別にGWを利用してカナダに行っていたわけではなくて、写真を整理していたら思わぬ掘り出し物を見つけてしまった。

 

2012年に敢行した、カナダ横断釣りすごろくの中で、6月の中旬に東海岸のニューブランズウィック州の海のすぐ近くの湿地帯にて、フォースパインスティックルバックというまだ見ぬトゲウオの一種を探していた。

 

その時に、一見するとスリースパインドスティックルバック(イトヨ)のようだけど違和感のある魚が釣れ、ひょっとしてフォースパインスティックルバックかと思って色めき立ったのだが、背中の棘は3本しかなく、しかも位置が違っていたので、やっぱりイトヨかと思ってがっかりして振り返ることもなく、釣ったことさえ忘れていた。

 

それが実はイトヨではなく、ブラックスポッティドスティックルバックだと今日わかったというわけで、順番は前後するが便宜上カナダ第117種目とする。

 

初めて釣ったブラックスポッティドスティックルバック

 

言われてみれば黒班の他に、違和感の原因だった、同じ場所で釣れたキタノトミヨのような柔らかい感触、つまり鱗板がないことなどが随分違う。でも他にトゲウオはいないと思い込んでいたので別の種だとは思わず、バリエーションだと思ったと記憶している。

 

同日に同じ場所で釣れたブラックスポッティドスティックルバックたち

 

ブラックスポッティドスティックルバックのハビタット

 

トゲウオ目トゲウオ科イトヨ属。標準和名なし。学名Gasterosteus wheatlandi。最大全長7.6センチ。同属のイトヨとは異なり鱗板や尾柄部のキールを欠く。カナダのニューファンドランド州からアメリカのマサチューセッツ州にかけての大西洋岸沿いの汽水域や海水域に棲む。無脊椎動物食性。年魚。

午後から佐賀平野の一角にあるクリークを訪ねた。狙いはゼゼラだった。

 

今年に入ってから何度も何度も別の場所で狙ってきたが、そこは山からの水が流れているせいで水温が低く、ゼゼラはまだ婚姻色も薄く縄張りも持っていなかった。

 

そこではヤリタナゴも釣れたのだが、その婚姻色もまだまだで、水温の低さを物語っていた。そこで思い出した。クリークでは先月すでにしっかり色が出ていたことを。

 

ならばゼゼラも産卵態勢に突入しているのではと考え、今回それを確かめに行った。

 

クリークの手前側は深すぎて底までははっきり見えなかったので、浅い対岸に移って魚を探しながら歩いていると、ある部分でコンクリ護岸の内側の土が削れており、浅場を作っていた。

 

 

そこを覗いてみると、コンクリの下に黒みがかったヨシノボリのような体型の魚が数尾おり、盛んに動き回っていた。

 

あまりの速さに魚種が特定できなかったが、やがて色の薄い個体が岸近くに現れ、それを追うように黒い一尾がやってきた。ゼゼラのメスとオスだった。やった!と思った。

 

そこで、まずは新虹鱗タナゴの黒に、生まれたてのなんとか通し刺しにできるサイズのキヂをハリの半分ほどの長さに付け、手釣りで投入してみた。

 

だがやはり全く喰わない。底に置けば産卵場の異物と思って片付けるかなと思ったが、それもなかった。まだ産卵には至っていないようだった。

 

そこで、友釣りをすることにした。用意したのは、ダイワの月下美人SWライトジグヘッドSS黒1.5グラムフックサイズ#6に、頭を切り落として付けたエコギアグラスミノーMカラー159カタクチで、ゼゼラのオスに似たものを選んだ。これにがまかつ要7号3本錨というアユの掛け針をハリスをジグのアイに通す形で付け、さらに秋田狐3号で自作した3本錨をジグフックに付けた。

 

 

果たして反応するだろうかと思いながらやはり手釣りで上から入れてみると、すぐにオスが飛んできて、まるでアユのような勢いで体当たりを食らわせた。川の方でやった時と同じ魚種とは思えないほどの違いだった。

 

だがなかなか掛からないので、本物のおとりゼゼラ用に作ったリグを加えてみた。つまり、新たにジグのアイからグラスミノーの体長分ほどのハリスを介して鼻環代わりに結んだ秋田狐の1号が伸び、もう一本のハリスには上と同じ3本錨が付いている形が加わった(3本錨3セットに1本バリ1セット)。なお使った秋田狐はどれもカエシがあるものだった。

 

 

これなら掛かるだろうと期待したが、結果は同じだった。ここでようやく、どうやら掛からないのはハリの数のせいではなくて、上から吊っているので体当たりされた時に回転したりスイングしたりしてしまうせいだと気付いた。つまりハリの他端が固定されていなければ掛からないのだ。

 

そこで、ホリデー小継の穂先3本を取り出し、このおとりルアーを直接穂先に付けた。そしてしなりを殺すために一番と二番を三番に仕舞って投入してみた。

 

だがさすがにこれではゼゼラは太い竿に警戒して遠巻きに近寄るだけだった。

 

そこで、一番を10センチほど出した状態で入れてみた。

 

すると、今度は侵入者に対する猛然としたアタックがまた始まった。二尾のオスが次から次にピンピン当たってくる。

 

そしてついにその時がやってきた。そのうちの一尾が急にルアーの近くでキリキリ舞いを始めたのだ!

