人生は丹精
『川の流れも人の世も』「心の無常」数年前のある研修会でのことです。文学博士でもある著名なM教授の講義でした。「真実と虚仮」というテーマで、聖徳太子の「世間は虚仮なり。唯、仏のみ是れ真なり」という言葉や、「歎異抄」の「よろずのこと、みなもって、そらごと、たわごと、まことあることなし」というような言葉を引用して、人間社会のことは、すべて虚仮であることを力説されました。講義が終わって、参加者の一人が質問しました。「先生、靖国神社も、天皇制も、すべて虚仮ですね」すると、その教授は、あわてて、「いや、それは、別の問題でね・・・」と口がにごってしまいました。「先生は、たった今まで、すべてこことは、そらごと、たわごと、と言われたではありませんか」会場は、ざわめきました。それまでの一時間の講義は霧消した感じになりました。いや、もっと考えると、M教授の言動は、「人間の言うことは、すべて虚仮である」ということの、見事な証明ともいえましょう。「仏教伝道協会の人生は丹精より引用させて頂きました」◎仏教の無常は、物や身体の無常だけではなく、一人ひとりの心の無常を考えていきます。