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▶ただの口紅とどう違う? “リップティント” の成分に迫る
今日は前回扱った「顔料と染料」に関する補足内容になります!
ちょっとムズカシイ内容も挟むので予めご了承ください(;^^)ゞ
前回記事では最近人気の「リップティント」の主成分が【染料】というタイプの色素になっているというお話をしました。
染料は非常に粒子のサイズが小さい成分なので
皮膚の凹凸に入り込んで定着しやすく、さらにアレルギーなどの原因にもなりやすい成分です。
対して従来の口紅に主体として配合されていた【顔料】は粒子サイズが大きいため肌や粘膜に対する安全性が比較的高いです。
なのでかずのすけ的には、
お肌の弱い方やアレルギーを起こしやすい方はリップティントはできるだけ避けて顔料をベースとしたアイテムを選んで欲しいなと考えています。
また、これらの染料や顔料はリップ系アイテムだけでなく
その他のメイクアップコスメや化粧品の着色剤などにも広く利用されています。
なのでこれが一目瞭然で見分けることができれば、
お肌の弱い人アレルギー肌質の方にとってはとても有意義な情報になると思います。
しかしここには非常に大きな問題がありまして・・・
何かというと、
顔料と染料を成分名から一瞥(いちべつ)することがとてもムズカシイということです。。
例えば↓こちらを御覧ください。
これは前回記事で最後に載せた表の着色料の成分抜粋の一部なのですが、
前回記事では染料:赤と顔料:青の色分けをしていたのでひと目で見分けられたと思いますが
実際にはこのように染料も顔料も成分名は同じく「色+数字」で表記されていて
数字を細かに覚えていない限りは表示名称だけで染料と顔料を区別することはほぼ不可能なのです。
これが色素系成分を区別する際の最もムズカシイところです。
(ちなみに色分けしたものはこちら↓)
そこで今日はこれらの色素成分…
通称【タール色素】の区別について考えてみたいと思います!
◎「色+数字」で表される色素=【タール色素】
化粧品を知る人なら一度はこの言葉を聞いたことがあると思います。
上記の表に示しているように成分名が『色+数字』で表示されている色素成分を
大きくまとめて通称として【タール色素】といいます。
一般にはとても嫌われがちの成分なのですが
タール色素というのは元々これらの色素が「石炭」の乾留によって得られる副産物『コールタール』という物質を主原料に作られていたために呼ばれている名前で、
現在ではコールタールを使っていない(石油由来のものがほとんどだそうです)ので今ではちょっと的を射ていない名前とも言えますね。
実際には既に「タール色素」という呼び方は正しくないものも多く、
色素に明るい人はあえてそうは呼ばないことの方が多いと思います。
普通に『着色料』と言ってしまう場合の方が多いような気がしますね(^^;)
ただ、化粧品に使われている上記のような名称の成分は、
にて厚生労働省が「タール色素」と定めてますので
化粧品成分に上記のような名前の成分が出てきたらタール色素と言ってしまっても間違いではありません。
◎「タール色素」は危険な成分なのか?
ここでタール色素についてまことしやかに言われている噂によれば、
「タール色素は発がん性物質だ」「発達障害を誘引する」「感作(アレルギー)性がある」・・・
などなど、
悪い情報を探せばいくらでも見つかります。
ただ僕的にはタール色素の危険性は巷で言われているほどのものではないと考えています。
そもそも普段から多くの人が自分で気づいていないくらいの多くの量の着色剤を口にしていますし、
メイクアップの化粧品なんてそれこそタール色素にまみれています。
にも関わらず表立ってはその危険性が顕在化しているようには感じません。
実際医薬品や化粧品の成分に認可を受けているということは
それだけ安全性が確立された成分が使われているということだと思います。
上記の厚労省の省令を見ても、
多くの化粧品に利用されるタール色素はそのまま医薬品にも利用されていますので
「タール色素だから危険!」
という論調には注意しなければならないと思います。
普通に考えて常識的な範囲内での摂取量であれば健康に危険が及ぶことはないでしょうし、
皮膚に塗布する場合はそれこそ粘膜に触れでもしなければ体内に吸収されることはほぼありえないので
重大な健康危害に繋がることはまずないと言えそうです。
ちなみに上の厚労省の資料をよく読んで頂くと分かるように、
粘膜に触れる化粧品に配合出来る着色剤はさらに厳選されていて
安全性がより高いものしか使用できません。
なのでネット上の危険性を煽りに煽った情報はちょいと言いすぎかな?と僕は思います。
「ヨーロッパやアメリカでは使用禁止の成分を日本では使っている」
という内容もよく見かけますが、
そもそも欧米は市民団体の声が凄く重要視される風潮があり、
科学的根拠が実証されていなくても市民がNOと叫べばグレーゾーンの成分は禁止になることがザラにある文化です。
特に今から20~30年前はそれが顕著だったようでその当時様々な成分が使用禁止になっています。
中には市民団体の動きの活発化に従って新規成分の動物実験が禁止された国もあるほどです。
日本は良いのか悪いのか市民の声よりきっちり根拠付けを大事にしている文化なので
安全性十分のデータさえあれば多少評判が悪くてもそのまま利用されてしまうことが多々あります。
もちろん中にはどちらかと言えばすぐにやめた方が良い成分があるのは事実ですが、
「界面活性剤」の不人気よろしくタール色素もちょっと悪く言われすぎな成分の1つですね。。
◎ただし『アレルギー』のリスクは十分にある!?
