ご飯がない?!

年末年始はどこにも行かないで
家でゆっくりすることにした今年。

ふたりで正月番組を観ながら……。


夏子 「正月だね～」

俺 「そうだね～」

夏子 「家でゆっくりはいいね～」

俺 「狭くても正月はいいね～」

夏子 「お腹すいたね～」

俺 「すいたなぁ～」



夏子 「でも食べ物ないよね～」

俺 「食材はたっぷりありますが？」





夏子 「へぇ～。あとは作るだけか」
俺 「……そ、そうだね」





夏子 「何あるの？」

冷蔵庫を開けながら……。

俺 「えーと、にんじん、じゃがいも、はくさい、鶏肉……」

夏子 「へぇ～。いろいろあるね」

俺 「……うん」






夏子 「で、なに作れる？」
俺 「はい？」


夏子 「その食材で作れるもの言ってって」
俺 「……さすがにさ、今年は俺も言うよ？」



夏子 「なにを？」

俺 「たまには夏子も料理作ってよ」

夏子 「勇太郎がお腹すいたっていうから、料理の話したんでしょ？」

俺 「まあ、お腹はすいてるけど……」

夏子 「夏子だって勇太郎がお腹すいてると、かわいそうだって思うよ」

俺 「……」

夏子 「冷蔵庫にある食材で作れるもので、何食べたい？」

俺 「……肉ジャガかな」


夏子 「じゃあそれ作っていいよ」
俺 「はい？」


夏子 「夏子、勇太郎が好きなもの食べてほしいな♪」
俺 「……今年もこの調子か(´Д`)」



●『4.5畳の恋人。』について