ありえない話で盛り上がる
俺 「夏子ってさぁー、本当にスピッツが好きだよね」
夏子 「好き好き。昔からずっと好き」
俺 「仕事しながら聴いてるしね」
夏子 「うん、結構、ノリに乗れるから仕事も進むのよね」
俺 「もしだけどさ……」
夏子 「うん」
俺 「スピッツのボーカルが夏子と付き合いたいって言ったらどうする?」
夏子 「……う~ん、ちょっと考える時間くれる?」
俺 「は?」
夏子 「難しい問題だから考えたい」
俺 「……いや、その」
夏子 「……勇太郎がいるから付き合わないって言ってほしいの?」
俺 「言ってほしいっていうか……(´Д`)」
夏子 「夏子に嘘つけっていうの!!!!!!?????????」
俺 「……」
夏子 「夏子、嘘つけないの知ってるでしょ?」
俺 「アイス食ったのに食ってないって平気で嘘つくじゃん」
夏子 「へりくつはいいの!!」
俺 「……(´Д`)」
……しばらく経って。
夏子 「付き合う人決めた」
俺 「……」
夏子 「勇太郎と付き合う」
俺 「お、おおおお……良かった」
夏子 「でも、草野マサムネに誘われたらミラクルが起きるかも」
※草野マサムネ=スピッツのボーカル
俺 「……(´Д`)」
ありえない話で
一喜一憂するバカップルでした。
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にゃんこ呼び寄せ
……夜中の2時。
夏子 「はうっ!!」
ガラガラガラガラガラ!!
俺 「どうした!? 突然窓開けて!!」
夏子 「ナ~ゴ! ナ~~~ゴ!」
俺 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
夏子 「ニャアアアアアアアアアアン!」
俺 「……な、夏子?」
夏子 「ニャーーーーン!!」
俺 「……」
夏子 「だめだった……」
俺 「夏子さん、何がですか?」
夏子 「いま、ニャンコの声がしたの」
俺 「外で?」
夏子 「うん。だから、呼んだのよ」
俺 「……そ、そう(´Д`)」
夏子 「もう一度鳴けば来るかも!?」
俺 「もう寝ようか(´Д`)」
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エアコンつけっぱなし
人間誰しも間違いや物忘れはあるもの。
もちろん、そのつど反省するのだけれど、
それでも忘れてしまうことはある。
……そんな話です。
夏子 「また暖房つけっぱなしで会社に行ったでしょ!!」
俺 「えええええっ!? マジで?」
夏子 「マジもなにも、部屋が常夏だったわよ」
俺 「……す、すまん」
夏子 「勇太郎より早く家から出たらこれだもんな」
俺 「……悪かった。電気代もったいないもんな」
夏子 「勇太郎、反省してる?」
俺 「してるしてる」
夏子 「反省なんてそんなカンタンにできないわよ」
俺 「は?」
夏子 「勇太郎には罰がいちばん有効だと思うの」
俺 「ちょっと……何言ってんの?」
夏子 「電気代払ってもらうしかないわね」
俺 「俺、すでに毎月全額払ってるんだけど」
夏子 「……じゃあ今晩のメシ抜きよ!! 食わなくていい」
俺 「俺が作ったおでんなんだけど」
夏子 「……」
俺 「……」
夏子 「もういいから早く寝なさい!!」
俺 「……まだ7時です(´Д`)」
……とはいえ、節約するということは大切なこと。
電気つけっぱなしやエアコンつけっぱなしをここまで気にするというのは、
省エネ時代に生きる人間として、至極当然のことなのかもしれない。
そうでなくてはならないのかもしれない。
夏子のそういう心がけに感心したのは事実だ……罰以外は(´Д`)。
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ナイトパッカーになりたくない
すでに何度かブログに書いていることだけれど、
夏子は自宅で建築設計の仕事をしている。
今の時代、大きな机に大きな用紙、
長い定規などがなくても、パソコンだけで設計はできる。
パソコンのほかに必要なものは、プリンターくらい。
