頭痛というと上衝がメインととらえがちです。

気が上に上がって下がりにくい状態です。

しかしそれだけではないと考えられる症例が最近2例ありましたのでお伝えします。

症例1 53才女性

5才から頭痛(鈍痛)が出現している。

尿の出が悪くなると、頭痛・嘔吐が出現する。

また、雨天の時にも出現しやすい。

五苓散(利尿作用のある漢方薬)を服用すると頭痛・嘔吐が改善する。


症例2 36才女性

16才から頭痛(拍動性)が出現するようになる。

月経前後・排卵時に出現しやすい。

頭痛が出現した時に頻尿が起こると痛みが改善する。

この2例から考えられることは痰飲の関与です。

単独の証で考えて治療しても治りが悪い場合は、複合した証であることが結構あります。

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*五枢会治療セミナー

2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。

興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。

http://5su.muto-shinkyu.com/

 

関節リウマチが改善するポイントの1つが「便秘の改善」であるとのことを以前メールマガジンで書いたと思います。

今回はもう1つの要素をお伝えします。

60才女性

20年前に関節リウマチと強皮症を発症しており、免疫抑制剤を中心とした治療を受けています。

初診時寒冷・雨天で痛みが強くなると訴えており、関節周囲の浮腫が著明でした。

最初瘀血証改善の治療が中心でしたが、途中から痰飲の要素も強いと考え治療を行なって来ました。

痰飲の治療を加えてから関節周囲の浮腫が軽減し、寒冷・雨天の影響を受けにくくなってきました。

この患者さんは昨年秋にハワイに旅行に行きました。

温暖で湿気が少ない環境でリウマチが改善するのか検証したいとのことでした。

実際ハワイに行ってきた後は関節周囲の浮腫が軽減し、体調が良いとのことでした。

このことで痰飲の要素が大きいことを痛感した次第です。

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患者さんの中には、「この症状が辛い、この症状も・・・・。」と多くの症状を執拗に訴える方がいらっしゃると思います。

この様な方は一般的に「自律神経失調症」とか「更年期障害」などと診断を受けていたり、本人もその様に思っているようです。

しかし、このような方は「神経症性障害」の中の「不安障害」や「身体表現障害(心気症)」に相当することがほとんどです。

不安感をやわらげるGABAが減少していることにより、中枢神経系の活動亢進が出現しています。

この様な方に対しては、不安感をやわらげる対応が必要です。

重大な疾患ではない事、鍼灸治療で改善することなどを保証していきます。

また、精神的緊張から身体にも筋緊張が多く出現していますので、身体の緊張を緩和することにより精神の緊張を緩和することを行なっていきます。

もっと深く勉強し、治療を習得したい方はアドバンスセミナーの精神疾患で講義と実技指導をしておりますので受講をお勧めします。

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精神科医によると、最近子供のうつ病が増えているということです。

子供のうつ病は大人と症状が異なるので発見しにくいのが特徴です。

大人のうつ病では、

・気分が滅入る

・意欲が低下する

・不眠症

・食欲不振

などがメインの症状です。

子供のうつ病では

・イライラする

・朝起きられない

・不登校

・頭痛や腹痛を訴える

などがメインの症状です。

したがって大人のうつ病の症状から判断すると見抜けなくなります。

大人では自分でストレスを解消したり、ストレスを回避したりすることがある程度可能です。

また、変えることが出来なくてもストレスを言語化して何とかしのいでいます。

(お酒を飲んで愚痴を言うなど。)

しかし、子供の場合は親や学校などの環境を自分で変えることが難しいです。

また、ストレスを言語化する能力が低いためストレスがたまりやすいと言えます。

うつ病の原因は様々でしょうが、学校と塾で頑張り過ぎている子供に対しては、もう少し遊ぶ(自然の中で)ことを提案しております。

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2017年からここ最近までパーキンソン病の方を20例程度診ています。

教科書的な所見である、筋固縮・すくみ足・無動・震戦・突進現象・姿勢反射障害以外に共通した

特徴的な所見が見られています。

1.顔の前方への突き出し

2.首下がり

3.肩の内旋傾向

4.前傾姿勢

5.股関節屈曲拘縮

6.脊椎の側方偏位

7.扁平足

これらの所見は一部を除き、健常者における姿勢不良と重なる面があります。

前傾前屈姿勢が起こる機序としてドーパミンの減少であるとの研究報告があります(自治医科大学準教授・藤本健一先生)。

また、パーキンソン病の治療薬であるドーパミンアゴニストも姿勢異常の原因であることもあるとのことです。

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歩幅が狭いと認知症になるリスクが高いことが研究で明らかにされています。

