52才、男性。

中学生と高校生の子供がいる。

会社の役員をしていたが、他の会社に合併吸収され、社内でのポジションが低下した。

新会社では辞めて欲しいという雰囲気が漂っていた。

不眠・腹痛・下痢を訴えている。

元来脾虚タイプであり、過労とストレスで腎虚が極まり、奇経の病証になっている。

患者さんの妻から「夫はこのままいくと、過労死ですよね。」と相談を受けた。

「確かに危険性があります。とにかく毎日自宅施灸をして、漢方薬も併用して下さい。」とアドバイスした。

自宅施灸の取穴は地機・湧泉・身柱・神道などである。

漢方薬は加味帰脾湯・補中益気湯などが処方された。

約10ヶ月間何とか持ちこたえ、会社に再就職支援のサポートをしてもらうことを条件に退社することにし、新しい会社に転職できた。

新しい会社では労働条件・社内のポジションとも良く、「こんなに楽して良いのかと思います。」との事。


学童期の子供を抱えた男性は、体調不良が著しくてもなかなか退職という選択肢を取ることが出来ない状況にあります。

体調不良が著しくなると、不眠・うつなどの症状が出現する場合も少なくなく、エネルギーが低下しています。

そうすると判断力・行動力が低下し、なかなか新しい職場を探すなどの積極的な行動をとることが困難となります。

鍼灸治療はその様なエネルギーの低下を補い、患者さんが自ら問題を解決できるようにサポートする力を提供できるのではないかと考えています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*五枢会治療セミナー

2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。

興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。

http://5su.muto-shinkyu.com/

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

51才、男性。

双極性障害(躁うつ病)で通院中である。

10年前に発症したが、治療で改善し症状は比較的落ち着いていた。

20代から睡眠時間は4~5時間である。

睡眠時間が少ないなどの無理をしてもあまり辛さを感じなく、とことんひどくなった時点でうつ状態になるという。

社内で移動があり、労働時間が12~16時間/日になった。

睡眠時間は2~5時間であった。

そのころから腰背部痛・肘痛・膝関節痛を訴え出した。

腎虚が極まり、奇経の病証であった。

元気を補うにも限度がある。

移動から8ヶ月目に職場で嘔吐したとのこと。

産業医に相談することを勧め、産業医の方から元のポジションに復帰できた。

患者さんの奥様と何度も「このままいくと過労死になるかもしれないですね。」と話し合っていたが、本人は「それほどひどい状況だと思っていなかった。まだ前の職場で頑張りたかった」とのコメントにはあきれてしまった。

この様な状態を失体感症というが、失体感症になっている人は重大な症状になるまで気づかないので要注意である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*五枢会治療セミナー

2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。

興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。

http://5su.muto-shinkyu.com/

*メールマガジン鍼灸雑記帳のバックナンバー

このメールマガジンのバックナンバーは五枢会ブログで見ることが出来ます。

http://ameblo.jp/5su/

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

元来元気がなく主婦業とパートで精一杯の状態の患者さんが、仕事で活躍する一方スポーツも行なうことが出来るようになった症例です。

40代女性、主婦で午前中のみNPOの仕事をしている。

頭痛・耳鳴・易疲労・頸部~背部のこりを訴えて来院した。

元来虚弱で風邪を引きやすく、扁桃炎・中耳炎などを繰り返している。

脾腎陽虚証で痰飲傾向もある。

治療を継続すると元気になり、テニスを始めた。

更に仕事をフルタイムですることになった。

脾虚証の患者さんは一般に体力がなく、運動を嫌う傾向があります。

脾虚証の改善とともに体力が出て、運動が出来るようになったことが相乗効果になったと考えられます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*五枢会治療セミナー

2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。

興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。

http://5su.muto-shinkyu.com/

 

 

80代女性。

子供の頃から虚弱で頭痛で良く寝込んでいた。

30代の時に蓄膿の手術をして以来涙管が閉塞傾向になっている。

薬を服用すると副作用が強く出るため、50代から漢方と鍼灸を始め、薬は極力少なめにしているとのこと。

また食事にも気をつけ、出来るだけ無農薬・低農薬野菜にしていた。

湯河原の老人ホームに入っているため、そこから2回/週鍼灸治療に通っていらっしゃった。

とても元気で60~70代にしか見えない。

頭がしっかりしていておしゃれである。

老人ホームで陶芸・園芸をしている。

80代になっても元気で通信制の美術大学に入学し、京都に定期的にスクーリングに通っていた。


この患者さんは90才2ヶ月まで元気に活動を続け鍼灸治療を続けました。

その4ヶ月後に亡くなりました。

この患者さんを通じで痛感したことは、元来虚弱体質であっても出来るだけ現代医学の薬を飲まないようにし、食事に気をつけ鍼灸と漢方で対処すると健康寿命が上がるという事です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*五枢会治療セミナー

2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。

興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。

http://5su.muto-shinkyu.com/

 

