ドラッグストアで手に入る【ピーリング系コスメ】とその成分 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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やり過ぎは禁物!『ピーリング』のメカニズムと注意点

角質ポロポロ…? 『ピーリングジェル』の正体に迫る



ピーリング関係の記事を書いています!

前回は人気の「角質ポロポロピーリングジェル」についてその正体を暴いてみました(^^ゞ笑


こういったただのゴマージュと実際のケミカルピーリングは一見混同されがちですが、

自宅でできるピーリングというのは効果の範囲がかなり限られているので

実際に皮膚科で行っているような「皮がしっかり剥ける」というピーリングは

市販される化粧品の範囲ではほぼ不可能です。


なので

市販の「ピーリング系コスメ」は実際のケミカルピーリングと比べると効果はかなり弱いものになります。

(そのため「マイルドピーリング」なんて呼び方もされますね)



 

しかし、ものによっては『それなりに削るよね?』というものもあります。


明らかに皮がべろべろ剥けるような濃度では配合できなくても、

ケミカルピーリングでホントに使うような薬剤を少量混ぜることは可能です。


あくまで化粧品なので一回で見るからに効果を発揮することは出来なくても

毎日(もしくは頻繁に)使用することで少しずつそういった効果を蓄積していく…

という類の商品が最近ではドラッグストアなどでも簡単に手に入るようになっています。


 

 

というわけで!

今日はかずのすけが近所のドラッグストアに突撃訪問して

ドラッグストアで手に入るピーリング系コスメを物色してきました!(^O^)


一体どんな成分が入っているとピーリング系になるのか…?

というお話をしたいと思います。



◎『AHA(α-ヒドロキシ酸)』配合の洗顔料・ジェル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『AHA』という成分名を良く耳にすると思います。

正式には「α-ヒドロキシ酸」といいます。(「α-hydroxy acid」の略)



類似成分がフルーツ類に多く含まれていることから「フルーツ酸」という風に言われていますが、

フルーツから採れるAHA(リンゴ酸・乳酸・クエン酸)などはそれほどのピーリング効果はありません。
(なのでこの3つの成分についてはそんなに気にしなくても結構です)


実際に実用的な効果を発揮する成分はズバリ

『グリコール酸』

です。


AHAの中で最も単純な構造、最も低分子なので、一番効果が強いです。


グリコール酸は実際に皮膚科のピーリングにも頻繁に使用されている成分です。

作用機序としては

強いタンパク質変性作用を持つ成分で、

角質層の「デスモソーム」という角質を固めているタンパク質の結合を破壊します。


高濃度で用いると強い刺激性がある、有名な腐食性物質です。

グリコール酸(wiki)



ちなみにこの↑に持ってきた写真の商品は表に『AHA!』ってでっかく書いてあったので使いましたが、

成分的には実はあんまりAHA系っぽい商品内容ではないので、一旦引っ込めます…(^_^;)

あとで再登場をお待ちください(笑)



というわけでグリコール酸系の商品を探しました。


まずはこちら!

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おや、これは前回取り上げた『ピーリングジェル』ではないですか…。

 

 

 

 

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実際に成分も似たような感じでアクリル系のゲル化剤(アクリル~クロスポリマー)とカチオン界面活性剤(ステアルトリモニウムクロリド)がメインの処方になってます。


しかし後ろの方の成分に注目ください。

しっかり「グリコール酸」を配合していることが分かります。


なのでこのゴマージュジェルには実際に弱いピーリング効果があると考えられます。


つまりピーリングとして全くの無意味ってわけではないということになりますが、

それなりにリスキーな商品でもあるということです。


こないだのロゼットゴマージュやデットクリアより効果は強いです。



ですからゴマージュ系でちゃんとピーリング剤入っているものが欲しい人はこれかな~。

でも敏感肌の人にはオススメ出来ませんので注意(^_^;)




◎『タンパク質分解酵素』配合の洗顔料(酵素洗顔)


 

酵素洗顔って結構多いですよね。

最近はAHAに押されがちですが洗顔料とタッグを組ませるならこっちの方がいいです。


理由はAHAは大抵『酸性』の物質なので、

石鹸系の洗顔料と配合するとアルカリで中和されて効果の大部分を失うからです。

なのでAHA!って言っている洗顔料(石鹸系)は実はあんまり効果見込めないという…。


さっきの洗顔料も「AHA」って書いてましたが、

ホントのところは酵素洗顔料です。

 

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これには『パパイン』という酵素が配合されてます。

有名なタンパク質分解酵素で、タンパク質の結合を切断してアミノ酸に分解する性質があります。

パパイアの果汁だったかに含まれていて、料理の際にお肉を柔らかくする用途などでも使われてますね!

