このブログは個人的なものです。向精神薬については、日常臨床でふと思いついた感想なども書いており、いくらか主観的だとは思っています。その他、「ドラッグ・違法」に属するものも記載しています。このようなドラッグをよく知らないで使う人たちも多くいると思うので、啓蒙になればという気持ちもあります。内容は、決して厳密なものではないです。こういうことをわかっていてほしいです。なお、このブログは2倍の文字サイズで書いているので、ブラウザソフトの文字設定を最大にすると本文の文字が大きくなって読みやすくなります。

kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

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2016-06-30 19:51:03

表情が良くなったことが全然わからなかったという話

テーマ:プレコックス感
今回は2年くらい前のエピソードである。

ある日、外来婦長がまだ婦長になったばかりの頃、僕が、ある患者さんの診察を終えた瞬間、彼女に振返り、

今日はとても表情が良かったですね。

と言った際、彼女は患者さんの表情の何がどう良かったのか全然わからなかったという。

「表情が良い」と言う精神所見は、笑顔が良かったとか、穏やかな表情だけではないが、一般的な表情も含まれるので、

いったい、この2人は何を診ていたんだ!

と言う話になる。彼女によれば、2年くらい経ち、やっと僕が言う「表情が良い」という所見が理解できるようになったらしい。

正直、2年間もわからなかったという話が自分には不思議でならなかった。同じ現場にいるのにである。

彼女は一般的な意味で、表情のわからない人ではない。例えば僕の診察中、ある瞬間「ぱっと表情が明るくなった」と指摘したりする。ちょうどその時、僕はカルテを記載していたので見ていなかった。彼女によると、僕が「きっと良くなる」と言うメッセージを伝えたので、明るくなったのでは?と話していた。

しかしながら、表情の良さというある意味、抽象的なものを、彼女と真に共有できているか自信がない。

今日のエピソードは、平凡だが、精神医療という視点で、かなり深いのではないかと今も思っている。

参考
プレコックス感はなくなるのか?
3人目の女性患者
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2016-06-29 01:46:43

ホーホケキョ

テーマ:旅行


上の映像はある温泉地で撮影というか、収録したウグイスの「ホーホケキョ」。撮影した瞬間に囀りを捉えたが、これは偶然である。

外は川が流れる藪だが、警戒心が強くウグイスの姿は見えない。しかし、しきりに色々なパターンで囀っている。

綺麗に「ホーホケキョ」と聴こえるのは稀で、たいていは、短く「ケキョケキョ」くらいを繰り返している。

最初、僕たちは、まだ若いウグイスが囀りの練習をしているのかと思った。

しかし「ケキョケキョ」という繰り返しは、縄張り争いの警告らしい。

この温泉はあまり有名ではないが、家庭画報にも紹介されている。この温泉が、これだけの情報でわかった人は凄いよ。

ヒント
①名湯。
これ以上の泉質は、僕は知らない。

②浦和レッズの4番も訪れている。
これはかなりのヒントだと思う。



参考
白いカナリアの囀り
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2016-06-27 07:17:17

幻聴が物語的に改善する

テーマ:内因性の正体
今回の話は典型的な経過ではないことを最初に言っておきたい。

普通、幻覚が改善する際に、それを言語化できる人が多い。簡単な表現では、

「今は聴こえないですね」

とか、

「夕方に少し聴こえるくらいです。聴こえ始めても1時間くらいになりました」

などである。

統合失調症の人はそんな風に言っているのに病識が出てこないのが不思議なところ。だから、治癒ではなく寛解と言われるんだと思う。(基本的に統合失調症は真の病識はない)

しかし、そういうパターンではなく幻覚エピソード全体が物語的に改善する人がいる。

例えば、「ソ連が攻めてくる」とか「中国人に襲われる」とか、いかにも荒唐無稽な内容の幻聴で、

「今はソ連は撤退すると言っています」

などと言い始める。どうしてわかるのかと問うと、

「元帥がそういう風に言っている」

などの返事が来る。また幻聴がかなり減っているとは言うのに、内容が妙に具体的で、話の流れがしっかりあるのである。(人によると、聴こえてくるが、内容まではわからないと言う人もいる)

しかし、ソ連が撤退すると言う連絡を受けると、不安感や動揺がかなり改善する。それは表情もそうだし病棟内での行動も落ちついたものになる。例えばテレビなど観るどころではなかった人が、ゆっくり座って観ているなどである。

それでもなお、「先生は私を病気と思っている」などと言っているので、この時点では病識が出てきたわけではない。

その患者さんはソ連が撤退したために、幻聴が大幅に減っていると言う解釈なのである。ロシアではなくソ連であることも含め不思議な解釈だと思う。

そういう経過だから病識が出現しないのかもしれない。

なおこの患者さんは自分の診断では統合失調症ではない。実に統合失調症っぽい幻覚だが、症状精神病か薬物性ではないかと考えている。(つまり広義の器質性疾患)

症状性なら完治もあるが、後者だと厳しいと言う見通し。

良く考えるとこのタイプの改善のパターンは、統合失調症の人ではあまりないことに気づく。

参考
統合失調症っぽくない妄想
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2016-06-24 18:50:53

