4.5畳の恋人。 -4ページ目

ご飯がない?!

間取図


年末年始はどこにも行かないで
家でゆっくりすることにした今年。

ふたりで正月番組を観ながら……。


夏子 「正月だね~」

「そうだね~」

夏子 「家でゆっくりはいいね~」

「狭くても正月はいいね~」

夏子 「お腹すいたね~」

「すいたなぁ~」



夏子 「でも食べ物ないよね~


俺 「食材はたっぷりありますが?





夏子 「へぇ~。あとは作るだけか
俺 「……そ、そうだね





夏子 「何あるの?」

冷蔵庫を開けながら……。

「えーと、にんじん、じゃがいも、はくさい、鶏肉……」

夏子 「へぇ~。いろいろあるね」

「……うん」






夏子 「で、なに作れる?
俺 「はい?


夏子 「その食材で作れるもの言ってって
俺 「……さすがにさ、今年は俺も言うよ?



夏子 「なにを?」

「たまには夏子も料理作ってよ」

夏子 「勇太郎がお腹すいたっていうから、料理の話したんでしょ?」

「まあ、お腹はすいてるけど……」

夏子 「夏子だって勇太郎がお腹すいてると、かわいそうだって思うよ」

「……」

夏子 「冷蔵庫にある食材で作れるもので、何食べたい?」

「……肉ジャガかな」


夏子 「じゃあそれ作っていいよ
俺 「はい?


夏子 「夏子、勇太郎が好きなもの食べてほしいな♪
俺 「……今年もこの調子か(´Д`)



『4.5畳の恋人。』について

大晦日のサプライズ!?

間取図


俺の会社にて……。


「え? 正月パーティーですか?」

若林 「そうそう、僕んちでホームパーティ。勇太郎君もどう?」

「若林さん、帰省したり恋人と過ごさないんですか~?」

若林 「今年はなにもなし!! だから勇太郎君もどうかなって」

「う~ん……」



数日前……。



「え~っ!! 大晦日は実家に帰るの!?」

夏子 「あたりまえでしょ。大晦日よ?」

「付き合ってから初めての大晦日なのに……」


夏子 「は? 大晦日は実家。世界の常識よ?


「……じゃあ、俺はここに一人?」

夏子 「勇太郎も実家の秋田に帰ればいいじゃん」

「実家が都市計画で、立ち退いたばかりなんだよね」

夏子 「だから?」

「新しい家が建つまで、親は小さなアパート暮らしなのよ」

夏子 「ふーん」

「寂しいな~(´Д`)」

夏子 「仕方ないな」

「一緒に初詣行く!?」


夏子 「仕方ないから大晦日の20時までいてあげる
俺 「そんな同情いりません(´Д`)




夏子 「まあ、来年いてあげるから♪」

「(´Д`)」



またまた会社に戻って……。



若林 「どう? パーティーくる?」

「たまにはいいかな!! 行く行く~♪」

若林 「OK!! そういや、モモとチョウメン作れるって聞いたけど」

「あー、ネパールの餃子と焼きそばですね!!」

若林 「それそれ!! 実は、料理作れるヤツいなくてね……」


俺 「だから俺を呼んだんですか!!!!!???



若林 「あはははは♪」

「もー仕方ないですね(笑)。じゃあ料理係になります♪」

若林 「頼む頼む!! だいたい10人くらい集まる予定」

「了解っス!!」

若林 「31日、買い物してから17時に僕の家にきてよ。水天宮前だよ」

「了解っス!!」



……そして大晦日。



夏子 「今日、パーティーへ何時に行くんだっけ?」

「えーっと、13時に出て、買い物して、料理する」

夏子 「そう、夏子は夕方に埼玉に向かうわ」

「わかった。じゃあまた来年だな。シクシク」

夏子 「泣くな泣くなっ♪ また来年会える♪」

「うん、もうフッ切れた(笑)」

夏子 「それでこそ夏子のしもべ♪
俺 「しもべなんですか? (´Д`)




……大晦日13時。



「行ってきますーーーす♪ よいお年を♪」

夏子 「はーーーい♪ よいお年を!!」



……若林さん宅17時。



若林 「いやあ悪いね」

「あははは」

若林 「料理うまいっていうからさ♪」


俺 「モモにチョウメンにから揚げにスープにシフォンケーキですか……
若林 「サフランライスにパキスタンカレーもね……頼む!!