ということで、夏子はMac iBookで設計をしている。
忙しくなると、作業は翌朝まで続くのだが……。
部屋がワンルームで、しかも4.5畳、実質歩けるスペースが2畳もないとなると、
ひとりだけ寝て、ひとりだけ起きているというのが難しくなる。
ライトが明るいのは仕方ないとして、夏子のように
大量の資料やパソコンを使って仕事をしていると
フトンがしかれることで作業スペースがなくなってしまうのだ。
俺 「ごめん、もう眠い。無理。寝ようよ」
夏子 「……えっ? 寝たいの? おかしくない?」
俺 「午前4時に眠いのはいたって普通のことだよ」
夏子 「……夏子、仕事してるの。間に合わないの」
俺 「まあ、忙しいのはわかるけど……俺の眠気が」
夏子 「……寝ると間に合わないのよ? なのに寝ろと?」
俺 「夏子さ、なんで時間ないのに飲み会に3夜連続で行った?」
夏子 「生きる活力のチャージでしょうが!!」
俺 「今の俺は活力を吸い取られてるんだけど……」
夏子 「わかった。勇太郎だけ先に寝なさい」
俺 「どうやって……用紙と資料だらけでスペースないし……」
夏子 「フトンの上に折りたたみのテーブルを置いて夏子が作業する」
俺 「……それで?」
夏子 「勇太郎はテーブルの下に足を入れて寝なさい」
俺 「……マジで?」
夏子 「マジマジ」
俺 「……」
夏子 「嫌ならナイトパッカーになるしかないのよ?」
俺 「なんだよナイトパッカーって」
夏子 「漫画喫茶のナイトパックで生活しなさいってこと」
※深夜から早朝まで格安料金で漫画喫茶にいられるパック。
俺 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
夏子 「ナイトパッカーになりたいの?」
俺 「……響きだけはかっこいいけど(´Д`)」
夏子 「こち亀全巻読んできていいのよ?」
俺 「行ったら行ったで寝させてよ……(´Д`)」
4.5畳という狭い部屋で男女ふたりが生活する。
それを誰に話しても「無理!!」という返答が。
こんな狭い部屋に同棲していて、
お互いの生活サイクルに違いが出てきてしまうと
結構、致命的な問題になるかもしれない。
夏子の場合、単に締め切りに追われて徹夜しているだけなので
短期間ではあるものの……ちょっとこれからも不安である。
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母親からの指令
俺の母親は、夏子と同等か、それ以上にヤバイ。
どうヤバイかというと、とにかく豪快なのだ。
怒ると怖い、変な行動する、オカルト大好き、科学大好き。
とにかく変だ……。※詳しくはこのエピソードを
夏子と俺の母親はまだ面識はないが、電話では何度か話している。
夏子の両親は同棲を知らないが、俺の両親は同棲を知っているからだ。
夏子と母親、“ヤバイ”という点が共通点。
だが、ヤバイ者同士で仲良くできるかといえばそうではない。
母親は「豪快」なのに対し、夏子は「わがまま」なのだ。
よって、夏子は俺の母親が苦手である。
……電話で俺の母親と話す夏子。
母親 「▽※□○×▽※□○×▽※□○×」
夏子 「あはは、そうですね~♪」
母親 「▽※□○×▽※□○×▽※□○×▽※□○×」
夏子 「えっ? ホントですか? ウレシ~♪」
母親 「▽※□○×▽※□○×」
夏子 「はい、わかりました~♪ ではまた!!」
ガチャリ
俺 「母親と何を話したの? 教えてくれ!! また俺の悪口か?」
夏子 「……どうしよう!!」
俺 「ん? なんか夏子のこと悪く言ったりしたのか!?」
夏子 「ちがうけど……」
俺 「なんなの? どんな話だったの!?」
夏子 「『聖書の暗号』っていう本を送るから感想を聞かせろって」
俺 「ハァ!?」
夏子 「無理!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺 「俺の母親……そういう本好きなんだ(´Д`)」
夏子 「勇太郎、読んだことある?」
俺 「な、ないよ」
夏子 「……だよね」
……数日後。
