2001 年の春になり、釣具の準備が整った私だったが、職場の周りには小物釣りをする人など皆無で、いったいどこで釣りを始めたらいいのか皆目見当もつかない状態だった。とりあえずアパートの近くに車で通ったことのある橋があったので、その下を流れる川でやってみることにした。川の名はグランドリバーと言った。
橋のすぐ下流側には鉄橋が架かり、その橋桁周りがそこで唯一の深い場所で、ポイントらしいポイントだった。タックルはシマノのホリデー白糸という振り出しへら竿にコマウキ仕掛け。だが結論から言うと、ここで釣れたのはブルーギルのような体型の、滅茶苦茶派手な色をした 10 センチくらいの魚が一尾だけだった。
エサに使ったミールワームが生き餌ではなく保存された固いものだったこともあるが、後でだんだんとポイントを広げて行くにつれて、私が最初に釣りをしたこの橋桁周りはグランドリバーの中でも一番悪い場所だということがわかった。とにかくボウズ同然の結果に、私のグランドリバーの第一印象はあまりいいものではなかった。
それはさておき、この魚の名前である。当時はどんな魚がカナダにいるのかさえあまり知識がなく、漠然と北米にはバスやブルーギルなどのサンフィッシュ科の魚が多くて、コイ科の魚は少ないという先入観がある程度だった。この釣れた魚についてもその平たい体形から、これがクラッピーっていう魚かな、などと思った。通りかかった母子に尋ねられた時も、たぶんクラッピーって言う魚でしょうなどと答える始末だった。
アパートに帰り、記憶を頼りに図鑑とにらめっこして得た結論は、パンプキンシードだった。パンプキンシード、つまり直訳するとカボチャノタネである。ずいぶんフランクな命名というか、魚らしからぬ名前だなと思ったのを憶えている。おそらく幼魚期の、体色が白っぽい時期に形やサイズがカボチャの種に似ていることから名付けられたのであろう。ただしここで言うカボチャは日本のカボチャではなく、ハロウイーンで彫刻されるあのオレンジ色の大きなカボチャのことだろう。
なにはともあれ、カナダで釣った記念すべき最初の魚はパンプキンシードだった。この時はまさか後にカナダ全魚種制覇を目論むことになるなどとは、夢にも思っていなかった。
橋のすぐ下流側には鉄橋が架かり、その橋桁周りがそこで唯一の深い場所で、ポイントらしいポイントだった。タックルはシマノのホリデー白糸という振り出しへら竿にコマウキ仕掛け。だが結論から言うと、ここで釣れたのはブルーギルのような体型の、滅茶苦茶派手な色をした 10 センチくらいの魚が一尾だけだった。
エサに使ったミールワームが生き餌ではなく保存された固いものだったこともあるが、後でだんだんとポイントを広げて行くにつれて、私が最初に釣りをしたこの橋桁周りはグランドリバーの中でも一番悪い場所だということがわかった。とにかくボウズ同然の結果に、私のグランドリバーの第一印象はあまりいいものではなかった。
それはさておき、この魚の名前である。当時はどんな魚がカナダにいるのかさえあまり知識がなく、漠然と北米にはバスやブルーギルなどのサンフィッシュ科の魚が多くて、コイ科の魚は少ないという先入観がある程度だった。この釣れた魚についてもその平たい体形から、これがクラッピーっていう魚かな、などと思った。通りかかった母子に尋ねられた時も、たぶんクラッピーって言う魚でしょうなどと答える始末だった。
アパートに帰り、記憶を頼りに図鑑とにらめっこして得た結論は、パンプキンシードだった。パンプキンシード、つまり直訳するとカボチャノタネである。ずいぶんフランクな命名というか、魚らしからぬ名前だなと思ったのを憶えている。おそらく幼魚期の、体色が白っぽい時期に形やサイズがカボチャの種に似ていることから名付けられたのであろう。ただしここで言うカボチャは日本のカボチャではなく、ハロウイーンで彫刻されるあのオレンジ色の大きなカボチャのことだろう。
なにはともあれ、カナダで釣った記念すべき最初の魚はパンプキンシードだった。この時はまさか後にカナダ全魚種制覇を目論むことになるなどとは、夢にも思っていなかった。