「だ、大丈夫です。やりますやります(笑)」

若林 「いやあ、勇太郎君がいて助かったよ♪」

「あははは……」



トゥルルルルルルルルル♪



「もしもし」

夏子 「夏子だよー」

「おう♪ どうした~? もう埼玉?」

夏子 「いや、まだ」

「そうなんだ。2006年まで会えないのかぁ~。寂しいなー」




夏子 「今すぐ帰ってきて
俺 「まだ2005年ですよ?(´Д`)




夏子 「ダッシュで頼む」

「いやいやいやいや夏子さん(´Д`)」

夏子 「……」

「いまから料理すんのよ?」



夏子 「あとでメールする
俺 「はい?
 



ガチャ
ツーーツーーツーーツーー……‥‥・・・




俺 「……帰れるはずないじゃん(´Д`)

若林 「どうした?」

「いや、なんでもないです!!」



ぴんぽ~~ン♪



若林 「おおっ、きたきたーーー♪」

「ようやく集まりだしましたね」



ピピピピピピピピピ♪



「メールか?」



時刻メール



俺 「……今すぐ帰れと?(´Д`)

若林 「どうした?」

「……実は(´Д`)」


















夏子 「おかえりなさい♪
俺 「徴集があったので(´Д`)





夏子 「サプライズでしょうが
俺 「なんですと?
 




夏子 「大晦日に帰るの嘘
俺 「仰天発言ですか?(´Д`)
 





夏子 「何言ってんの?」

「いや、上司との予定を蹴ってきたからさ……」

夏子 「いないはずがいるのよ?」

「……(´Д`)」

夏子 「サプライズでしょ?」

「……ショッキングです(´Д`)」



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寒いのは寒いんだから

間取図


チュー太郎は庭のある夏子の実家にあずけ、
ひとまず我が家へ帰還。


俺 「夏子~」

夏子 「なあに?」

俺 「寒い……」



夏子 「寒くないでしょ
俺 「寒いです



夏子 「長袖シャツ1枚、セーター2枚……そんなに厚着してるのに?」
俺 「だってさ、
12月下旬に暖房機器ないのおかしくない?



夏子 「……夏子は去年もこうでしたっ!!」

俺 「どうやって極寒をしのいだ?」

夏子 「頭使えばカンタンよ」

俺 「どうやったのよ」



夏子 「温風出したドライヤーつけっぱなし 




俺 「……まじ!?」

夏子 「まじ」

俺 「……」

夏子 「でも、夏子は厚着すればあったかいから暖房はいらないの」

俺 「……じゃあさ、ドライヤーつけようよ」

夏子 「だめ!! 電気代かかるのよアレ!!」

俺 「……去年はいくらだったの?」

夏子 「12月の電気代が2万円超えたの」


俺 「普通にストーブ買ったほうが安くない?




夏子 「……」

俺 「むしろ電気ストーブのほうが安いよ」



夏子 「夏子をいじめないで!!
俺 「……はい(´Д`)




夏子 「……じゃあ奥の手を使うわよ
俺 「よからぬことか(´Д`)




夏子 「この広さじゃないと使えない技なの」

俺 「……それは」


夏子 「ガスをつけて火のパワーで空気を暖める!!
俺 「それ、死にますが(´Д`)





夏子 「死なない死なない。夏子、去年もやったもの」
俺 「死んでちゃ困る!!(´Д`)



夏子 「火をつけて10分くらいほっとくと暖かくなるよ」
俺 「10分ほっとくうちに死ぬかも


夏子 「死ぬ死ぬうるさいわね!! そんなに死にたいの!?」
俺 「絶対死にたくないから言ってるの(´Д`)


夏子 「大丈夫。狭い部屋だし」
俺 「4.5畳の狭い部屋だから早く中毒になって死ぬのよ(´Д`)


夏子 「ミラクルアイデア思いついたっ!!」
俺 「……死ぬのナシね(´Д`)


夏子 「窓開けて、通気性を良くしながらガスつければいい!!」
俺 「暖かい部屋に寒風を入れるんだね♪



夏子 「このクチか!! イヤミ言ってるのっ!! んんっ!?
俺 「つねるなって!! そこクチじゃなくてオシリ!!(´Д`)



夏子 「で、勇太郎。夏子が言いたいことわかる?」

俺 「な、なに?」



夏子 「寒がりの勇太郎がヒーター買えば解決ってこと!!」
俺 「……12月は誰でも寒いよ(´Д`)


