トラウトパーチをどうにかゲットした私は、同じウィスコンシン州内のローウェルという小さなタウンにあるため池に向かった。

このポイントも数年前にあるサイトに投稿された釣行記の中でイエローブルヘッドが釣れたとあったことから、グーグルマップで特定したものだった。

着いてみると、月曜というのにかなりの釣り人がいた。クラッピーホワイトバスを狙っている人がほとんどで一部のアングラーはスモーリーを狙っていた。それにしてもアメリカはどこへ行っても釣り人がいるなあと思ったが、後でこの日はメモリアルデーという祝日だったことがわかった。

駐車場の前がダムになっていて、左がため池で右下が放水路になっていた。確か投稿では放水路の方で釣っていたと思ったが、記憶が薄れていて定かではない。また轟々と水が巻いていてイエローブルヘッドがいるとは思えなかった。一方池の方はダムの左右端に少ないながらも水生植物が生えていてブルヘッドが好みそうなポイントだったので、迷わず池の方で釣り始めた。

ところが、1時間ほど両岸で釣ってもサンフィッシュらしいアタリが最初に一回あっただけ。おかしいなと思いながら、振り返ってダム下を見るとみんな盛んにクラッピーかホワイトバスを釣っているので、しばらく見ていると、どうもブルヘッドらしき体のくねり方をする魚が一尾上がった。

おやっと思っていると、ちょうどスモーリーアングラーが二人通りかかったので、ブルヘッドはダム下にいるのかと尋ねてみた。

答えは意外にも、小さいけどいるよというものだった。なんだ、そうだったのか! 礼を言い、早速ダム下に移動した。ちょうど流れが一番緩い所が空いていた。

スピニングタックルのブッコミ仕掛けの丸せいご 13 号にカナディアンナイトクローラーと呼ばれるワームサイズのドバミミズのハチマキから上を通し刺しにし、すぐ目の前にぶっ込んだ。

手持ちのまま右奥で並んでせっせとクラッピーらしき魚を釣っている人達に見とれていると、1分もしないうちに激しい引き込みが手元に伝わって来た!

巻き上げると、ブルヘッドがまるで笑いながらのような顔で水面から出て来た。体色は茶色なので一瞬ブラウンブルヘッドかと思ったが、下顎のひげを見ると淡い!やった!とうとうイエローブルヘッドを釣った!!

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10 年越し、二カ国6州目にしてようやく釣った初イエローブルヘッド



イエローブルヘッドの下顎の二対のひげ。色素がないのが特徴。


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イエローブルヘッドの尻ビレ。ブラウン、ブラック、イエローの三種のブルヘッドの中で一番長く、最も信頼できる同定基準だ。



初イエローブルヘッドの俯瞰



初イエローブルヘッドの顔


これまでカナダのオンタリオ州、ブリティッシュコロンビア州、アメリカのテキサス州テネシー州、ミネソタ州で釣れず、ようやく6州目のウィスコンシン州で勘弁してもらえた。いったいいくらかかったのか計算するのも怖いが、これでようやくカナダにいる三種のブルヘッド (ブラウン、ブラック、イエロー) を揃えることができた。

ナマズ目アメリカナマズ科 Ameiurus 属。その名の通り黄色い個体も多いが、場所によって変異が大きいので、下顎の二対のひげに色素を欠くことと、尻びれが四角く条数が 24 本以上であることで見分ける方が無難。最大全長 58.4 センチだが通常は 30 センチ台止まり。流れの緩いクリークや大中小河川の泥底のプールやバックウォーター、三日月湖、池、貯水池、水生植物の繁茂した浅い内湾や小さな湖などに棲息する。カナダではオンタリオ州南部とワシントン州経由で入ったと言われているブリティッシュコロンビア州南部にわずかに分布するが、数が少ないのでなかなか釣る機会はない。一方アメリカでは移植分も含めるとアラスカを除くほぼ全域に広く分布している。無脊椎動物および脊椎動物食性。汚染、濁り、低酸素および広範囲の水温に耐性がある。

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2013 年 10 月にジョージア州で釣ったイエローブルヘッド



イエローブルヘッドのハビタット