ブルーギルは日本ではもちろん釣ったことがあった。日本での繁殖力から、きっとカナダでもどこへ行ってもギルがうじゃうじゃだと思っていたのだが、実際は単なる生態系の一部を担う程度の数だった。これはやはり日本では、ブルーギルが入る以前はそこに生態系の空白 (ニッチ) があったのに対して、カナダではパンプキンシードクラッピーなど他の類似の競合するパンフィッシュがいるからだろう。それを裏付けるように、ストラスロイという町にある人工池にはブルーギルだけが放流されていたので、すごい密度で繁殖していた。

オンタリオ州ケンブリッジ市にあるバレンス・レザバー (貯水池) コンサーベーション・エリア (自然保護区) という湖もブルーギルの多い湖としてローカルの間では有名で、1年を通して楽しめる場所だった。私がカナダのブルーギルを初めて釣ったのもこの湖で、2004 年の7月のことだった。

この時は自分のインフレータブルボートを浮かべ、釣友のケンと一緒に浅い湖へ繰り出した。浅いだけに藻が多く、ライトスピニングタックルにジグスピンで藻の間を攻めるとすぐにヒットした。ワーム部分にはグラスミノー SS サイズのクリアスモールシルバーグリッターカラーを使った。

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カナダで初めて釣ったブルーギル


ブルーギルはアイスフィッシング (氷穴釣り) では貴重なターゲットだ。氷の下ではさすがに活動は鈍るものの、エサは冬でも摂っているので、主にマゴット (サシ) を使ったエサ釣りになる。アイスフィッシング専用の 60 センチほどの短いロッドと小さなスピニングリールを組み合わせたタックルが一般的だ。ウキ釣りでも脈釣りでも釣れるが、脈釣りの場合は穂先にストライクインジケーターというバネを付けた方がアタリが取りやすい。

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アイスフィッシングで釣れた大きなブルーギル。2005 年 12 月 17 日。この日が大陸横断引っ越し前のオンタリオでの最後の釣りとなった。


釣れたブルーギルはカナダでは好んで食べられている。ブルーギルはクラッピーと並んでパンフィッシュと呼ばれる代表格だ。このパンフィッシュという名前は、フライパンのような形をしているからだと思っていたが、本当はフライパンで丸のまま調理するのにちょうどいいサイズだからということから来ている言葉だそうだ。

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2005 年8月にグランドリバー支流のクリークで釣ったブルーギル


スズキ目サンフィッシュ科レポミス属。最大全長 41 センチ。カナダではケベック州の一部とオンタリオ州の中南部が原産分布で、マニトバ州以西には移植されていない。

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2005 年6月にウェランドリバーで釣ったブルーギル



2011 年4月にフロリダで釣ったブルーギル。頭に銅色のスポットがあることからコッパーノーズブルーギルとも呼ばれる系統。フロリダのブルーギルはフロリダバスと同様に他の系統のブルーギルよりも大きくなると言われている。


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2013 年 10 月にフロリダ州のサンタフェリバーで釣ったひれと目が赤いブルーギル


2011年4月にフロリダ州で釣れた、ひれは赤いが目は赤くないブルーギル


2015年9月にミズーリ州で釣れたブルーギル


2013年5月にインディアナ州で釣れたブルーギル


2012年6月にオンタリオ州で釣れたブルーギル


2012年7月にオンタリオ州で釣れたブルーギル


2015年9月にイリノイ州で釣れたブルーギル


2013年4月にテネシー州でイエローブルヘッド狙いの外道として釣れたブルーギル


2013年10月にルイジアナ州でリオグランデシクリッドの外道として釣れたブルーギル


ブルーギルのハビタット


2021年5月中旬に鬼怒川で釣れた大きなブルーギル


2005年6月1日付けで、日本の環境省は本種を特定外来生物に指定したため、日本国内への輸入が原則禁止となり、また、日本国内で捕獲した場合の生きたままの移動も禁止となっている。