映画『ミッドサマー ディレクターズカット版』
2020/3/27 TOHOシネマズ新宿 スクリーン4 D-8
翌日から映画館は営業自粛(スタッフへの告知は3/26木曜日の昼だったとか)と知り、
「見られるうちに!」と、
に続いて鑑賞。
ミッドサマーでも
Midsummer
ではなく、
Midsommarと、
本来の英単語とはビミョーに異なることが示すように、
通常のアメリカ映画のつもりで見てると、
あちこちで調子が狂う。
本作についての予備知識はまったくなく、
それでも一部で盛りあがっているらしい様子は漠然とうかがえた。
通常版の公開中(2020年2月21日より)に、
『ディレクターズカット』と称した長尺/全長版まで公開(2020年3月13日より)となれば、
通常版(148分)→ディレクターズカット(171分)の順で、
同じ映画を2度くり返し見て319分(5時間19分)を費やすよりは、
「大は小を兼ねる」で、
ディレクターズカット1本で済ませることにした。
この判断は、
2020/3/11 TOHOシネマズ新宿 スクリーン10 F-23
2019/9/18 グランドシネマサンシャイン スクリーン12 H-18
2012/9/12 イオンシネマ越谷レイクタウン
——等々の鑑賞歴から導き出した結論である。
よって、通常版とディレクターズカットの違いはわからないので、
そこに興味のある人は、
どうやら『ミッドサマー』映画評で、
テンプレ記事(三角絞めでつかまえて=カミヤマ氏)を追いやり、
堂々1位にしばらく居座った、
この記事(「ミッドサマー」ネタバレ解説6 ディレクターズカット版 通常版との違い 追加されたシーン 2020-03-20)
をご覧いただくとして、
そのブログがしばらく映画レビューのジャンルで1位をキープしたのは、
話題作『ミッドサマー』のレビューを連発したからなのだと納得はしつつも、
- 「ミッドサマー」明るく優しい狂気の世界にどっぷり ネタバレあり(2020-02-29)
- 「ミッドサマー」ネタバレ解説1 冒頭の絵からホルガまで(2020-03-02)
- 「ミッドサマー」ネタバレ解説2 謎の解釈、解読 北欧神話とルーン文字(2020-03-04)
- 「ミッドサマー」ネタバレ解説3 アッテストゥパンとルビ・ラダーの書(2020-03-07)
- 「ミッドサマー」ネタバレ解説4 メイクイーンの誕生とテリーの呪い、血のワシ(2020-03-08)
- 「ミッドサマー」ネタバレ解説5 生贄の儀式、クマの意味、ラストシーンの意味(2020-03-11)
- パンフレット情報「ミッドサマー」(2020-03-13)
- 「ウィッカーマン」(1973) 「ミッドサマー」で奇祭中毒になった人に… ネタバレあり(2020-03-23)
私の本ブログでは、
一部に圧倒的な支持を得た『ヘレディタリー/継承』(2018)も未見のため、
初のアリ・アスター監督作の鑑賞記を綴るのみにとどめたい。
風変わりで予測不可能な展開、
観客の固定観念を覆す事態の連続に、
奇をてらったお騒がせ作と眉をひそめる向きもあろうが、
私個人としては、
作品の根底に流れる倫理観からは逸れていない作品なので、
ことさらに反発的な感情を抱くことなく、
171分という長い上映時間も、飽きることなく寝落ちもせずに見とおせた。
観客に意図的に違和感を与え、
不安感から画面に食いついて離れなくさせるため、
様々な手法が駆使されているが、
一つだけ例を挙げると、
主演女優のダニー・アーダー役、
フローレンス・ピューの異彩/異才ぶりから目が離せない。
演技がうまいのはわかるが、
とりたてて美人でもなければ、
体つきもムッチリ系だし、
北欧キャラの歌う甲高い声と対称的に、低くてしわがれ気味のダミ声で、
唱和シーンの極端なギャップに笑う。
私が本作に好意的なのは、
最近試写で見た邦画の中に、
『ミッドサマー』と似たような「はぐらかし」手法を多用しながら、
奇をてらっただけでどうにも感心できない作品があったから。
※画像と本文は無関係です(ウソ)
あちらの鑑賞中の居心地や後味の悪さと比べたら、
『ミッドサマー』なんて、至って快適な鑑賞でしたよ。
そこから導き出される結論、
『ミッドサマー』成功の秘訣は、
はじめに決めた枠組みから外れず、逸れずに最後まで語りきったこと。
志村けんさんも亡くなられ(2020/3/29)、
映画鑑賞の余裕などなさそうな昨今ですが、
鑑賞途中を遮られず、集中できる映画館での鑑賞をオススメしておきます。
おまけ:いきなりそっくりさん67
『ミッドサマー』マーク役
ウィル・ポールター(Will Poulter)=岩井勇気(ハライチ)