このブログは個人的なものです。向精神薬については、日常臨床でふと思いついた感想なども書いており、いくらか主観的だとは思っています。その他、「ドラッグ・違法」に属するものも記載しています。このようなドラッグをよく知らないで使う人たちも多くいると思うので、啓蒙になればという気持ちもあります。内容は、決して厳密なものではないです。こういうことをわかっていてほしいです。なお、このブログは2倍の文字サイズで書いているので、ブラウザソフトの文字設定を最大にすると本文の文字が大きくなって読みやすくなります。

kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

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2016-10-01 07:00:00

エビリファイ 小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の適応追加承認

テーマ:エビリファイ

上はエビリファイのさまざまな剤型。1mlの液剤の包装はピンクである。

 

エビリファイの1mlの液剤発売の記事では、これは自閉性スペクトラム障害への適応を見据えての発売であろうと記載している。以下は再掲。(エビリファイ内用液1ml追加発売の予定

 

今回のエビリファイ1mlはちょうど1㎎になるが、自閉性スペクトラムへの適応拡大などを視野に入れているのではないかと思われる。液剤1ml包装なんて、いかにも小児向けだからである。
 

今回、大塚製薬株式会社のサイトでは、以下のようにアップされている。

 

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)は、抗精神病薬「エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)」に関して、「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」の効能追加、および「エビリファイ錠1mg」の剤形追加の製造販売承認を9月28日に取得しました。
 

その詳細として、

 

「エビリファイ」は、当社創製の抗精神病薬。「統合失調症」「双極性障害における躁症状の改善」「うつ病・うつ状態」に次ぐ4つ目の適応症となる「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」の追加承認を取得。開始用量である「エビリファイ錠1mg」の剤形追加も承認。

 

国内の自閉スペクトラム症の患者数は約10万人であり、かんしゃく、攻撃性、自傷行為、またはこれらの複合行為の行動障害(易刺激性)を呈することがある。そのような患者さんへの治療薬は少なく、安全に使用できる薬が望まれていた。


「エビリファイ」は、米国で2009年に小児患者さんに対する「自閉性障害に伴う易刺激性」の承認を受けた。日本においても、医療上の必要性の高い薬として開発要請を受け臨床試験を実施した。

 

とある。なお、自閉症に何らかの適応を持つ薬は、オーラップ、リスパダール、エビリファイになった。(添付文書上)

 

オーラップ

1.統合失調症。
2.小児の自閉性障害、小児の精神遅滞に伴う次記の症状:動き、情動、意欲、対人関係等にみられる異常行動、睡眠、食事、排泄、言語等にみられる病的症状、常同症等がみられる精神症状。

 

リスパダール

1.統合失調症。
2.小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性。

 

この2つは、小児に処方するにはEPSを始め副作用の点で問題が多い。エビリファイは相対的にこれら2剤より副作用は軽い薬である。しかし、いずれにせよ自閉性スペクトラムの随伴症状(2次症状)に対し処方されるものである。

 

なお、今回のエビリファイの添付文書では、1㎎から開始し最高15㎎までとなっている。実際には年齢にもよるが、比較的低用量で処方されると思われる。

 

 

 

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2016-09-29 00:01:43

使い慣れない薬は副作用も出やすい話

テーマ:レクサプロ

 

過去ログでは、使い慣れない薬は効果が出にくいと言う話が出てくる。また同様に副作用も妙に出やすく中止に至りやすい。このようなことから、普段処方しない薬を使っても、そう上手くはいかないことがわかる。

 

また、既に海外で発売され評判も良い向精神薬の治験が上手くいかない理由の1つになっている。

 

僕が関連病院で働いていた当時、先輩から精神科医が処方すると順調にいくのに、内科医や外科医が処方すると上手くいかない話を時々聴いた。その後、長くリエゾンをしていると同じようなことをよく感じる。

 

これは良く考えると、実にオカルトな現象である。それは向精神薬は化学物質だからである。

 

上は、レクサプロの市販後調査(中間集計、2012年1月~2013年12月)について、副作用の部分を抜粋したものである。調査期間は厳密には2012年1月から2013年6月までであった。症例数は2255例である。(ただし承認時までの症例数はこれより少ない)

 

レクサプロで良く診られた副作用は、悪心(140例、4.54%)、傾眠83例(2.69%)、倦怠感(30例、0.97%)であるが、上の表をみると、ほとんどの副作用は承認時までと比べ発売後に著しく減少していることがわかる。

