第51回 七福神様に自分の願いを聞いて頂くには(その3 大黒天様)

 


 日本の守護神信仰といえば、
 ①観音様
 ②稲荷様
 ③龍神様
 ④地蔵様
 ⑤大黒様・恵比寿様

 ということらしいのですが、大黒様と恵比寿様は、一緒に祀られることが多い神様です。(事代主様系の恵比寿様は、親子なので解るのですが、蛭子様系の恵比寿様とは、つながりません・・)
 



 そこで、前回は、恵比須様でしたので、今回は、大黒様のご紹介です。

 

 と言っても、皆さん、よくご存じですので、いまさら感はありますが、意外にしらない真実もありますので、大黒様に気に入られるように、大黒様のことをより深くご理解くださる手助けになればと思います。

(※古事記の1/3は、大国主様のことを書いてあるので、この先、長くなります。但し、思いを聞き届けてもらうためには、神様のことを知ることからですので、時間があるときにでも、ゆっくり見てください。)


大黒天様

 大黒天様は、インドでは、怖い神様でして、ヒンズー教の鬼神で「「大時(刻)」を意味し、暗国の中に住み、死を司る「恐怖の破壊神」とのことです。

 その後、仏教の伝来と共に、インド (破壊、支配、生成)→ 中国(戦闘、生産、食厨)→ 日本(貿易、豊穣、福徳)などと、解釈が変化して最終的には、福・禄・寿の象徴神として定着されたようです。

 日本では、平安時代、密教を通じて真言宗や天台宗の最澄によって広められ、室町時代になると日蓮宗(法華経)に於いても盛んに信仰されるようになったということです。

 特に、神道の神である「大国主命」(おおくにぬしのみこと)様が、「大黒」と同音であることで民族的信仰と習合されて、大黒様となって、現在に至っています。


「大国主命」(おおくにぬしのみこと)様

 前回の蛭子(ひるこ)様も、親に見捨てられるという苦難を味わいましたが、大国主様も、かなりの苦難を味わっております。

古事記によれば、
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<八十神の迫害>

 兄神である八十神(ヤソガミ)たちは、因幡国のヤガミヒメに求婚するものの、ヤガミヒメは大国主様と結婚すると言ったため、八十神は、大国主様を恨み、殺すことにしました。

 大国主様を伯岐国(ほうきのくに:山陰地方)の山麓につれて来て、大石を火で焼いて転がし落とし、大国主様は、石の火に焼かれて死んでしまいました。

 大国主様の母親の刺国若比売(サシクニ ワカヒメ)は息子の死を悲しんで高天原(たかまがはら)に上り、カミムスビに救いを求めました。(最初の神様で、最高神でもある造化の三神の一柱です)

 カミムスビが遣わしたキサガイヒメ(𧏛貝比売)とウムギヒメ(蛤貝比売)の治療により、大国主様は生き返りました。(出雲大社の本殿の神域内に「キサガイヒメ」と「ウムギヒメ」をお祀りしたお社があります。)

 大国主様の復活を知った八十神(やそがみ)は、再度、殺害を試みました。大木を切り倒して、楔(くさび)で割れ目を作り、そのなかに大国主様を入らせ、楔を引き抜いて、打ち殺してしまいました。

 母親は泣きながら、大国主様を探して、大木をみつけ、すぐに木を裂いて取り出して生き返らせました。

 母親は、「あなたはここにいたら、八十神に滅ぼされてしまうだろう」といい、木国のオオヤビコの所へ行かせました。オオヤビコは、大国主様をスサノオのいる根の国に行かせました。


<根の国訪問>

 根の国(地中の国)のスサノオの家で、大国主様は、スサノオの娘のスセリビメ(須勢理毘売命)と出会い、2柱は一目惚れしました。

(『日本書紀』本文によると、大国主様は、「スサノオの息子」となっているので、兄と妹の恋愛?みたいな話です。「古事記」に至っては、スサノオの六世の子孫ということになっていますので、もはや「???」の話です・・)

 スサノオから、蛇がいる室(むろや)に寝かされましたが、スセリビメに貰った「蛇の比礼」で、難を逃れました。

 次の日、呉公(ムカデ)と蜂がいる室で寝かされましたが、スセリビメに貰った「呉公と蜂の比礼」で、難を逃れました。

 次の日、大国主様が野原に入ると、スサノオは火を放って野原を焼き囲んだ。大国主様が困っていると鼠が来て、穴の中に導いてくれて、難を逃れました。

 大国主様は、さすがに、逃げることにして、スサノオの大刀と弓矢、スセリビメの琴を持ち、スセリビメを背負って逃げ出そうとした時、琴が木に触れて鳴り響き、寝ていたスサノオが目を覚ましました。

 地上近くまで追いかけてきたスサノオは、「お前が持つ大刀と弓矢で、従わない八十神を追い払え。そしてお前が大国主、また宇都志国玉神(ウツシクニタマ)になって、スセリビメを妻として立派な宮殿を建てて住め。この野郎め」と言いました。

