早朝に初エールワイフをミシガン湖の東側で釣った後、シカゴ経由で湖の西側へ移動し、ウィスコンシン州のラシーンというタウンに着いた。

そこを流れるルートリバーという清流規模のミシガン湖の支流が次の舞台で、狙いはトラウトパーチだった。数年前のあるウェブサイトへ投稿された釣行記の背景写真から場所を特定したものだった。ただし時期は1ヶ月遅く来てしまっていた。増水して濁りも入っている。

なんとかトラウトパーチよいてくれと祈りながら底ベタのキヂのフカセで釣り始めたが、アタリなし。しばらくして岸よりのトロ場で待望のアタリがあり、満を持してアワセたが、何やら重い。なんと 50 センチはあるコイだった。しばらくやりとしてからわざとバラした。

その後はアタリがないので上流の瀬へ行ってみたところ、なんと今度はブラウントラウトとニジマスが来た。すごい所だ。もちろん放流ものだろうが。

下流の瀬頭までの 20 メートルほどのストレッチを丹念に探りながら下って行くと、ニジマスの他にトラウトパーチサイズの小物が来たのでもしやと期待したが、残念ながらそれはラウンドゴービーだった。

ストレッチを探り終えた後、しかたなく途中まで戻り、一番いそうなトロ場を再び流しているうちに、何やら流心近くの水面に小さなミノーらしき魚がライズしていることに気付いた。そこで試しに釣ってみようと思い、ハリをそれまでの秋田キツネ3号からタナゴ極小に替えた。

これらのミノーは釣れなかったが、その後流心と岸のちょうど中央辺りに半分あきらめの気持ちで仕掛けを置いていたところ、ウキが消し込んだ! 反射的にアワセると、飛び出して来たのは決してゴービーのシルエットではなく、ストリームラインチャブのようなものだった。そう、それこそが求めていたトラウトパーチだった。あきらめかけていたところだったので喜びひとしおで、思わず「やったー!」を連呼していた。

なんと釣り始めてから1時間半以上経過していた。場所が特定できていなかったらこんなに長く粘れなかっただろう。投稿者とグーグルに感謝感謝だった。

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初めて釣ったトラウトパーチ。


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確かにトラウトのようなアブラビレがあるのがわかる。



こんな顔をしている


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トラウトパーチの俯瞰。背部には独特の水玉模様があるので水が澄んでいれば見つけるのは難しくないだろう。



初トラウトパーチ別影


トラウトパーチはオンタリオにいた頃にオンタリオ湖に注ぎ込むルージュリバーの河口で一尾見かけたことがあり、見釣りを試みたが弱っていたようで釣れなかった思い出がある。その後何度か同じ場所へ機会がある毎に赴いたが、二度と見かけることはなかった。またブリティッシュコロンビア州の北部の沢でそれらしき幼魚の群を見つけたことがあったが、エサ釣り禁止だったので手も足も出なかった。滅多に釣れないので見釣りか、今回のように、いると確信できる場合以外はなかなか狙う気になれない魚種だ。ようやく宿題が済んでホントによかった。

サケスズキ目サケスズキ科サケスズキ属。本属は他に西海岸のコロンビア水系に棲むサンドローラーのみを含む。標準和名サケスズキ。カタカナで英名を表記する時はトラウトパーチで構わないと思うが、アルファベット表記の場合は必ず trout-perch と、間にハイフンを入れなければならない。トラウトパーチはこれまで釣って来た魚種の中で唯一名前の中にハイフンがある魚である。名前の由来はサケ科の魚のようにアブラビレがあるパーチ様の魚ということ。カナダの大部分とアメリカの五大湖周辺やアラスカに広く分布しているが滅多に釣られない。最大全長 17.2 センチ。湖の深場 (9~13 メートル)、クリークや大中小河川の流れのあるプールの、通常砂礫底に棲息していて、湖の場合は日中摂餌のため浅場に接岸する。適水温 10~16℃。産卵期は5月から8月にかけて。無脊椎動物食性。


トラウトパーチのハビタット


なお、本種でカナダ、アメリカ、日本の最大重量が1ポンド (454グラム) を超えない「小物」の総魚種数が百目に到達した! 記念すべき一尾にふさわしい魚種がなってくれた。