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座ってなさい

間取図


チュー太郎を連れて夏子の実家へ……。


今回、実家に帰ってきたのは、
俺が夏子の両親と会うというのはオマケみたいなもので、
夏子の部屋の整理が目的だ。

夏子は、大学院を卒業すると同時に
実家から麻布十番へと引っ越した。
それ以来、まともに部屋の整理をしていなかったのだという。
いらない本、CD、資料など、それらを整理するために
一度実家に帰ったのである。


夏子
「ただいま~♪」

夏子父 「んぁーーー!! おかえりなさいっ!!」

夏子 「もう腰は大丈夫なの?」

夏子父 「大丈夫。もうテニスできる」

夏子 「んもぉ~、オッサンなんだから少し安静にして無いと」

夏子父 「……この方が電話で言ってた彼氏の?」



夏子 「あっ、私の親しい友だち

え……
(´Д`)



「あっ、はじめまして!! 勇太郎といいます!!」

夏子 「お父さんだよ♪」

「お邪魔だと思いながらもきてしまいました……」

夏子父 「……このワンコはキミの?」

「あっ、チュー太郎は夏子さんの犬です」

夏子父 「なに!?」



ワンワンワンッ!!



「コラ!! 吼えるなバカ!!」

夏子父 「……」



「すみません!! チュー太郎しつけてないんです!! あはっ♪」
夏子父 「夏子か……
私の名前を犬につけたのは







夏子さん?……(´Д`)






夏子 「愛着あるからつけたのに、怒んないでよ!!」



普通怒るよ……(´Д`)




夏子父 「まあ、夏子あがれ。勇太郎君もどうぞ」

「は、はい!! お邪魔します!!」

夏子 「お父さん怒りんぼなの。ごめんね」



ムツゴロウさんだって怒るよ……(´Д`)



……お茶を飲みながら。



夏子父 「……勇太郎君は何してるの?」

「あっ、IT関係の仕事ですね」

夏子父 「ITってよくいうけど、どんなことしてるの?」

「パソコンに向かってカチャカチャキーボード叩いてるだけですね」

夏子父 「私くらいになるとパソコンはもうわからんなあ」

「パソコンならいくらでもお手伝いしますよ♪」

夏子父 「ありがとう」

夏子 「あれ? お母さんは?」

夏子父 「今日はいないよ。用事で実家に帰ってる」

夏子 「えええええええ!!」

夏子父 「せっかく来てもらったのに悪いね」

「いえいえ。こちらが急にきたので……」

夏子父 「何も夕飯がないぞ……夏子、どこか食べに行くか」

夏子 「久しぶりに何か作ろうかな♪」




夏子父 「作らなくていい

……お父様、すでにわかってらっしゃる(´Д`)




夏子 「お姉ちゃんも帰ってくるでしょ?」

夏子父 「じゃあ帰ってきたら姉ちゃんに作らせる」

夏子 「うどんくらい作れるよ」



夏子父座りなさい



夏子 「……」

夏子父 「……」

帰りてー……(´Д`)



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どうすんべ……

間取図


ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ

ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロ。


「……」

夏子 「ほら、チュー太郎が勇太郎の手をなめてるじゃないの」

「……うん」

夏子 「あたまなでてあげよっ♪」



俺 「……か、かわいい(´Д`)



夏子 「それよりさ、夏子の両親に会ってくれるの明日よ」

「がああああああ!! 忘れてた!! 埼玉だっけ」

夏子 「うん、埼玉。結婚とか言うのナシね!! ヤバイからっ!!」

「初めて会うのに、それはさすがに言わないよ……」

夏子 「夏子、箱入り娘だったから突然結婚とか言うと殺される」

「……(´Д`)」



ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ。




夏子 「お腹ちゅいたの? はい食べなさーい♪」



カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ。



俺 「チュー太郎はどーすんだ?(´Д`)




夏子 「チュー太郎も埼玉に行きたいのぉ~?」

「ここに置いてくわけにはいくまい……(´Д`)」

夏子 「首輪もあるし、連れて行けるね♪」

「首輪?」

夏子 「うん、昨日はずしたけど首輪してたの。」

「見せて……」

夏子 「これ」


俺 「すげー真新しい首輪なんですけど。夏子さん?(´Д`)





夏子 「どういうこと?」
俺 「チュー太郎には飼い主がいるってこと(´Д`)



