2001 年の春にカナダでの釣りを始めた頃から、ことあるごとに狙っていたクラッピーだったが、ようやく最初の一尾を手にしたのは、3年も後の 2004 年の5月のことだった。場所はグランドリバー近くのある湖だった。たしかコイを狙って底釣りをしていたら夕マズメの最後にアタリがあり、上げてみたらまさかのブラッククラッピーだった。使っていたのはホリデー白糸にウキ仕掛けで、エサはデューワームだった。

よくあることだが、狙っている時は全く釣れず、ひょんな時に偶然釣れてくる。そのクラッピーを探し回ったグランドリバーだったが、結局、河口でその後に一回大物を釣った以外は、一度もクラッピーを釣ることはなく、全て本流近くの池や湖で釣った。クラッピーは群を作って回遊するので、本流では当たり外れが大きく、しかもオカッパリではなおさらだとわかった。

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初めて釣ったブラッククラッピー


その後、初ブラッククラッピーを釣ったこの湖では、大いにクラッピーフィッシングを楽しんだ。インフレータブルボートを浮かべ、スーパーウルトラライトタックルにエコギアグラスミノーの SS サイズで攻めた。クリアスモールシルバーグリッターカラーがよく釣れた。水面近くを泳ぐクラッピーの群れを見つけ、ロッドを立てて水面直下をリトリーブすると次々とヒットした。サイズはせいぜい 15 センチ程度だったが、平たい魚体と大きなひれから繰り出すファイトはスーパーウルトラライトタックルだと十分楽しめた。

ブラッククラッピーはスズキ目サンフィッシュ科 Pomoxis 属。最大全長 56 センチに達する。ケンブリッジのトールテールズ (2014 年9月に店じまい) という釣具屋さんで、45 センチは優にあるブラッククラッピーの剥製を目にした時は、クラッピーってこんなに大きくなるのかと驚いたものだ。

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オンタリオ州バレンス貯水池自然保護区でアイスフィッシングで釣ったブラッククラッピー。2005 年 12 月。


ブリティッシュコロンビア州に移ってからも、フレイザーリバー支流のさらに支流で、ドリーバーデンという魚を探していた時に思わぬ再会を果たした。この支流にはラージマウスバスも移植されているので、それに混じって入ったか、あるいは同じスポーツフィッシュということで意図的に移植されたかだろう。

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2006 年5月にフレイザーリバー支流のさらに支流で釣れたブラッククラッピー。繁殖期のオスで、まさにブラックなクラッピーだ。


ちなみにこのクラッピーという言葉は、取るに足らないものという意味がある。カナダを代表する量販店であるカナディアンタイヤが、同じCで始まるのでクラッピータイヤなどと揶揄されるが、置いている釣具が二級品も混じっているのでこんな隠語を使われるのだろう。

またあまりにも不憫な名前だということで、ブリティッシュコロンビア州ではシルバーサンフィッシュという名前で呼んでいるガイドブックもある。56 センチに達するクラッピーはもはや「取るに足らないもの」ではないのだから。


2013 年6月にアメリカ・アイオワ州で釣ったブラッククラッピー


ブラッククラッピーのハビタット