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前回の記事なのですが中々沢山の反響を頂きました(^o^;)
概ね「オイル先行にはあんまり意味ない」という僕の結論に賛同頂けてたみたいなんですが、
少しまだ半信半疑…、という方も居られるようです。
この理由として
「オイルの種類にもよるんじゃないか？」
という意見が聞かれました。
前回用いたのは確かに皆様あまりご存知無いかもしれない『アボカドオイル』というオイルでしたし、、
このアボカドオイルくんに嫌疑がかけられても仕方ないのかもしれません…(_ _;)
（ホントはアボカドオイルも良い油なんですけどねぇ…。。）
あとこの関連なのですが
「油には【浸透を促進するタイプ】と【蓋をするタイプ】の二種類があり、
これを間違えるとこの（前回の）ような結果になる…」
というご意見もありました。
これは斬新なご意見だと思いました。
僕は化学を基礎から学んでますがこんな話は初耳だったので…。。
それで、「そんなバカな」と思って調べてみますと、
【ヴィークル効果】
という言葉が出てきました。
“ホホバオイルなどが肌の表面の保湿に優れているのに対して、マカダミアナッツオイルは肌の内部へと浸透する性質が高く、ヴィークル効果と言われる一緒に使う化粧品の浸透を助ける効果があります。”
→http://www.grandrepos.jp/variety/entry13.html より
“ さらに、スクワランの優れている点は、他の成分が肌へ浸透させるのを助ける効果がある、という点です（＝ヴィークル効果というそうです。）ヴィークルとは、乗り物とか伝達手段という意味）。そのため、化粧水などと一緒に肌につけることにより、化粧水の成分も一緒に肌へ浸透しやすくしてくれるのです。”
→http://www.scwaran.com/effect4.html より
“この浸透力の高さゆえに、気をつけないといけないこともあります。ヴィークル効果という「肌への浸透力に優れた成分が 一緒に与えた他の成分が肌へ浸透するのを助ける効果」にも馬油は優れているため、クレンジングすべき汚れや化学物質も一緒に浸透させてしまうことがあるんですね。”
→http://www.icpe2011.org/bayu02.html より
“マカデミアナッツオイルやオリーブスクワランは「ヴィークル効果」と呼ばれる化粧水などの吸収をよくする働きがオイルだそうで
この「ヴィークル効果」がオイルでありながら水分を弾かずに化粧水の浸透を高めてくれるそうなんです！
→http://blogs.yahoo.co.jp/mgmai561159/11299366.html より
とまぁつまり、
ヴィークル効果… 一緒に使う化粧品の浸透を助ける働き
という感じなのでしょうか(´・_・｀;;)
かずのすけはこれは全く初耳でしたが、
そんなことってホントにあるんですかね？；
メカニズムなどはどこにも書いてませんので
正直これは一体何を信じればって感じです^^;
まぁとにかく気になったことは検証です。
ちょうどよく持ってますからね。
これぞあのヴィークル効果抜群のマカダミアナッツオイルです！！
このオイルの選択には文句ありませんよね！？(T-T;)笑
で、先日の実験よりちょっとやり方も改めて見ました。
多分この方が結果が明らかですので・・・^^;
まず↓のようにボールペンで目印を付けたところにマカダミアナッツオイルを少量垂らします。
次にその周囲にオイルを出来るだけ薄く馴染ませます。
ただし手の甲の左側にはオイルは塗らないようにします。
そして前回と同じく化粧水（セラキュア）を滴下するのですが、
今回はオイルを塗った部分（右側）とオイルを塗ってない部分（左側）に
ごく少量ずつの化粧水を垂らしました。
※
このとき垂らした化粧水の量は、
爪楊枝のおしりを化粧水に浸して3回チョンチョンチョンと付けた量で統一してます。
そしてこれをこのまま放っておきます！
これだけ少量の化粧水ならわざわざハンドプッシュとかしなくても自然放置で浸透していくと思います。
そしてもし【ヴィークル効果】とやらが本当なら、
この実験ではマカダミアナッツ油側がより素早く浸透するということになるはずです。
浸透すれば化粧水は消えて無くなるので、
どのようになっていくかを写真に収めていきます。
では結果を見ていきましょう！
…あ、そういえば先ほどの写真の左側の○は後から画像処理で付け加えたものなので、
次回からはありませんがご勘弁ください(^_^;)
念押しですが左側の印無しが化粧水のみ、右の○印がオイル先行の結果です。
＜５分後＞
＜７分後＞
＜１０分後＞
（１０分後別アングル）
はい。
結果は…火を見るよりなんとかってヤツですね…(´・_・｀;)
オイル先行してない方は７分もした頃にはほぼ浸透しちゃってましたが、
オイル先行した方はこの後５分以上待っても音沙汰無いのでそのまま拭き取りました。（苦笑）
う～ん、なので結論はやっぱりそうですね…。
非常に残念なお知らせですが、
美容オイルに【ヴィークル効果】なんてありません。
オイルはオイルなので、水分とは基本的に馴染まないんです。
これは化学の常識で考えればやはり当たり前のことです。
こういう美容オイルについては多分沢山の人が大きな勘違いをしています。
確かにマカダミアナッツ油含め不飽和脂肪酸を多く含む油脂は
皮脂の構成と非常に似通ったオイルなので、
皮膚の表面角層との馴染みが非常に良いです。
これは僕らの身体から出る皮脂が少量であればそれほどべたつかないのと同じで、
角層にはこういった脂肪酸組成のオイルをある程度蓄える機能があるのです。
だから特定の油脂は皮膚に吸収されてしまうような感じがします。
そしてそれを一般的に「浸透性が高い」という風に言ってるわけです。
しかし実際にはこれは皮膚の表面の角層に「馴染んでいる」だけで、
オイルが肌の中に入って真皮とかまで吸収されているわけではありません。
【浸透】と言ってもあくまで角層の隅々に行き渡っているに過ぎず、
皮膚内部に成分を届ける力などはじめから無いのです。
まぁイメージとしては、
角層の角質には水分と油分が蓄えられる微細なポケットのような部分があり、
そのポケットに油分が収納されている感じです。
だからやっぱり角層にしかこれらの成分は届いていないんです。
以前アルガンオイルなどの油脂系クレンジングをオススメしてた時に、
「こういった浸透性の高いオイルでクレンジングすると皮膚の内部にメイクの汚れが入ってしまうから危険だと聞いたのですが…」
という質問を頂いたことがあるのですが、
今回の結果を踏まえてもやはりオイルはオイルです。
一緒に使ったものの浸透を促すような作用はありません。
ので一切気にする必要はありません。
結局のところこのヴィークル効果っていうのは
良い効果も悪い効果も全部まるっきり眉唾情報だったということになりそうですね。
ちなみに、
【浸透促進作用】のある成分と言えば一番有名なのは皆さんもよくご存知のあれですよ。
「界面活性剤」
です(^_^;)
非イオン系界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルとか医薬品の浸透促進剤によく使われてますし、
当然ラウリル硫酸Naや石けんも同様に浸透促進作用がありますよ。
（低分子量の界面活性剤ほど浸透しやすいので）
こういうので毎日顔洗っても汚れが皮膚の中に入ることは無いわけですから、
ただのオイルにそんな効果が期待出来るはずも無いということです。
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