夏子 「もう、我が家のチュー太郎だよっ!!」

「と、とにかく明日は埼玉に連れて行くしかないね」



カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ。



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夏子からのプレゼント

間取図


恋人同士であれば、「キミは犬派と猫派、どっち?」という話をよくする(と思う)。
ご多分に漏れず、俺と夏子もそういう話をたまにする。

結論から言うと、
俺は「どっちも派」
夏子は「猫派」。

夏子に猫派である理由を聞くと……
「夏子は猫なの。自由きままなのがいいの」とのこと。

確かに自由だ(´Д`)

俺はどっちも好きだけど、
どーーーーしてもどっちかを選べと言われれば、
……猫かなぁ。あのお腹のムニュムニュは最高だ。

とはいえ、俺も夏子も、実は犬も好きなのだ。
だってかわいいし、かわいいし、かわいい♪
俺の実家では犬を飼っているし、歴代で何匹も育ててきた。

でも……今回だけは勘弁してほしかった。
本日も実録でお送りします。
今までで最大の事件です。



「夏子~♪六本木ヒルズ『HARBS』のケーキ買ってきたよ~♪」

夏子 「わあああ♪ 嬉しい!!」

「クリスマスだもんな~♪ フルーツミルクレープだよん」

夏子 「ありがとう!! でも靴を脱ぐ前に目をつぶって!!

「え? どしたのん?」

夏子 「夏子からのクリスマスプレゼントっ♪ だから目をつぶって!!」

「マジ嬉しいんだけど~!! なんだろ~♪」





クッ、クファン!!
俺 「はい!?



夏子 「なんでもない!! なんでもない!! 目つぶった?」

「つ、つぶった」

夏子 「そのまま夏子の両手にぎって、そのまま部屋に入ってきて」

「……うん。見えないとこわいなあ」

夏子 「はいっ!! 目を開けていいよ♪」

「なんだろう♪ どれどれ……」




………。



 
俺 「ワンコがいますよ夏子さん~(´Д`)






夏子 「ジャジャーーーン!!」
俺 「アリかナシかでいえばナシですよね? 神様?



夏子 「名前はね、チュー太郎!!」

「な、夏子。ちょっと座ろう」



夏子 「んふぁ?
↑完璧に泥酔している息を放っていました。




「確かに俺は動物が好きだし、犬は特に好きだ」

夏子 「知ってる知ってるゥ~ん♪」

「世間には大家さんに内緒でペットを飼っている人もいる」

夏子 「いるいる~!! いっぱいいるよそんなの」

「でも俺が言いたいのはソコじゃない」

夏子 「なぬが言いたいの? なぬなぬ?」

「4.5畳の部屋で普通は……」

夏子 「?」



俺 「柴犬は飼わないだろ(´Д`)




夏子 「……」

「しかもバリバリ成犬じゃん!!」

夏子 「……」




俺の2倍のスペース占領してるぞ




夏子 「……拾ったの」

「……そ、そうか」

夏子 「この寒い年の瀬にワンコ一匹……」

「……まあ、かわいそうだけど」

夏子 「見殺しにできないでしょ!!」

「わかるよ。でもさ、4.5畳の部屋に2人と1匹よ?」




夏子 「狭くてもペット飼ってる人いっぱいいるよ。リスとかハムスターとかフェレットとか」
俺 「いま夏子が言ったのはぜんぶ小動物ね




夏子 「チュー太郎だって小さいでちゅもんね~♪」
俺 「チュー太郎さん、すっげーたくましい肉体してますよ?」



「実質、2畳もないこの部屋で、どうやって寝る?」

夏子 「……夏子と勇太郎の間?」

「(´Д`)」


いや、俺も家でペットは飼いたい。
寒い外で野良として生活している犬を見ると、心が痛くなる。


でも……


ほんと、どうすりゃ……?


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映画マニア

俺も夏子も映画が大好きだ。
観たい映画があると、いつも二人で
観に行くのが日課になっていた。


「あー、気が付いたら『ALWAYS 三丁目の夕日』の上映終わってたよ……」

夏子 「夏子もそれ観たかったのに~!!」

「なんか面白そうな映画に行きたいね」

夏子 「うん♪ 行こう行こう!!」

「じゃあ『ミート・ザ・ペアレンツ2』観に行かない?」


夏子 「あ、それ結構面白かったよ!!

は?



夏子 「『メリーに首っ丈』の主演だったヒトが主人公なの」

「あ、うん。そうだけど……いつ観に行ったの?」




夏子 「はうあ!!




