食養生 性味を体調管理に活かすには | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


このところ漢方の基本理論に続き食養生について、お届けしています。薬食はからだの中でどんなふうに効いていくのか?四気五味帰経 はどんなふうに影響していくのか?このあたりについて、確認するとしましょう。「性味は食材のどこで分けるの?」 もご参考に。


1 温熱性は温める/寒涼性は冷やす

夏の冷えにも生姜 だし、冷えにスパイスひとふり がオススメなのは、このためです。

白菜や大根の冬野菜は涼性、実は平性という説もありますが、鍋物にすれば温性に変身します。

茄子は寒性なので、煮たくらいでは温性に変身はしてくれません。だから「秋茄子は嫁に食わすな」と言われたり、焼き茄子に生姜を乗せたりするんですね。


2 軽いものは昇らせたり発散させたりする

重量の軽いもの、漢方薬では葉・花・小枝ですが、食材では胡椒のように小粒なもの、シソやシャンツァイのような薄い葉、ネギのように薄くむけるものなどに、この性質があります。

昇る=上向き、発散する=外向きですから、下向き・内向きの症状緩和に効く。たとえば下痢や内臓下垂、外邪が体内に入り込もうとしているときなどにいい。漢方薬では、解表・催吐・昇陽・散寒などの働きになります。


3 重いものは降ろしたり沈めたりする

重量の重いもの、漢方薬では根茎や鉱石、牡蠣殻などで、食材では根菜類、ゴーヤやキュウリのように苦味のあるもの、セロリや白菜のように肉厚なものに、この性質があります。

降りる・沈む=下向きで、さらに収める=内向きでもあり、上向き・外向きの症状緩和に効く。たとえば嘔吐や咳、ゲップ、便秘、のぼせ、イライラなどにいい。漢方薬では、降逆、潜陽、止嘔、平喘、清熱、しゃ下、利尿、安神などに働きます。

「春は山野草でからだのおそうじ」「七草の効用って?」 にあった「苦降」はこれです。


4 水気の多いもの・粘り気のあるものは潤す/熱性で乾いたものは乾燥させる

山芋や蓮根のように、水分が多く粘り気があるもの、魚や海藻のように、水の中のものは潤いを与えてくれます。反対に、唐辛子のように、辛熱性で水気のほとんどないものには、乾燥させる働きがあるのです。

全体としては、それぞれバランスよくとるようにして、あとは体調しだいで、いま必要と思われるものを追加するといいですね。

一天一笑、今日もいい1日にしましょう。

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