東京都健康長寿医療センター研究所の谷口優氏らが行なった、群馬県内の特定健診受診者1686人を対象とした調査では、「歩幅が狭いグループ」は「歩幅が広いグループ」より、認知機能の低下が生じるリスクが2.8倍高かったということです。

鍼灸治療を行なうと歩幅が大きくなる方がいらっしゃいます。

パーキンソン病で治療中の方で歩幅の狭い方や変形性膝関節症で屈曲制限・屈曲拘縮がある方などです。

パーキンソン病ではレビー小体認知症との関連が密接であることが分かっており、パーキンソン病の方の認知症予防にも鍼灸が貢献できる可能性があります。

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初診時の顔面神経麻痺の患者さんは今後どの程度回復するのか知りたいと思います。

顔面神経麻痺がどの程度改善するのかは、ある程度予測することが出来ます。

その時に用いられる検査法にENoG(エレクトロニューログラフィー)があります。

ENoGは顔面の筋肉から誘発される活動電位を患側と健側で比較して数値化したものです。

ENoGが40%以上では完全に回復、ENoGが10%以上40%未満ではほぼ回復、10%未満では不完全な回復になります。

この検査は病院で行なわれますが、鍼灸院で出来る検査法に柳原法があります。

柳原法は顔面の動きを10種類に分け、各項目を4点として40点満点で評価する方法です。

発症2週間で柳原法18点以上であれば完全に回復、10点以上であればほぼ回復、発症4~8週経っても10点未満であれば不完全な回復になります。

柳原法以外にも鍼灸師が出来る顔面神経麻痺の評価方法はありますが、予後の推測が出来るという事と、細かく評価できるという事で有用な評価法であると思います。

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40代女性、鍼灸師。

腱鞘炎による手指の痛み・背部痛(自発痛)・肩関節痛を訴えて治療中であった。

背部痛は慢性膵炎由来と医師から診断を受けていた。

背部痛に対しては胃の六つ灸(膈兪・肝兪・脾兪)の施灸が有効であった。

したがって胃の六つ灸を助手の鍼灸師にも毎日してもらっていた。

しばらくたつと水疱が出来、大きな痂疲が形成された。

「助手は施灸が下手だから火傷になった。」とのこと。

しばらく様子を見ていたが、改善しないため皮膚科を受診。天疱瘡の診断が下った。


天疱瘡の患者の皮膚は圧迫・摩擦などの刺激により水疱を形成し、破れるとびらんや痂疲を形成します。

以前別の患者さんも天疱瘡になりましたが、皮膚科医から「鍼灸治療はやめなさい。」と言われたとのことでした。

この症例の様に施灸をした後火傷の症状がなかなか治らない場合は天疱瘡の可能性を考えなければいけないと痛感しました。

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元来活発で趣味はテニスであった。

数ヶ月前にK病院の診察で偶然腎細胞癌が見つかり、切除した(stage1)。

後頭部の痛み・腹痛・めまい・腰痛の他その時によって色々な症状を訴える。

持続して症状を訴えることは少なく、毎回メインの症状が変わる。
不安傾向が強い。


この様な場合器質的疾患より機能的失調もしくは精神的なストレスによるものではないかと考えると思います。

しかし、肺にも癌(腺癌、stage1)が偶然見つかり切除することになりました。

咳・痰などの呼吸器症状は訴えていませんでした。

この症例を通じて痛感したことは、多愁訴で症状が変わる場合機能的失調であり、検査の対象としないと考えがちですが、器質的疾患の存在を常に考慮しなくてはならないという事です。

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42才男性、身長175.7cm、体重86kg(BMI 27.8)と肥満1度である。

あまり筋肉質ではなく、スポーツは好まない。

IT関連の仕事をしている。

主訴は背部の鈍痛である。

10年以上鍼灸治療を受けているのにもかかわらず、鍼を非常に痛がる。

鎮痛を目的に某メーカーの鍼(1寸02番)を腰腿点に刺鍼したところ、非常に痛がるためやむを得ず表面電極の通電を行なった。

しかし治療効果が出ないため、百会に刺鍼しながらセイリンの鍼(1寸02番)で腰腿点に刺鍼した。

この治療法に変えてから痛みが改善するようになった。

患者さんが治療に対し、過敏であるとどうしても刺激量を減らしがちになります。

少なめの刺激量で効果が出る場合もありますが、この症例の様に多くしないと効果が充分でない場合もあります。

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