七草の効用って? | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


今日は七草ですね。去年も「今日は人日、七草粥」 で、由来やら七草の効用やらを書いていますが、今年は七草それぞれについて、もう少し詳しくみてみましょう。


1 セリ …涼性、甘味・辛味、降性

セリの葉と茎を乾燥させたものは、水芹(スイキン)という生薬で、体内にこもった余分な熱をとる、水分代謝をよくして尿の出をよくする・発汗をうながすなどの作用があります。生の新鮮な葉と茎は、その香り成分が食欲を増進してくれます。涼性であるために、陽虚体質タイプ(→No.43 )の方はもちろん、胃腸の冷えに弱い子どもや妊婦さんは、食べ過ぎないほうがいいでしょう。(参考:『東方栄養新書』メディカル・ユーコン)


2 ナズナ

ペンペン草ともいいます。陰干しにして乾燥させたものを便秘・血尿や肝臓病などの煎じ薬として使ったり、葉や根を黒焼きにしたものを下痢や腹痛に使ったりしたようですが、薬草事典には記載がありませんでした。(参考:e-yakusou.com 春の七草


3 ゴギョウ(ハハコグサ)

花が咲くころに採集して日干しにしたものが、鼠麹草(そきくそう)という生薬になります。利尿(尿の出をよくする)や去痰(痰をきる)、鎮咳(咳をしずめる)などの作用があります。江戸時代にヨモギが使われるようになるまでは、草もち用の草として使われたようです。(参考:『薬用植物大事典』家の光協会)


4 ハコベラ(ハコベ)

花が咲くころに採集して日干しにしたものが、繁縷(はんろう)という生薬になります。十分に乾いたものをすりつぶして、同量の塩と混ぜたハコベ塩は、歯肉炎や歯槽膿漏予防になります。また、乾燥したものを煎じたり、生のものをゆでたりして、産後の浄血やお乳の出をよくするために使われたといいます。(参考:『薬用植物大事典』家の光協会、e-yakusou.com 春の七草


5 ホトケノザ(コオニタビラコ)

タンポポに似たような葉と黄色い花で、地面にはりつくようにして、田んぼに生えるそうです。ホトケノザという名を、あとからやってきた紫色の花を持つホトケノザにとられてしまったとか。苦味があるそうなので、漢方でいう「苦降」で胃の降濁作用を助けるはずです。「春は山野草でからだのおそうじ」 にも書いたように、ほろ苦さにはデトックス作用があるんです。(参考:「里山植物紳士録」春の七草③


6 スズナ(カブ)

カブの根が鈴のような形をしているため、鈴菜(すずな)と呼ばれたようです。根や葉を煮て食べると、線維質が多いため、便秘の予防になります。また、種子をすりつぶして酢を加えると円形脱毛症に、根をすりおろしたものはしもやけにいいそうです。(参考:『薬用植物大事典』家の光協会)


7 スズシロ(ダイコン) …涼性、生は辛味で昇性、加熱すると甘味で降性

カブに代わるものという意味で、鈴代(すずしろ)という別名がついたようです。種子を日干しにしたものは、胆のうの働きを助け、痰をきる作用があります。根は、皮付きのまますりおろせば、胃アトニー、吐き気、二日酔いなどに役立ちます。また、ジアスターゼをはじめとする消化酵素が豊富なため、消化を助けて、胃腸の働きをととのえます。おろし汁でうがいをすると声のかれやのどの痛みによく、陰干しした葉をお風呂に入れると冷え予防や疲労回復になるそうです。(参考:『薬用植物大事典』家の光協会、『東方栄養新書』メディカル・ユーコン)


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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