ただし前回記事に紹介したように、
タール色素における『染料』については
多くの成分がアレルギーのリスクを抱えています。
一般的に染料には
- 酸性にすると発色する→「酸性染料」
- アルカリ性にすると発色する→「塩基性染料」
- 油に溶けて油を染色する→「油性染料」
- 酸化還元反応で定着・発色する→「建染(たてぞめ)染料」
の4つの種類があります。
例えばこのうちの酸性染料と塩基性染料は、
酸やアルカリに反応して鮮やかに色づく成分です。
皮膚表面は弱酸性になっている場合が一般的なのでコスメで塩基性染料を使うことはかなり稀です。
対して酸性染料は皮膚の弱酸性によって色付くため頻繁に利用されています。
(染料それぞれに1番得意なpHがあるのでものによっては弱すぎたり強すぎたりすると発色が弱まるものもあります。)
このpHに依存した発色の違いこそがティント系コスメの「色が変わるメカニズム」そのものです。
pHなどによって色が変わる=それは染料が主成分になっていると見て間違いありません。
しかしこのように「状況によって色が変わる」というのは
つまりそれに従って染料が化学反応を起こしているということなのです。
化学実験でもよく使用する「pH指示薬」という薬品も同じくpHの変化によって発色を変える性質がありますが、
これはpH変化で染料そのものの構造がガチャンガチャンと変わっているというのはよく知られた話。
前回記事で説明したように、アレルギーが起こるのは皮膚のタンパク質と化学的に結合しやすいかどうかなので
皮膚の上で化学反応を起こす物質ほどアレルギーになりやすいといえます。
そういう意味では染料で最もアレルギーになりやすいのは酸化還元反応によって着色している建染(たてぞめ)染料ですが、建染染料は化粧品には基本的に使われません。
そうなると最も利用頻度の高い『酸性染料』がコスメの染料の中では注意すべきと思われます。
特に酸性染料の持っている特定の構造(スルホ基)は皮膚の表面の特定の構造(アミノ基)と合体しやすいので、その分アレルギーが起こりやすいと言えそうです。
ちなみに油性染料は油に溶ける染料なので皮膚との結合は起こりにくいと考えられます。
油分そのものを染めて色を付けているので普通の口紅などにも比較的多く使われています。
よってタール色素で注意すべきはこの『酸性染料はアレルギーになりやすい』という点が基本であり、
よほどのことが無ければタール色素であっても「顔料」は基本安全ですし、
染料であっても「油性染料」であれば比較的安全に利用できると考えられます。
以上からやはり成分名から顔料・酸性染料・油性染料などを区別出来ると
アレルギーリスクの低いより安全性の高いコスメを探すとても大きな手助けになるはずです。
◎【顔料と染料を区別できる早見表】を作ってみました!
というわけで・・・、、
作ってみました!!
【タール色素の色番号別顔料&染料早見表】です(^o^)ゞ
実は化粧品に利用されるタール色素は上で紹介した厚労省の省令にある83種類しかありません。
ご覧のように特に数字でまとまっているわけでもなく、
この番号だから染料なんだ!みたいな特徴はありません(^^;)
だからこのように1個1個調べてまとめるしか方法はありませんでした・・・。。
(僕自身着色剤にそれほど詳しくないので実は別の方法があるかもしれませんが;;)
こちらの表は前回記事でも利用させて頂いた
▶癸巳化成株式会社さん/株式会社たけとんぼさん公式ホームページ
のデータベースを元に作成させて頂いております!ゞ
こちらのトップページに色素のクリッカブルマップがありまして、
各色素の構造や正式名まで詳しくまとめられているので大変参考になります!!
こちらからタール色素の番号順に顔料なのか染料なのか、さらに染料の分類までまとめています。
PDFファイルも用意したので欲しい方はダウンロードして印刷してご利用頂けると良いと思います!
▶タール色素の色番号別顔料と染料早見表(PDF)
これさえあればタール色素の成分名は基本的に網羅しているはずなので
コスメや化粧品を買う際に染料を避けて顔料のものだけを選ぶことも可能です。
もちろん顔料であれば100%安心というわけではありませんが、
少なくとも染料を避けて選ぶだけでも肌荒れはかなり起こりにくくなると思います。
また一旦アレルギーを起こしたメイクコスメに入っていた着色剤の番号に✕印を付けておくと、
次に違うコスメを購入するときにアレルギーの着色剤を避けることも出来ると思います。
同じ色でも別の色素ならアレルギーにならないこともありますので
成分さえ被っていなければ似た色も諦めずにトライすることが出来ます。
ちなみにアレルギーの原因になる色素はタール色素だけではありません。
多くの天然色素も染料系のものであれば当然アレルギーの原因になることがあるので
天然染料は表にはありませんができればこれも注意してほしいと思います!
というわけで以上、
かなり走り書きですが最近調べた着色剤についてまとめてみました。
最後の表は肌は弱いけどメイクは楽しみたい方にこそとてもオススメの表ですので、
是非ご活用頂ければ幸いに思います!
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