夏子からのプレゼント | 4.5畳の恋人。

夏子からのプレゼント

間取図


恋人同士であれば、「キミは犬派と猫派、どっち?」という話をよくする(と思う)。
ご多分に漏れず、俺と夏子もそういう話をたまにする。

結論から言うと、
俺は「どっちも派」
夏子は「猫派」。

夏子に猫派である理由を聞くと……
「夏子は猫なの。自由きままなのがいいの」とのこと。

確かに自由だ(´Д`)

俺はどっちも好きだけど、
どーーーーしてもどっちかを選べと言われれば、
……猫かなぁ。あのお腹のムニュムニュは最高だ。

とはいえ、俺も夏子も、実は犬も好きなのだ。
だってかわいいし、かわいいし、かわいい♪
俺の実家では犬を飼っているし、歴代で何匹も育ててきた。

でも……今回だけは勘弁してほしかった。
本日も実録でお送りします。
今までで最大の事件です。



「夏子~♪六本木ヒルズ『HARBS』のケーキ買ってきたよ~♪」

夏子 「わあああ♪ 嬉しい!!」

「クリスマスだもんな~♪ フルーツミルクレープだよん」

夏子 「ありがとう!! でも靴を脱ぐ前に目をつぶって!!

「え? どしたのん?」

夏子 「夏子からのクリスマスプレゼントっ♪ だから目をつぶって!!」

「マジ嬉しいんだけど~!! なんだろ~♪」





クッ、クファン!!
俺 「はい!?



夏子 「なんでもない!! なんでもない!! 目つぶった?」

「つ、つぶった」

夏子 「そのまま夏子の両手にぎって、そのまま部屋に入ってきて」

「……うん。見えないとこわいなあ」

夏子 「はいっ!! 目を開けていいよ♪」

「なんだろう♪ どれどれ……」




………。



 
俺 「ワンコがいますよ夏子さん~(´Д`)






夏子 「ジャジャーーーン!!」
俺 「アリかナシかでいえばナシですよね? 神様?



夏子 「名前はね、チュー太郎!!」

「な、夏子。ちょっと座ろう」



夏子 「んふぁ?
↑完璧に泥酔している息を放っていました。




「確かに俺は動物が好きだし、犬は特に好きだ」

夏子 「知ってる知ってるゥ~ん♪」

「世間には大家さんに内緒でペットを飼っている人もいる」

夏子 「いるいる~!! いっぱいいるよそんなの」

「でも俺が言いたいのはソコじゃない」

夏子 「なぬが言いたいの? なぬなぬ?」

「4.5畳の部屋で普通は……」

夏子 「?」



俺 「柴犬は飼わないだろ(´Д`)




夏子 「……」

「しかもバリバリ成犬じゃん!!」

夏子 「……」




俺の2倍のスペース占領してるぞ




夏子 「……拾ったの」

「……そ、そうか」

夏子 「この寒い年の瀬にワンコ一匹……」

「……まあ、かわいそうだけど」

夏子 「見殺しにできないでしょ!!」

「わかるよ。でもさ、4.5畳の部屋に2人と1匹よ?」




夏子 「狭くてもペット飼ってる人いっぱいいるよ。リスとかハムスターとかフェレットとか」
俺 「いま夏子が言ったのはぜんぶ小動物ね




夏子 「チュー太郎だって小さいでちゅもんね~♪」
俺 「チュー太郎さん、すっげーたくましい肉体してますよ?」



「実質、2畳もないこの部屋で、どうやって寝る?」

夏子 「……夏子と勇太郎の間?」

「(´Д`)」


いや、俺も家でペットは飼いたい。
寒い外で野良として生活している犬を見ると、心が痛くなる。


でも……


ほんと、どうすりゃ……?


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