 

掛かっていることを確かめ、ゆっくり上げた。やった、ついにゼゼラを釣ったー!!

 

意外にも3本錨ではなく秋田狐1号の1本バリの方が、口のわずか左に掛かっていた。

 

初めて釣ったゼゼラ、オス

 

初ゼゼラの俯瞰。婚姻色である腹ビレの白い縁取りが目立つ。

 

初ゼゼラの腹側

 

初ゼゼラのなんとも小さな口

 

初ゼゼラ別影

 

この一尾までが長かった。最初に探し始めたのは2014年の春だから、足掛け4年かかったことになる。

 

まずは福岡県南部で探したものの見つからないので、「佐賀県の淡水魚」の記述にしたがって佐賀城のお堀に行ってみたが、釣り禁止の立て札の前に立ち尽くすしかなかった。

 

その後は探すことすらなく、また琵琶湖で狙ってはボウズに終わったりしていたが、2017年の秋にたなごの溜まり場を探していた際に、偶然佐賀でゼゼラの居場所に出くわし、そこを含めて砂底の上にうじゃうじゃいる場所を複数見つけることができた。

 

ゼゼラの群れ。2018年3月下旬。佐賀にて。

 

だがこれらはどれも小さくて、エサには反応するどころか逃げてしまう始末だった。年魚なので、マックスサイズが見られるのは春だけなのだ。

 

そこで、そのまま春を待った。3月に入るや否や釣りを再開したが、確かに越冬場所から平場に出てきてはいたものの、晩秋からほとんど大きくなってはいなかった。そしてアカムシをどんなサイズにしてみても全く反応しなかった。

 

その手強さに舌を巻いたが、産卵期になれば盛んに食べるようになると同時に大きくなってハリに付けられるサイズのエサも食べるようになるかもと期待した。

 

確かに4月に入ると急に大きくなったように思えるほど立派なマックスサイズの個体が見られるようになった。だがエサへの反応は秋と変わっておらず、何を試してもダメだった。アカムシ、切ったアカムシ、極細キヂ片、ヤマベチューブハエ、黄身練り、グルテンの他に、プレコ用のディスクを粉にして練ったものやマルキューJPZ NORI まで試したがダメだった。

 

とにかく産卵期以外はほとんど眠っているような感じで、コックンコックンといった頷いているような愛らしい仕草で底をさらう摂餌行動を見ることは、マヅメ時でさえとても少ない。そしてようやくそんな個体を見つけてエサを口の下に置いても、咥えているのかもしれないが、おそらく一瞬でハリを察知して吐き出しているのだろう。それさえもいくら偏光グラス越しとは言えはっきりわからないほどあまりにもエサが小さかった、つまり口が小さすぎた。

 

そうしているうちに、ある日、川底に沈んでいたある小さな枝に対して、ゼゼラが時折ヒラ打ちをしていることに気づいた。

 

「これは使えるかも」と思った私は、エビ網でその枝を拾い、アユの掛けバリを付けて再び沈めてみた。

 

 

結果は一度か二度引っかかることはあったが刺さるには至らなかった。

 

そこで最終的にはこういった進化型にしたが、やはり結果は変わらなかった。あれだけ勢い良くヒラを打っているにもかかわらず掛からないのだから、うまくかわしているとしか思えなかった。

 

 

兎にも角にも、今回ルアーに反応してくれたのはありがたかった。川で試した時には反応が薄かったのでソフトルアーの限界を感じ、やはりおとりゼゼラしかないのかと思っていたので、嬉しい誤算だった。

 

オスゼゼラと認識しているのか、それとも単なる侵入者としてなのかは、機会があれば確かめてみよう。メスが寄ってきたことがあったので前者の確率は低くはないと思うが。

春の里川に「黄」緑を追う

テーマ:

昨年の秋に見つけた背星の里だが、その後は一度も足を運ばなかった。

 

皮肉にも背星がいるために、たなごのいい釣り場にもかかわらず足が遠のいていた。自分自身がポイントマーカーになってはいけないと思ったからだ。

 

そして春が来て、そろそろいいかなと思って、「緑」をカメラに収めに行ってきた。

 

予想とは違ってなかなか釣れなかったが、最後に探った岸のすぐ前の石の陰から、黒い背中の魚影が出てきて、黄身練りを吸い込んで隠れた。

 

黒いのでアブラボテだと思ったが、上げてみて驚いた。背星だった。駄目元で寄った所だったのでバケツを用意しておらず、撮影まで時間が経ってしまい色が少し褪せた。

 

 

同じスポットに再び黄身練りを入れると、同じような魚影が出てきた。期待通り、また背星だった。今度はすぐに撮影。

 

特に腹部の黒がどんどん褪せているのがわかる

 

一尾目を釣り上げた時に頭をよぎったのは、「ひょっとしてシロヒレ?」ということだった。それほど青っぽく見えた。「緑」を求めての釣行だったが、まだ「黄緑」で、婚姻色はこれからのようだった。