脳ドックに行く人 | kyupinの日記 気が向けば更新
テーマ:デプロメール・ルボックス(フルボキサミン不安が強く、心気的な人で、あまりにも頻回に人間ドックや脳ドックに検査に行く人がいる。年齢的には年配~高齢の女性の人で時々見るが、やはり何か苦しい、痛いなど自覚症状があるからだと思う。精神科医としては、あまり意味がないとは思っていても、積極的に「もうやめたら」とは言いにくい。理由は高齢なので、本当に何かあることもありうるから。「検査も疲れるし、そう何度もする必要はないですよ」といったところ。
広い意味での心因性疼痛なのでしょうかねえ。その女性患者さんだけど、クリニックから紹介されて入院当初はそれは酷い状態で、慢性的な不安状態で一時もじっとしていられない様子だった。当初は、抗うつ剤などをいろいろ試してみたが、なかなかうまくいかない。非常に敏感で、すぐ薬についてなんだかんだ言いやめたがるので、合っているかどうかさえ容易に判断できない。結局、時間が経ち、こんな処方で落ち着いてきた。
ワイパックス 1mg
チラージンS 0.5T
デプロメール 50mg
セディール 20mg
他は胃薬、高脂血症薬。眠剤なし。
この人の場合、3環系抗うつ剤は重すぎるし口渇やきつさが出てかえっていけない。少ない量なら服用できないことはないけど、それだと症状がまとまらないのである。一時、非定型抗精神病薬なども処方してみたが思わしくなかった。この人は胃腸の愁訴が多く、デプロメールもこれ以上使えなくて、仕方なくセディールなどを追加。こういうのは、コンピュータが出始めの頃、メモリが高価なので仮想メモリを増やして軽くしていたのに似ている。この処方くらいで退院できたが、これでも家族によれば若返ったような大変な改善だったらしい。
この状態で精神科デイケアに来てもらっている。本人によれば、何かに参加している日のほうが調子がよく、休日は手持ち無沙汰で気分が悪いと言う、それでもどうしても不安定な時期もあり、一時、抑肝散やサフランなども追加していたこともある。抑肝散の場合、興奮を抑えるタイプなのでそう悪くはないと思うが、サフランの場合、変に元気を出し不安が高じてよくないこともある。この人の場合、サフランはそう変化を来たさず、抑肝散については、効いているのかどうか微妙くらいだったのでいずれも中止している。薬がそう好きではないこともある。こういう不安状態を来たす高齢女性の場合、不安、恐怖から薬を嫌がる人も稀ではない。逆に自ら薬漬けになろうとする人もいるが。
ここ数ヶ月に関しては、レスキューレメディとオリーブを併用してまあまあの結果になっている。効果としては使わないよりはまだ安定するといった感じ。オリーブは時々酷い倦怠感が出るから使っていたのであるが、わりあい効いているのだが、他のレメディでもっと良いものがあるかもしれないと思っている。
この人は、夫がそう必要でもない手術を勧められて手術は成功したものの、術後数日で突然死したことが病気のきっかけなのである。もう少しトラウマ的なものを癒すものの方が良いのかもしれない。今のところ、オリーブでも結構苦痛を和らげているのでこのままにしている。
参考
慢性疼痛と手術
オリーブはうつ状態の全身倦怠感に効くのか
デプロメールとレスキューレメディ&PMS