夏子 「届いた(´Д`)」
俺 「……どう? 読めそう?」
夏子 「………………………………………………」
俺 「………」
夏子 「文字だらけ……夏子には無理」
俺 「夏子、本読むの苦手なんだよな確か」
夏子 「それ知ってたなら、お母さんに言って夏子を助けてよ!!」
俺 「いいけど、本が苦手と知ったら夏子の株が下がるよ?」
夏子 「だめ!! 結婚前に夏子は悪く見られたくないの!!」
俺 「結婚後はいいのかよ」
夏子 「スーパーミラクルアイデアひらめいたっ♪」
俺 「おおお!! さすが夏子♪ どうすんだ?」
夏子 「勇太郎が読んで私に感想教えてよ」
俺 「俺にとってもミラクルだよ(´Д`)」
夏子 「他に手はないでしょ?」
俺 「自分で読むという手は無いのね」
夏子 「あなたを作ったお母さんのためよ?」
俺 「120%夏子の保身のためだろ(´Д`)」
……2週間後。
母親 「▽※□○×▽※□○×▽※□○×」
夏子 「ヘブライ語で日本の大地震の予言も書かれてたんですよね!!」
母親 「▽※□○×▽※□○×▽※□○×▽※□○×」
夏子 「等距離文字列に冠する記述が大変興味深かったです!!」
母親 「▽※□○×▽※□○×」
夏子 「はい、また読ませてください!!」
俺 「かんべんして……(´Д`)」
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狭いから起こされる
すでに書いたことだが、夏子は自宅勤務だ。
大学院卒業後、ずっと建築事務所に所属して設計をしてきたが、
休養期間という意味も込め、事務所を辞めて独立をした。
よって、自宅で建築事務所から頼まれた
設計の仕事をこなし、収入を得ている。
夏子 「明日、施主の家に行かなきゃならないの」
※施主……建築の依頼主
俺 「えっ? せっかくの土曜日なのに」
夏子 「ごめんね」
俺 「何時から?」
夏子 「荻窪に9時からだから……6時には起きなきゃ」
俺 「そうか。じゃあ俺は午前中はずっと寝てようかな♪」
夏子 「うん、たまにはゆっくり寝たほうがいいよ」
俺 「そうする♪」
夏子 「おやすみなさい」
俺 「おやすみー」
……5時30分。
ジャンジャカジャンジャカジャーーン♪
ジャンジャカジャンジャカジャーーン♪
俺 「……ん?」
夏子 「ZZZZZZZzzzzzzzz」
俺 「……ねえ、夏子。目覚まし時計鳴ってるけど……」
夏子 「……う~ん」
俺 「……ねえ、夏子? 起きなくていいの?」
夏子 「……いいの一回目のベルは二度寝用だから」
俺 「……俺も起こすなよ(´Д`)」
夏子 「ZZZZZZZzzzzzzzzzzzzzzzzz」
……6時。
ジャンジャカジャンジャカジャーーン♪
ジャンジャカジャンジャカジャーーン♪
俺 「……んあ」
夏子 「Zzzzzzzzzzzzzz」
俺 「……夏子。……鳴ってるけど」
夏子 「ZZZZZZZZZZzzzzzzz」
俺 「夏子っ!!」
夏子 「……んにゃ?」
俺 「……目覚まし鳴ってるって」
夏子 「……6時30分に起きても間に合うから大丈夫」
俺 「起きる必要がない俺が起こされてるんだが……」
夏子 「ZZZZZZZZZZZZZZZZzzzzzzz」
俺 「……(´Д`)」
……7時30分。
夏子 「ぎゃああああああああああああ遅刻!!!!!!!」
俺 「はうあ!!」
夏子 「なんで起こしてくれないの!?!?!??!」
俺 「は?」
夏子 「間に合わないじゃない!!」
俺 「3度寝したのは夏子だろ!!」
夏子 「横に寝てるんだから起こしてくれてもいいでしょ!?」
俺 「寝てる俺がどうやって寝てる夏子を起こすんだ?」
夏子 「準備準備準備準備準備準備~!!」
俺 「会社行く朝より早い時間に目がさえちまったぞ……(´Д`)」
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夏子ファン
夏子は、すごい美人ではないし、
すごいカワイイというキャラでもない。
※とはいえブスというわけじゃない。
つまり普通にかわいい……と思う!!