パパイン(wiki)


我々の皮膚表面もタンパク質(ケラチン)で出来てますので、

パパインなどのタンパク質分解酵素によって分解を受けます。

特にパパインはシステインプロテアーゼというタイプなので、

シスチン結合を持つ角質ケラチンなどの分解は大得意です。


pH活性も10くらいのアルカリなら十分働きます。



あとは↓こちらの洗顔料も似たような感じですが、

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こっちには『プロテアーゼ』が配合されていますね。

これもタンパク質分解酵素です。
(というか「プロテアーゼ」はタンパク質分解酵素の総称です)


ちなみにAHAのグリコール酸とかも書いてますが、石鹸系なのでこっちの効果は殆ど無いと思って頂いて結構です。



タンパク分解酵素によって角質ケラチンを分解して弱めたところで、

石鹸のアルカリ性強脱脂洗浄でごっそり洗っちゃうというタイプ。


角質を削りながら洗うのですから聞くからに恐ろしいほどの洗浄力を発揮するでしょう…。
(洗浄力★★★★★に収まらないかと)

洗顔の場合は摩擦も強くなるので、毎日使おうものならこれはかなり削れますよ。;


もちろん敏感肌の方には最もオススメしたくない洗顔料です。。



◎『イオウ(硫黄)』配合の洗顔料


そしてこれはとても有名な商品ですが、

 

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ロゼット洗顔パスタ。

前回のロゼットゴマージュといい別にロゼットに恨みがあるわけではないですが、

こういう商品多いですよねこの会社は^^;


 

 

 

 

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有効成分に『イオウ(硫黄)』を配合しています。

これはピーリング系で有効成分登録されている珍しい成分です。
(一応殺菌剤としての登録です)

ロゼット以外ほとんど使ってないと思いますが…;



硫黄は「還元性」を持つ物質です。

「チオ系」「サルファイト」などの言い方をすると美容師さんなどはお気づきになるでしょう。

そのメインの化学元素が『硫黄(S)』です。

硫黄は空気に触れると容易に「二酸化硫黄」「硫化水素」を発生します。

硫黄そのものというよりこれらの副生成物に還元作用があります。


角質を構成するケラチンにはジスルフィド(シスチン)結合という強力な結合があり簡単に溶けたり壊れたりしないのですが、

この結合は酸化によって固まっているので、還元性の成分を作用させると壊れやすくなります。


このためイオウを作用させれば角質ケラチンがもろくなり、

洗顔の摩擦や石鹸のアルカリによってより簡単に削りやすくなります。



またこの還元性によって菌類の繁殖も抑えますので殺菌剤としての働きもあります。

皮膚も削るし殺菌もする!という物凄い苛烈な成分…(´・_・`;)


殺菌効果もピーリング効果もあるので、

使いドコロを注意しなければなりません。



<補足>

ピーリング系コスメに入っている『BHA』の話



◎ピーリング系コスメの毎日使用は絶対厳禁!


以上がドラッグストアなどで簡単に手に入る大まかなピーリング系コスメになります。

同じ商品じゃなくても類似の成分が入っていれば、そういう効果があるということになりますね。



一応化粧品登録なので使うほどに皮膚がめくれるとか皮がべろべろに剥けていくという効果はありません。

しかしこれらの洗顔料やゴマージュは先日紹介したようなただのゴマージュなどに比べるとかなり効果が強いです。


週に一回使う程度であれば特に危険視するほどのものではありませんが、

毎日使用するとなるとお肌にかなりの負担を与えるのは疑いようがありません。


そもそも皮膚を削ることを目的とした商品なのですから、

ダメージがないわけがないのです。



特別な事情があって肌の角質を取り除きたいとかそういう理由があるなら結構ですが、

僕の勧めとしては『美容』をメインに考えるなら

こういった商品とはあまり関わりあいにならないのが懸命だと思います。

金輪際一回も使用しないくらいでも良いんじゃないかなと思います。




実際のところピーリング系コスメで角質を過剰に削ぎ落としても

ツルツルの卵肌なんかには絶対になりません。


一時的には綺麗な肌に見えるかもしれませんが、

それは肌バリアとしてまだ未成熟の角質なので

もし本当にこういう商品を使い続けてツルッとしたような肌になったとしたら

それは非常に敏感で危険な状態の肌と言えます。
(『ビニール肌』という言い方もするようですね)


この状態の肌は弱い刺激や紫外線の影響を受けて簡単に肌が荒れるようになってしまうので、

このような肌になってしまっている方は今直ぐピーリング系コスメの使用は控えましょう。



本当のケミカルピーリングはしっかりお医者さんがマネジメントしてくれるはずですが、

こういったマイルドピーリングはお医者さんがついてくれるわけではありません。

全て自己責任で肌の状態を管理しなければならないのです。



皮膚を溶かしたり削ったりする成分が入っている、

それがピーリング系コスメの基本になります。


もしこういったアイテムを使用するならば、このことはを必ず忘れないようにして欲しいと思います。


行き過ぎたピーリング系コスメの使用は絶対に美肌のためにはなりませんからね。






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