ジプレキサのジェネリックの薬物動態のばらつきについて

テーマ:ジプレキサ
今日の記事はやや専門的だが、薬剤師ないし薬学部の学生さんにはすぐにわかる内容だと思う。

今回、ジプレキサのジェネリック(オランザピン錠)が発売されるが、各社ジェネリックの薬物動態にかなりばらつきがみられる。これは製剤の際、先発品の特許があるので全く同じ製法がとれないことや、賦形剤の相違も関係があるのかもしれない。

なお、賦形剤とは薬に混入される添加物である。これは錠剤の形状を安定させたり、服用しやすくするためのもので各社は全く同じものを使っていない。賦形剤の代表的なものはデンプンや乳糖などである。

先発品のジプレキサの薬物動態の各スコアは、錠とザイディスで微妙に異なる。ザイディスの方が、若干だがTmaxが遅れ、Cmaxが低くなっている。Tmaxは最高血中濃度到達時間、Cmaxは最高血中濃度のことである。しかしこの差異は僅かなので有意差はないと思われる。

以下は5㎎錠の先発品の資料である。

ジプレキサ錠
Tmax 3.4±1.0(hr)
Cmax 10.9±2.8(ng/mL)
AUC 259±72.0(ng・hr/mL)

ジプレキサザイディス
Tmax 3.8±1.1(hr)
Cmax 10.2±1.7(ng/mL)
AUC 260±58.7


ここまで薬の形状が異なるのに、この一致率は結構素晴らしいのではないかと。

ここで出てきたAUC(血中濃度-時間曲線下面積)とは、血中濃度×時間の値であり、いわゆる曲線を積分した値である。これは総合的なその薬物の作用の強さを表している。先発品に比べ血中濃度が高すぎるとAUCは高くなる。また血中からの薬物の消退が遅くなってもAUCは高くなる。

AUCは一緒に取る食物や薬物、あるいはタバコなどからも影響を受ける。

ジプレキサの5㎎錠およびザイディス5㎎錠は、服薬後3時間半くらいで血中濃度がピークになり、その際の最高血中濃度は、10~11ng/mLくらいということになる。

ジプレキサのジェネリックは、これら薬物動態のスコアが先発品とかなりかけ離れたものもある。ジェネリックのうちわかっているものだけここに挙げる。いずれも5㎎の資料である。

第一三共 
Cmax 8.49±1.95(ng/mL)
AUC 264.1±47.5(ng・hr/mL) 

Meiji Seikaファルマ
Cmax 10.8±2.3(ng/mL)
AUC  319.6±65.4(ng・hr/mL)

田辺三菱
Cmax  13.2±4.2(ng/mL)
AUC  215.0±44.6(ng・hr/mL)

ファイザー
Cmax  8.87±2.03(ng/mL)
AUC  293.7±76.6(ng・hr/mL)

杏林
Cmax  8.49±1.95(ng/mL)
AUC  264.1±47.5(ng・hr/mL)

共和薬品(アメル)
Cmax  7.55±1.61(ng/mL)
AUC  221.86±38.06(ng・hr/mL)

テバ製薬
Cmax  25.732±7.326(ng/mL)
AUC  595.587±173.831(ng・hr/mL)

日医工
Cmax  7.74±1.89(ng/mL)
AUC  265.73±47.5(ng・hr/mL)

東和薬品
Cmax  10.740±2.449(ng/mL)
AUC  247.6±33.3(ng・hr/mL)

高田製薬
Cmax  10.94±2.35(ng/mL)
AUC   278.95±67.15(ng・hr/mL)

ニプロ
Cmax  13.2±4.2(ng/mL)
AUC  215.0±44.6(ng・hr/mL)

大興製薬「JG」
Cmax   8.87±2.03(ng/mL)
AUC   293.7±75.6(ng・hr/mL)

大原薬品
Cmax  8.399±1.403(ng/mL)
AUC  243.1±48.3(ng・hr/mL)

上記以外のジェネックの資料は自分にはわからなかった。判明しているものだけ挙げている。個々の数値は有効数字が異なるものや、測定結果が間違っているか、測る基準が異なるのではないかと思われるもの(テバ製薬)もある。

これらをみると、ジプレキサのジェネリックの薬物動態のばらつきが大きすぎて、先発品と同じ薬とは言い難いジェネリックもあるように思われる。

青で色を付けたスコアは比較的先発品の値と近いものである。(感覚的なものだが)

先発品とほぼ同じ薬物動態を示すジェネリックを選択したいものだ。

また、薬物動態的に全く同じ薬を製造することは意外に難しいものだと思った。

参考
ジェネリックの都市伝説
考察、「ジェネリックの都市伝説」
ジェネリックの考え方
リスパダールとジェネリック、雑感
ロヒプノールとサイレースとフルニトラゼパム




2016-06-22 21:01:10

額紫陽花(ガクアジサイ)

テーマ:日記


上の花は「額紫陽花(ガクアジサイ)」と呼ばれる。名前の由来は中心の珊瑚状の小さな花を大きな花が囲んでおり額のように見えるからと思われる。

写真は周囲の白い花が、中心の珊瑚上の青い小さな花に比べ大きい。



不思議なバランスの奇妙な花だと思う。なぜかと言うと、全く異なる2種類の花が1つの植物に咲いているから。



これは中心の青の珊瑚状の花がとても目立っており、周囲の額の部分の花が発達していない。

わずかに紅が混じった白い花が可憐だと思った。

額の部分の白の花が青のものもあるようである。



日当たりもあるのか、花の大きさがいろいろである。

なお額紫陽花の花言葉は「謙虚」。
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