【夕顔149-3】古文単語「くだくだし」
「悪魔のささやき」というのがあります。
「特別のテクニックを教えます」
「ここさえやれば必ずテストに出る」
…でも、こんなささやきにのっても、結局実力はつきません。
くだくだしいけど、毎日の学習の積み重ねが、大事なんですよね。
源氏物語イラスト訳の重要古語です
【古文単語の主なパターン】
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…高校生がほぼ使わない死語?
【今回の源氏物語】
何の響きとも聞き入れたまはず、いとあやしうめざましき音なひとのみ聞きたまふ。くだくだしきことのみ多かり。
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今回出てきた古文単語
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■【何】…疑問代名詞
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【響き】…響き。音響
■【と】…引用の格助詞
■【も】…強意の係助詞
■【聞き入れ】…ラ行下二段動詞「聞き入る」連用形
※【聞き入る】…聞き入れる。じっと聞く
■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【ず】…打消の助動詞「ず」連用形
■【いと】…とても
■【あやしう】…シク活用形容詞「あやし」連用形ウ音便
※【あやし】…奇妙だ。見苦しい
■【めざましき】…シク活用形容詞「めざまし」連体形
※【めざまし】…目に余る。気にくわない
■【音なひ】…物音
■【と】…引用の格助詞
■【のみ】…限定の副助詞
■【聞き】…カ行四段動詞「聞く」連用形
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【くだくだしき】…シク活用形容詞「くだくだし」連体形
※【くだくだし】…煩わしい。くどい
■【のみ】…限定の副助詞
■【多かり】…ク活用形容詞「多し(多かり)」終止形
◇ 今回は「たまふ」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「くだくだし」 ☆
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何の響きとも聞き入れたまはず、いとあやしうめざましき音なひとのみ聞きたまふ。くだくだしきことのみ多かり。
問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。
1.思い違いのことばかりが多い
2.恐ろしいことばかりが多い
3.うるさいことばかりが多い
4.わずらわしいことばかりが多い
5.めずらしいことばかりが多い
ご存じないかも知れませんが、
現代でも、「くだくだしい」という言葉はあります。
【くだくだし】
【形容詞:シク活用】
…煩わしい。くどい
*Weblio古語辞典より
こういう、現代と古文との言葉の共通点を知っていくと、
死語として、忘れ去られていくはずの言葉も、
現代の若者の心に響き、再度使われるようになるかも知れませんね。
正解…4
何の響きとも聞き入れたまはず、いとあやしうめざましき音なひとのみ聞きたまふ。くだくだしきことのみ多かり。
● 過去記事リンク
■も
■いと
■あやし
■めざまし
■のみ
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