 大国主様は、スサノオの大刀と弓矢で、八十神(やそがみ:兄神)たちを全てやってつけて、国造りを始めました。

 大国主様と結婚するつもりだった因幡国(いなばのくに)のヤガミヒメは、スセリビメを恐れ、生まれたばかりの大国主様の子供を置いて、実家に帰りました。

(因みに、大国主様の奥さんは6人、子供は180人と記載されています。奥さん以外の妾(めかけ)も沢山、おられたと思います。)


<国造り>

 大国主様が出雲の美保岬にいたとき、鵝(ガチョウ:蛾の誤りとされる)の皮を丸剥ぎにして、衣服とする小さな神が、海の彼方から天の羅摩船(あめのかがみのふね)に乗って現れました。

 大国主様は、その小さな神のお供に名を尋ねると、「その神は、神産巣日神(かみむすひのかみ)の御子の少名毘古那神(すくなひこのかみ)である」と答えました。

 神産巣日神は、少名毘古那を自分の子と認め、少名毘古那に大国主と一緒に国造りをするように言ったので、大国主様は、少名毘古那と協力して、葦原中国(あしはらの なかつくに:日本のこと)の国造りを行いました。

 大国主様が、「お前、小さいな~」とからかったので、少名毘古那(すくなひこな)様は、常世(とこよ)に去ってしまいました。

 大国主様は、「これから一人でどうやって国を造れば良いのか」と悩んでいると、海を照らしてやって来る神がいました。

 その神は、「我は汝の幸魂奇魂(さきみたま くしみたま;分身)である。丁重に私を祀れば、国造りに協力しよう」と言いました。

 この神様は、現在、奈良県の三輪山(大神神社)に鎮座する神様(大物主様)です。
 

<国譲り>

 高天原(たかまがはら)から、最初は、天穂日命(あまのほひのみこと:天照大御神様の第2子)が、次には天稚彦(あまのわかひこ:天津国玉神(アマツクニタマ)の子)が国譲りの交渉役に遣わされますが、どちらも大国主様に従ってしまって、高天原に帰ってきませんでした。

 そこで、武甕槌神(たけみかつちのかみ:鹿島神宮の神様)と経津主神(ふつぬしのかみ:香取神宮の神様))が遣わされ、稲佐の浜に剣を突き立てて、国譲りを迫るというものです。

 大国主様は、ふたりの息子に意見を求めようとします。すると、釣りに出ていた事代主神(ことしろぬしのかみ)様は、国譲りに承諾しますが、もうひとりの息子、健御名方神(たけみなかたのかみ)様は反対します。

 そこで、健御名方神(たけみなかたのかみ)と武甕槌神(たけみかつちのかみ)の間で力競べが行われ、息子の健御名方神が敗れてしまいます。

 そのために、出雲大社の建立と引き換えに、とうとう国譲りが実行されるのです。

 敗れた健御名方神は、諏訪まで逃げ、その地に引き籠もって、諏訪神社の祭神になったとされています。
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以上が、大国主様の神話の概略です。


 若い頃からご苦労された上に、最後は、国も取られてしまうという大きな苦難を経験していますので、神無月には、全国の神様が集合されるほどの国津神(くにつかみ)の代表的な神様になられて、ご利益も大きい神様になられておられると思います。

 因みに、国譲りの範囲ですが、出雲の国を譲ったとの話が多いようですが、古事記には、国造りをする際、葦原中国(あしはらの なかつくに:日本のこと)と記載されているので、日本全体を天照大御神様に譲って、自らは、出雲にこもったとの話もあります。

 



<祝 詞(のりと)>

 神社さんにおられる大黒様には、祝詞を奏上して、思いをつたえましょう!

「幽(かく)世(りょ)の大神(おおかみ)、 憐れみ(あわれみ)たまい(たまい) 恵み(めぐみ)たまえ(たまえ)。

幸(さき)魂( みたま) 奇(くし)魂( みたま)、 守り(まもり)たまえ(たまえ) 幸(さき)はえ(はえ) たまえ(たまえ)」


<解 説>
「国造りの神でもある大国主命に対して、自らの精神の浄化と引き換えに、苦難を乗り越えて、願望が実現するように助力をお願いする呪文…と考えてください。

 短い祝詞ですが、力を持った祝詞です。大国主命の絶大なお力に対する敬意を込めて、荘厳な雰囲気で声に出して唱えると、呪文として大きな力を発揮します。」とのことです。

基本は、3回唱えます。どうしても、というときは、8回唱えます。(大国主様は、「8」が好きなので・・)

(※祝詞で、よく言われるのは、1000回唱えると、願いが叶うと言われています。)




<真 言(しんごん)>

 お寺さんにおられる大黒天様には、真言を唱えます。

「おん あろりきゃ そわか」
「おん しらばったにり うん そわか」


基本は、3回
しっかりお願いするときは、7回
思いっきりお願いするときは、7回×3セット

長くなりましたが、頑張ってください!

 

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