【僕を救ってくれたTwitter】
人生捨てたもんじゃないのだ。
その頃、Twitterで色々なアドバイスが舞い込んできた。




ふと世界のトレイルランナー大瀬さんからのアドバイスを思い出しツイート。そこにトレイルで繋がりのある尾田さんからの返信。
世界陸上マラソン代表。一万mも27分台。テレビと雑誌でしか見たことのなかった雲の上の人からのアドバイス。



しかし腹八分目が僕にはわからない。
距離?強度?感覚?
レースからしたらどんな練習も腹八分目では?



その後に悩める市民ランナーの味方、sushimanさんのツイートを発見した。




ああ、素晴らしきTwitter。


しかしCVインターバル?なんだそりゃ。
10kmのレースペースでインターバルをするとのこと。遅くない?もしやこれが腹八分目?



そのあとにsushimanさんのnoteをのぞくと、芝生でのファルトレクについても書かれていた。



ちなみにCVとはCritical Velocity。90%VO2maxの強度です。大体10kmのレースペースで、ダメージを抑えつつスピードにも刺激が入り、ボリュームも稼げるという素晴らしきトレーニング。
詳しくはこちら。sushimanさんのnoteを読んで下さい。


他にも良き記事が沢山なので、探してみてください。



「とりあえずやってみよう」
芝生でのファルトレクを、30-60”の疾走区間で、またCV強度で3-4minの疾走区間でやってみることにした。2020年、5月末のこと。



例)
(30-30“)×20 ※気持ちよく
(60-30“)×15 ※3-5kmレースペース努力感
(75-45”)×15 ※5kmレースペース努力感
(4‘-75”)×6 ※CV=10kmレースペース努力感


(ポイント⑥)
芝生でのファルトレクの感想。
楽すぎる、楽しい。余裕がある。本当にこれで強くなるのか?
そんな感じだったが、とにかく続けてみる。
芝生の場所の関係と余裕度もあり、終わった後そのまま10kmくらい、合計20-25km続けて走る感じ。



ちなみに以前の僕は1000mのインターバルといえば5kmRP強度。
それを300〜400m程度に落として、1000mは10kmRP強度にした感じ。楽だ。
しかも意識したのは「その日レースを走ったらこれくらいで走れる」という感覚で走ること。そりゃ絶対できる。だから精神的なハードルが低い。毎回満足感があった。だって出来るからね。

そして余裕があるから次の練習が待ち遠しくなっていった。こんなことはランニング人生で初めて。良いサイクルができていた。



そんな中、とある練習会に参加した。
そこで宮城のトップ市民ランナーの一人、一條君からアドバイスをもらった。




「キープコントロールですよ、須賀さん」


聞けば動きを崩してまで追い込むことはしないという。走るのは技術だと言う彼。
ん、腹八分目ってこのことか。腹八分目の感覚なら動きをコントロールして走れるんじゃないか。僕はいつも動きが崩れるまで走っていた。自分の中でみんなのアドバイスが繋がった。


そしてファルトレク、CV強度での練習で意識するべきポイントがはっきりした。



(ポイント⑦)
芝生で練習は動きが崩れていたり、いわゆる腰落ち、キックに頼った走りだと進まない。
自然も接地や腰、上体などを意識するようになった。
例)
・一番反発のもらえるポイントを身体の芯で捉える
・パワーポジションを外さない


ファルトレクのためタイムで管理していたので、同じ努力感でも動きによって進む距離が違うことがわかるようになっていた。


ちなみに芝生練では接地感を大事にしたいので、底が薄めのジョギングシューズや、トレイルシューズを履いた。



ちなみにこちらはコロンビアモントレイルのF.K.T.ライト。
重量230gでランニングシューズのように軽い。芝生練には最高だった。もちろんクロカンやショートトレイルも。