 

主な副作用(%)

食欲減退3.69→0.68

不眠症1.45→0.71

浮動性めまい8.73→0.81

頭痛10.18→0.65

傾眠23.45→2.69

あくび3.64→0

腹部不快感5.82→0.58

便秘4.55→0.36

下痢6.18→0.58

悪心23.82→4.54

嘔吐3.27→0.16

射精障害4.37→0.14

倦怠感7.09→0.97

口渇9.64→0.29

 

実際、患者さんが内科の主治医に「これこれの薬を処方してほしい」と頼んでも、精神科医が処方するより効果も出にくく副作用も出やすい。また、個人輸入で手に入れて服用しても期待していたほど効果が出ない理由が、これらの資料からよくわかると思う。

 

極端な副作用、例えば重篤な中毒疹でさえ、いつも使い慣れた医師が処方するケースと、そうでない医師が処方するケースでは出現率は間違いなく異なる。(もちろん前者が低い。ここがオカルトなところ)

 

これらは医療におけるデジタルでは説明できない現象だと思う。

 

(この記事はオカルトのテーマに入れる予定でしたが、それだとレクサプロの副作用を調べる読者の方の目に触れないため、レクサプロのテーマに入れています)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2016-09-27 00:54:50

SSRIのうつと不安に効くメカニズム

テーマ:デプロメール(ルボックス)

先日、古い製薬会社のパンフレットを整理していた際、SSRIの作用について記載されたものを発見。下敷き仕様になっており、表裏2枚しかないが、シンプルにわかりやすく書かれている。

 

このパンフレットは2007年10月明治製菓株式会社によるもので、おそらくデプロメールを想定していると思われる。

 

SSRIはセロトニンを相対的に効果を高める作用を持つが、うつと不安では脳への作用点が異なることがわかる。

 

 

むしろ裏面のこちらの方が、読者の方には参考になるのではないかと。

 

精神疾患には様々な精神症状が重層していることも多く、精神科医により診断(見立て)が異なる要因の1つである。上のパンフレットを見ると、診断が変わったとしても、「以前は誤診されていた」という表現は、少し違うのがわかると思う。

 

「パニック障害の50~60%にうつ病が併存」などいろいろな記載があるが、このうつ病というのはそのまま訳したからこうなるのではないかと思うが、昔の「うつ病」とはイメージが異なる。

 

昔の「うつ病」は内因性うつ病圏内を言うことが多く、昔風に言えばこの記載は、「パニック障害の50~60%にうつ状態が併存」という感じになる。その理由は、パニック障害は神経症であり、内因性疾患ではないからである。

 

未だにこのブログでは、パニック障害には「うつ病」が併存と言った記載は1度もないはずである。必ず「うつ状態」と記載している。(ただし引用例にはうつ病の表現もある)

 

個人的に、モーズレイなどでよく出てくる「双極性うつ病」というネーミングにもかなり抵抗がある。双極性障害は内因性疾患なので、うつ病という用語はパニック障害に比べずっと使いやすいはずだが、かつて「双極性うつ病」なんて言葉は聴いたことがなかったからである。

 

この場合、「双極性障害のうつ状態」くらいが記載しやすい。

 

参考

現在の境界型人格障害と広汎性発達障害

リフレックスはなぜ不安に効くのか?

 

 

 

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2016-09-24 21:53:20

カランビンのロリキートの餌付け

テーマ:旅行

 

カランビン野生動物公園でのロリキート餌付けの映像。最初の数秒間はピントが合っていないが次第に鮮明になる。

 

ここのロリキートは天然だと思うが、餌付けするため非常に多くの鳥がやってくる。この映像では映っていないが、ロリキート以外の灰色の野鳥もやってきていた。

 

エサは、ココナッツミルクくらいではないかと思う。ロリキートはいかにも気性が激しそうに見えるが、インコ系でもかなり綺麗な鳥だと思う。映像でアップしたのはたぶん初めてである。

 

このような美しい鳥が街で普通に観られるのも、異国情緒だと思う。以下に映像が見られない人のためにデジカメ写真もアップした。

 

 

 

 

 

何かの拍子に大半のロリキートが飛び立つ。その瞬間、雨のように細かい水滴が落ちてくるが、彼らの嘴から落ちたエサの露なのか、噴霧状になった彼らのフンなのかは不明である。