そして……ハッキリ言って、夏子は天然系だ。
本人は認めないが、どう考えても天然系だ。
それゆえ、その独特の雰囲気に惚れる男性が多い。
夏子の知人に話を聞いても、大学や大学院時代から、
ずっとモテモテが続いているようだ。
夏子 「どうしよう……」
俺 「どうした?」
夏子 「大学院時代から、夏子のこと好きっていう同期の人がいるのよ」
俺 「……それで?」
夏子 「食事しましょうってまたメールきたの」
俺 「またって、前から誘われてるってこと?」
夏子 「……うん。でも、恋愛感情ないから、断ってるんだけど……」
俺 「だけど?」
夏子 「何度も断ってて、もう断る理由がない」
俺 「う~ん、そういうのは、ハッキリ言ったほうがいいと思うよ」
夏子 「なんて?」
俺 「そういう気持ちは持てないからごめんなさいって」
夏子 「……う~ん。でもなァ~」
俺 「本当は好きなんじゃないの?」
夏子 「違う!!」
俺 「じゃあ、ハッキリ言うのが彼のためでもあるよ」
夏子 「でもなァ……」
俺 「やっぱ夏子も好きなんじゃん」
夏子 「違う!!」
俺 「……じゃあ好きじゃないって言うしかないってば」
夏子 「言えないの!!」
俺 「なんで?」
夏子 「夏子のファンを減らしたくないの!!」※実話です
俺 「ハァアアアアアアアアアアアアア!!!!???」
夏子 「夏子のこと、好きって思ってくれるの嬉しいでしょ?」
俺 「……いつ会おうって?」
夏子 「……明後日に会おうって言われてる」
俺 「……夏子にそういう気持ちがないなら、行っても何も起きないでしょ」
夏子 「……」
俺 「行ってくれば? 嫌味とかではなく、ほんとに」
夏子 「……行かない!!」
俺 「?」
夏子 「勇太郎がいい!!」
俺 「そんなこと言っても、寝ながらオナラはやめないぞ♪」
夏子 「あはっ♪」
……明後日。
夏子 「いってきま~す♪」
俺 「いってらっしゃーい……(´Д`)」
……女心はいつもわかりません。
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夏子が太りました
同棲生活をしているならば、
誰しも同じ体験をするかもしれない……。
夏子 「いやああああああああ!!」
俺 「どっ、どうしたっ!?」
夏子 「……体重3キロ増えた」
俺 「あはっ♪ そういや、お腹に谷がひとつ増えたような」
夏子 「なんでいじめるの~!!!!!!!!!!!!!」
俺 「じ、冗談だってば」
夏子 「やめて! 夏子、冗談通じないの」
俺 「……ごめん」
夏子 「太ったの勇太郎のせいだからね!!」
俺 「ハァァァァァァァ!?」
夏子 「あごの下も肉がついた気がするゥ~!!」
俺 「さ、さすがに太るのは自己責任でしょ……」
夏子 「勇太郎の作る料理のカロリー調整がダメなのよ!!」
俺 「……自分で作る努力してから言ってよ(´Д`)」
夏子 「お好み焼きとかパスタとかチャーハンとか、炭水化物が多すぎるの!!」
俺 「食べる量減らせばいいやん」
夏子 「美味しいから食べちゃうのよバカ!!!!!!!!!!!!!!」
俺 「俺は褒められてるの? 怒られてるの?」
夏子 「勇太郎もお腹の肉、多すぎよね!!」
俺 「んあ……そうかも」
夏子 「この肉!! 肉!! 肉肉肉肉肉肉肉肉肉!!」
俺 「おいおいやめろ!! つまむな!!」
夏子 「明日から、朝食と夕食は温野菜よ」
俺 「……まあいいけど」
夏子 「勇太郎、飲み会多いけど、飲んでも食っちゃダメ!!」
俺 「はあ?」
夏子 「肉ばっかり食べるでしょ!?」
俺 「……たまの外食のときくらい、いいじゃん」
夏子 「無理」
俺 「どうして?」
夏子 「勇太郎だけ肉を食べてたら夏子がかわいそうでしょ!!!!!!!」
俺 「……そうでございますね(´Д`)」
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夏子の決断……
夏子 「……ごめんね」
俺 「ん? 何よ突然」
夏子 「いやあさ……いつも無茶言うでしょ? 私」
俺 「うん、無茶ばっかだよなぁ~」
夏子 「……反省してるのよ」
俺 「でもね、無茶するとかしないとか、好きという気持ちに関係ないよ」
夏子 「え?」
俺 「人にはダメな部分があるのは当然。オレもダメな人間だしね」
夏子 「……」
俺 「だけど、ダメでも良くても、好きという気持ちは別次元」
夏子 「……ありがとう」
俺 「だから気にしないで♪」
夏子 「うん♪ でね。夏子、ひとつ決めたの!!」
俺 「おおっ♪ なになに?」
夏子 「夏子、料理する!!」
俺 「マジで~~~!?」
夏子 「マジマジ~♪」
俺 「マジで嬉しい!! 夏子はできないんじゃない。やらなかっただけ!!」
夏子 「うん!! だから、やればできるよね?」
俺 「できるできる!!」
夏子 「今から作るから、それお昼ご飯にしよっ♪」
俺 「なに作るの!?」
夏子 「シチュー♪」
俺 「うおおおおおおおお!! 楽しみ!!」
夏子 「よーし、頑張っちゃうよ夏子♪」
俺 「楽しみだぜ!!」
俺 「……シチューやめたの?」
夏子 「シチューだよ……」
俺 「……夏子、人には得手不得手というものがあるからさ……」
夏子 「料理は毎日俺がするって言いたいのね?」
俺 「……そうしてほしいんでしょ?(´Д`)」
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晩御飯騒動
会社にて、上司から食事のお誘いが……。
よくあることだが、オレは結構、困るときがある。
若林 「勇太郎君、夜、しゃぶしゃぶ行こうよ」
俺 「うわっ!! 行きたいです!!」
若林 「六本木の“しゃぶ禅”ってとこなんだけど」
俺 「おおおおおお~!! 行く行く!!」
若林 「じゃあ、20:00に出発ってことで。ほかにも5人くらいくるから」
俺 「はいっ!!」
帰りが遅れるって
夏子にも連絡しないとな。
了解って、なかなか素直だな♪
………………………………………………。
俺 「とにかく帰ってこい!?(´Д`)」
ハァ!?
