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昨日Twitterでつぶやいていた内容ですが…
腕が疲れないパソコンのキーボードを選びにバスに乗ってるのですが、前の席に座っている角刈りの男性から夥しい香水(というか香料?)臭がして最悪の気分です。。冷房の風をそっちに向けてみてもあまり意味なし…(T_T)
— かずのすけ (@kazunosuke13) 2016年8月20日
マスクを持って来ればよかった…OTZ
バスに乗ったら近くに座った人からかなりキツイ香水臭がして苦しかったという話なのですが、
最近はこういう機会に出くわすことが多くなってきたように感じています。
バスや電車、大学のキャンパスや会社などなど、人が集まる場所では特に遭遇しやすいですね。
同じような体験をしたことがある人もいると思います。
腋臭の方などで体質的に「体臭がきつい」という場合の『においテロ』は有名な話ですが、
最近はそうではなく香水や柔軟剤、または車の芳香剤やルームフレグランスなどでも同じような被害の報告が増えているという実態があるのです。
この内容は以前から
→「香りブーム」に潜む危機!? ~香料の有毒性と「香害」について~
という記事を通して注意喚起を行っています。
かずのすけのブログでも最もソーシャルメディアでのシェア数が多い(FB1.1万シェア)記事で、ブログ内ランキングでも平時1位のアクセスを維持しており、
大変多くの方が関心を寄せている話題のようです。
もしまだ御覧頂いていない場合はぜひご一読くださいm(_ _)m
◎『香り』とは『気化した化学物質』である
確かに柔軟剤や香水など最近ではとても良い匂いのものが多いですね。
女性ならば常に「良い匂い」を纏い感じていたいと思う気持ちはよくわかります。
しかしそもそも
『匂いを感じる』ということは、
「吸器から化学物質を体内に吸収している」ということ
なのです。
多くの人はこれをあまり深く考えていないのではないでしょうか。
→http://taishu-kare.info/column/shikumi/より引用
匂いを感じるということは、
上記の図に示すように「におい分子」=「気化した化学物質」を体内に吸収したことの合図です。
何かしら不思議な匂いを感じた場合は、その原因となっている化学物質(天然でも合成でも一緒)が体内に侵入したということであり、
体質によってはその化学物質に対して『過敏症』を発症したり、『アレルギー』の原因になることがあります。
皮膚に付着することで発症するアレルギーなどもよくありますが、
これはまだ体内に入っていない状態で危険信号として発症するのが一般的です。
しかし「ニオイ」というのは既に体内に入ってしまっているので、
この時発するアレルギー症状は時には人の命を脅かすほど甚大な症状に発展することもあるのです。
「ニオイごときで・・・」
と思う人もいるかもしれませんが、
ニオイを感じる=化学物質の気化成分が体内に吸収されたということであると考えれば、
その潜在的な危険性を十分認識できるのではないでしょうか。
もちろんニオイを感じるときに吸収する化学物質の量というのはとても少ないものですが、
それが長い時間継続すればそれだけ大量の化学物質を吸収してしまうということになります。
◎アレルギー体質じゃなくても突然香料アレルギーになることも!?
「私は今ままでそんなことを感じたことがないから大丈夫!」
と、思っていらっしゃる方もおられるかもしれません。
確かにこういった香料のアレルギーになる体質の人というのは、
元々遺伝的にその物質に拒絶反応を示す体質だったりアトピーの体質だったりするのが一般的です。
ですが今現在問題がなくても、「自分は大丈夫だ」と高を括るのは早計です。
周囲の家庭で使用されていた洗濯物の匂いを嗅ぎ続けたら家族全員が同じ拒絶反応を起こすようになってしまった、、という報告が相次いでいます。
自分ひとりが、というならまだしも全員が、というのは不思議な話ですよね。
これは「アレルギー」というのもののメカニズムを考えると話は丸く収まります。
例えば『花粉症』を思い浮かべていただくと分かると思いますが、
去年まで花粉症じゃなかった人が今年から突然花粉症になってしまう・・・
というケースはとても一般的です。
花粉症というのはつまり「花粉」という物質へのアレルギー症状なのですが、
実は生まれつきこのアレルギーを体質として持っている人というのは極わずかです。
多くは「長期間吸い込み続けた結果、体内で免疫反応が過剰に働くようになってしまった」というもので、
ハチに何度も刺されると『アナフィラキシーショック』という反応が起こるようになるあれとよく似ています。
元々人間の身体には「ここまでなら吸収しても大丈夫」というラインが存在していて、
(毒性学的には『閾値』といいます。)
このラインを超えさえしなければアレルギーなどは発症しません。
しかし長期間継続して吸入を続けるといつかは閾値に到達してしまい、
その途端、それからは少量を吸収しただけでもアレルギー症状が起こるようになってしまうわけです。
つまり、
元々その香料のアレルギーではなかったとしても、
ある日突然アレルギーを引き起こすようになってしまう…
というリスクは誰にでもあるのです。
◎匂いを吸い込み続けると同じ匂いを感じにくくなる!?