48才女性、看護師。

職場のリフォームを契機に化学物質過敏症を発症しています。

主な症状はめまい・思考力低下・便秘です。

乗り物に乗ったり、ドラッグストアに入ったり、タバコの煙・香水・整髪料・マジックのにおいをかぐと増悪します。

腹証は小腹硬満・少腹急結が著明でした。

瘀血証として血海・足五里、便秘に対して支溝・沢田流神門、めまいに対して中渚・四瀆などの刺鍼を行ないました。

症状が改善すると、腹証も連動して改善したのが印象的でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*五枢会治療セミナー

2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。

興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。

http://5su.muto-shinkyu.com/

 

大腸の石灰化により腸の蠕動運動が低下し、腸閉塞を起こしやすいという事で来院している患者さんについてお伝えします。

65才女性、やせ型で脾虚証タイプ。

既往歴は18才に虫垂炎の手術をしています。

腸閉塞が起こりそうなときには臍傍とマックバーネー点に圧痛・硬結が出現します。

そして状態が回復すると圧痛・硬結が消失します。

腸閉塞を誘発するパターンとしては、消化の良くない物・冷たい物を食べるなどです。

治療経過中に顎関節症が出現し、咀嚼筋・商陽・少沢などの刺鍼を開始してから腹部の硬結はほとんど出現しなくなりました。

その頃から腸閉塞も起こっていません。

それまの取穴(水分・大巨・血海・上巨虚・大腸兪・沢田流神門・支溝など)より上記取穴の方が効果的であったことが興味深いです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*五枢会治療セミナー

2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。

興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。

http://5su.muto-shinkyu.com/

 

 

腰痛・抑うつを主訴に来院していた患者さんです。

72才女性。

脈を診ると、毎回50回/分前後と遅脈(徐脈)でした。

循環器内科で洞性徐脈の診断を受けており、もっとひどくなった場合にはペースメーカーを入れることになると医師から言われていました。

これに対し頸動脈洞刺鍼を行なうと直後に脈拍が60回/分程度になりました。

また脈状も虚脈だったのが弾力性がアップして良い状態になりました。

この効果は数日程度なので2回/週の治療がベストと考えられます。

この治療に補腎の治療と督脈上の取穴を合わせていき、全体的に元気になっていきました。

この患者さんは以前狭心症・小脳梗塞の既往歴があり、心臓に何らかの器質的変化があることも考えられます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*五枢会治療セミナー

2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。

興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。

http://5su.muto-shinkyu.com/

 

 

動悸・不眠・不安感・頭痛・食欲不振などを訴えて治療中の患者さんの報告をします。

50才女性。

過去にパニック障害の診断を受けたことがあるとの事。

心療内科からSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)・抗不安薬・半夏厚朴湯が処方されていましたが、上記症状が改善していないとのことで来院しました。

鍼灸治療を開始して上記症状がほとんどなくなった頃、心療内科で漢方薬以外が中止になりました。

そのころから動悸・早朝覚醒・食欲低下が出現してきました。

身体所見としては数脈(90回/分位)がみられました。

それに対し百会の刺鍼を行なうと脈が78回/分に減少しました。

自覚的にも動悸が軽減したとのことでした。

百会穴は代田文誌先生が交感神経優位を改善するのに有効と提唱された経穴です。

不眠症に効果的ですが、動悸に対しても脈拍が減少するという客観的変化も伴って改善することが興味深いです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*五枢会治療セミナー

2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。

興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。

http://5su.muto-shinkyu.com/

 

 

現在治療中の中でパーキンソン病2名、SBMA(球脊髄性筋委縮症)1名の構音障害が改善しているのでお伝えします。

3名とも特に舌音(タ行・ナ行・ラ行)の発音が上手くできないことが共通でした。

治療は明治国際医療大学の福田晋平先生が全日本鍼灸学会で発表された外金津・外玉液(奇穴)に増音(新穴)を加えて行いました。

ちょうど顎二腹筋の筋腹あたりに相当します。

構音障害は治療直後に改善し、会話が聞き取りやすくなりました。

直後効果だけではなく、継続的に効果が得られています。

SBMA(球脊髄性筋委縮症)の方は以前風邪を契機に誤嚥性肺炎を起こしたことから風邪予防の治療も行っております。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*五枢会治療セミナー

2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。

興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。

http://5su.muto-shinkyu.com/

 

 

現在治療中で消化器の調子で腹証が変化する患者さんがいらっしゃいますのでお伝えします。

60代女性、非結核性抗酸菌症の患者さんです。

抗生物質を常時服用しているためか、胃のもたれ感・食欲低下を訴えています。

腹証は腹裏拘急があります。

腹直筋の緊張があることを指摘したところ、スポーツジムで鍛えているからではと患者さんからの反論がありました。

そのため、「体調が良くなった時に再度判定しましょう。」という事になりました。

調子が悪い時には嘔気の訴えもあり、胃内停水が出現します。

治療継続による変化としては腹直筋の緊張が軽減し、腹部全体の弾力性がアップしたことです。

また、胃内停水の出現頻度も減少しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*五枢会治療セミナー

2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。

興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。

http://5su.muto-shinkyu.com/