トゥルルルルルルルルルル♪
夏子 「もしもし」
俺 「あっ、俺だけど」
夏子 「うん、何?」
俺 「いや、とにかく帰ってこいって何?(´Д`)」
夏子 「あー、夏子のご飯ないじゃん?」
俺 「……あれ? 昨日の晩、今日の晩御飯用のご飯作ったよねチャーハン」
夏子 「お昼に食べちゃったからないのよ」
俺 「あれ3人前くらいあるだろ!!」
夏子 「昨日の夜中に1回食べて、今日の昼も食べたらなくなった♪」
俺 「……そ、そう」
夏子 「だからさ、ご飯作りに一度帰ってきてよ」
俺 「ハァァァァァァァァァァ!?(´Д`)」
夏子 「あ、今、鬼嫁日記の嫁みたいって思ったでしょ?」
俺 「いつも思ってるけど」
夏子 「まったく違うから。この家のルール守ってほしいだけ」
俺 「夏子が快適に暮らすためのルールだよな(´Д`)」
夏子 「ルールはルールでしょバカ!!」
俺 「悪法でも法は法か……」
夏子 「ひっぱたくよ? それで今日は何を食べてくるの?」
俺 「し、しゃぶしゃぶ」
夏子 「じゃあ私もしゃぶしゃぶがいいな♪」
俺 「あの部屋で、ひ、ひとりでしゃぶしゃぶ食べるの?」
夏子 「勇太郎も夏子はぶいてしゃぶしゃぶでしょ!?」
俺 「……。でも仕事忙しくてさ、帰れそうにないよ」
夏子 「夏子、お腹すいて倒れてもいいの?」
俺 「な、なら自分で作れば……」
夏子 「夏子、料理できないのしってるくせに!! いじめないで!!」
俺 「……」
夏子 「女なら料理できてあたりまえとか思ってるでしょ!? 差別だよそれ」
俺 「いやいや、人として最低限の常識的な調理知識は覚えようよ……」
夏子 「もういい、また勇太郎のすり込み教育がはじまったわ」
俺 「な、何もすり込ませようなんて思ってないっつーの!!」
夏子 「何時に会社出るの?」
俺 「20時」
夏子 「19:40ごろに会社出て、上司には現地集合ということで了解を得て」
俺 「……」
夏子 「その足でセイフーで牛と豚各400グラムずつ買って家に戻ってきて」
俺 「……」
夏子 「あとはダシ汁作って。用意できたら上司と合流しましょう」
俺 「……」
夏子 「あとは食べとくから」
俺 「最後だけは自分が活躍するような言い方だな」
夏子 「とにかく帰ってきてね♪」
俺 「はい(´Д`)」
……なんか最近俺に厳しい……
律子との騒動があってから……
いや、前からか!?
……………………………………買い物。
……………………………………調理。
……………………………………移動。
俺 「ハァハァハァハァハァハァハァ……」
若林 「遅いよ勇太郎君~。残業?」
俺 「は、はい……すみません」
若林 「和牛食べ放題コースだけど、まだ食べられるから大丈夫だよ」
俺 「はははは、よ、よかったです。ハァハァハァハァ」
店員 「あと15分で終了です」
若林 「……」
俺 「……」
若林 「……ま、また連れて来るから♪」
俺 「……(´Д`)」
●『4.5畳の恋人。』とは?
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