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日本に生息するフナは、2019年10月現在、ゲンゴロウブナとその他のフナに分類されている。ただし、北海道の一部には尾柄に暗色の横帯を持つ、ヨーロッパブナのようなフナがいるとされている。

 

ウィキペディアによると、ゲンゴロウブナは琵琶湖の固有種で、雑食性。このうち、体高が高く大型化し植物食性が強い突然変異個体を大正期以降選別養殖したものがヘラブナだそうだ。

 

なので、厳密にはまだオリジナルなゲンゴロウブナは釣ったことがないが、ヘラブナなら結構釣ったことがある。

 

最初に狙ったのは、やはり中学の時で、多摩川のワンドでビール瓶のケースを逆さにしたものをへら台にしてやっていた。エサはマルキューの赤へらだった。このワンド、日曜日だと朝の3時に起きて行かないと場所が取れないほど混んでいた。

 

瓶ケースのヘラ台は当時の少年にとって定番だった

 

だが釣れたのはギンブナばかりだった。そこで、近くのヘラブナの釣り堀に一度だけ一人で行って心ゆくまで釣った。今まで釣っていたフナとは明らかに風貌が違うことを実感できた。

 

その後は長いことヘラブナを釣ることはなく、久しぶりに手にしたのは、1985年の3月のことで、福岡県内の溜池で折りたたみ式の市販のミニヘラ台を水の中に立てて釣った。エサはマルキューのグルテン5を使ったが、練らない練り餌に戸惑った。

 

釣果には恵まれた

 

これでなんだか満足してしまって、その後はのめり込むことなく何十年も縁遠い魚だったが、思いがけない再会を果たしたのは、カナダから一時帰国し、甥っ子と筑後川で吸い込み釣りをした時だった。

 

2012年10月に筑後川でマルキュー大ごいの吸い込みブッコミ仕掛けで釣れたヘラブナ

 

同日甥っ子が釣った典型的なヘラブナ

 

2012年10月に筑後川でニゴイ狙いの外道として吸い込みで釣れたヘラブナ二尾

 

カナダと言えば、渡ってしばらくした頃、ヘラの道具・仕掛け・エサを日本からの取り寄せ、自作、それに流用で一式揃えたことがあった。これは同じ植物プランクトンフィーダーでニシンの仲間の淡水魚である、ギザードシャッドがどうしても他のやり方では釣れなかったためだった。だが結局日本の誇るヘラ釣りを持ってしても釣れずに終わった。

 

ヘラブナと言えば、その昔にNHKで釣り入門という番組があり、今は亡き山内賢さんが司会を務められていたが、その中で佐賀平野のヘラ釣りが紹介されていた。その時初めて佐賀平野がヘラの宝庫だということを知り、後年初めて柳川を訪れてそのことを実感した。

 

ところで、最近ノッコミ時期限定でタイリクバラタナゴを専門に狙うようになったが、やっていてつくづく思うのは、こりゃミニヘラ釣りだなということだ。練り餌を使って一瞬のアタリにアワセても乗ったり乗らなかったりするところがそっくりだ。

 

ヘラブナのハビタット

 

ヘラ仕掛けでは37年ぶりに釣ったヘラブナ。2022年3月下旬、佐賀のクリークにて。37年の間にへらウキは遊動式になり、金時三又は丸カンに変わり、万力は木製になって竿の手持ちが当たり前になり、フラシをあまり見なくなっていた。

 

2022年4月初旬に佐賀のクリークでヘラ仕掛けで釣った尺ベラ

 

2022年4月中旬に佐賀のクリークで九尺竿で雨の中釣った、頭の大きなとてもヘラブナらしい泣き尺ベラ

 

ヘラブナの俯瞰

 

ヘラブナの腹側

 

ヘラブナの正面

 

三時間で二度も起きたヘラブナ一荷。2022年4月中旬、筑後平野のクリークにて。

 

2022年5月中旬に霞ケ浦でのダントウボウ狙いの外道として釣れた、38センチと14センチの自己最大・最小クラスのヘラブナ

 

2022年11月中旬に佐賀平野のクリークの一角で釣った全長約23.5センチのオスのヘラブナの腸管と左第一鰓弓。鰓把数は81で、フナ類のどの型よりも多かったものの、92から128とされるゲンゴロウブナの範囲には及ばなかった。背鰭分岐軟条数は17。

 

2022年11月下旬に福岡県久留米市内のクリークで釣ったメスのヘラブナ、全長約24.5センチ、背鰭分岐軟条数18の俯瞰、腹側、正面、腸管、右第一鰓弓と同鰓把数。鰓把数は86で、やはりフナ類のどの型よりも多かったものの、ゲンゴロウブナの範囲には及ばなかった。