文章の達人。願文を見せてもらうために呼んだ。
5.阿闍梨が親しく付き合っている法師の一人。願文作成を手伝わせるために呼び寄せた。
今回は、古文常識として知っておきたい古語です。
【文章博士(もんじやうはかせ)】
【名詞】
…大学寮(だいがくりよう)で文章道(もんじようどう)(=紀伝・詩文に関する学科)を教授する教官。試問もつかさどった。平安時代中期以後、菅原(すがわら)・大江の両家が独占した。「もんざうはかせ」とも。
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
以前に、帚木の「雨夜の品定め」で
この式部丞が、以前「文章生」をやっていた時
博士の娘と男女関係になってしまった話をしてましたよね。
※詳しくは、源氏物語【帚木276-3】参照⇒
たぶん、その職業の人のことでしょう。
光源氏にも、御学問の恩師である
文章博士の存在がありました。
夕顔の四十九日法要を
きちんと盛大に行いたいと思っている光源氏は
この文章博士を呼び寄せて
願文を書いてもらおうと思ったわけですね。
【願文(ぐわんぶん)】
【名詞】
…神仏に願を立てるときや仏事のときに、その趣旨を書いて神仏に奏する文書
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
大学入試では
こういう古語は注釈に書かれていると思いますが
少しでも知識を持っておくほうが、
初見の古文でも、スムーズに速読できますよね!
【答え】…3
御書の師にて、睦しく思す文章博士召して、願文作らせたまふ。
● 過去記事リンク
■せたまふ
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