人の嗅覚には同じ匂いを長時間吸い込み続けると、
そのニオイをいつの間にか感じなくなるという性質があります。
これを嗅覚の疲労性(順応)というのですが、
例えばご飯のお店に入る直前はとても美味しい匂いを感じますが、
お店に入ってからしばらくするとその匂いをいつの間にか感じなくなっていることに気づきますね。
つまりこれは「嗅覚が慣れてしまった」ということなのです。
冒頭で紹介したバスや電車などで遭遇する「においテロ」の当事者は、
おそらく自分の発しているとてつもないニオイには全く気付いていません。
もしくは「軽く香る程度」と本気で信じています。
これは常にそのにおいを長くまとい続けていることが原因で、
もう自分の嗅覚ではそのニオイがとても酷い悪臭になってしまっていることにも気が付かないのです。
場合によっては自分では匂いを感じなくなったことに焦って、
さらに香水や芳香剤の量を増量してしまう人もいるようです。
また男性の場合は『体臭』を気にして芳香剤やデオドランド、香水などを大量に使用する人がいるようですが、
そうなると体臭とニオイが混ざったりしてさらに酷いニオイになることも…。
(もちろん自分では慣れてしまってニオイに気づきません)
このような状態になると周囲の人々にも凄く迷惑ですし、
実はそれだけでなく自分自身にとっても非常に危険な状態であると言えます。
これも昨日Twitterで呟いた内容ですが、
かずのすけの家族が経験したという実話です。
実は僕の弟も以前酷い肌荒れと花粉症に似た症状が出てきて病院に通ってもあまり良くならず、遂には高熱が出て大変なことになったそうです。自分では原因が分からず難儀していた時に、家族が弟の車の「芳香剤」が凄い匂いだと気付き、それを撤去したところ嘘のように症状が改善したと話していました。
— かずのすけ (@kazunosuke13) 2016年8月20日
それまでは気に入って使っていた『車の芳香剤』が原因でアレルギー症状を突然発症してしまった、という話ですが、
弟は自分ではもう嗅覚が慣れきってしまっていてその芳香剤のニオイには一切気付いていなかったのだそうです。
気づかぬうちに『香料』という化学物質が大量に体内に入っていた…と考えるとゾッとしますが、
いつの間にか閾値を超えてアレルギーを発症する体質になっていたのですね。
必要以上に香りをまとうことはこのように、
周囲に危害を与えるばかりか自分自身にも甚大な健康影響を与えることになりかねません。
◎「他人は関係ない」は通用しない問題
以上のことから結論付けるならば、
ニオイの問題は「私の勝手、他人は関係ない」と切り捨てることが出来ない問題と言えます。
そもそも「香り」というのは極微量で空間全体に行き渡るもので、
人が集まる場所で何らかのニオイをまとえばその空間すべてがそのニオイに染まってしまいます。
人が集まる部屋で大音量で自分の好きな音楽を流せば周囲に迷惑をかけることなど誰でも容易に想像できますが、
ニオイについても全く同じことがいえます。
そもそも人それぞれニオイには合う合わないがあるので、
自分が良い匂いだと感じているニオイが隣の人には悪臭に感じることなど日常茶飯事です。
ですから「周りの人も自分と同じように良い匂いだと感じているに違いない」と思い込むのは大変危険です。
好きな香りに包まれるのは自分だけが生活するスペースだけにして、
他人と共存しなければならない場所では香りものはできるだけ使用しないのが、
現代では大切な『香りのエチケット』となりつつあるのではないでしょうか。
そういう意味で、
今化粧品や洗剤類にとにかく大量の香料を使用するのが常識化しているトイレタリー企業は、
一刻も早く時代の流れを見極め
別の新たなトレンドを作っていく義務があると言えそうです。
<参考資料>
▶柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供 独立行政法人国民生活センター(平成 25 年 9 月 19 日)
▶アロマキャンドルや芳香剤がアレルギー症状を誘発、米学会
▶香料の健康影響 渡部和男(2010)
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