ちなみにこの期間、そして今も「ペース走」と言われる練習は一度もしていない。
代わり?にトレイルの上りで80%HRmax維持を10〜30分維持するような練習は時々入れた。
(これが50マイル程度でのトレイルレース強度というのもあり、それに慣らす意味合いもあります)



【突然やってきた14分台】
そんな練習を続けた2ヶ月。たった2ヶ月。
なんとなく5000mを走ってみると15‘28で走れた。しかもロングトレイルを終えてすぐなのに。
「これはもしや」と思い、いわゆるスピード練習、Vo2max強度の練習をいれ、疲労を抜き、調整をして二週間後に再度5000m走った。
走れてしまったのだ、14’56で。(しかしスーパーシューズ)


いやいや、あのスーパーシューズといえどレベルアップしたことに間違いはないはず。実際、昨年までの自分と明らかに感覚が違う。楽して速くなってしまったのだ。


ええ、自分が一番びっくりしましたよ。笑



【世界の瑠偉君と走る】
そんな折、上田瑠偉君と一緒に走る機会があった。
世界No. 1スカイランナー。後ろを走ってみると昔のあの感覚が蘇った。
陸上部時代、走力の全く違う人の後ろを走って「これは無理だ」という感覚。
そして5年近く前、一瞬だけ上田選手の後ろを走った時にも同じことを感じていた。


今回もついていけなかった。
ただ違ったのは「身体をどう使っているのか」が見えたこと。


芝生でのファルトレクのおかけで、動きに対する感性が上がっていたようだ。瑠偉君の動きを練習に取り入れてみることにした。



【身体を上手く使う】
瑠偉君は骨盤も上半身が上手く連動している。うねってグイグイと進む。ストライドも大きい。しかし脚は流れていない。短距離選手のようだ。
簡単ではない。でも僕は元々、トレイルでの急坂に限って、骨盤をうまく使えている感覚があった。それを応用できるのではないかと思った。



瑠偉君の動画です



芝生でのファルトレクに新たな意識が加わった。
上半身との連動は上手くいかなかったが、平地やゆるい坂でも骨盤が使えるようなってきた。


動きを意識するとまたファルトレクの距離が伸びた。また楽をして速くなってしまった。



【レースで結果が出る】
10月の尾瀬岩鞍のバーティカルで4位。スカイランニングの日本選手権、世界選手権の選考。初挑戦の種目で4位になれた。


一週間後の志賀高原の54kmでは瑠偉君に続き2位。スカイランニングの日本選手権。前回出場した4年前と違い?歩行区間が3kmほどあったにも関わらず、20分以上速く走れた。瑠偉君と差はあったが大会新だった。


12月の伊豆トレイルジャーニーの70kは3位。世界選手権の選考、気合いが入り過ぎて上手く走れなかった。それでも5年前に出た時より、換算で20分ほど速く走れた。



トレイルではいわゆるスーパーシューズはない。
だから純粋に強くなったと確信できた。
(これから出るかもしれないが)
僕は間違いなく楽をして速くなってしまったのだ。




ちなみに12月にロード3kmでも8‘48”。
スーパーシューズだが、直角カーブが多い周回で、トラックレースで8分台を出せていた時でさえ9’10”程度のコース。うん、楽してただけなのにやっぱり速くなってる。



そう、僕は出会ってしまったのです。
楽して速くなる、芝生でのファルトレク、CVインターバルという魔法の練習に。



(ポイント⑧)
やっぱりね、中距離走以上の距離って、ほとんどを占めるのが有酸素能力なんです。それを身をもって理解することができました。だって、前みたいにスピード出して走ってないんですもん。




【新たな練習の導入】
そしてこの一月から、新たな練習を取り入れた。
そして、それもまた「楽して速くなる」魔法の練習でありました。


この練習が、また一つ自分のレベルを上げてくれました。この冬から春にかけて…。思い返せば、高校時代に箱根を走った先輩から言われたこととリンクするんです。


その練習とは!?



すみません!
長くなってしまったので、この話はまた次回。
急ですが四部作ということでお願いします。笑