全豪オープンの男子シングルスは、第1シードのジョコビッチが第6シードのマレーに勝って5回目の全豪優勝となりました。

 

壮絶なストロークの打ち合いが多く、ポイントの3分の1以上が9本以上のラリーとなり、20回以上のラリーが続くポイントも少なくありませんでした。特に、2セット目までは非常にレベルの高い打ち合いが続いていました。

 

準決勝と決勝を見て、改めてジョコビッチの精神面の強さを感じました。2試合とも勝負を決めたセットは1ゲームも相手に与えずに勝っています。その前のセットまでは非常に均衡した内容だったのですが、最後は相手のワウリンカもマレーも緊張の糸が切れてしまったような感じで一方的な展開になってしまいました。


ジョコビッチの調子はそれほど良いとはいえず、試合中も苦しんでいる場面が多くありましたが、そこから立ち直していくところに強さを感じました。 

 

また、ジョコビッチは流れが相手にあって先にブレークをされたとき後でも、精神的な集中を切らさずに自分のサービスゲームを何とかキープして我慢することができていました。その後に相手のサーブをブレークして流れを引き寄せることができていたのは、さすがランキング1位の選手という感じでした。5セットマッチの試合でジョコビッチを倒すのは至難の業です。

 

 

マレーは昨年腰の故障などもあり思うような成績が残せませんでしたが、準決勝と決勝の試合を見ると以前のようなプレーを取り戻したようです。ランキングも4位に上がり、再びビッグ4の一角として上位争いをすることが予想されます。

 

全豪オープン後のランキング
全豪オープン後ランキング


錦織が準々決勝で負けた後も、準決勝
2試合と決勝を見ましたが、やはり男子のトップ選手のレベルは高いということを実感しました。

 

錦織の実力からすれば、ジョコビッチを含め勝てない相手はもういないと思います。しかし、ランキングが10位以内の選手には簡単には勝てず、必ず勝てるという相手もいないということが分かりました。

 

昨年の全米オープンとATPツアーファイナルの活躍を見て期待が高まりましたが、錦織がグランドスラムタイトルを取るのは簡単なことではないなと感じました。

 

 

トップ10の選手の中で、サーブでのポイントが多くないのは錦織の他にはナダルとフェレールくらいです。ナダルは、サーブのポイントは多くないですが、セカンドサーブは錦織よりもレシーブ側に攻撃されにくいサーブを打つことが出来ます。

 

そうなると、錦織がポイントを取るにはストロークで優位に立つ必要があります。錦織のストロークの攻撃力は、トップ10の中でもフェデラーと並んでトップクラスだと思います。その攻撃力を活かすためにも、まずはストロークの打ち合いで相手を押し込まなければなりません。全豪オープンで錦織が苦戦していた時は、相手が先に仕掛けて攻撃的なショットを打たれていたときです。今後は、このような状況になったときの対応や、このような状況を少しでも少なくすることが必要となります。

 

相手に攻められたときの防御は、ジョコビッチ、マレー、ナダル、フェレールの強さが目立ちます。ジョコビッチとマレーは攻め込まれた状態からの切り返しも上手いですし、ナダルとフェレールはとにかくどんなボールにも食らいついて拾ってきます。これらの選手と錦織が対戦するときは、攻撃力で相手の守りを突き破らなければなりません。


特にジョコビッチとマレーは攻撃できるようなボールを中々打ってくれないので、少しでも錦織のストロークの調子が悪いとかなり苦戦することが予想されます。

 

そして、ナダルとフェレールとクレーコートで対戦するときには、ラリーが続き試合が長くなるので体力面でも万全な状態でないと厳しくなりそうです。

 

 

全豪オープンで錦織が準々決勝で負けたことについて、一部のマスコミが「悲願のグランドスラム優勝ならず」と報じていました。しかし"悲願”という言葉に少し引っ掛かるものがあります。

 

”悲願”には、「是非とも成し遂げたいと思う悲壮な願い」「長い間一心に願っていること」という意味があります。

 

現在の錦織にはグランドスラム優勝というのは手が届かないものではないと感じていますが、全米オープンで決勝に行く前はまだ現実的な目標とは言えなかったと思います。それに、グランドスラムの決勝に行ったのは1回だけで、ベスト8も今回の全豪でたったの3回目です。

 

マレーがグランドスラムで初優勝したのは、グランドスラムの決勝進出して5回目で、それまでに準決勝敗退が6ありました。これくらいであれば悲願の初優勝と言えると思いますが、錦織が次のグランドスラム大会で優勝しても、悲願の優勝には当てはまらないような気がします。

 

 

次のグランドスラム大会は5月の全仏オープンです。クレーコートでの試合ですので、体力面がカギになると思います。また、それまでの大会でコンスタントな成績を残して、できるだけランキングを上位にキープして少しでも上のシードを獲得するのも重要となります。今後も錦織には頑張ってもらいたいですね。


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