 

(読者の方の希望もあり今日から文字サイズをLとしました。なお、新エディタ以降の過去ログもLに変更しています。)

 

 

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2016-09-22 13:32:33

ジプレキサからシクレストに変更後の体重減少

テーマ:向精神薬

従来投与されている抗精神病薬から、シクレストに変更する場合、たいていの精神科医は、漸増、漸減で行うのではないかと思う。そう思う理由は、新発売の抗精神病薬は、資料の範囲でしか力価やどのような副作用が生じるかわからないからである。

 

ジプレキサとシクレストは同じカテゴリーの抗精神病薬だが、コントミン換算では、ややシクレストの方が弱い。同じ用量に移行すると、若干、薬を減らしたような感じになるはずである。

 

例えば、ジプレキサ10㎎はコントミン330㎎程度であるが、シクレスト10㎎はコントミン250㎎くらいになる。ジプレキサとシクレストは上限の用量は同じ20㎎なので、シクレストは最大限処方してもコントミン500㎎程度にしかならない。(ただ、コントミンは過去も日本人に500㎎も処方されにくかった。自律神経系副作用が多いからである)

 

コントミン100㎎を基準とする等価換算
シクレスト  4㎎
エビリファイ 4㎎
クロザリル  120㎎
コントミン  100㎎
セレネース  1.6㎎
ジプレキサ  3㎎
インヴェガ  1.2㎎
セロクエル  60㎎
リスパダール 0.8㎎
セルチンドール 4.8㎎
ジプラシドン  16㎎

ルラシドン  16㎎
(セルチンドール~ルラシドンは本邦未発売)

 

シクレストが発売後、ある男性患者さんをジプレキサ10㎎からシクレスト10㎎に漸減、漸増で切り替えてみた。過去にこの男性はジプレキサからエビリファイに切り替えたことがあるが、エビリファイに切り替えて、1年くらい様子をみても一切体重は減少しなかったのである。エビリファイは精神症状の改善度がジプレキサに劣り、切り替える価値がないと判断し、ジプレキサに戻した人である。

 

今回、シクレストに切り替えた際、順調だと思った。

 

7月末にシクレスト10㎎に変更(ジプレキサ10㎎>5㎎に減量)8月上旬にジプレキサ中止。 その後、約2か月でマイナス3㎏と体重減少している。

 

本人によると、食べる量はあまり気にしていないが、たぶん食事の量はむしろ増えているという。向精神薬の体重への影響は過食の来しやすさ、つまり摂取カロリーだけではない。その証拠にダイエットしていてもかなり増える人がいる。

 

なお、この男性が最も体重が低い(むしろ痩せていた)時期は、セレネース単剤で治療していたころである。あの当時に比べ、今の方がずっと溌剌している。(つまり抗精神病薬としては優れていると言う意味)。

 

このまま順調に減っていけば、1年で8㎏以上もありえるのではないかと予想している。以下に参考資料を挙げてみた。

 

体重増加の影響度の資料(プラセボと比較。下に行くほど体重増加を来しやすい)

セレネース

ジプラシドン

ルラシドン

アミスルピリド

シクレスト

インヴェガ

リスパダール

セロクエル

セルチンドール

コントミン
イロペリドン
クリザリル
ロドピン
ジプレキサ
(青字は本邦未発売)

 

となっている。この資料は元の論文が古いためかエビリファイが入っていない。個人的に、ロナセンは一番上あたり(つまりエビリファイよりも体重が増えない)にあると考えている。

 

過去ログから、モーズレイのガイドライン(12版)の資料。抗精神病薬で引き起こされる体重増加の比較の表である。この表では、上に行くほど体重増加が著しいとされていることに注意(上と逆の順)。こちらの資料の方が上より新しいが、ドグマチールの方がセレネースより体重増加を来さないとされているなど、臨床での実感とは異なる印象がある。

クロザリル(High)
ジプレキサ
コントミン(Moderate)
Iloperidone
セロクエル
リスパダール
インヴェガ
Amisulpride(Low)
アセナピン
エビリファイ
セレネース
Lurasidone
ドグマチール
Trifluoperazine
Ziprasidone

 

参考

シクレストはジプレキサにもセロクエルにも似ていない

シクレスト(アセナピン)の等価換算表

シクレスト(アセナピン)2016年5月26日発売予定

シクレスト(アセナピン)2016年6月発売の見込み

 

 

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