生薬の上品・中品・下品 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


漢方の食養生を生活に取り入れていくには、その基本の考え方を知っていただこうってことで、四気五味帰経 と、その性味の分け方活かし方 など、お届けしてきました。


そんな漢方の基礎シリーズ、今回は生薬の「作用の強さ」による分類です。上品(じょうぼん)・中品(ちゅうぼん)・下品(げぼん)の3ランクに分けられます。


上品・下品は、じょうひん・げひんと読んで、人や物事の品性について言うときに使われますね。「上品なレディ」とか、「下品なこと言わないで」とか。生薬の分類も、それともとは同じなんです。


中国では、人物や物の性質を分類するのに、九品(くほん)を使ってきました。上品・中品・下品の3つの大きな分類に、それぞれ上中下の小分類をつけて、合計で九品。


東京の世田谷にある浄心寺には、3つの阿弥陀堂に3体ずつの阿弥陀仏があって、合計9体の阿弥陀仏像があるために、九品仏と呼ばれています。仏教の経典も、九品を使って分類されているようです。


生薬の上品・中品・下品は、作用の強い順じゃなくて、緩やかな順に分けられています。その基本は、「良医には医学十年の労」 に登場した『神農本草経』です。


1 上品薬

作用が穏やかで、毒性がなく、長く服用しても副作用がほとんどないもの。体質改善や健康長寿に、また他の薬の副作用を抑えるために使います。ハトムギ(ヨクイニン)ハブソウ(ケツメイシ)フジバカマ(ランソウ)ウコギ(ゴカヒ) 、 ニンジン、カンゾウ、レイシ、ゴミシ、ゴマなどがリストされています。


2 中品薬

上品薬よりも作用が強く、一定以上の量を摂ると副作用が出るため、続けて服用するときは、1回分の量を少なくします。病気に対する抵抗力をつける薬。クズ(カッコン)、オミナエシ(ハイショウ) 、マオウ、シャクヤク、ライチ(リュウガン)などがあります。


3 下品薬

急病で、症状が強いときに使う、作用の強い薬。毒性があるため、長く飲み続けると、からだに害をおよぼします。使うときは、上品薬を組み合わせて、副作用を軽減します。キキョウ(キキョウコン) 、ブシ、ハンゲ、ダイオウ、キョウカクニン、トウカクニンなどがあります。


こうしてみると、現代西洋医学で使われる薬は、中品~下品薬ってことになりそうです。漢方では、上品薬よりも上に、食品がランクされるので、健康のためには、まずは食事が大切ってことですね。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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