「……行ったの知らなかったよ」

夏子 「……友だちと行った」

「そ、そう。いいよ。でも男じゃないよね?」



夏子 「……性別でいえば男



「……もしかして、夏子のファンとかいう人?」

夏子 「……うん」

「……(´Д`)」



夏子 「ファンは大切にしないといけないでしょ!!
俺 「夏子がアイドルだったらね(´Д`)




夏子 「……言い寄られても断ってるよ」
俺 「言い寄られてるのかぁああ!!
夏子 「はうっ!!




「ま、まあ友だちは大切にしないとね」

夏子 「……ごめんね。嫌いになった?」

「好きだから信頼してるし、問題ない……。ちょっとショックだけど」

夏子 「ごめんね。もうこんなことしない」

「うんうん。でも俺は夏子のこと縛りたくないから、いつも自由でいてね」

夏子 「勇太郎……♪」

「ぜんぜん怒ってないよっ♪」

夏子 「次からファンにはファンの接し方をするわ




「……(´Д`)」



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生活の知恵

間取図


我が家は、玄関に入るとすぐに収納BOXがある。
収納BOXの上には“つっかえ棒”が壁に固定されていて、
ハンガーが10個ほどかかっている。

この部屋の狭さ、このつっかえ棒の耐性では、
ハンガー10個(つまり服が10着)が限界だ。

しかし、ハンガーを必要とする服は10着以上あるわけで……。



「俺のコートしらない?」

夏子 「コート? 暑がりの勇太郎がコートとは珍しいわね」
俺 「いや、いま12月だからさ


夏子 「……コートならハンガーにかけといたわよ」

「それがないんだよねー」

夏子 「あるってば」

「ないって」

夏子 「あるっ!」

「ないっ!」




夏子 「あったら殴るよ?」
犯行理由は ついカッとなって?(´Д`)




夏子 「玄関から数えて2つめのハンガーチェック!!」

「……え? 夏子のコートかかってるけど」




夏子 「だいたい4層目くらいにあるはずよ
俺 「層ですと?





夏子 「ハンガー足りないから重ねがけしているのよ!!」

「ちょ……まじで?」

夏子 「ずっと一緒に住んでるのに知らなかったの?」

「……知らなかった」

夏子 「もっと物事の本質を見なさい!!

「……(´Д`)」



……ハンガーを調べると。
……あった。



「夏子さん、俺のコート、黒だったんだけど……」

夏子 「は?」



俺 「白い毛がたくさん付着してマダラになってるんですが……



夏子 「……ああ、夏子のコートの毛ね」

「……重ねるからこうなるんでしょ」

夏子 「今年流行るかも」


俺 「流行るものなら流行らしてくれよ (´Д`)





夏子 「大丈夫大丈夫。心配ないわよ」

「何が?」

夏子 「くっついたってことは取れるってことよ」

「……俺がやるんですよね(´Д`)」

夏子 「できる!! やろうと思う気持ちがあれば実現するのよ!!」

俺 「自己啓発セミナーですか?




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4.5畳の15アンペア

間取図

バチン!!


俺 「はうあ!!
夏子 「停電!!!!!!!!!!!



「……となりのビル、電気ついてるぞ」

夏子 「……ほんとだ」

「……夏子、いまアイロン使ったよね?」

夏子 「うん、明日、施主と会うからシャツのシワのばし」

「……俺、さっき炊飯器で米炊きはじめたよね?」

夏子 「? 何が言いたいの?」


俺 「ブレーカーが落ちたんだよ(´Д`)


夏子 「ええええええええ!!」

「ここ、何アンペアだっけ」

夏子 「15……かな」

「……やっぱり(´Д`)」

夏子 「普通の民家は20とか30アンペアだけど、ここは15なのよ」

「……これだけ狭いと電化製品なんてそんなに使わないものな」

夏子 「勇太郎、ブレーカーが玄関のドアの上にあるから、オンにして」

「OK」



ガチャン!
ブィイイイイイイイイイイイイン!!



夏子 「あはっ♪ 電気ついたついた!!」



俺 「……パソコンで作成中だった仕事のデータが(´Д`)



夏子 「ドンマイドンマイ」

「……まあ、保存したところから始めるしかないな(´Д`)」



バチン!!



