狭いから起こされる
すでに書いたことだが、夏子は自宅勤務だ。
大学院卒業後、ずっと建築事務所に所属して設計をしてきたが、
休養期間という意味も込め、事務所を辞めて独立をした。
よって、自宅で建築事務所から頼まれた
設計の仕事をこなし、収入を得ている。
夏子 「明日、施主の家に行かなきゃならないの」
※施主……建築の依頼主
俺 「えっ? せっかくの土曜日なのに」
夏子 「ごめんね」
俺 「何時から?」
夏子 「荻窪に9時からだから……6時には起きなきゃ」
俺 「そうか。じゃあ俺は午前中はずっと寝てようかな♪」
夏子 「うん、たまにはゆっくり寝たほうがいいよ」
俺 「そうする♪」
夏子 「おやすみなさい」
俺 「おやすみー」
……5時30分。
ジャンジャカジャンジャカジャーーン♪
ジャンジャカジャンジャカジャーーン♪
俺 「……ん?」
夏子 「ZZZZZZZzzzzzzzz」
俺 「……ねえ、夏子。目覚まし時計鳴ってるけど……」
夏子 「……う~ん」
俺 「……ねえ、夏子? 起きなくていいの?」
夏子 「……いいの一回目のベルは二度寝用だから」
俺 「……俺も起こすなよ(´Д`)」
夏子 「ZZZZZZZzzzzzzzzzzzzzzzzz」
……6時。
ジャンジャカジャンジャカジャーーン♪
ジャンジャカジャンジャカジャーーン♪
俺 「……んあ」
夏子 「Zzzzzzzzzzzzzz」
俺 「……夏子。……鳴ってるけど」
夏子 「ZZZZZZZZZZzzzzzzz」
俺 「夏子っ!!」
夏子 「……んにゃ?」
俺 「……目覚まし鳴ってるって」
夏子 「……6時30分に起きても間に合うから大丈夫」
俺 「起きる必要がない俺が起こされてるんだが……」
夏子 「ZZZZZZZZZZZZZZZZzzzzzzz」
俺 「……(´Д`)」
……7時30分。
夏子 「ぎゃああああああああああああ遅刻!!!!!!!」
俺 「はうあ!!」
夏子 「なんで起こしてくれないの!?!?!??!」
俺 「は?」
夏子 「間に合わないじゃない!!」
俺 「3度寝したのは夏子だろ!!」
夏子 「横に寝てるんだから起こしてくれてもいいでしょ!?」
俺 「寝てる俺がどうやって寝てる夏子を起こすんだ?」
夏子 「準備準備準備準備準備準備~!!」
俺 「会社行く朝より早い時間に目がさえちまったぞ……(´Д`)」
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