「またかよ!!」

夏子 「あああああああああ」

「アイロン、つけっぱなしだったでしょ!!」

夏子 「……」

「ブレーカーあげる前にアイロンはオフにしたかと思ってたよ……」

夏子 「……真っ暗だしそんなのすぐにできないよ!!」

「じゃあ、いまからオフにして(´Д`)」

夏子 「……した」

「ブレーカーあげるよー……」



ガチャン!
ブィイイイイイイイイイイイイン!!



「……今度は大丈夫だ。アイロンと炊飯器は同時に使うと怖いな」

夏子 「夏子、ひとりで住んでいたときはブレーカー落ちたことないのに」

俺 「夏子は炊飯器使わないからでしょ?



夏子 「ドンマイドンマイ♪」


俺 「ドンマイの使い方間違ってない?(´Д`)



50年以上前の古い木造アパートには、10~15アンペアが多い。
大きな電力を必要とする家電が少なかったことが主な要因だ。

現在の鉄骨マンションで15アンペアというのは、とても珍しいこと。
まあ、4.5畳の部屋で、大きな電力を必要とするものを
いくつも使用することは稀だから、15アンペアなのも理解できる。

このあとも、何度かブレーカーが落ちた。
そこでわかったことをいくつかここに書いておく。

・電気ポットが水を沸騰させようとするとき電力を多く消費する
・炊飯器が米を炊こうとするとき電力を多く消費する
・アイロンと、他の熱を発する家電の同時使用は終始危険である


つまり、ポットは沸騰させるとき、炊飯器は米を炊くときに
他の熱を発する家電を同時使用しなければ、15アンペアでも
ブレーカーは落ちないはず。
ポット、炊飯器ともに、保温状態のときは電力が低めなので、
同時使用してもブレーカーが落ちることは少ない。




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ケンカ de ケンカ

間取図


夏子 「またゴミ捨ててない!!

「ご、ごめんよ」

夏子 「朝、最初に家を出る人がゴミすてる約束よね?」


俺 「つまり俺が捨てるわけだよな


夏子 「水曜日は燃えないゴミ!! 木曜は燃えるゴミでしょ?」

「うん……」

夏子 「なぜ捨てないの?」

「いい訳だけど、急いでいると忘れる日もあるよ」

夏子 「2週連続忘れてるじゃん!!」

「悪かったよ。ホント、ごめん……」

夏子 「テラスがゴミだらけになってるのよ!?」

「もういいじゃん……反省してるって」



夏子 「反省したかどうかは夏子が決めるの!!
俺 「……(´Д`)



夏子 「とうぶんは許さない!!」

「……ちょっと心狭くない?」

夏子 「ハァーーーーーーーーー!? (゜Д゜)」

「……ご、ごめん」

夏子 「もういい!!」

「ちょ……どういうこと? (´Д`)」


夏子 「私にかまわないで!! 触らないで!! 関わらないで!!




「……」

夏子 「もう嫌いになった。足臭いし」


俺 「……論点変わってるよ(´Д`)




夏子 「本心だもん」

「……そう。わかったよ」



……翌日土曜の昼。



「チャーハンできたけど……食べる?」

夏子 「……」

「……俺の料理は食べたくないのね」

夏子 「……」

「はいはい(´Д`)。友だちと遊んでくるね」

夏子 「……」


……夜。


「ただいまー」

夏子 「……」

「……まだ怒ってるのね(´Д`)」

夏子 「……」

「……あれ? 夏子」

夏子 「……」



俺 「……チャーハン食った?



夏子 「……」

「メチャ減ってるけど……まあ、いいんだけど」



夏子 「食ってない



「……いや、食べてもいいんだけどね」

夏子 「食ってない」

「……(´Д`)」



夏子 「水分が蒸発したんじゃない?



「……そ、そうだね(´Д`)」


……翌日。


「カレードリア作るけど、食べるよね?」


夏子 「……夏子、カップラーメンあるからいい

俺 「……(´Д`)




……3分後。




夏子 「……ズルズルズルっ



「……俺が悪かったからさ、もう仲直りしようよ」

夏子 「……遅い!!」

「え?」


夏子 「バカ!! 昨日のうちにあやまりなさいよ!!




「……んなこと言われても(´Д`)」


夏子 「勇太郎のせいで夏子カップラーメンだったのよ?

俺 「なんですと?



夏子 「ゴミ捨て、料理、肩揉みちゃんとするのよ!!

俺 「さりげなく肩揉みが新規追加されましたね(´Д`)



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